『追放』の力を授かった俺!今から人生を満喫してやるぜ!納得できねー奴は追放だあ~!   作:でぃくし

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労働そして労働!落ち着きのない親父!

 

「ただいま!オラオラァ~親父ぅい~!生きてっかあ!」

 

俺が大声で呼び掛けるとドアが開き、憔悴しきった顔の親父が転げ落ちるように現れ、地べたへとへたり込む。

 

 

ずいぶん元気がない。

親父はいちごの世話に疲れてしまったのだろうか。

 

 

 

「おお、アタケか……かわいい一人息子よ……ううっ、もう二度と顔を見せるなと言ったのに!」

「お?どうしたんだよ親父、何かあったのか?」

 

「パパはお前がいなくなって寂しくて仕方なかった……さっさと出て行ってくれ!」

 

「おいおーい、まーだ<追放>の力が続いてんのかよー!どうすりゃあいいんだ」

 

「だからよくわからない力を迂闊に使ってはならないのに……まったく困ったやつだ……いつまでここにいるつもりなんだ!」

 

 

 

親父はちらりと俺の鎧を見ると小さくため息を吐く。

しかし、次の瞬間には何かに気がついたように顔を上げた。

 

 

 

「なっ、なんてかっこいい恰好をしてるんだ!まるで一流の冒険者じゃないか!早く出て行ってくれ!」

「まあまあ、明日には出て行くからさ、それより腹が減ったから何か食おうぜ!」

 

「な、なるほど、明日には出て行ってくれるのか?それじゃ問題ないな。よし、食事の支度をしよう。食べた後はゆっくり休んで、朝になったらちゃんとこの家から出ていくんだぞ」

 

 

 

親父は安心と喜びが混ざったような複雑な表情で目を細めながら鼻をすすりだす。

どうやら俺が戻って来たのが嬉しいらしい。

 

しかし<追放>の力はまだ継続しているようで二言目には出ていってくれと俺は親父に追い出されそうになってしまう。

 

 

 

それでも問答無用だった朝に比べれば親父の言動はだいぶ大人しい。

二、三日もすれば<追放>の効力もなくなってしまうだろう。

 

 

 

‥‥・*・‥‥………‥‥・*・‥‥………‥‥・*・‥‥

 

 

 

「なるほど……冒険者になって早々にそんな大冒険に巻き込まれたのか。さすがママが残してくれた最高の一人息子だ!」

 

「だろ!」

 

「でもここから出て行った方がいい!」

 

 

 

ハーゲンたちとの出会いと別れを大げさに話をしてやると、親父は何かを搾った汁をガブガブと飲みつつ嬉しそうに耳を傾ける。

 

 

 

「でもよ、親父。ハーゲンが言ってた邪神がどうとかみたいな昔話ってこの近くにあったっけ?」

 

「うーん、パパが知ってるのは……狩りの女神様を祀る祠くらいで邪神だとかは……あっ!」

「うん?」

 

「今すぐ出て行ってくれ!い、いや、大昔に奴隷たちの間で信仰された復讐をつかさどる神様みたいな話はこの辺りにも伝わっているな」

 

「へ~……じゃあそいつが生贄を欲しがってたりすんのかな?」

 

「ああ!なんでも自分の体に針を刺したり、鞭を打ったり、動物を虐めて殺すなんかして苦痛を捧げてやれば、お宝の隠し場所を教えてくれたり復讐したい相手を呪い殺してくれたりするらしい!」

 

 

 

「うお~~マジかよ!俺ってもしかしたら拷問されて殺されるとこだったのかよ!」

「ううっ、無事でよかったな……それじゃすぐにでも出発して……」

 

 

 

さっきから飲んでいた変な汁は酒だったのか、親父は顔を赤くしながら泣いたりご機嫌になったり、出ていけとわめいたり、とにかく落ち着きがない。

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