ふわプリで待ち合わせしたくぅあちゃんとぷろろ~ぐ広場で合流しました。
「なによほよん。そのみすぼらしい格好は」
わたしは今、ボロボロにほつれたり破れてたり汚れがついてたりする服を着ています。
「この服は「ボロボロみすぼらしコーデ」だよ。エヘさんに用意してもらったんだ」
「なんてひどいコーデなの。女の子のかわいさを台無しにするために生まれてきた悲しいコーデね。変なオーラすら浮き出て見えるわ」
「一番ダメダメなコーデをって頼んだからね」
「それで、なんでそんなもの用意してもらった上に着てるのよ」
「ふっふっふ、それは今にわかるよ。わたしがこの「ボロボロみすぼらしコーデ」を着て、くぅあちゃんにはこれをプレゼントっ」
ふわふわなアクセサリー、シュシュをプレゼントです。
氷みたいに見える水色のシュシュを、わたしはくぅあちゃんの右手首に着けます。
「これでくぅあちゃんのふわふわかわいさが増したね」
「結構クールじゃない。ありがとうほよん」
「これでくぅあちゃんと一日、ぞうさんとありんこさんレベルの差がある見た目で過ごすの。そうするとくぅあちゃんのほうが良く見える状態で、わたしが耐えられるか試せるでしょ」
「なるほど。いい証明方法を考えたじゃない」
「えへへ」
とりあえずふわプリ内を練り歩くことになりました。くぅあちゃんとなるべく距離を詰めて隣りを歩きます。
「うわ。なにあの格好」
「なんであんなの着ようと思ったんだろう」
「さすがに事故かなんかでボロボロになっちゃっただけでしょ」
「ねえ」
「なにくぅあちゃん?」
「これ、逆にほよんの方が目立ってないかしら」
「悪目立ちだからノーカンだよ。くぅあちゃんのほうが良く見られてるのは変わらないって」
「そうかしら」
「そうだよ。ほら見てあの子たちはくぅあちゃんに注目してる!」
「くぅあ様今日もクール~!」
「くぅあちゃんかわいいクール~!」
「今日は一段とくぅあ様のクール度が上がって見えますわ~!」
「ふふふ、気分がいいわ!」
「よかったねくぅあちゃんっ」
そんな風に一日が過ぎていきました。
今は夕方です。ふわプリの中でも夕焼けが見えます。外の空が見えているのか、AIモコさんたちが何かしているのか、どっちなのでしょう。
「ここまでする心意気を見せられたら、応えないわけにはいかないわね。ソロでやる孤高一極な方向性もまだ捨てがたいけれど」
「それじゃあ」
「一度試してみるのも悪くないかなってことよ。ダメだったらすぐユニットを抜けるわよ」
「それでもうれしいよ。抜けたいなんて絶対に思わせないように頑張るから!」
ほよっ。これでひとまず、くぅあちゃんとは一緒にやっていけることになったよ。やったね。ほよほよほよ~っ。
くぅあちゃんのメンバー入りが決定してから一日経ちました。放課後のふわプリに来ています。くぅあちゃんも一緒です。
それでは、次はティピファちゃんを攻めていきます。説得です。勧誘です。もう遠慮なんてしません。
「ティピファちゃん!」
「わぅあっ!?」
ぷろろ~ぐ広場からふわパレスまでの道に入ろうとしているティピファちゃんを呼び止めました。
「真後ろから叫ばないでリボン!」
「ほよ、ごめんね」
「これからレッスンリボン?」
「ううん、ティピファちゃんとユニット組むところから始めたいって気づいたから、また勧誘だよ」
「だから、ティピファはまだ準備ができていないリボン。それまで待ってほしいリボン」
「くぅあちゃんはユニットに入ってくれることになったから、あとはティピファちゃんだけなの!」
「氷原さんもう取り込まれたリボン?」
「まだ仮よ」
「二人とか三人で始める人なんていっぱいいるエヘ。もうティピファもメンバーになっちゃえばいいエヘ」
「エヘさんだ。ほよ~」
「いたのね」(くぅあちゃん)
「いたエヘ」
「エヘさん、結局ユニット組むところから始めちゃうことにしたけどいいよね」
「問題ないエヘ。昨日くぅあとユニットになったのは見てたから知ってるエヘ」
「エヘイエー、前に「それぞれのペースに寄り添うのがエヘたちマスコットの役目エヘ」とか言ってたのに! とんだ二枚舌リボンっ」
「今は押したほうがいい流れだと判断したエヘ」
「どんな流れリボン!」
「あ、これティピファのデッキケースエヘ」
エヘさんは黄色いデッキケースをティピファちゃんに受け取らせます。
「ここまでしつこいともう準備が整ってもユニットメンバーになるか迷うリボン」
「それは困るよっ」
「なら、待っててリボン」
「ほよ~」
いやがってるのを無理矢理はいやだけど、ここで遠慮してたらいつまでたっても前に進めない気がするよ。どうしよう。
「これからレッスンするから、それじゃあリボン」
「ごちゃごちゃうるさいわね」
くぅあちゃんがティピファちゃんの手をつかんで引っ張っていきます。
