オタメイト~幻想浪漫旅行~   作:まぐろ

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十話「旧地獄」

 遡る事数十分前...お燐は『狐龍 咲ペットへの勧誘作戦』を実行していた。

 お燐は猫の姿に変身し地面を嗅いで咲を捜索していた。

 

 「う~んこの先だな...もしかしたら既に地上へ出ているかもね~」

 

 (一緒にヤマメとキスメの匂いもするから2人が咲を地上まで案内したのかな?...ヤマメは親切だから可能性大だな)

 

 お燐は匂いをたどり大通りに出て橋へと向かおうとしていると反対側が騒がしいと気付き作戦をそっちのけ興味本位で騒ぎの元へ向かった。

 騒ぎの場所へ着くとそこには人混みにあふれその奥で一つ目の大男ととかげ頭の男二人が何やら地面からはい出た2本の巨大な突起物を囲っていた。

 お燐は何の騒ぎか知りたく近くにいた見知った一本角が生えた鬼族であろう男性に「何かあったの?」と聞いた。

 

 「おお!お燐ちゃんか、なんでも急に道のど真ん中であれが生えてきたらしくてよ、その時近くで歩いていた奴がそれにぶつかって怒ってるんだとよ」

 

 「急に生えたって...あの形からして筍かなんかかい?」

 

 「筍ではないみたいだよ?岩だとかなんとか」

 

 お燐は「岩にしては色は変だし妙に光沢がかってんだよね」と目を凝らしているとメガネをかけた羊の角のような物が生えた男が「あれは牙さ」と声をかけ、お燐は「牙?あれが?」と疑問そうに言った。

 

 「ああ、私にはわかるあれは牙、化石だよ」

 

 「なんでそんな化石がこんなところに現れたのさ?」

 

 「恐らく地面に埋まっていたのだが地震によってはい出たのさ!だから急に現れたのさ!」

 

 「地震?そんなの起きたかい?」

 

 お燐は鬼族の男に聞くと「いや?」と首を横に振り「あんたの妄想だろ?」と眼鏡の男に言うと「妄想じゃない!」と大声を上げた。

 

 一方、突起物にぶつかったであろう一つ目の大男がその突起物に蹴りを入れ怒りを露にしていた。

 

 「んだよ!これはよ俺の邪魔をしやがって」

 

 すると、とかげ頭の2人が「全くですぜ兄貴」と声を揃え、同様に蹴りを入れた。

 

 「俺を痛い思いさせやがってこんな物ぶっ壊してやるぜ!」

 

 「やっちゃってくだせぇ兄貴!」

 

 「兄貴の邪魔する奴は粉々だぜ」

 

 大男が突起物に向かって殴った瞬間、大きな揺れが発生し大男がバランスを崩ししりもちをつき側近達がそれを心配するように近寄ろうとしたが揺れはどんどん大きくなり側近達もバランスを崩し倒れこんだ。

 

 「ま、まさか本当に地震が!?」

 

 「私の言った通りだ!地震だ地震が原因だ!」

 

 「そんな事言ってる場合じゃないよ!この揺れどんどんでかくなっt」

 

 その直後だった。

 

 ドカァァン!!

 

 爆音が鳴りお燐はその音で身構えた瞬間謎の浮遊感に襲われ何が何だかわからなくなり辺りを見渡した。

 辺りには自分より一回り大きな岩と騒ぎに集まっていた者達が空中に入ることに気がついた。

 そして自分自身も同じ状況だと気づいた。

 

 (な、なんで...あたいも浮いて...!?)

 

 ふとお燐は地上に目線向けるとそこには土煙から見えた巨大な影と大きくギラついた緑眼をした何かに睨まれている事に気がついた。

 

 (こ....これは)

 

 土煙は徐々に晴れ次第に巨大な影の姿が露になり、その姿が無数の棘に剛爪、下顎から伸びる豪壮な牙、身体中には鋭く黒光りした鱗を身に纏った巨大な龍だった。

 

 「キ"ュ"ゥ"ア"ゥ"ーン"!!」

 

 龍は巨大な口を開け威嚇ともとらえる咆哮を出すと岩やお燐等の人々は吹き飛びはたまた付近の建物は衝撃で崩壊した。

 吹き飛ばされたお燐は地面に激突し痛みを抱えながらゆっくりと顔を上げ自身を吹き飛ばした龍を見つめた。

 

 「あ、あの化物は一体...」

 

 お燐はゆっくりと立ち上がり辺りを見渡すと先ほど話をしていた鬼男が倒れていることに気がつきかけよった。

 

 「だ、大丈夫かい!?」

 

 鬼男は強く打ったのか頭から流血しており辛うじて息をしていた。

 

 「あ...ああ、お燐ちゃんかい?俺は鬼だから頑丈だから大丈夫だよ...いてて」

 

 「どう見たって大丈夫じゃないだろ!早く手当てしないと!」

 

 お燐は鬼男を手当てをしようとしたら鬼男はそれを静止するかのようにお燐の手を止めた。お燐はその行動に同様「な、何してるのさ!」怒鳴った。

 

 「そんな事よりお燐ちゃん!今は姐さんを探して来てくれないかい!」

 

 「勇義の姐さんを探すって...」

 

 「さっきの咆哮でわかるんだ、あれは俺達だけでは太刀打ちできない!あのまま放置したら街道...いや旧地獄がめちゃくちゃになる!」

 

 鬼男の言っている事はもっともだとお燐も実感していた。

 あの龍は化け物だ...今ここにいる者達では歯が立たない事を...しかし鬼男が負傷している姿を見て離れる事に対して抵抗を感じていた。

 そんなお燐の心情に気がついたのか鬼男は大笑いをし、そんな鬼男を見て戸惑うお燐だった。

 

 「心配するなって!言っただろ俺は鬼だから頑丈だって、ちょいと頭から血が出てくらくらするが...死ぬことは無い!多分!」

 

 お燐は「多分ってあんた!」と文句を言おうとしたが鬼男に手で止められた。

 

 「鬼は嘘はつかない!俺が死なないなら死なない!とりあえず俺はあの化け物の事を住人達に知らせて避難するよう促すから、お燐ちゃんは一刻も早く姐さんを呼んできてくれ」

 

 鬼男は一方的に話すとふらついた足元で立ち上がり一目散に走り住人達に避難するよう声をかけ始めた。

 そんな鬼男を心配を横目に頼まれた事を遂行するためにお燐は勇義を探し始めた。

 

 (咲さんを探す時に微かに姐さんも橋の方へ向かった形跡があった...もしかしたら姐さんも橋の方にいるかもしれない!)

