ぷるぷるぼくわるい魔族じゃないよ   作:メヌエットゆりー

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アウラと謎の魔物S

 

「は?温泉が枯れてる?どうしてこうなった」

 

「それが原因不明で、急に温泉が流れなくなった。

源泉の方を確認しようにも冒険者が1人もおらん状況でな」

 

「源泉ってどこにあります?僕が確認してきます」

 

「お嬢ちゃん1人で大丈夫?」

 

「これでも魔法使い兼僧侶兼武術家なので大丈夫ですよ」

 

「名乗りすぎじゃない?まあ、よいか。

北の山をずっと登ったところにあるはずなのじゃが見てきてはくれんか。

もちろん報酬は出すし、無事に解決したのなら温泉は無料にする。これでどうじゃ?」

 

「わかった。その依頼受けさせてもらいます」

 

僕は準備を整えてまだまだ青い葉が見られてもう少ししたら紅葉が見られそうな山を登り、元温泉の通り道を調べていると声をかけられる。

 

「さっきのあなたね!やっと見つけたわよ。さっさとこの魔法を解いてくれないかしら!!」

 

誰だこの人?あれ?あの角ってもしかして魔族?

 

僕はダッシュで駆け寄り角を触る。

 

「あっ、ちょっ!そこはダメ!!」

 

「本物だ…………あなたって魔族?」

 

「さっき私に魔法をかけたの忘れたの!!」

 

「魔法?…………あ!うるさいから黙らせた人!!」

 

まさか魔族だったなんて!!温泉を楽しみにしすぎて本来の目的を忘れていた。

 

「やっとわかったわね、じゃあ解いてもらってもいいかしら?」

 

確かブラズーレとモスキテだったよね?はい、解除。

 

「…………無くなったわ。胸付近の気持ち悪い感覚とうるさい羽虫の音が消えたわ!!」

 

「じゃあ僕はこの辺で」

 

目の前の人の横を通って何事もなかったかのように通り過ぎようとするが、肩を掴まれる。

 

「待ちなさい、まだこっちの話が終わってないじゃない」

 

「なんですか?またプリン体を増やされたいんですか?」

 

「プリン体って何かしら?それよりもあなた、私の配下にならない?」

 

「なりません」

 

「なぜ?私についてくれば好き放題できるのに?」

 

「師匠に知らない人には付いて行かないように言われてるので」

 

「小さい子供じゃないんだから……本当についてこない?人だって殺し放題よ?」

 

「あっ、僕は女神様を信仰しているので」

 

そう言いながらクラフトに貰った女神様の姿を模したアクセサリーを見せる。

 

「…………あなた本当に魔族よね?」

 

「魔族ですよ?」

 

「人を食べたいと思わないの?」

 

「人なんて食べたらプリン体が増えますよ。それにリンゴの方が100倍美味しいので。

ほら、食べてみてください」

 

人面樹リンゴを口に捩じ込む。

 

「…………あら、本当!って違うわよ、確かにリンゴは美味しいけど人を食べたくなるのは魔族の本能でしょ?」

 

「勝手に人の本能を決めつけるのはダメですよ。僕の場合その本能がリンゴに向いていただけかもしれないのに」

 

「確かにそうね、ごめんなさい。……じゃないわよ。なんで私が振り回されてるのかしら…」

 

「それよりも名前を教えてくださいよ。僕はリーニエです」

 

「断頭台のアウラよ。聞いたことあるでしょ?」

 

アウラ?どこかで聞いたような………

 

「あっ、確定申告の人」

 

そういえば某画像サイト(青いP)で確定申告を書かせられてた人だ。

 

「確定申告って何よ、私は七崩賢の1人断頭台のアウラよ!聞いたことない?」

 

「七崩賢?確か強い魔族だとかなんとか師匠が言ってたような……」

 

「そうよ、私は魔族の中でもトップクラスに強いもの。それで従う気になったでしょ?」

 