「わ、わわ、ちょっと、待って、急になに、する、の……!」
「誰でも楽しくクールなアイドルになれるのがふわプリなのよ。ためらう理由なんてないわ」
「くぅあちゃん、今はくぅあちゃんの判断に任せてみるよ」
「臆病な人間を動かすには無理矢理にでも動かないといけなくなる舞台に放り出すしかないと私は思うのよ。多分」
「たぶん!?」
「ティピファは臆病じゃないリボン!」
「いいエヘ! このまま勢いで行けエヘ!」
「そう、とにかくライブするわよ!」
ええいままよです、このままライブしちゃえばティピファちゃんも踏み出せるよね。わたしも前に進みたいし流れに乗ろう。
「ほよ! そうだねしようしよう!」
「ええー!?」
わたしとくぅあちゃんで、ティピファちゃんの両側から腕を抱えて運んでいきます。
「不幸リボン……」ティピファちゃんは疲れたような諦め顔でつぶやきました。
ふわパレスに着いて、エントランスゲートをくぐって不思議な色合いの空間に出ます。
「うう、強引すぎるリボン……。恨むリボン……」
ライブ開始です。
「ふわふわポイントにデッキケースとコーデカードをセットしてくださいモコ」
わたしはいつも腰につけているデコったピンク色のデッキケースからカードを四枚取り出します。くぅあちゃんも、足に着けた氷の宝石みたいなデッキケースから青い四枚のカードを、ティピファちゃんは身に着けている大量のリボンに埋もれているデッキケースから四枚の黄色いカードを。
「あれ? こんなカード持ってたっけ?」
わたしのデッキケースには何度も使っている四枚しか入ってないはずなのに、取り出して手に持ってるカードは知らないカードです。
「カードは状況に合わせて生成されることがありますモコ」
「ほよー、そうなんだ」
「私のクールさに引き寄せられたということね」
ふわふわポイントにデッキケースとカードを吸い込ませてセットします。
「キュートなピンク色と赤色のリボンには友達に寄り添いたい思いが詰め込まれているモコ」
リボンには埋もれない形で、リボンが最もキュートさを引き立てるように散りばめられたコーデに変身します。
「リボンピンクコーデ!」
顔の横で、横に倒したダブルピース!
「ほよ!」シュパーンッ。(光の粒が飛び散るサウンドエフェクト)
「青いリボンはクールさを彩るいいアクセントになり、クールな雰囲気を阻害することなく仕上がっていますモコ」
「リボンブルーコーデ!」
顔に右手をかざしたクールなポーズ!
「ふっ」シュパーンッ。(光の粒が飛び散るサウンドエフェクト)
「色違いのお揃いリボンコーデは友情の証モコ。仲良くライブ頑張ってモコ」
「リボンイエローコーデ!」
両手でハート、じゃなくてリボンの形を作ってポーズ!
「りぼんっ!」シュパーンッ。(光の粒が飛び散るサウンドエフェクト)
三人でライブステージに飛び出します。ピンクと青色と黄色がイルミネーションになってふわふわとわたしたちのステージを照らします。
「ほよんさんとくぅあさんは初めてのユニットライブです! そこに新しく誕生したふわプリアイドルも加わってどのようなライブを見せてくれるのでしょうか!」(鎧の人)
「「きゃー楽しみ~!」」(観客)
それぞれ固有の形と色のマイクを持って、音楽が鳴り始めます。
~♪
曲名「とりぷるなパーフェクト」
「ほよっ! と来たらクールが一番、リボンがほどけておはようだ
はい! 手を繋ごう 三人のカラフルが希望のレールに乗って いち にー さん さん
ふわふわプリティ わたしたちのリレーション キラキラ
トリニティくるんくるんフェスティバルタイム
るー るー るー
クールに始まる私の独壇場 約束の氷結時間 私だけのストーリー 刮目しなさい
パリ パリ パリ パリ アイスブレイク
ほよっとわたしもぽよっと飛び出す トゥインクルくるくる ふわふわかわほよ☆
私の計算 頭脳で生産ブレイン混乱 それでもそれが最適解」
ふわふわ劇場 オープン!
「ふわふわかわいい!」
一人ずつトランポリンでジャンプしていきます。
「三人で!」
三人とも高く飛んだところで後ろが光り輝きます。
「シャイニング!」
これが三人版デフォルトふわふわ劇場です。
「トリプル輪になって 光が灯り スピンジャンプ
ふわふわと クールが リボンに結ばれ
ジャスト ドキドキオンリーフェア
とりぷるなパーフェクト最大ガールズ」
ライブ終了です! 三人でちゃんと気持ちよくライブできました!
ふわチケGET!
「三人ともすごくよかったー!!」
「きゃー楽しさが伝わってきたよー!」
観客のみんなもわたしたち三人でのライブに満足してくれたみたいで安心です。
「ほよんさんとくぅあさんはワンステップアイドルからふわふわふーアイドルへ、ティピファさんはアイドル未満から初心者アイドルへふわふわランクがアップしました! おめでとうございます!」(鎧の人)