 

 お燐は勇義がいるであろう地上へと繋がる穴へと向かった。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 そしてお燐は穴付近へたどり着くと岩影で隠れていたヤマメ達にあい街道で起きた出来事を話し勇義と咲に状況を説明した現在に至った。

 

 「龍が街をめちゃくちゃに...わかった直ぐに向かおう」

 

 「て言う訳だ狐龍、惜しいが決着はまた今度だ私は街道へ向かうからお前は地上に行け」

 

 「おい、待てよ」

 

 咲は勇義を肩を掴み静止すると「気持ちはわかるが今はそれどころじゃねぇ」と肩を弾いた。

 

 「そうじゃねーよ儂も行く」

 

 「はぁ?」

 

 勇義がそう言うと咲は呆れたように「聞こえなかったのか?儂も行くつってんだよ」と言った。

 

 「聞こえてるつーの、なんで来るんだよって意味だよ、お前は地上へ出てやる事があるだろ?こんな事にかまってる暇はねーだろ?」

 

 だったら喧嘩を吹き込むなよとここにいる皆は思ったが、それはぐっと心にとどめた。

 

 「街道[あたしら]の問題は私らが解決する、外から来たあんたにはそんな義務もなければ義理もない」

 

 咲は大きなため息をついた。

 

 「確かに儂は外から来たよそ者だ、街道[ここの]問題は街道が解決するのが筋だが、儂はお前達が築いた旧地獄が好きになった」

 

 咲がそう言うとヤマメが「咲ちゃん」と小さく漏らした。

 

 「案内してくれた奴から色んな事を教えてくれた、綺麗な場所、上手い飯に酒、そいつらのおかげで儂は街道が...旧地獄が好きになった。好きになったから助けるに理由はいるか?」

 

 咲がそう言うと勇義は「そうか!そうか!なら理由はいらないな」と大笑いした。

 

 「私らが築いた旧地獄が好きになったか...嬉しい事言うじゃねーか!あんたの事ますます気にいったぜ!」

 

 「そいつはどうも、とりあえず街道へ向かうぞ星熊」

 

 2人は街道へ向かおうとしたら、ヤマメが咲呼び止めた。

 

 「ん?何だ?」

 

 「ありがとう咲ちゃん...私達の大好きな旧地獄の為に」

 

 ヤマメは満面な笑みを見せキスメも「ありがとう」と礼をすると咲は頬を赤らみ恥ずかしそうに「お、おう」と答えた。なに照れてんだこの畜生は?

 そんな二人と別で勇義がお燐に「案内してくれ」と言いお燐は「わかったよ」と言った。

 そんな勇義にパルスィが話しかけ「どうした?」と聞いた。

 

 「勇義が参戦に了承するなんて普段の貴女なら...『私だけで充分だ』とか『邪魔するなよ』て自分だけで解決するじゃない」

 

 パルスィがそう聞くと勇義は笑いながら「確かにそうだな!」と言いパルスィは呆れた表情をした。

 

 「狐龍の気持ちを尊重しただけさ!それに戦力が多い方が早く解決するだろ」

 

 「確かにそうだけど」

 

 「まぁ最もな理由は今回は下手したら旧地獄が復興できないレベルになる気がする」

 

 先ほどまで笑ってた勇義の表情が真剣な顔をしており、それを見てパルスィは冷や汗を流し「...それって勘?」と聞き「ああ」と勇義は答えた。

 

 そんな事を聞いたパルスィとお凛は得体の知れない恐怖を覚え、急がないといけないと感じ、5人は龍がいる場所へと向かった。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 街道へ着いた5人は悲惨な光景を目の当たりにして言葉を失った。

 

 「...さっきより酷くなってる」

 

 勇義は辺りを見渡し何キロか離れた場所でこの状況にした張本人の巨大な影が角に曲がる姿を見て「あいつだな」と呟いた。

 

 「ヤマメとキスメとパルスィは住人達の救出に行ってくれ!」

 

 勇義がそう言うと3人は了承し各自散らばり救出に向かった。

 

 「お燐は地霊殿へ行けさとりのやつに状況を説明して避難するように伝えとけ」

 

 「わ、わかったよ!」

 

 お燐は急いで地霊殿へ向かった。

 

 「狐龍は一緒にあのやろうをブッ飛ばすぞ!」

 

 「ああ、さっさと片付けるぞ」

 

 勇義は手を鳴らしながら「足引っ張るなよ?」と言い、それにたいして「こっちのセリフだ」と咲は刀を取り出した。

 2人は影の元へ向かい角を曲がるとそこには巨大な黒光りした竜が勇義達に気がつき睨み付けた。

 

 「キ"ュ"ア"ゥ"ン"!!」

 

 勇義も同様に龍を睨みつけ「行くぞ狐龍!」と声をかけたが咲からの返事がなく、咲の方を見た。

 咲は目を見開き汗をかきながら驚愕していた。

 

 「どうした狐龍まさか怖じけついたわけじゃないだろうな?」

 

 勇義は煽り文句を言ったが咲は直ぐには反応しなかった。

 

 「お、おいまじでどうしt」

 

 「なんでこいつがいるんだよ幻想郷に!?」

 

 咲の口から思いもよらぬ言葉が出、勇義は何を言っているのかわからなかったが、ただ咲がこの龍の事を知っているというのがわかった。

 

 「どういう事だ、こいつのこと知ってるのか」

 

 咲は頷いた。

 

 「あれは儂...別の世界にいた『飛竜』だ」

 

 「飛竜!?あれで飛べるのか!?」

 

 「いや...翼は退化して飛べないが種族が飛龍って言うだけだ」

 勇義は「なんだ」とあからさまガッカリしており、咲が「期待してんじゃねーよ!」と言った。

 

 「あいつの名前は...」

 

 其の口は血の海、二牙は三日月の如く、陽を喰らわんとする竜...

