彼の夢そして彼女たちの夢   作:ひめ

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やっと投稿です。 しっかし熱いですね、東北住みの僕でもだいぶきてます!

それではどうぞ!!


名案

僕の心臓はいつもより早く脈を打っていた。

「……入りずらいな」

何度も入ったはずのアイドル研究部のドアは今日に限って、何重ものチェーンと鍵でロックされているような気がした。

昨日似たような感覚、でも全然違う、似てるのに違うってのはちょっとおかしいかな……

ここまで何事のなかっ……いやあった、めちゃくちゃあった。

まず朝、準備を済ませ、いつもより少しばかり早く家を出ようと思ったら、扉の前に亜里沙がいた。

まぁ普通にあいさつを済ませたん訳だが、当の亜里沙はというと、少々ご立腹な様子で、なんで昨日来てくれなかったのかと涙目でポコポコと僕も胸を叩いてきた。

たぶんあの時の僕はめちゃくちゃキョドっていたと思う……

「……帰りにケーキでも買って行くか」

お財布と相談しながら独り言をいう。

「誰よ! さっきからブツブツと今大事なって……唯じゃない」

「いったぁ……」

ドアに対してゼロ距離の位置に立っていた僕に、勢いよく開けられたドアと額が接触する。

正直すげーいたい……

「なにやってんのよ、あんたは」

フウと呆れたよう、腰に手をやるにこちゃん先輩はまるで自分が関係ないようなご様子。

ちょっとイラっとするな。

額をさすっていた、右手で中指と親指でくっつけ凸ピンの構えを作り、それをにこちゃん先輩にお凸に固定する。

僕は一度にこちゃん先輩に精一杯の笑顔のまま凸ピンを放った。

「うっ! いったいわね! なぁにすんのよ!」

おでこに構えた時は、ふえ? とあぞとく、だけどかわいく反応したにこちゃん先輩も、今は凸ピンの衝撃で後ろに後退し、両手でおでこを抑えながら、僕をにらんでくる。

しかしあれだ――めちゃくちゃスカッとした!

 

 

 

 アイドル研究部の部室は真ん中に大きな机が設置されており、両サイドには大量のアイドルグッツがある。

僕の席はにこちゃん先輩の向かい側になっており、いつも通りそこに座る。

……いや別にここが僕の席と決まっているわけではないけど、毎日同じ所に座ると自然とそこが自分のポジションになっちゃうよな。

クラスメイトであり、μ'sのメンバーとは昨日いろいろあったけど理由を話したら普通に和解できた。 しばらく無視されて、少し泣きそうになったけど普通に和解できたよ。 最初に声を掛けてくれた花陽にはうっかり惚れちゃうとこした。

まぁそんなわけで入りづらかった次第です。

「それでなんの話してたんだっけー?」

穂乃果先輩は話の流れが切れてしまったせいで、議題そのものを忘れてしまったようだ。

「真姫、なんかあったのか? にこちゃん先輩、すごい機嫌悪そうだけど……」

手で外側の口を覆うようして真姫にコソコソ耳打ちする。

真姫は一呼吸置くように溜息を一つして、僕と同じように耳打ちしてくる。

「怒らせたのあなたでしょう? だれが「誰がリーダーに向いているかよ!?」てことよ」

真姫は呆れたように腕を組み毛先のロールをいじる。まるで興味のないようだ。

ていう僕もさして興味ないけど……

棚に置いてある、アイドル誌を手にした瞬間、クルリとホワイトボードが回転する。

1、リーダーとは誰よりも熱い心を持って、みんなを引っ張っていけること。

あ、丸字、花陽や凛もそうだけど女の子ってみんなあんなかわいい字書いてるのか?

 

2、精神的支柱になれるだけの懐の大きさを持った、人間であること。

 

3、メンバーから尊敬される存在であること……か。 この条件で的確な人物となると……

「海未先輩かにゃ?」

一足先に凛がその名前を口にする。 まぁ妥当だよな……リーダーの素質もあるだろうし、たまに本気で怒るけど、基本優しいし、後輩からの尊敬は多い。

だけど、穂乃果先輩はいいのか? このままリーダーの座を譲っても。 このままリーダーを降りたら……

「でも! センターじゃなくなるかもですよ!?」

花陽も同じ考えのようで、身を乗り出して抗議する。

センターは誰よりも目立てるポジション、アイドルなら全員が憧れるポジションだろう、その分プレッシャーもあるだろうけど。

だけど、穂乃果先輩は対照的で、腕を組みうーんと小首を傾げる。

「まぁいいか!」

ケロッと言った。 言っちゃったよこの子……

他のメンバーも驚いた様子で、全員一致で えぇ!? の一言

「そんなことでいいのですか!?」

「じゃあリーダーは海未ちゃんということにして」

「そんな……無理です……」

後ろになるにつれ声のボリュームが落ちていく。

「じゃあことり先輩?」

「ん? わたし?」

ことり先輩は……なんかこうリーダーって感じじゃなくて副リーダーって感じなんだよな……

「副リーダーって感じだね」

なんでさっきから僕の考えと一緒なの、ずっと発言できてないんだけど……

これ以上考えても無駄のような気がしてきた。

棚に戻した本をもう一度手に取り、適当にめくる。

投票にしたらいいなど、もう一度海未を説得などなど、賛否両論な意見が飛び交う。 仕方ないわねーなども……

みんなにこちゃん先輩も扱いに慣れ過ぎだろ。 この一体感打ち合わせでもしてたのか?

しかし、全員かわいいな……

雑誌映る子たちは全員きらきらしていて、本心からスクールアイドルを楽しんでいるように見える。

同じペースでめくられていた手が止まる。

お、A-RISEの特集……

あんじゅさん頑張ってるな、ツバサさんも髪型気に入ってくれてるといいな、英玲奈さんは……僕より身長大きくなかったらいいな……

自然と笑みがこぼれる。

「ちょっと唯! なにニヤニヤしてんのよ、そうだあんたが決めなさい、誰がリーダーに相応しいか!」

「え!? ちょっ!」

みんなの視線がいっきに集まる。 僕は焦って手元の雑誌でヒントになるものを探し出す。 やるよな、授業中、先生に当てれたら、とりあえず教科書って!

アイドルはダンスに歌のレベルup 基礎が大事か……

「に、日本社会っぽく実力主義ってのど、どうかな? なまけてばっかりいると周りに置いて行かれちゃうみたいな?」

全員一致で頭に?マークがついているのがわかる。

「つ、つまりダンスや歌で勝負したらってことですよ」

「最初の一言、二言がなかったら名案だったわよ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




やっと本編のストーリーに戻りました。
これからどんどん暑くなりますから、みなさん体調には気を付けてくださいね。
誤字やアドバイス、感想等お待ちしております。
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