「え?なんでですか?従いませんよ」

 

「………」

 

「………」

 

するとアウラさんは懐から天秤を取り出す。

 

服従させる魔法(アゼリューゼ)

 

僕の中から魂のようなものが飛び出し、天秤に置かれる。

目の前のアウラさんも同様に魂が天秤に置かれる。

 

「この魔法は魔力の大きい方に強制的に従わなければいけなくなる魔法よ。確かにあなたの魔力はかなり多いけど私ほどじゃないわね」

 

あれ?これってもしかしてまずい?このままいけば無理やり従わされてエッチなことさせられるんだ!エ◯同人みたいに!!エ◯同人みたいに!!

 

「ほら、私の方に天秤が傾くのが見えるでしょ?」

 

まずいな、一回死んだらいけるかな?

 

『リザオラル』

 

「今更何しても遅いわよ」

 

僕は自分の手を心臓に容赦なく突き刺した。

 

「え?」

 

ドロドロとした血が心臓から流れ出し、僕の手を赤黒く染めながら鼓動を止める。

僕は前方に倒れ、口の中に少し土が入ってしまう。

どんどん寒くなっていくな。死ぬってこんな感覚なのか。

前回はメガンテで即死だったから少し時間があるのが新鮮だな。

 

「自分から死を選ぶだなんて………そんなに私に従いたくなかったってこと………」

 

すると僕の体が光りだし、心臓の傷を一瞬で治す。

 

「そりゃ誰だって無理やりは従えられたくありませんよ」

 

「え?え?え?な、なんで?今さっき自分で心臓貫いて、天秤からも魂が消えて死んだはずじゃ?」

 

「確かに死にましたよ。そして生き返っただけです。あとやっぱり死んだら天秤に乗った魂はリセットされるんですね」

 

「……何が何だかわけがわからなくなってきたじゃない」

 

「じゃあ今のうちに」

 

僕はそう言いながらアウラさんの後ろに回り込み、自分の足をアウラさんの足に引っ掛けながら首に手をかける。

その時にアウラさんの右手を自分の脇で固定する。

 

「え?」

 

そうコブラツイストである。

 

「痛い!痛い!痛い!」

 

「なんであんなことしたんですか?」

 

「話すから!離して!」

 

「本当ですか?」

 

「本当だから!!」

 

仕方ない、コブラツイストをやめてその辺の岩に座らせる。

 

「それでなんで僕を手下にしようとしたんですか?」

 

「………ゆ、勇者が怖くて…」

 

「勇者?あのハゲのことか……確かに僕が全力を出せばあんなハゲの勇者なんて瞬殺ですが……誘い方が無理やりすぎません?」

 

「だって普通なら魔力の多い方に従うのが魔族なのに貴方は従わなかったじゃない」

 

「だって何も知らない人に従いたくないですし、さっきも言ったけど人を殺す気もないし…

あと人間を簡単に殺せると思わない方がいいですよ。僕の師匠も人間に封印されたので」

 

「貴方の師匠?」

 

「はい、腐敗の賢老クヴァール師匠です」

 

「く、クヴァール!!」

 

「やっぱり師匠って魔族の中でも有名なんですか?」

 

「……魔王様の次に有名な魔族よ?弟子の貴方が知らないの?」

 

「逆に身近な人の世間からの評価ってわからないもんじゃないですか」

 

それから30分ぐらいアウラさんと会話を続けていると依頼でこの山に来ていたことを思い出す。

 

「そういえば依頼を受けていたのを思い出したので手伝ってください」

 

「な、なんでよ。私が手伝う理由なんか…」

 

「僕に対する迷惑料です。それとも魔法の実験体になりたいですか?」

 

「は、はい……手伝います」

 

 

アウラがパーティーに加わった。

 

 

「それでアウラさんって戦えるんですか?」

 