 『覇竜 アカムトルム』

 

 「覇竜か...なかなかにそそるじゃねーか、これは楽しめそうだぜ」

 

 「呑気な事言ってんじゃねーよ、舐めてたら、まじでしn」

 

 咲は忠告しようとしたが勇義は既にアカムへ突っ走っており「ったく」と言いながら勇義を追った。

 

 (にしてもなんでアカムがこの幻想郷にいるんだ?)

 

 疑問抱きながら咲は走るが、そんな事を考えている内に勇義は握り拳を高く上げアカムを殴る姿勢をとっていた。

 

 「うちの所...荒してんじゃねぇ!!」

 

 勇義の拳はアカムの眉間にヒットし吹き飛んだ。

 

 [0]

 

 アカムは岩壁に激突し崩れた瓦礫により下敷きになった。それを見て咲は足を止めた。

 

 「んだよ覇竜って言うから骨がある奴だと思ったのに...とんだ拍子抜けだぜ」

 

 (流石だなあのアカムを一撃で倒すなんて...)

 

 咲、要らなかったんじゃね?と言う空気になった。

 しかし急に地面が揺れだし瓦礫が崩れ初め下敷きになったアカムが声をあげながら現れ、それを見て勇義が「そう来なくっちゃな!」と嬉しそうにした。

 勇義はアカムに再び攻撃しようと高く飛び上がりアカムの、顔の真っ正面に移動し「これは耐えれるか?」とニヤリと笑い拳を横に振った。

 

 「一方的だな...儂の存在忘れてないか、あいつ?」

 

 [0]

 

 勇義の拳はヒットした。...しかし先ほどとは違いアカムは吹き飛ばされず殴られた衝撃でよろめくが脚で踏ん張り、勇義を睨んだ。

 思いもよらない事に咲は目を疑い、勇義は何かヤバいと悟り今までより強力な一撃で屠ろうしたが先にアカムが巨大な手で勇義をなぎ払った。

 

 「グッ!?」

 

 勇義は吹き飛ばされ建物を次々と激突し崩壊していった。

 咲は「勇義!?」と心配し勇義のもとへ向かおうとした。

 

 (まじか、勇義の攻撃をまともに二回受けて生きてるなんて...と言うより、無傷かって言うぐらいにピンピンしてないか、あれ?!)

 

 「キ"ュ"ゥ"ン"!!」

 

 「っ!?」

 

 アカムの声による威圧に気づいた咲はアカムの方へ振り向くと建物を破壊しながらこちらに突進している事に気がついた。

 

 (避けるのは容易いがカウンターで奴を怯ませてから勇義の所へ、のが得策だろ...だが勇義の攻撃を受けても平気な奴に儂の技は通用するか?)

 

 自身の攻撃が通用しないのではないのかと不安がよぎる咲だったが、そんな悩む時間も惜しいと言わんばかりに迫りくるアカムを見て「考えても仕方ないな」と自身に言い聞かせアカムを撃退しようと構えた。

 咲は両手で刀を握り天に向けると炎が吹き出した。

 辺りは明るく照らされ、温度が急激に上がり咲自信もその暑さに汗が流れ、流れた汗が地面につくと瞬く間に蒸発するほどだった。

 咲とアカムの距離は近づきアカムが咲を喰らおうとした瞬間、刀は振り下ろされた。

 

 「陽符『炎天』ッ!」

 

 脳天を直撃したアカムは開けてた口を「ガギン!!」と音を立てめり込むように地面に叩き付き「グギュア!」と断末魔を上げた。

 

 [600]

 

 「...?」

 

 咲はめり込み怯んだアカムを横目に勇義の元へ向かった。

 

 (なんだ?...思ったゆり手応えがあるような、勇義の時と違って断末魔をあげてたし...それになんだあの数字は?)

 

 色んな事が頭を過りながら咲は勇義のもとへ駆けつけると瓦礫から出てきた勇義がおり、何故かその隣にはパルスィがいて「大丈夫?」と心配していた。

 

 (救助中にちょうど出くわしたのか)

 

 「痛ってぇ~あの野郎派手にぶっ飛ばしやがって」

 

 「勇義を吹き飛ばすなんて相当じゃない、かなりの強敵じゃない」

 

 勇義は沈黙した。パルスィが「勇義?」と顔を覗かせると勇義の表情が不満に満ちていた。

 

 「確かにダメージは受けたが...なんと言うか...あまり強くないって言うか?」

 

 パルスィは頭の中が(?)で溢れた。現に勇義は吹き飛ばされ出てきた時に痛がっていたため、あの勇義がダメージを受けたのだから相当なものだと考えるのが自然だ。そうしていると咲が駆けつけて勇義が「よぉ」と手を振った。

 

 「おい、大丈bってお前頭から血が出てるじゃねーか!」

 

 頭から血が流れ始めた事に「おぉ!まじか」と驚きパルスィが慌ててハンカチを取り出し勇義の血を拭った。

 

 「そういや狐龍、さっきのはあいつの声か?なかなか強ぇ技持ってるじゃねーかよ!」

 

 勇義は肘で咲を突きながら「なんで私の時は使わなかったんだよ」と言い「とってたんだよ」と咲はめんどくさ気に答えた。

 

 「確かに火力のある技を使ったが儂のよりお前の、拳の方が火力はあるはずなんだがな...妙な感覚なんだよな」

 

 咲がそう言うと勇義が「お前もそう思うか?」と共感した。

 

 「と言う事は『吹き飛ばされた時』か」

 

 「ああ、お前も見ててわかっていると思うが...『あの程度の攻撃で私がこれだけダメージを受けるなんてあり得ない』」

 

 咲は「だな」と言った。2人は先ほどまで戦ってい事からお互いの戦力はある程度わかっていたためアカムとの戦闘に違和感を覚えていた。

 

 「ダメージといい攻撃といい私との相性は最悪だな」

 

 「勇義に対して特効か...あいつにそんな設定はないはずだがな」

 

 「設定?」と不思議に思った勇義に「気にするな」と咲は返した。

 

 「儂の属性技はあいつにとってはそこまで効果が無いはずなんだよな」

 

 「属性じゃないなら攻撃方法か?『打撃』がダメで『斬撃』が有効とかか?」

 

