メインはにこかな?
「はい笑って」
「えぇ?」
屈託のない笑顔を見せる、この人が音ノ木坂スクールアイドルμ'sのリーダー高坂穂乃果は今絶賛取材中だった。
「はーいおっけい!」
そんなころ上井草唯は絶賛迷子中だった職員室の場所が一向に見つからない。 昨日行けたのが奇跡のようだ。
μ'sに取材来るらしいので早め用事を済ませ、そちらの方に向かうと真姫たちに知らせておいた。
これ見つかる気配ないぞ…………
「どうかした?」
「うひゃ!」
不意に話しかけられ声が裏返ってしまい変な声が出てしまった
「ごめんなさい、大丈夫?」
日本では珍しい金髪をポニーテールにしブルーの綺麗な瞳の女の子が話しかけてきた
「すみません、カッコ悪いところ見せてしまって」
ネクタイの色が穂乃果先輩たちの違うところを見るに三年生だろう
「少しかわいかったわよ」
「先輩、それ男に言うことじゃないですよ」
「え? 男? あ……たしかに男ね」
僕がスカートを履いてないことえを確認したあとにそんな言葉を呟く
「でしょ? どこからどう見ても男でしょ?」
「言われないと気づかないかもね」
「…………」
「ごめなさい、気にしてた?」
「いえそんな……」
もちろん嘘だ今にも泣きそうなくらい気にしてる
「ならよかったわ、それと君こんなところでどうしたの?」
「実は職員室の場所がわからなくてですね……」
「ならついてきて、案内してあげるわ」
「ホントですか!? ありがとうございます! あ、僕上井草唯っていいます。 昨日編入してきました、名前には触れないでください」
「わたしは絢瀬絵里よ、ここの生徒会長やってるわ」
よかった察してくれた
でも笑ってるな……
「あぁなんだかそんな感じしてました……絢瀬先輩ってハーフですか?」
歩きながら談笑する
「クォーターよ、どうかした?」
「いえ得には、あと先輩なんか悩んでます?」
美容師も接客業だお客さんとコミュニケーションとるし、なにか抱えている人の愚痴を聞いたりもたまにする
だから雰囲気や表情でその人の心情だってだいたいのことは把握できる
「どうして?」
あ、これはこれ以上踏み込まないほうがいいな
「なんとなくです。 あ、もうすぐそこですね! ありがとうございました」
軽く会釈し早足で職員室に向かう
あの人一人で抱え込んじゃうタイプだな。悩みはストレス貯めるのは髪に悪いんだけどな……
「先生これは?」
山積みになったプリントが今僕の両手に収まっている
「プリントだが?」
見りゃわかるわ!
「質問を間違えました……なんで僕に渡したんですか?」
「そりゃお前……あれだからだろ」
なるほどね……ようは馬鹿だからか
「いくらなんでも多すぎやしません?」
「こんだけやれば赤点はないだろ! まぁ頑張れ!」
「はぁ……わかりました……失礼します」
自業自得なので特に反論せず職員室をあとにした
「失礼ですよいきなり!!」
この声は海未かな? 中庭からだったな……
あ、いた
そこにはμ'sのメンバーの穂乃果先輩、海未、ことり先輩、凛と三年生らしき人がいた
「海未どうした?」
「あ、唯…………」
おい昨日のこと思い出すな
僕も恥ずかしくなるだろうが
「取材にゃー それとそのプリントはなんのかにゃ?」
「凛……察してくれよ?」
「あ、ごめんにゃ」
「君が一年生の編入生?」
「一年の上井草です。 あなたは?」
「三年の東條希や副会長やっとるで、かわいい顔しとるのね、うち案外好みやで」
冗談でもそんなこと言うなよ
ほら……よくわからないけど海未がすげー怒ってるじゃん
「唯ちゃん取材させてくれたらカメラ貸してくれるって」
「カメラ?」
「そしたらpvとか取れるやろ?」
なるほど…………
「ほらμ'sの動画ってまだ3人だった時のしかないでしょ?」
「あの動画とってくれたの誰かわからないままだし……」
「海未ちゃんそろそろ新しい曲やったほうがいいって言ってたし」
「それってもしかして……one,two,three,fourやっぱあっちです!ってやつ?」
「なんで唯が知ってるんですか!」
「海未がノート隠さないからだろ?」
そう僕は悪くない隠さない方が悪い!
