ふわプリ   作:ソウブ

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4話 ふわふわ劇場をつくろう!

 

 

 

 今日も今日とて、ふわプリのカフェテラスの丸テーブル席で、くぅあちゃんとティピファちゃんと三人で集まります。今日はエヘイエーさんもいるよ。だから四人だね。いや待って三人と一匹? 一体? ん~ほよよ~……四人でいいよね。

「ほよ~今日もライブ楽しかったねっ」

「そうねほよん。今日もクールに決められたわ。ジートーゼ(ティピファ)さん、あなたもライブしてみなさい。飛ぶわよ?」

「変な言い方しないでリボン。ティピファはまだデータ収集して見極める時間が欲しいリボン」

「しんちょーなんだね!」

「悠長にしているうちに私はどんどん上のクールに成りあがってしまうわよ?」

「人には人のペースがあるリボン」

「そしてそれぞれのペースに寄り添うのがエヘたちマスコットの役目エヘ」

 そういえば、ティピファちゃんのフルネームはティピファ・T・ジートーゼちゃんっていうんだって。

 

「それにしても、私のふわふわ劇場のことなんだけど」

 ふわふわ劇場。ふわプリのライブの途中でやる技みたいなもののことだね。

「あの

 ふわふわ!

 ドキドキ!

 キラメキ!

 元気に目指せ! ふわプリアイドルナンバーワン! 

 てやつ」

 くぅあちゃんが身振り手振りを交えて思い出させてくれます。

「なにあれほよんと一緒じゃない」

「ふわふわ劇場は自分で作って編み出さないとデフォルトのあれになるエヘ」

「ほよ~そうだったんだ」

「なら編み出すわ。他と同じなんてクールじゃないもの」

「わたしも作りたい!」

 オリジナルの技とかワクワクほよほよしちゃうよ。そういえば、配信で見たことあるパラダイムハートの姫花さんのふわふわ劇場はとってもふわふわかわいくてキラキラだったけど、とってもすごい姫花さんが作ったオリジナルだったからなんだね。

 

「まず考えるのはどんなのを作るかよね。私はやっぱり豪華にクールな感じがいいわ」

「わたしはキュート系のかわいさが詰まった感じがいいな!」

「いいぞ、どんどんアイデアを出すエヘ」

「でも作るって言っても、どう作ればいいのかな」

「そりゃお金よ。お金を積んで演出家に演出を盛りに盛ってもらうのよ」

「お金なんて持ってないよ。だいじょーぶかな」

「私も持ってないわ」

「ならなんで言ったエヘ」

「お金より技術リボン。頭を使って自分で演出道具を作ったり、すごい動きの技術を鍛えるリボン」

「お前ら難しく考えるなエヘ。演出家なんていないエヘ。初心者ふわプリアイドルにまず必要なのはイメージと意志力ぐらいだエヘ。あとはこちら側がサポートするエヘ」

「やっぱりふわプリってすごいんだね!」

「解明できない超システム……やはりふわプリは興味深いリボン、ティピファの頭脳が必要とされる場所リボン」

 

「だけどイメージといっても適当ではだめでしょう?」

「それはそうエヘ。適当なイメージに意志力は宿らないエヘ」

「私、今のままだと氷がいっぱいくらいのイメージしか持てないわ」

「想像力が乏しすぎるエヘ。もっと絞り出すエヘ」

「うるさいわね焼きマシュマロにするわよ」

 エヘイエーさんの白くて真ん丸な姿は確かにマシュマロみたいで、焼いてみたらおいしそうだなと思いました。

「ならまずはイメージを広げるためにいろいろするリボン」

「いろいろって?」

「今までのデータを算出して傾向を見ていくリボン」

「なにいってるかわからないよ」

「日本語をしゃべりなさい」

「こいつら! おバカさんとは会話もできないのかリボン!」

「まあ落ち着くエヘ。なんでも試してみて脳を刺激するといいエヘ」

 

「ならとりあえず何か爆発させましょう」

「ばくはつ?」

「火薬か何か使って爆発を起こすのよ」

「なんで!? くぅあちゃん急に悪い子になっちゃった」

「だって刺激がいいってエヘイエーが言ったから」

「それなら脳に電極ぶっ刺したほうがいいリボン。手っ取り早い刺激リボン」

「ほよほよ~……話脱線してない?」

「確かに脱線気味な方法だけど、何でも試してみろって言ったのはエヘだエヘ。とにかく爆発でも電極でもやってみるがいいエヘ」

「いやだめだと思うよ!」

「ほよんはわがままね」

「トライ&エラーが大事なのにリボン」

「わたしが悪いの……? ほよ~……」

 