 咲は「いや、それも無いな」と即答した。

 

 (モンハンの世界ではハンマーとか狩猟笛とかの打撃武器で狩りをするからな...むしろ打撃の方が有効なんだよなアカム銀行)

 

 「だよなー...『手応えは感じる』んだが『ダメージが無い』んだよな」

 

 考えれば考えるほど悩む種が増えるだけで何の進展もなく、そうこうしている内に「キ"ュ"ゥ"ア"!!」と声がしアカムが動き出した事に気がつき勇義はパルスィに離れるよう促しパルスィは言うとおり遠くへ離れた。

 

 「考えても仕方ねぇ...行くぞ」

 

 「...そうだな」

 

 2人は復活したアカムの方へ向かった。

 

 (とは言ったものの、この種がわからないと解決には程遠い気がするな...戦いつつ考えろ)

 

 2人はアカムのもとへ着くとアカムも2人に気付き「キ"ゥ"ア"ゥ"ーン"!!」と威嚇した。

 するとアカムは尻尾を地面に叩きつけ擦るようになぎ払おうとすると咲は地面を蹴り尻尾を避け、勇義は堂々と突っ込みを足で蹴り返そうとした。

 

 「オラァ!」

 

 [0]

 

 勇義の足でアカムの尻尾をはね除けたがアカム自身にはダメージが無いように見えて(やっぱり無いな)と改めて実感した。

 一方咲は、はね除けた尻尾の真上にタイミングよくおり尻尾に目掛けて突く構えをとった。

 

 「雨符『水面波紋』!」

 

 連続で放たれた刃先は尽くアカムの尻尾を突き刺し「グギャアア!」と悶えた。

 

 [120][110][115][100][105][120][100]

 

 (またあの数字だ、そう言えば勇義が殴った時も出ていたな...0だったが)

 

 「...まさかダメージ数か?」

 

 謎の数字の真意に気がつき始めた時、悶えていたアカムは咲を尻尾で高く打ち上げ、吹き飛ばされた咲を見た勇義「狐龍!」と大きな声で呼びかけた。

 

 (ッ!水面波紋のお陰で多少和らげたが、かなりのダメージだな)

 

 咲は空中で建て直し辺りを見渡し破壊されていく街に嫌気をさしていた。

 

 (くそ!早くあいつを何とかしないと街並みがめちゃくちゃに...ん?)

 

 「あいつのいる場所と他の場所...地面が違う?」

 

 咲は空高くいる事に気がついた。旧地獄の地面は青黒い岩に対してアカムのいる場所もといアカムが通った場所が黒曜石の地表に血管のように張り巡らした赤い線をなぞり、その赤い線が溶岩である事に気がつきらまるで火山地帯のような地面になっている事に...

 

 「あの地面『火山地帯』似てる。あいつの通った場所がモンハンの世界になってるような...っ!」

 

 咲は何かに気がついたのか目を見開いた。

 

 「そうか!あいつ自身とその周囲はモンハン世界になっているのからこんな訳のわからない事になっているのか!」

 

 咲の言いた事はこうだ、アカムが通った場所は東方の世界とは異なる。モンハンの世界に書き変わっており、勇義の異常なダメージと攻撃無効はモンハンの世界の秩序[ルール]による事で起きている。

 アカムを狩猟するである狩人[ハンター]は防具やスキルを覗きダメージ量は均等であり勇義がダメージを受ける理由は鬼の頑丈さを無視し咲同様のダメージを受けている事である。

 そして何故勇義の拳等は無効で咲の刀は有効なのは...

 

 「『狩人は武器でモンスターを倒す』確かにそれだと合点は行くが、だが何故そんな不具合[バグ]みたいな事が...あ?」

 

  [NEXT MOTTI ZA HINTO]

  [VIRTUAL SKILL]

 

 「あ"の"ア"ホ"か"ァ"!!」

 

 アカムと引きを取らない咲の怒号が地底中に鳴り響いた。

 あまりの圧巻にアカムは一歩後退り、思わず勇義が「おぉ怖っ」と口を漏らした。

 

 「あの野郎見つけ次第、ぶっ[規制]すッ!」

 

 鮪麗に対して殺意マシマシに暴言を吐き散らす咲だった...ひぇっ

 

 「ク"キ"ュ"ゥ"ア"ゥ"ン"!!」

 

 あまりの殺意にアカムは脅威を感じ咲に向かって大口を開け喰らいつこうとした。

 咲は回避しようとしたが先ほどできた飛行がうまくできない事に気がついた。

 

 「あ、あいつ飛べなくなってるのか!?」

 

 (くそっ!モンハンの世界になってるから飛行も出来なくなってる!)

 

 飛行ができない咲はそのままアカムの口へ向かうだけだった。

 勇義は助けようとスペルカードを使おうとしたがアカムの影響により使用が出来なくアカムに近づくため走った。しかし距離があるのと普段の力が徐々に発揮出来なくなっていくのがわかり「クソッ!」と吐いた。

 

 「ッ!」

 

 次第に近づく大口に息を飲む咲...その時だった。

 

 「ク"キ"ャッ!」

 

 [114][120]

 

 「!?」

 

 アカムは何者からの攻撃により横へよろめき勇義の方へ倒れ混み「うおっ!」と勇義は驚いた。

 咲はアカムを攻撃したであろう者の方へ振り向くとそこにはお燐がいた。

 2人はそのまま着地し、お燐は咲の元へかけよった。

 

 「大丈夫かい咲さん!」

 

 「すまん助かった」

 

 「そいつは良かったよ」

 

 2人が話していると勇義がやってきてお燐にたいして「どうしてお燐がいるんだ」と聞いた。

 

 「そう言えばそうだな...さとり達はどうしたんだ?」

 

 「そ、それが...」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 少し前に遡る。地霊殿の住人達を避難する為に主であるさとりに伝えるため部屋へたどり着いたお燐はノックせずに入り慌ただしく「さとり様大変です!」と言った。

 部屋に入るとさとりとお空がおり、お燐に気がついたお空が「あ、お燐だー」と呑気な事を言い「呑気にしている場合じゃないよ!」とお燐は怒鳴った。

 