「また勝手に入ったのですか!?」
「わるいわるい――昨日親父さんに顔見せにいったついでにちょっとな」
「プライバシーの侵害です!」
「いいじゃん! お前と僕の仲だろ? 昔は一緒に風呂にだって入ったし、部屋見られたくらいでそんな怒るなよ」
「それは言う必要ないでしょう!」
たしかに言う必要なかった。
これじゃ自滅だ……
「あはは……海未顔真っ赤だぞ? て、これ僕も恥ずかしいな……」
「二人はどんな関係なん?」
「幼馴染ですよ、2年程会ってなかったですけど」
「へぇ、じゃあ運命の再会やね」
「んーまぁそんなところですかね」
「なにを言ってるんですか!!」
「え? 海未お前は嬉しくなかったの? 僕はすごいうれしかったぞ。 海未にまた会えて」
「あ、う……嬉しかったです……」
「はは――また顔赤いぞ海未」
「からかわないでください!」
そんなやり取りを繰り返しているとやたら不機嫌そうな顔をこちら睨んでいる犬せ――おっと穂乃果先輩は大声で叫ぶ
というかマジでうるさい
「もう二人だけで仲良くしないでー!」
「ほら海未せいで穂乃果先輩がご立腹だぞ」
「わたしのせいなのですか!?」
「ほらまた穂乃果たちを無視してる!」
「すみません、これでどうです?」
手櫛を穂乃果先輩にやってあげる、どこが良いのかわからないがこれをやれば真姫も大人しくなる
「ふわぁ……やっぱり気持ちいいね」
「唯ちゃん女の子の扱いうまいにゃ!」
そんなことは言わないでほしい
それじゃまるで僕が女の子に慣れてるみたいじゃないか
でも、よく平然と先輩に手櫛できてるのが自分でも不思議だった
店の手伝いで慣れたのかそれとも職業病なのか……
「唯ちゃん……わたしにもあとで……ね?」
「はいもちろんです! ことり先輩!」
先輩の頼みならしょうがないよな!
「ことりに甘いきが……」
「かよちんにもあまいにゃ!」
うるさいわ、花陽とことり先輩は天使なんだよ! 文句あるか!
「そうなのですか?」
おい追求するな
「そうにゃ! かよちんの頼みならなんでもきいてるにゃ!」
「唯……」
「先輩方新曲の件で色々あったんじゃないんですか!?」
ここはなんとか切りに抜けよう
「そうだった唯ちゃんありがと! じゃあ他のみんなに言ってくる!」
よかった先輩が単純で……
「まってぇーー」
「ちょっとほのか!」
ことり先輩と海未がそれについていく
あ、先輩たちにスタイリストの件話すの忘れた……
「君ってなにものなん?」
「なにものなんでしょうね?」
皮肉で返してみる
「副会長さん1ついいですか?」
「なんや?」
「会長さんのこと支えてあげてくださいね? 相当行き詰ってるっぽいですよ」
「えりちと会ったん?」
「えぇ、まぁ」
「君鋭いね、言われなくても支えるわぁ」
「なら安心できますね、それじゃ僕教室に戻りますね」
「ほな、またなー」
若干不自然な関西弁には触れず先輩と別れる
さっきは誰かさんが行き詰っているから支えてほしいなんて上から言っていたが、ほんとに支えてほしいのは僕の方だったらしい
さっぱり――わからない!
問題の意味すら解らないというのはこのことだったのかと関心してしまう
英語のプリントのほうは片付いたが他の教科だけは手の付けようがなかった……どうしたものか……
考えたすえに出た答えは先生の口論の道だ、早速教室を飛び出し職員室に向かう
「ぶっ!」
え? なにかに当たった?
見渡しても周りには誰もいない
不信に思うが今から戦のため足をとめるわけにはいかないと思い、走りだす
「ちょっとあんた! ぶつかっておいてなにもなし!?」
「ふぇ?」
もう一度見渡すがやはり人影はない
「下よ! 下!」
下?
「うお! いつからいた!?」
そこには小柄な体格、髪を二つに結んだツインテールの少女立っていた
「さっきからいたわよ!」
「君同じクラス?」
「三年生よ!! ネクタイの色違うでしょ!」
「あ、すみませんでした! てっきり小学生かと……」
「ぬわぁんですってぇぇぇ!?」
小柄な体格でツインテ?
「ちょっと落ち着いててください!」
「これが落ち着いていられると思う!?」
「…………」
「無視してんじゃないわよ!!」
なんか引っかかるな……この匂いもどこかで………
小柄でツインテ、小柄でツインテ
いやまさかな…………
「にっこにっこにー」
人差し指と小指を立たせそれを頭の上に乗せる、このポーズは僕の中学校時代の先輩の考えたポーズ、たぶん僕以外知らない
「なんであんたがそれ知ってるのよ!」
え? まじで?
