ふわプリ   作:ソウブ

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12話 プールでみんなでPVだ!(1/3)

 

 

 

 暑いです。七月です。夏休みの朝です。

「あついよー……」

 パジャマとして着ていたキャミソールとショートパンツ姿のまま、ぐでーっとリビングの床に寝そべります。

 暑すぎて、溶けるよ。スライムみたいに床に広がって染みになっちゃうよ~。

「お姉ちゃん……さすがにだらしなさすぎるよ」

 今日もかわいい妹がピンクい長髪ストレートを揺らして腰に手を当てています。わたしを見下ろしてジト目です。

「ほよ~……だって暑すぎるよ。クーラーつけようよ~」

「こんなに朝早くからつけたらママに怒られるよ」

「ええ~」

「扇風機で我慢しよう」

 ぽるんが首を振らせていた扇風機を持ってきて、わたしの近くで首振りさせずに固定してくれる。

「あ゛あ゛あ゛あ゛~わ゛れ゛わ゛れ゛は゛う゛ちゅ゛う゛じん゛だ~」

「そんなベタな。私も暑いから当たらせて」

 風邪に当たって二人涼んでいたら、ぽるんが計算ドリル、国語問題集なんて書かれたよくわからないものを取り出し始めました。

「なにそれ」

「夏休みの宿題は計画的にやっていかないとだよ、お姉ちゃん」

「しゅく、だい?」

 ????

「そうだ。プールに行こう!」

「逃げるにしても唐突な言動」

「逃げてないよ!? 夏休みの最終日にあわてんぼうになっちゃうなんてことだけにはしないつもりだから大丈夫! それに唐突でもないよ、すごく暑いからプールに入りたいんだよ」

「でもこの近くにプールってあったっけ? 」

「わかんない。マネージャーのエヘさんなら何か知ってるかも。なんてったってマネージャーだしね」

 確かデッキケースに一発で自分のマネージャーと連絡を取れる機能があるはず。

 えっと、ここかな。

 ふわふわかわいいくり~むで ドキドキときめかせたなら♪

 いやこれはわたしの曲を流すボタンだ。

 それなら、これかな?

 あ、かかった。

「というわけでエヘイエーさん、マネージャーなら何か知ってない?」

「プールならふわプリに今日オープンするエヘ」

「グッドタイミングだね! 行くよ!」

「宣伝自体は前からしていたエヘ、聞いてなかったエヘ?」

「うんっ」

「そうかエヘ……」

 ティピファちゃんとくぅあちゃんも誘おう。

 ふわリンで呼びかけます。

<OKリボン>

<いいわね。ちょうどこのホットな気温にクールさで対抗していたところよ。プールという付加要素でクールの勝利ね>

 くぅあちゃんは何を言っているのでしょう。

<くぅあはきっと、暑くて大変だったからプールに行けば涼しくなっていいわね、一緒に行くのに賛成よ、って言いたいんだと思うリボン>

<訳さないで。意図が絞られるわ>

 

「ぽるんも行こー」

「私はいいよ。家で勉強してるほうがいい。自分の友達と仲良くやってきなよ」

「えー」

「友達が妹連れてきたらいやでしょ」

「わたしはそんなこと思わないよ」

「大体の人はよく知らない身内連れてこられても困るの。早くいってきなさい」

 

 ということで、ふわプリプールにやってきました。

 

 いつもの森林公園からふわふわSHOPを通ってふわプリに入った後、ぷろろ~ぐ広場の右にある道を進んでいった先にふわプリプールはありました。

 外の太陽とは別の、ふわプリの中にある太陽が照りつける屋外に、大きなプールやウォータースライダーがあります。更衣室に行こうとしたら、はたと気づきます。

「水着忘れちゃった!?」

「なーにやってるリボン」

「私も忘れたわ」

「二人とも何しに来たリボン?」

「水着ならふわプリで最適なのをコーデチェンジしてもらえるエヘ。問題ないエヘ」

「そうなんだ! よかった~。ほよ~」

「運命が私に流れを良くしているわ。流れるプールだけにね」

「ティピファも水着忘れてきてよかったかもリボン……」

「そこは自分のしっかりしてるところに自信持っていけエヘ」

 エヘさんが持ってる四角い機械を操作すると、わたしたちは光に包まれました。

 

 サマーチェンジ! 