「なら街歩いてこいエヘ。色々見て回ればいい刺激になるエヘ」

「ほよ! そうしよう! ほよ!」

「そうね」

「ティピファも付き合うリボン」

 

 ふわプリを出て、ふわふわショップを抜けると広い公園に出ます。歩きます。

「あ、あれとか発想のとっかかりにならないかしら」

 くぅあちゃんが指さしたのはくねくね時計です。

 この公園には、時計を支えている棒がくねくねと絡まって曲がっているへんてこな形の時計があるのです。

「ほよ~、でも、あの時計この道通るたびに見てるし何も浮かんでこないよ」

「そうね。私も一切何も浮かんでこないわ」

「ならなんで指さしたリボン」

「すでに見たものでも改めて見たらなにか頭の刺激になるかもしれないじゃない。バカにしないで頂戴。ジャノビョってやつよ」

「何が言いたいかわからないけど多分それジャメビュリボン」

「じゃめびゅってなあに?」(わたし)

「何度も見ている光景のはずなのに、一度も見たことがない光景のように感じられる現象のことだリボン。日本語で未視感ともいうリボン」

「ほよ~」

「まあそのジャメビュが何も起こらなかったのだけれど」

「最初に言いだしたのは氷原さんだリボン」

 

 公園を抜けて歩いて行って、わたしたちは商店街にたどり着きました。

 

「それならあのたい焼き屋はどうかしら」

「おいしそうー!」

「私たい焼きはあんこしか認めないわ。それも粒あんのあんこよ。それ以外は邪道だわ」

「えーカスタードおいしいよー?」

 それにくぅあちゃん、一つのことしか認めない考えは嫌い、って最初に会った時言ってたのに。

「食の好み話の中の戯言よ。真に受けないで」

「ほよ~……」

「とりあえず三人で食べるリボン」

 くぅあちゃんは粒あん、ティピファちゃんはチョコレート、わたしはカスタードを買いました。

「ほよほよ~っおいし~」

「うんうんデリシャスリボン」

 くぅあちゃんはたい焼きの皮だけを剥いで食べ始めました。さらに中身のあんこを取り出してわたしに真顔で差し出してくるのです。粒あんが好きというのはどうなったのでしょうか。

「そんなドクロちゃんのどら焼きの食べ方みたいなことする人いるとは思わなかったリボン……」

「ドクロちゃんて誰よ!」

「わあ急に叫ぶなリボン!?」

「私はこの粒あんがこびりついた皮が好きなのよ。中のあんまで全部食べたら少し多くてなんか違うのよ」

「めんどくさいリボン」

「ほよ~」

 あのたい焼き屋のあんがおいしいからか、あんだけで食べてもおいしかったです。

 

「それで、アイデアのとっかかりぐらいにはなったリボン?」

「あいであ?」

「カスタードおいしかった」

「こいつら目的を忘れてるリボン……!」

 

「わ、忘れてないわよ」

「本当リボン?」

「ごめんわたしは忘れてたよ」

「ほよんはそうみたいね。私は忘れていないけれど」

 たい焼きがおいしいのが悪いのです。

「どっちにしろアイデアは湧かなかったわ」

「がっでむ! ……リボン」

 

 それからもとりあえず歩き回ってみたけどふわふわ劇場の具体的なイメージはよくわかっていないままだよ。

 

「一旦、歩くのはやめて休むリボン。疲れたリボン……」

「ほよ~。そうだね」

「私はまだまだ歩けるわよ」

「ティピファは体力がないリボン。頭脳労働担当リボン」

「ならふわふわ劇場の作り方ぐらいすぐに導き出して私たちにわかりやすく教えなさいよ」

「ティピファのやり方にケチをつけたのは氷原さんたちだリボン!」

「そうだったわねごめんなさい」

 確かティピファちゃんは「でーたをさんしゅつして」とか何とか言っていました。

「今までのデータを算出して傾向を見ていくって言ったリボン」

 

「ならよくわからないけどジートーゼさんの方法でやってみてくれるかしら。私たちはその指示に従ってみるわ」

「ほよ!(わたしも!)」

「急に殊勝になったリボンね。まあいいけど」

 ティピファちゃんはバッグからノートパソコンを取り出してカタカタと指を動かし始めました。

 

「待つ間、ちょっと粘土でふわふわ劇場のイメージを固めてみるわ」

「わかったリボン。でもなんで粘土?」

 くぅあちゃんは家までダッシュで取ってきた粘土でよくわからないオバケみたいなのを作りました。

「私図画工作苦手だったわ」

 