やばい我慢できそうにない
「やっぱりにこちゃん先輩ですか!?」
抱きしめながら確認をとる
「ちょっとあんた! なにいきなり抱きついてるのよ!」
「すみません、嬉しすぎて……」
「にこちゃん先輩?……その呼び方」
「思い出しました!?」
「あんた唯!?」
「…………」
やばい泣きそうたぶん今泣いたら30分は泣き止まないと思う
どうしよ、どうしよ……そうだ!
「唯どうしたのよ?」
「にこちゃん先輩すみません!」
「え? ちょっとなにすんのよ!」
「にこちゃん先輩高いたかーい! 高いたかーい!」
ごめん先輩他に案が浮かばなくて…………
でもこのおかげで僕の瞳の潤いは乾いてくれた
「ちょっとなにやってんのよ! 下ろしなさい! 恥ずかしいでしょ!」
周りには軽く人だかりができていた、たぶん下級生が上級生を高い高いしてるという噂を聞きつけ集まったんだろう
さすが場所が悪いためとりあえず移動するためにこちゃん先輩を下ろす
それと同時にに……
「あんたちょっと来なさいさい!」
手を引かれ先輩の言うがままについていく
「ここなら大丈夫ね」
「あんたなに「にこっち遅かったやん」え?」
先輩は今の状態を理解していないようだ、僕だってわからない
「取材にいくっていったやん」
「あぁそうだったわね!」
にこちゃん先輩は深呼吸しとびきりこ笑顔をする
「にっこにっこにーあなたの「にこちゃん先輩、身長縮みました?」最後まで言わせなさいよ!」
「身長が縮むわけないでしょーが! あんたがでかくなったのよ!」
それもそうだあれから2年たしかに背丈は大きくなった
にこちゃん先輩はそのままだけど……あるところも ハァ…………
「どこ見てのよ! 変態!」
にこちゃん先輩は腕をクロスし僕に罵声を浴びせる
自然と胸に視線が言ってしまったようだ、でもしょうがないよな。
男子だし!
「先輩再会の記念になにか飲み物買ってきますよ!」
「え? そ、そう……じゃお願い」
「先輩方のも買ってきますね」
「えぇ~悪いよぉ」
ことり先輩――あなたのためなら僕なんでもしますよ?
「いいの唯君?」
花陽もだったぜ!
「大丈夫大丈夫まかせとけ!」
「なんだかことりと花陽に甘い気が……」
たしかにそうかもしれない……でもしょうがない……天使だから
「それじゃ行ってきますね!」
「それでにこっち、上井草君とはどんな関係なん? 初対面ってわけではなさそーやね」
「まぁ、なんでもいいじゃない。 それより取材の続きやるわよ」
「気になるわぁ」
にこはわかっていた、唯の過去は簡単に話してはいけないことを、それはにこにとっても辛いことであり、一番辛いのは唯だと言うことを…………
「唯ただいまもどりました! ってにこちゃん先輩だけですか?」
「うえ!? いないし!」
なるほど、たぶん先輩に付き合っていらなかったんだろう
「これどうぞ!」
先ほど購買で買ってきた飲み物を渡す、にこちゃん先輩のだけは、たぶん気にしているだろうと思う箇所がなんとか豊かにしてくれる、そんな飲み物を買ってきた
「ありが…………あんたばかにしてるの?」
飲み物を見た途端、先輩の表情が変わる
ばかにしてる? そんなことはない先輩のためも思って考えたのがそれなのだからそれを否定されるのは侵害だ。
「にこちゃん先輩、絶対それ飲んだ方がいいですよ――だって豆乳って胸大きくするんですよ?」
我ながらナイスなチョイスだと思う、ここまで先輩のことを考える人は僕くらいだろう
「余計なお世話よ!」
途端に腹部、正確には脇腹辺りだろう、そこへ強い衝撃が襲いかかる。 正直ものすごく痛いそれと同時にどこか懐かしいような気がした
「あはは……にこちゃん先輩のスキンシップは激しいな……」
よくこの状態でこんな皮肉を言えるのか自分でも不思議だった
それと、にこちゃん先輩さっきから目合わせてくれないな…………
「お、おかえり」
変わってないのはそこもか。
「はい。 あなたのファン一号ただいま戻りました」
にこちゃん先輩は照れ隠しなのか僕に背を向けた、よく見たら耳まで真っ赤だった
「あんたは一生わたしの追っかけなんだから……」
アドバイスや誤字の指摘お願いします
唯の過去については番外編とうい形でいつか出したいと思います