『追放』の力を授かった俺!今から人生を満喫してやるぜ!納得できねー奴は追放だあ~!   作:でぃくし

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やばい!出世街道まっしぐらか!?

 

「おい荷物持ち!荷物持ちのクセにあちこち勝手に動くんじゃない!」

「へい!すいやせんでしたあ~!」

 

追放されてから数時間後の今、冒険者となった俺は人生で初めてダンジョンに潜っていた。もちろんただの荷物持ちと言えど、魔物が徘徊するダンジョンに同行など俺のような素人が誘われるわけがない。

 

 

 

素人に出来る仕事と言えば採取や宅配、害虫の駆除、引っ越しの手伝い程度で最初はそういった簡単な仕事から引き受けて経験を積んでいくのが定石だ。

 

もちろん俺だって当初は草むしりでもしようかなと軽く考えていた。

にもかかわらず何でこんなことをしているかというと他に仕事がなかったからだ。

 

楽な仕事は真っ先に他の冒険者に手をつけれられてしまい、俺のような素人にはなかなか仕事が回ってこない。

 

そう、すべてはコネだったのだ!

 

 

 

残っている依頼といえば怪しい内容のものばかりだ。

 

例えば『腐った豆の匂いが残る人肌を採取してください』とか『知性と理性、そして感情の納品』だとか『綺麗なお嫁さんが欲しいのにもう40歳……。このままでは世界を滅ぼしてしまいそう、助けて……』などの何をさせられるのか理解できない依頼ばかりで、とてもではないが初心者の俺では引き受けることが出来なかった。

 

あまつさえ俺の<追放>の力を試せそうなものは全くない!

爺さん、俺が楽して稼げる依頼を紹介してくれるんじゃなかったのかよ~!?

 

 

 

そんな中、都会からたまたまこの田舎に立ち寄った冒険者パーティに拾われ、俺は運よくこうして荷物持ちとしてダンジョン探索に同行出来たというわけだ。いやはや、俺に目をつけるとはお目が高い。

 

一流は一流を知る、ということだろうか(笑)

 

 

 

「こら荷物持ち!あんたに支払ってやる報酬以上の金がその鎧にはかかってんだ!あたしらに感謝しな!」

「へい!ありがとうごぜーます!」

「まったく荷物持ちのくせに大層な格好をしおって……邪魔くさいったらありゃせんわ!」

「うはは、言われちゃってるよアンタ!もう少し痩せろって!」

 

「おっ、お、お、俺じゃねーよ!アタケ、お前のことだろが!」

 

俺の言葉に怒りをあらわにする小太りの冒険者。

 

「おい、お前たちその辺にしておけ。こいつに去られては元も子もない」

 

 

 

新入りである俺に意味不明なケチをつけてくるモブたちの罵詈雑言を、リーダーがピシャリとシャットアウトする。

 

このアタケ、人を見る目には自信があった。

 

このパーティのリーダーであるハゲ……いや、思い切りのよいスキンヘッドの男はその辺のチンピラやごろつきとは一線を画する高潔な精神の持ち主で、数多の死線をくぐり抜けた風格を漂わせていた。

 

間違いない、こいつについていけば俺はどこまでも生きていけるだろう。

 

 

 

おまけに驚いたことにこいつは荷物持ちの俺がダンジョンの途中で死なないように鎧一式を買い揃えてくれたのだ!

 

やばいってこのハゲ、絶対勇者かなんかだよ(笑)

 

 

 

「お言葉ですが、こいつの装備を買った金には我らの汗と涙と血が流れてるんですよ!それをこんな雑魚に……」

「落ち着け、これは投資だ。すぐに何倍にもして返してくれる。このアタケという者はな……」

 

「へへ、さすがはリーダーです!俺に大金を投資するだけの価値を見出していたんですね!」

「そう言うことだ。さ、いくぞお前ら」

 

 

 

ハゲの一声で俺を含むパーティ一行はダンジョンの奥へと進んでいく。

 

ちなみパーティメンバーは巨大な斧槍を手にしたハゲの他に、杖を持った魔法使いみたいな婆さんと太股を出しながらくねくねしてる小じわの目立つ盗賊っぽいおばさん、それから小太りのモブだ。

 

 

 

あ~あ……凛とした気の強い女戦士(でも俺にだけめちゃくちゃ優しい)とかに同行出来れば良かったんだけどなあ~。

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