 

 ほよふっリボン。

 

 光が晴れると、エヘさんが目の前に鏡を抱えて浮いていてくれました。わたしたちは水着姿に変身しています。

 わたしの水着は、フリフリふわふわピンク色の水着です。セパレートタイプで、おへそが出ています。フリフリがスカートみたいにふわりと広がっていてかわいいです。

 くぅあちゃんの水着は、青色のツーピースです。シュッとした体形が堂々とさらされていてクールです。特に足が白くてスラッとしてていい感じです。本人もポーズをとってて気に入ってる様子です。

 ティピファちゃんの水着は、リボンまみれのワンピース水着です。いつも通りなリボンまみれに見えて、水着らしく足や肩、鎖骨や背中の露出が水辺でのふわふわかわいさを引き立てています。

「どうエヘ?」

「ほよほよ~気に入ったよっ」

「クールッ」ポーズをとりながら。

「これティピファが持ってきた水着リボン?」

「そこはティピファが選んだセンスを尊重してコーデチェンジさせてもらったエヘ」

「ありがとうリボン」

「ティピファちゃんかわいいよっ。ふわプリのコーデに負けないくらい!」

「いいセンスしてるじゃない。ティピファに似合っているわ」

「へへっりぼん」

 ティピファちゃんが嬉しそうでわたしも笑顔になります。

 

 準備運動をしてから。

「ではプールよ!」

「わーい!」

 くぅあちゃんと一緒にジャンプ! プールへバシャーン! 

「飛び込むなエヘ!」

 ティピファちゃんはゆっくり足から浸かっていました。

 三人で水をバシャバシャとかけ合います。

 

 うふふあははえへへほよほよほよ~。

 

「これなにが楽しいのかしら」

「うわあ急に冷静になるなリボン!」

「えー楽しいよ。みんなでプールで遊べてるって感じが楽しい」

「でももう水の掛け合いは十分だわ。他のことしましょう」

 

「それならちょうど華やかな水着姿だし、PV撮ってみるエヘ?」

「PV?」

 PVってなんでしょう。

「PVっていうのは、プロモーションビデオの略で、なにかの宣伝のために作る映像のことリボン」

「今の場合は、ふわプリの良さをもっとみんなにわかってもらうために楽しそうな映像を撮ろう、ってことエヘ」

「ほよ! いいねいいね撮ろう!」

「私のクールさを世に知らしめるチャンスね」

「ちょうど最近、このぱわ町のふわプリのPVを撮る予定だったアイドルが風邪で辞退したところなんだエヘ。ラッキーといったら悪いけど、空いた枠は確かまだ誰もやる予定は入ってなかったはずエヘ」

 

「PVってどういうのを撮ればいいんだろう?」

「見栄えが良くて楽しそうな画を撮ればいいと思うリボン。歌とダンスもあったらいいリボン」

「楽しそうな画! なら、こうしてみよう!」

 

 流れるプールに、みんなで入ります。プールサイドでエヘさんがカメラを構えて浮いています。 その前をわたしがが笑顔ですいすい。

 続いてティピファちゃんが頭の防水リボンをアピールしながら泳ぎます。

 最後にくぅあちゃんが浮き輪でぷかぷか。

「一人だけ浮き輪エヘ。悪くないけどなんか映像としての締まりが悪いエヘ。浮き輪外してみるエヘ」

「なんてこというのかしら」

「エヘさん、許してあげて。くぅあちゃんは泳げないんだよ」

「あんだけ身体能力高くて泳げないエヘか?」

「しょうがないじゃない。水は天敵なのよ」

「エヘ。なら歩くだけとか」

「浮き輪もなしに水に入れというの、恐ろしいことを言わないでちょうだい」

「怖いのエヘ?」

「怖くなんかないわ」

「でも浮き輪はクールじゃないと思うエヘ」

「私のクールさに浮き輪がついてこれていないだけだわ。浮き輪こそがクールになるべきなの」

「そうエヘか。ならエヘが水の中で、下で支えるエヘ。これなら溺れる心配はないエヘ」

「いえ、いくらマスコットとはいえオスに水着姿を触れられるのは遠慮したいわ」

「エヘさんは女の子だよ?」(わたし)

