拷問とも言える授業があと10分弱で終わろうとしていた。 なぜ拷問なのかはお察ししてほしい。 そう上井草唯の学力は破壊的と言っていいほど悪いのだ、ここまで来るになんど先生に当てられたかわからない。しかし当たり前だろうが英語だけに関しては完璧だ。
1時限目は英語だったため僕が答えたさいには歓声が上がっていた
しかし今は……
「よーしこの問題を上井草やってみろ」
おいあんたこれで五回目だぞ? たしかに男子が珍しいから当てたくなる気持ちはわかるけどさ自重しろよ
「……わかりません」
1時限目以降はずっとこのセリフだ
そして歓声はただの笑い声に変わっていた。
うん、もう慣れたよ
またもやいいタイミングでチャイムが鳴る。
「あ、先生チャイムなりましたよ! 授業終わりましょう!」
あいかわらずチャイムだけは僕の味方のようだ、何度助けられたか……
「仕方ないな……よし今日はここまで」
よしっと軽くガッツポーズをする、それを見てたのか小泉さんが苦笑しなが労いの言葉をかけてくれた。
「唯君お疲れ様」
微笑みながらそう言う。 チャイムだけでが味方じゃなかったことに今気づくこの笑顔にも何度も救われたかわからないな
ありがとう今、僕すごく泣きそうだよ
ちなみに4時限目が終わったためクラスは完全にお昼モードだ。 教室で弁当を広げるひともいれば購買のパンを買いに行く人もいる
「唯ちゃんも一緒食べるニャー」
星空さんがお昼に誘ってくれる拒否する理由もないしもちろん二つ返事で返した
「うん、じゃあお言葉に甘えて」」
そう言い机をくっつける
「真姫ちゃんも早くくるニャー」
「う、うん」
なぜか顔を赤くしゆっくりとこっちに寄ってくる
「真姫ちゃんどうしたの? 顔赤いよ? 風邪?」
心配になったのか小泉さんが声をかける
何度か授業中に視線を感じ周りを見渡せば西木野さんと毎回目が合っていた、そして毎回顔が真っ赤だった
「大丈夫よ……だけど」
「西木野さん早くお昼にしようよ、音楽室行くんだからさ」
「そうだったわね……」
「ほら座って」
ここに誘導するような形でポンポンとの隣椅子叩く
「え? 隣!?」
「となりしか空いてないでしょ、早く早く」
「ちょっと押さないで!」
西木野さんの背中を押し席に座らせる
「二人は仲いいにゃ」
「そうかな? 僕的にはなんだか避けられてるんだと思うんだけど」
ほら目も合わせてくれないし……
「別に避けてるつもりじゃないわよ…………」
なにかいったようだがこのやり取りを繰り返してもラチがあかないため昼食にしようと自分のバックに手を伸ばす、そこでようやく重要なことに気づく
そういえば、弁当用意するの忘れた……そもそも僕料理できないんだった
「唯君どうしたの?」
困惑してる僕に気付いたのか小泉さんが声をかけてきた
「すみません、僕午後の授業で死ぬかも」
「どうしたの!?」
昼食なしで午後の拷問を耐え切るなんて不可能だ、それにこっちは朝食も抜いてきて限界寸前だってのに……
いや……購買があるじゃないか
「実はお昼準備してなくて……でも大丈夫購買で買えばいい話だし」
3人がなにか言いづらそうにしているのに僕は気づいた
「え? どうしたの?」
「たぶんもう全部売り切れだと思う……」
「…………」
あまりに爆弾発言の呆然としまった
うん、よく漫画とかであるよねー
購買が通勤ラッシュみたいになるの
「仕方ないわね……私の少し分けてあげるわよ」
「凛のも分けてあげるにゃー」
「あの……わたしのも」
天使かこの人たちは……
「え? いいの!?」
「仕方なくよ! 仕方なく!」
「ツンデレ!」
「違うわよ!」
「ほんとに仲良しにゃー」
うんうんと小泉さんも頷いてる
お言葉に甘え3人の弁少しずつ分けてもらった小泉さんの弁当はなぜが割合が8・2でご飯のようが多かったがあえてツッコまずスルーした
「でもどうやって音乃木坂に入ったの?」
「あーそれきく?」
「凛も気になるにゃー」
僕もその猫語が気になるよ
「μ'sのスタイリストになるためかな」
「μ'sのスタイリストかにゃー?」
「なんだかすごそう」
あれ?
「花陽! 凛! μ'sは私たちよ!」
あ、よかった西木野さんは状況を理解してたようだ
「え? 私たちの!?」
「ほんとかにゃ!?」
嘘いってどうーするよ……
「でもあなたにスタイリストなんてできるの?」
しょうがないな、あと20分か……でもまぁ二分あれば十分か
「星空さん少しスタイリングさせてもらってもかまわない?」
「ええ!? 凛が!? 髪だってこーんな短いのに!?」
「大丈夫だよ、僕はショートの方が得意なんだ」
基本メンズ専門の僕はどうしてのロングとミディアムのスタイリングの経験は少ないがショートならそこそこできる。
「お願い。人助けだと思って頼まれてくれないかな? スタイリストにならなきゃここに編入した意味がないんだ」
誠意を込めて一礼する
「わ、わかったから! だから頭あげてニャ!」
「ありがとう、じゃ早速始めさせてもらうね」
カバンからメイク道具と、ワックスをとりだす
「上井草それ校則違反じゃ……」
「大丈夫、理事長に許可はもらってるから。 あと唯でいいよ 」
「さすがに学校だからナチュラルな感じにするけどいいかな?