「ここ数か月のライブデータを見る限りは、キラキラとしてて派手で、本人が理想としている世界がイメージになっているっぽいリボン」

 さすがティピファちゃんは頭がいいみたいで、すぐにやり方を見つけて教えてくれました。

「ほよ~理想の世界かあ」

 わたしの理想はなんだろう。今のふわプリが理想かもしれません。こうしてみんなと楽しく過ごしながらふわプリアイドルでいることが、一番好きなのです。

 あ、こういうのがふわふわ劇場に必要な具体的なイメージなのかも。

「でも、私はそっくりそのまま他と同じやり方はイヤだわ」

「かー! ああ言えばこう言うリボン!」

「私はとりーずなーだから」

「わたし、イメージ固まったかも! ほよ!」

「え」

「氷原さん、先を越されたリボンね」

「まだオリジナルふわふわ劇場ができるとは限らないわ。私は負けていない」

 

 

 さっそくライブするためにふわパレスの中の不思議な色合いの部屋へ、(エントリールーム? っていうみたい)入っていくよ。

 でっかい綿あめみたいなふわふわポイントに、キラキラ光るカードをセットしました。

 

 光が広がって、素敵なコーデがわたしの体にぴったりと着せられます。

 

「各所にあしらえられたピンク色のフリルは、ふわふわかわいいをシンプルに体現していますモコ。まだ着て日が浅いのに長年着ているかのように板についていますモコ」

 

 くるくるっと回って。

 

「幸せのふわふわピンクコーデ!」

 

 決めポーズ! ダブルピース☆

 

「ほよっ!」シュパーンッ。(光の粒が飛び散るサウンドエフェクト)

 

 勢いつけてライブステージの真ん中に出るよ。ピンク色のハートやもこもこが散りばめられるステージはわたしの世界。

 

「さあ! 神峰ほよんさんのライブが始まります! 人気も少しずつ上がってきている期待の新人アイドルです、みなさん刮目してくださいね!」

 いつもの白い鎧の人が司会をしています。

 

「きゃー!」

「ほよんちゃーん!」

「ほよほよほよー!」

 

 今回も観客席からほよほよしちゃう声がいっぱい聞こえる!

 よーし、オリジナルふわプリ劇場成功させちゃうぞー!

 

 

 歌う曲名は「ほよほよわ~るど☆」

 

 いくよ!

 

 ~♪

 

「ふわふわかわいいくり~むで ドキドキときめかせたなら

 ほよほよしたり はうはうしたり 幸せ溢れるんだ」

 

 今日も踊れる。ふわプリで歌うの楽しい。

 

「楽しさ嬉しさケーキ ぱくぱくっと食べたなら

 友達みんなと分け合いたいな ほ~よほよほよほよスマイル

 未来へ向かうほよほよ 今あるほよほよ

 大切にしたら 全部のときが輝いちゃうんだ 

 届け楽園ほよほよ ワクワクリズムでほ よ よっ

 暗い気持ちだって 明るくほよほよ」

 

 もうすぐふわふわ劇場をする時間だよ。成功できるかな。緊張する。エヘイエーさんが言ってた通りにとにかくイメージしよう。頭の中に友達と過ごすときが一番大好きって思い浮かべる。

 

 ふわふわ劇場 オープン!

 

 楽しい! みんなに広がれ! プレゼントパラダイスー! 

 

 わたしがジャンプすると、ふわふわもこもこなピンク色のものが世界に溢れて、いっぱい飛んでいきます。

 

 ふわかわほよよんっ! 両手でハートマークを作ってウインクします。

 

 やった! オリジナルふわふわ劇場成功したよ!

 

「世界がほよで溢れたら 光塗れのマイアイ

 夢の先が ほよほよほよほよっ 待ってる」

 

 最後の決めポーズで、ライブが終わりました。やっぱりライブは気持ちいいです。

 

 ふわチケGET!

 

「ほよんちゃんほよほよほよー!」

「ほよほよほよほよー!」

 観客のみんなもほよほよになってくれたよ!

 

「神峰ほよんさんのふわふわランクが初心者アイドルからワンステップアイドルへランクアップしました。おめでとうございます!」

 今回も鎧の人が褒めながらランクを教えてくれます。

 

「くっ! ほよんに先を越されたわ!」

「どんまいリボン」

「急ぐ必要はないエヘ。自分のペースでいつかできるようになればいいエヘ」

「それでは! それではなんかクールじゃないのよ!」

「えぇ……その考えは生きづらいと思うリボン」

「すぐに私もクールなふわふわ劇場を完成させてやるわ」

 

 

 

 AIモコの、ふわプリ世界紹介のコーナー☆

 

「今回紹介するのはコーデではなく、ふわプリのある世界の細かいところですモコ」

 

「この世界のエネルギーの大半は、ふわプリアイドルがライブすることで発生するエネルギーで賄われていますモコ」

 

「以上、ふわプリ世界紹介のコーナーでしたモコ~」

 

 

 

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