「え」(くぅあちゃん)

「え」(ティピファちゃん)

「エヘはメスエヘ」

「びっくりリボン」

「びっくらこいたわ。ほよんはいつから知っていたの? 言ってくれればよかったのに」

「はじめましての時からだよ? みんなもわかってると思ってた」

「はあ、これが女の子ねえ」

 くぅあちゃんが不思議そうにエヘさんをさわさわします。

「ぐにゅぐにゅ引っ張るなエヘ」

「まあいいわ。それなら触られてもいいから下で支えてて。しっかり支えるのよ。絶対に放しちゃだめだから」

「わかってるエヘ。そんなに怖がるなエヘ」

「恐れてなどいないわ」

 エヘさんはAIモコさんにカメラを任せました。もこもことしたベージュ色のわたあめみたいな体、頭? の上にカメラを乗せてふよふよ浮いています。

 では仕切りなおして。

 わたしが笑顔ですいすい。ティピファちゃんが頭の防水リボンをアピール。くぅあちゃんがクールな流し目で髪をシャランと片手で払いながら歩きます。

「OKですモコ」

「「「いえー!」」」

 三人で喜んでいると「もがごぼがべがえべっ!?」とエヘさんが水の中から上がってきました。

「今くぅあ踏んだエヘ!? ひどいエヘ!」

「ぎゅむっとした感触はしたけれど、エヘイエーだったのね。ごめんなさい」

「まったく、気をつけてほしいエヘ」

「これ、撮れた映像ですモコ」

 プールサイドに上がって、AIモコさんがさっき録画した映像を再生してくれるのを四人で見ます。

「ほよ~いい感じに撮れてるね~!」

「あとでこの映像にエヘが編集とか入れたりもするエヘ」

「ふふ、いいわね。これで完成かしら?」

「まだ一シーンだけリボン。これを足掛かりにどんどん撮っていくリボン」

 

「あ、ほよんちゃーん!」

 この声は……姫花さんだ! 姫花さんが水着でやってきました。

 手をひらひらと控えめに振るシルフィーさんも、周囲に肢体を見せつけながらスイさんもいます。

 パラダイムハート勢揃いです。

「姫花さんの水着姿! 素敵すぎるよ! ほよほよほよ~」

 白いビキニで露出した肌が眩しいです。とっても触りたくなるような白くて柔らかそうな肌をしています。華やかでトロピカルなパレオを巻いていて、いいアクセントで、コントラストが、ああもうとにかくふわふわかわいいです! 姫花さん素敵! 抱きしめて!

「ふふふっ。ほよんちゃんも食べちゃいたくなるような玉のお肌しているではありませんか」

「スイの水着。その水色のビキニ。この中で一番布面積が小さいわね。相変わらず肌を晒すことを躊躇わない堂々としたやり方は、さすがクールと言わざるをえないわ」

「くぅあちゃんも、その足綺麗じゃ~んぅ。触っていいぃ?」

「だめよ」

 きゃいきゃいきゃいきゃい。四人でわいわい。そんな中、ティピファちゃんがすすすと気づかれないように静かに下がっていきました。わたしは気づいていますがシルフィーさんがティピファちゃんに近づいて行ったので様子を見ることにします。

 

「…………」

「ねえ、ワタシの水着姿はどうなの? リボンちゃん」

「森林さんの水着姿……。その、エメラルド色のワンピース水着に、フレアスカートみたいなのが付いた水着姿の、森林さんの感想を言わなければならないリボン……?」

「そうだよ。ワタシだけまだ何も言われてないよ。リボンちゃんの口から聞きたい」

「なんか恥ずかしいから遠慮しておくリボン」

「え……言ってくれないの?」

「うぐ……そんな顔をするのはずるいと思うリボン……こんな顔のいい女の子が、悲しそうな顔するのはダメリボン……!」

「言ってくれる……?」

「言えないリボン」

「ええー……」

 仲良しそうで何よりです。わたしは嬉しくなります。ほよ~。

 

 

 

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