 「そんなに慌てなくていいわお燐わかっているは避難の事でしょ?」

 

 さとりは能力を駆使しお燐の伝えたい事を言い当てた。

 

 「それなら話しが早い!早くみんなを連れて避難しましょう」

 

 お燐はそう言うがさとりは首を横に振り「それは出来ないわ」と言った。

 

 「今は咲さんと姐さんが戦っているけどいずれここも危険になりますよ!」

 

 「そうなのお燐!?さとり様早く一緒に避難しましょうよ!」

 

 2人はさとりに訴えるがさとりは首を横に振った。

 

 「何でそこまで...」

 

 「お空、貴方は灼熱地獄の管理があるでしょ?貴女がここを離れたら灼熱地獄は暴走して旧地獄どころか地上にまで悪影響が及ぼすわ」

 

 さとりがそう言うとお空は「あ、そうだった」と自身の仕事をしっかり忘れている鳥頭力を発揮し、さとりとお空はガクッとした。

 

 「あ!もしかしてさとり様...」

 

 「察しが早いわね...お空を1人置いて行くわけにはいかないわ」

 

 さとりがそう言うとお空は「さとり様~」と感銘を受けた。

 

 「だけど困った事に私が残ると言ったら他のペット達も残るって言うのよね...」

 

 「なるほど...でしたら私も残r」

 

 お燐は残ろうとしたが「貴女は行きなさい」と、さとりに静止された。

 

 「ど、どうしてですか!私もさとり様やお空達と居たいですよ!」

 

 「貴女の気持ちはわかるわ、だけど貴女にはお願いしたい事があるのよ」

 

 さとりがそう言うとお燐は「な、何でしょうか」と恐る恐る聞いた。

 

 「咲さん達の手伝いに行きなさい、戦力があればあるほどその龍を早く撃退できて私達も無事でいられるわ」

 

 さとりの言葉にお燐は「確かにそうですが...」と言っている事はわかったがあまり納得はしていなかった。

 

 「だけどあたいが加わったら邪魔にならないかなそれ?」

 

 「大丈夫よ貴女ならきっと咲さん達の助けになるわ」

 

 笑顔でそう言うさとりを見てお燐は渋々了承した。

 

 「大丈夫だよお燐!もしその...りゅう?て奴が来たら私がぶっ飛ばすから!」

 

 お空はお燐を元気付けるようにそう言いお燐は「その時は頼んだよ」とお空の肩を叩き、お燐は咲達のところへ向かった。

 

 「一応聞きますけどさっきの話しは、さとり様の勘ですか?」

 

 「勘よ」

 

 (勘か~)

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 「お空を置いていけないから残るって...さとり様から咲さん達の手助けに行くように言われて」

 

 勇義が「あいつらしいな」と納得した。

 そうこうしているとアカムは動きだし、3人は間合いをあけるために距離をとった。

 

 「ク"キ"ュ"ゥ"ア"ゥ"ーン"!!」

 

 「にしても咲さんと姐さんの2人がかりでもまだピンピンしてるなんてかなりの強敵だねこいつ」

 

 「ああ何故か私の攻撃が効かなくてよ」

 

 「そうなの!?あれ?でもあたいの攻撃は効いているような気がしたんだけどな?」

 

 お燐がそう言うと勇義は「何で私だけなんだよ!」不満気にした。

 

 「そうだ!勇義こいつの仕組みがわかったぞ」

 

 「お、まじか!あいつをぶっとばせる方法がわかったのか?」

 

 「あたいにもわかるように説明してくれないかい?」

 

 2人は咲に問い詰めるが咲はふと前を見るとアカムトルムが再び大口を開けながら突っ込んで来ている事に気がつき「すまん詳しく説明する暇はない見たいだ」と咲は言いながら二人の前に出た。

 

 「儂があいつを1分ぐらい止めてる間に説明する」

 

 咲の言う事にたいして2人の脳内に(?)が浮かんだ。

 

 「...『オーディオ・ビジュアル』」

 

 咲の言葉にお燐は身に覚えがあり「もしかしてバーチャルスキルかい」と言った。一方勇義は訳もわからないが。

 咲は目を見開きアカムを見つめながら「『ストップ』」と言った。

 するとアカムの動きが止まりまるで一枚の写真のような状態になった。

 そんな光景を見た2人唖然としたがお燐が「さとり様の言ってたとおりだ」と呟き勇義が「どう言うことだ?」と聞いた。

 

 「さとり様の憶測だったんだけど確信したよ...咲さんのその『オーディオ・ビジュアル』見ている物の時間を止める能力だよね?」

 

 お燐がそう聞くと咲は「だいたい合ってるが今はその説明は必要は無い」と答えた。

 

 「単刀直入に言うと現状の儂らの肉体と言うより防御面は『人間そのもの』になっているって事とあいつには『武器の攻撃』しか通用しないと言うわけだ」

 

 咲の説明に勇義は「なるほど、そう言う事か」と納得した。

 

 「だけどあたいの攻撃はどうなんだよ?何で効いたんだい?」

 

 すると勇義が「もしかして爪で攻撃したか?」と聞きお燐は頷いた。

 

 「おそらく爪は武器判定になったんだろうな」

 

 「なるほど」

 

 「と言うかそれだと私全然役にたたないじゃねーかよ!どうすりゃいいんだよ」

 

 すると咲が刀同様に氷で棍棒のような物を作りだし勇義に渡した。

 

 「おお!これで私もあいつをぶちのめせるって訳だな」

 

 「一応言うが加減しろよ!」

 

 「はぁ?なんでだよ」

 

 「当たり前だろ!お前が普段の力でブン回したらそんな棒切れ風圧だけで即効折れるに決まってるだろ!」

 

 「私と戦ってた時お前の刀折れたり刃こぼれとかしてなかったじゃねーか」

 

 「あれはヒビ入ったり刃こぼれした瞬間に治してんだよ!その棍棒は強度を上げる為に時間をかけているからいちいち作成するひまねーんだよ!」

 

 (そういや話している最中何か作っているなーって思っていたけど、それだったのか)

 

 そうこうしている内に咲の瞼が限界に近づいており2人に「そろそろ能力を解除する」と伝え2人は構えた。

 

 「いいか?まじで加減しろよな!」

 