「これでも七崩賢なのよ?戦えるわよ。

それよりも貴方は戦えるの?見たところ復活する魔法を使っているようだけど」

 

「アレ以外にも炎を出したり氷を出したり雷を出したり師匠の人を殺す魔法(ゾルトラーク)も使えますよ」

 

「多才ね、貴方歳は?」

 

「えーと……22歳?」

 

「えっ、若すぎない?その歳であの魔力量に多彩な魔法を使えるなんてすごいわね」

 

そうやって歩きながら喋っていると魔物の唸り声が聞こえてくる。

この感じはかなり大きいな。

 

ひょこっと顔を出して確認してみると黒い毛むくじゃらの魔物が源泉に浸かっていた。

多分あの巨大で温泉が湧き出てくる穴を塞いでしまっているから流れてこなくなったのか…

 

「ねえ、アウラさん」

 

「何かしら?」

 

「さっきの天秤って魔物にも効果あるの?」

 

「あるわよ、やってあげましょうか?」

 

「お願いします。あの魔物に命令してどこか遠くへ行かせてください」

 

「わかったわ。『服従させる魔法(アゼリューゼ)』」

 

すると魔物とアウラさんから魂が飛び出して天秤に乗せられる。アウラさんの方に天秤が傾き支配が完了したそうだ。

 

「なんて命じればいいのかしら?」

 

「そこを離れてもう一個北の山に住んでってお願いしてくれます?」

 

アウラさんは僕が言ったことを復唱して魔物に命じる。

すると魔物は動き出し、のそのそと北の方へ歩いて行く。

 

そしたら源泉を見ると温泉への通り道に水が流れ始めた。

 

「これで一件落着だな」

 

「じゃあ私はこれで帰らせてもらうわよ」

 

僕は逃げようとするアウラさんの角を掴み逃亡を阻止する。

 

「ひゃっ!角は止めて」

 

「せっかく2人で解決したんですし温泉に入りましょうよ。角なら僕がどうにかするので」

 

「温泉って…………街に入るの?」

 

「そうですよ。角を隠せば入れますって」

 

「なんで私が貴方と入らないといけないのよ」

 

「友達じゃないですか」

 

「私と貴方がいつ友達になったっていうのよ!」

 

「え?今からですけど」

 

「…………はぁ……もういいわ。友達でもなんでもなってあげるわよ」

 

魔族の友達ができた!嬉しいな、でもアウラさんも人を食べちゃうんだもんな………定期的にプリン体増やして痛風にしてもう食べたくなくそうかな?

 

そんなことを考えながら街へ戻るためにアウラさんと一緒に山を下っていると僕とアウラさんが天秤で戯れあった場所で何かが聞こえる。

 

これはヒビが入っているような…何かが破れたような音だ。

 

「アウラさん……少し待ってて。何かおかしなことが起きた」

 

「この変な音のこと?」

 

「うん、さっき僕とアウラさんが天秤に魂を乗せた場所から音が鳴っている。少し確認してくる」

 

そう言って僕は茂みからゆっくりとその場所を見る。

すると1匹の魔物がそこにいた。

 

海のような青い体。

光を反射しない恐ろしい目。

ずっと変わらず笑い続ける赤い口。

30センチから40センチほどの大きさを持った本来なら不定形のそれは丸みを帯びながら先は尖った形になっていた。

 

「こ、この魔物は!!!」

 

しかしなんでこの世界にいるんだ!もしかして僕が何かしたのか?まずい心当たりがない。

本当になんで、なんで

 

「この世界にドラクエのスライムがいるんだよー!!!」

 

僕のその叫び声は山の中で響き渡り、やまびことなって何度も繰り返され、僕の言葉だけがこの山の音を支配した。

 

 

 





ヤツが現れた理由もしっかりと書くつもりなのでご安心ください
きちんと考えていますよ

魔法のカッコについて、どちらがいいですかね?下のやつなら今までのも修正してきます

  • 『』
  • 《》
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