「ま、まかせるにゃ……」
ひと呼吸いれ目の前のことに集中する
ランダムに毛束をとりねじることで束感を出す、そのあとはファイバーワックスで左サイドの毛をバックへ自然に流す。
顔周りの毛を捻って耳後ろにピンで留める。
よしいい感じ
トップを手櫛でざっくりヘビーパートに分ける
つぎはメイク……
アイラインは目尻を少しだけ長くはね上げるこれで笑うと元気っぽさがます、この星空さんにはぴったりだろ……下まぶたにベージュのシャドウを入れて涙袋をナチュラルに作りマスカラは上だけっと
「こんな感じでどうかな?」
軽く歓声が上がる
あれ? なんで人だかりが!?
「唯君すごいです! なんだか感動しました! それになんだかかっこよかった!」
「あはは、照れるな」
でもやっぱり自分の頑張ってきたことが褒められるのってなんだか気分がいいな
「どうかな? 西木野さん? あれ? 西木野さーん おーい」
ブンブンと手を顔のまえで振る
ようやく気付いたのか周りをキョロキョロしている
「唯あなたすごいのね」
「まぁそりゃプロですから」
「唯君美容師なの!?」
「まぁいちよう……美容師のライセンスはもってるからね」
「どう認めてもらえた?」
「認めるしかないでしょ……こんなの見せられたら」
「ありがと。 あ、星空さんどうかな? て、そろそろ目開けなよ」
なんで目閉じてんだ? 恥ずかしいのかな?
「う、うん。」
ゆっくりと目を開けてゆく
そしてちょっと予想外の一声目だった
「かよちんこの鏡の人だれにゃ?」
「それ……凛ちゃんだよ?」
「えぇぇぇ!? こ、これが凛!?」
え? なにその反応
「ごめん、なにか気に入らないところでもあった?」
「あ、そうじゃなくて……これが凛だって信じられなくて」
「唯君すごいね……」
小泉さん褒めすぎだよ。 さすがそんな褒められると調子乗っちゃうよ?
「まぁ土台がいいしね。 とてもやりやすかった。 僕にイメージ通りにいってよかったよ」
「でもアイドルだからむやみ髪型を変えるのはやめといた方がいいかな?」
すると小泉さんの目が鋭くなる
ん? どうした?
「たしかにそうかも知れません、いつも通りを求めるファンと新たな新鮮さが受けの人もいますわたしは――――」
あのぉキャラ変わってません?
「花陽落ち着いて」
「あ、あ~ごめん! つい」
なるほど小泉さんはアイドル好きなのかな?
まぁ僕もだけど
「あ、そろそろ音楽室いこーか」
「そうね」
「うん あれ? 凛ちゃんいこ?」
未だにフリーズ状態の星空さんに一声かける
「どうしたの? 星空さん」
「う、ううん! なんでもない! さぁー行くニャー!!」
星空さんに引かれ教室からでる
「星空さん……手」
「あ……ごめん」
徐々に顔が赤くなっていく
急にしおらしくなるな
さっきのハイテンションはどうした
「先に行ってるニャ~~~~!!!」
うおっ足早いな!
もう見えないや
「僕たちもいこうか」
そう言い3人で歩きながら音楽室に向かった。
「やっときたニャ! 遅いにゃ!」
いやいや君が早すぎるんだよ
ほら、髪乱れてるし
「ちょっと失礼するよ」
手櫛で髪を整えていく
「唯ちゃんの手櫛は気持いにゃー」
気持ちいい? そんなことないと思うけど
「そうかな? はい完成」
「真姫ちゃんならわかるニャ~ ねぇ真姫ちゃん?」
「べ、別に!!」
ためしに手櫛をしてみる
「あ、あう」
さっきまでとうって変わりとても心地よさそうな顔をしている
「ツンデレ!」
「だから違うわよ!」
「唯ちゃんかよちんにもやってあげるにゃー」
この天使にやっちゃっていいの?
西木野さんから一旦手を放す
「あ…………」
「あとからやってやるよ」
「ずるいにゃ! 凛にもするにゃ!」
「わかったわかった」
「あの…………」
「とりあえずかよちんにやってあげるにゃー」
「はいはい……小泉さんいいかな?」
「は、はい」
じゃあ失礼して
「どうかな?」
「あう」
3人と同じ表情をしている
そんないいいのかな? 自分でやってもなんともないのにな…………
て、本来の目的!!
「そろそろ入ろっか」
「そうね」
「かよちんどうだったかにゃ?」
「す、すごかった……」
「またやってもらうにゃ!」
「う、うん!」
うわぁこの笑顔が見れるなら何度でもやってやる!!
「それでなに弾くの?」
できればお互いが知ってるほうがいいよな
「なににしよっか?」
「ハァ……ちょっと弾いていい?」
~~♪
うわ、うまいなー
二年で普通こんなうまくならないよな
て、この曲
「それ愛してるばんざーいだよね?」
「なんでしってるの!?」
なんでって……
「それ作ったの僕の父と真琴さんじゃないか」
「……そっかあなた先生の息子だもんね」
「そーゆうこと、でも少しアレンジいた?」
「えぇ……なにかご不満でも? 先生の息子さん」
その言い方は嫌だな……
「いや、むしろいいよ。 音がうまくまとまっている やっぱり君はすごいよ」
「そ、そう」
照れたのか少し顔が紅潮している
「連弾しても?」
「どうぞ」
うわ、相方がうまいとこんな弾きやすいのか
やばい楽しい
「唯君楽しそう」
「ほんとに楽しそうニャ」
「ねぇ、歌わない?」
西木野さんが聞いてくる
僕もちょうど考えてたときだ
「もちろん。 小泉さんと星空さんは歌える?」
「歌えるにゃ!」
「わたしも歌えるよ」
僕にとってはとても有意義な昼休みとなり
そして午後はお察しの通り地獄だった…………
誤字の指摘やアドバイスお待ちしてます!