 「わかったわかったって善処するさ」

 

 咲とお燐は内心(本当に大丈夫か?)と心配した。

 

 (くっ...もう限界だな)

 

 咲は瞼を開け続けるのが限界になり閉じた。瞬間アカムは動き始め3人めがけて突進した。

 

 咲とお燐はアカムの突進を避けるために右へ行き勇義は堂々と立ち真っ向勝負するつもりだった。

 

 「キ"ュ"ゥ"ア"ゥ"ーン"!!」

 

 「今度は...こっちの番だぜ」

 

 勇義は左手で棍棒を振りかざしアカムをぶっ叩いた。

 

 [570]

 

 「ク"ャ"ッア"」

 

 「おお!結構いい声出すじゃねーか」

 

 勇義の一撃でアカムはよろめき再び倒れこんだ。

 

 「おい!」

 

 「心配すんなよちゃんと手加減してあるからよ、やっと出番が来たんだから一発やってハイおさらばなんてごめんだからよ」

 

 まともに戦えた事に勇義は喜んでいるとアカムは立ち上がり勇義を腕で攻撃しようとした。

 

 「ふん!」

 

 勇義は棍棒を持ってない右手てアカムの腕を払いのけた。

 

 [0]

 

 「キ"ュ"ゥ"ア"ゥ"ーン"!!」

 

 自身の攻撃を弾かれ思い通りにならない事に怒りを露にするアカムに勇義はニタリと笑った。

 

 「ダメージは与えれねぇが受け返す事は出来るぜ」

 

 (とは言ったものダメージは0には出来ねぇんだよな...奴の攻撃を受けるたびダメージが蓄積してるのがわかる。長引くとあいつより先にダウンだな)

 

 「おらよ!もう一発だァ!」

 

 勇義は再び棍棒を振り下ろしアカムの牙に当て勇義の棍棒はアカムの片牙を砕いた。

 

 [600]

 

 「ク"ャ"ッア"!!」

 

 一方ふた手に別れていた咲とお燐はアカムの後方、尻尾へと向かっていた。

 

 「勇義の姐さんが引き付けてる間にあたいらも追撃しよう」

 

 「ああ、尻尾を切り落とすぞお燐!」

 

 「合点承知!」

 

 そう言うとお燐は爪を伸ばし尻尾に向かって飛び付いた。

 

 「オラオラオラ」

 

 [120][110][115]

 

 (あいつに有効な属性は竜だが、次に有効なのは...電か)

 

 咲は刀を鞘にしまい抜刀の構えをした。

 

 「雷符『電光石火』!」

 

 [1050]

 

 「ク"キ"ャア"ア"ッ」

 

 咲の攻撃はアカムの尻尾を切り裂き、宙を描きながら尻尾は「ズシン」と音をたて落ちた。

 

 「よし!これで尻尾攻撃のリーチは無くなったね」

 

 「ああ、だが油断するなよ今の儂らは人間そのもの体なんだから一発でも食らえばそく死亡だからな」

 

 (防具とか着いていたら多少はましなんだが...儂らの成りからして初期のインナーレベルなんだよな)

 

 咲がそう言うとお燐は「わかってるよ」と答え追撃へと向かった。

 

 「あの2人やるな!...私も良いところ見せ...ん?」

 

 3人は追撃をしかけようとした瞬間、アカムがゆっくりと立ち上がりだした。

 

 「な、なんだ?」

 

 「この動き...まさか」

 

 アカムの外殻の節々がマグマのような赤い光を放ち、緑色の瞳も赤々と輝き、口から垂れた唾液が落ちるとそこから「ジュッ」と音を立て地面が溶けた。

 

 「全員離れろォ!!」

 

 咲がそう言い二人は言うとおりアカムから全速力で離れ咲も同様に走りだした。

 

 「咲さんッ一体どうしたんだい急に?」

 

 「話しは後だ今は走るのに専念s」

 

 「キ"ュ"ゥ"ア"ゥ"ーン"!!」

 

 アカムは今までに無い咆哮を出した。あまりの音に3人は思わず耳をふさぎその場でうずくまる程だった。

 

 (な、なんつうバカデカイ声出しやがるッ!)

 

 (あ、頭がァ)

 

 そしてアカムの咆哮は音だけではなく衝撃波を放ちことごとく破壊されていった...

 

  『ソニックブラスト』

 

 アカムトルム最大技、辺りを破壊するアカムトルムのブレス...

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 「キ"ュ"ゥ"ア"ゥ"ーン"!!」

 

 アカムの咆哮と震動が避難をある程度出来たヤマメ達のところまで届いていた。

 

 「い、今の音何?」

 

 「もしかしてお燐の言っていた竜の?」

 

 「この声はそうね...あいつのだわ」

 

 パルスィがそう言うとヤマメとキスメは顔を見合せ心配した。

 

 「大丈夫かしら」「ここまで揺れが来てたぞ?」「姐さんがいるから心配無いって」「にしても遅くないか?」「も、もしかして姐さんやられたんじゃ...」

 

 避難していた住人達も不安に満ちていた。そんな中ヤマメが「みんな大丈夫だよ!」住人達に聞こえるよう大きな声で呼び掛けた。

 

 「勇義の姐さんなら心配ないよ!何とかしてくれるさ!姐さんの事だからきっと戦いを楽しんでるから遅いんだよ」

 

 ヤマメはそう言うと住人達は「それならいいが」「姐さんならあり得るな」「ヤマメちゃんの言う通り!」と活気が戻り始めた。

 活気が戻る住人達を見てヤマメは「よし」とボソッと言い背後からキスメがヒョコッと顔を出しニコと笑いパルスィはヤマメの頭をポンと手を置き微笑んだ。

 ヤマメもニコっと笑い咆哮がした方へ向き...

 

 「咲ちゃん...信じてるね」

 

 咲達を案ずるように呟いた。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 「__ん」

 

 「__ちゃん」

 

 「咲ちゃ~ん」

 

 咲はアカムの衝撃波による攻撃で気を失っていた。

 そんな咲を起こそうと呼び掛ける少女の声がし咲は気がつきゆっくりと目を開けた...糸目だから開けている時と閉めている時の違いはわからないけどね。

 咲の視界には無邪気に笑っているこいしがおり咲は嫌な顔をした。

 

 「...お前かよ」

 

 「ぶぅ、そんな嫌そうな顔しないでよ、こいし傷ついちゃった!」

 

 ぶりっ子ぶるこいしに咲は嫌気をさした。かわいいからなお腹立たしからだ。

 

 「だいぶ気絶していた気がすr...ッ!勇義とお燐は!?」

 

 咲がそう聞くとこいしが右方向に指を指し「あっちは勇義」そして咲の後ろ側で「あっちがお燐」と2人の場所を教えた。

 

 「2人とも咲ちゃんみたいに寝ていたよ~ちょっと動いていたからそろそろ起きる頃合いだと思うよ」

 

 「寝ているって事は気絶か...無事なら良かった」

 

 咲は2人の無事がわかりホッと安心した。

 

 「いやまてよ...あいつはどうした!」

 

 咲はバッと立ち上がり辺りを見渡した。

 

 「!?」

 

 咲は息を飲んだ。咲の目線の先では辺りをキョロキョロと見渡すアカムがおり、その中心から半径1キロメートル一帯が隕石が落下したかのようなクレーターに溶岩が吹き出る火山地帯になっている事に気がついた。

 

 「ひでぇ...いや、というより何であいつは辺り見渡すだけで儂らに攻撃してこないんだ?」

 

 咲がそう呟くと背後からどっしと、こいしが乗し掛かり「こいしに感謝してよね~」と言い一瞬咲はわからなかったがこいしの無意識を操る程度の能力を思いだし「お前がやったのか?」と聞き、こいしが笑顔で「そうだよ~」と答えた。

 

 「私の能力でみんなを見えなくしてるんだ~誉めて誉めて」

 

 こいしは乗し掛かったままピョンピョンと跳ねだし咲は嫌な顔をしたが、こいしのおかげで助かった恩があるため渋々こいしの頭を帽子越しで撫でた。こいしはご満悦になった。

 

 「だけどね、何でかわかんないだけどこいしの力、あいつにはあんまり効果が無いみたいで。もう少ししたら透明じゃなくなるの!」

 

 (徐々にモンハンの世界が侵食している証拠だな...しまいには儂らの力とかも使えなくなるな...手の程越が無くなる前に早く片付けないとな)

 

 咲は刀を取り出しアカムの所へ向かおうとするとこいしが咲の袖をちょんちょんと引っ張った。

 

 「もう行っちゃうの?こいしと遊んでくれないの?」

 

 「んな事言ってる場合か、アレを何とかしないといけないからな、このままだと街道...旧地獄が、壊滅するからな」

 

 「つまり、あのとかげちゃんをどうにかしたら遊んでくれるんだね!だったらこいしもお手伝いする~」

 

 こいしの急な思いつきに咲は「はぁ?」と言った。

 

 「あれ?聞こえなかった?」

 

 「聞こえてるは!だから、はぁ?て言ったんだよ!お前には無理だ!」

 

 するとこいしは「どうして?」と不思議そうに聞き咲はめんどくさく気に「あいつには武器意外の攻撃が聞かねぇんだよ」と説明すると、こいしは徐に20センチの包丁を取り出しドヤ顔で持ってるよアピールをした。

 

 (まぁ、こいつも力の妖怪だしな...戦力が増えるには越した事ないが...)

 

 咲はチラッと見ると、こいしと目があい急に頬を赤くなりもじもじし始め「そんな熱い目線を向けられたらドキドキしちゃうよ」と言い咲はあからさまに嫌な顔をした。

 

 (なんかあのアホに似てうざいんだよな...)

 

 一体誰の事を言っているのかわからないが咲は断っても勝手に着いてくるだろうと悟り諦めた。

 

 「わかった...手伝ってくれ」

 

 「いいの!やったー」

 

 「言っとくがあいつを倒したら遊んでやる訳じゃねーからな!それと奴の攻撃には注意しろよ一発でも食らえばすぐ死...あ?」

 

 説明していた咲はこいしの方を振り向くと既にこいしの姿は無くアカムの方を見るとアカムの所へ向かっているこいしを発見した。

 

 「あのやろう人の話しも聞かずに行きやがって!」

 

 咲はこいしの後を追うように走り出した。

 

 「とかげちゃ~ん!直ぐそっちに行くからね~」

 

 こいしは全速力でアカムの所へ向かい距離が縮むや否やアカムは2人に気がつき威嚇をした。

 

 (気づいたって事はこいしの力がとけたって訳か勇義とお燐に矢先を向けないようにしないとな)

 

 咲は刀に電をみにまといアカムに向けて強い殺意を出しアカムが自身を注目するように仕向けた。

 

 「キ"ュ"ゥ"ア"ゥ"ーン"!!」

 

 狙い通りアカムは咲に狙いを定め突進しだした。

 

 「よし狙い通りだ...こいし!」

 

 アカムは咲に目線を向けている間にこいしはアカムの足元にいた。

 

 「きゃ!咲ちゃんに名前呼ばれちゃった 」

 

 「真面目にやれや!足を狙え」

 

 咲がそう言うとこいしは「は~い 」と元気よく返事をしナイフをアカムの足に突き刺すと赤い血が飛び散るのをこいしはジーと見つめた。

 

 [90]

 

 「へ~...とかげちゃんの血って普通に赤いんだ~あはは面白い~」

 狂気とも捉える笑顔でこいしはナイフを連続で足を突き刺した。

 

 [90][85][75][100][90]

 

 「ク"ッ!?」

 

 アカムは後ろ足の違和感に気がつき振り返りこいしに気がつき前足で押し潰そうとした。

 アカムが目線を反らした瞬間、咲は急激に速度を上げこいしの反対側の脚へと向かった

 

 「嵐符『湿布迅雷』」

 

 咲はアカムの足に雷と風を身にまとった刀で乱れ切りをした。

 

 [120][150][130][160][130][155][145]

 

 アカムは前足を上げていたため後ろ足の攻撃によりバランスを崩し横転した。

 

 「ク"キ"ャア"」

 

 目の前で崩れるアカムにこいしは「わぉ!」と驚いた。

 

 「まだ死なないか、しぶとすぎるだろ」

 

 アカムのタフさに咲はため息を付いているとこいしが駆け足で歩みよった。

 

 「ねぇねぇ咲ちゃん」

 

 「んだよ今はまだ戦いの最中b」

 

 「どうして咲ちゃんはスペルカードが使えるの?」

 

 「...お前は使えないのか?」

 

 「うん全く」

 

 こいしはスペルカードを出そうと妖力を手に集中したが一瞬カードが生成さらそうになったがガラスのように砕けた。その光景を見て咲は項垂れた。

 

 (どういう事だ何故儂だけ力が使える?アカムの影響で能力を使えなくなってるから...バーチャルスキルのおかげで影響が薄いのか...)

 

 「そう言えばバーチャルスキルは効果があったな...」

 

 咲のぼそっと呟いた事にこいしは興味を示した瞬間横転していたアカムがこちらに喰らいつこうとしており考え事で反応が遅れた咲が「しまった!」と言った。万事休すの二人...

 

 「オラッ!」

 

 「ヤァア!」

 

 [1040][170]

 

 そんなアカムを横から勇義とお燐が攻撃しアカムは予期せぬ攻撃に起動がズレ咲達の真横スレスレ頭を地面にぶつけた。

 

 「ク"ャ"ッア"!!」

 

 「っ!?勇義か!」

 

 「おうよ!待たせたな」

 

 「わぁ~お燐だ!ヒーロー見たい」

 

 「こ、こいし様!?どうしここに!」

 

 勇義とお燐は2人にかけよった。

 

 「わりぃ今の攻撃で手加減ができなくてへし折ってしまった」

 

 「元はと言えば儂の不注意が招いた結果だ、助けてくれたんだ文句は言わねーよ」

 

 咲は勇義の棍棒を手に取り応急処置を行った。

 

 「こいし様こんな所に居たのですか?」

 

 「うん!こいしもとかげちゃん討伐のお手伝いしてるんだ」

 

 「手伝いって...そんな危険な!」

 

 「大丈夫だよこいしは平気だよ」

 

 「ですが!」

 

 こいしを心配するお燐に棍棒の修復を待っている勇義が「無駄だ」と言った。

 

 「お前の方がよく知ってるだろ?一度興味が持ったらどうする事も出来ないのをよ」

 

 お燐は「確かにそうですが」と不安を抱きながら言った。

 

 「今は戦力が欲しいからな...ほれできたぞ応急処置だから強度は最初ほどないからな」

 

 応急処置が終えた咲は勇義に棍棒をわたし勇義が「サンキューな」と言った。

 

 「それに今はそうこう言ってる場合じゃないからな...来るぞ!」

 

 咲がそう言うと3人はアカムがこちらを睨み付けている事に気がつき構えた。

 

 「まだピンピンしてやがるな...どんだけタフなんだよ」

 

 「流石の奴もそろそろ限界が近いだろ」

 

 「こいし様あまり無茶しないでくださいよ?」

 

 「お燐は心配性だな~大丈夫だよ!」

 

 双方が睨む最中、いつ始まるかわからない緊張が空気を漂う...そしてその戦いのゴングを鳴らしたのは

 

 「一狩り行くぞ!」

 

 「キ"ュ"ア"ーン"!!」

 

 咲の意気込みとアカムの声だった。

 アカムは前足を4人に向けて振りかざしお燐と咲、勇義とこいしに別れ避けた。

 

 「あ~ん咲ちゃんと離れちゃった!」

 

 「なったものはしょうがねーだろ?私らで行くぞ!ついてきな」

 「は~い 」

 

 勇義はアカムの腹に目掛けて棍棒を振り上げた。

 

 [650]

 

 「ク"ャ"ッア"!!」

 

 まだ能力の余力が残っているのかアカムは地面から数センチ程浮いた。

 

 (ちっ!これが限界かよ)

 

 その僅かに空いた腹がトーチを描くような形になりそれを好機と思ったこいしはアカムの懐へ潜り腹の間を横切りながらナイフを突き刺した。

 

 [90][80][75][100][200]

 

 「あはは!スリル満点で楽しい♪」

 

 そんなこいしを横目にハラハラするお燐と(緊張感無いなあいつ)とため息付く咲だった。

 そんな2人の目の前には切断されたとは言えど長い尻尾がなぎ払うように近づいており、お燐は飛びはねて避け咲は僅かな隙間をスライダーしアカムに一撃を食らわせよけた。

 一方お燐は避けた瞬間、尻尾に爪をたてしがみつきアカムの背中を四つん這いで走り頭へと向った。

 

 (お前も大概ハラハラするぞ)

 

 咲はお燐同様に頭へ向かい、それを見ていたこいしと勇義も向かった。

 頭にたどり着いたお燐は武者震いにひっかいた。

 

 「うにゃにゃにゃにゃにゃ!」

 

 [140][120][110][130][120]

 

 アカムは悶えバランスを崩し横転しその際にお燐を振り落ちた。

 着地したお燐にこいしが歩みより「人の事言えないじゃん!」と頬を膨らました。

 横転したアカムに咲は好機を逃さないため刀に自信の全属性を付属し兜割りをする構えを取った。

 勇義も動揺に棍棒を振り上げ今自身が出せるフルパワーを込めた。

 

 「これで決めるぞ勇義!」

 

 「ああ私の、今のフルパワーだァ!」

 

 「天災『龍の巣』!」

 

 「ドォラァァァ!!」

 

 2人の一撃はアカムの脳天に直撃し2人の武器はあまりの威力に砕けた。

 

 「ク"ャ"ッア"ッ...ア"...ァ」

 

 アカムの断末魔が鳴り響く...アカムは起き上がろうとしたがその余力すら無く崩れ落ち息絶えた。

 アカムが息耐えた瞬間火山地帯だった地面は青黒い旧地獄本来に戻り始めた。

 戦いが終わった証だ

 

 「んん~やったぁ!」

 

 こいしが子供のようにはしゃぎだしそれに泣きじゃくりながら飛び付くお燐だった。

 

 「うぇぇん!怖かったぁ!」

 

 勇義はそれを見て笑い咲の方を見て「何とか勝てたな」と言った。

 

 「...ああ、そうだな」

 

 咲の意味深な言い方に勇義は不信に思った。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 住人達が避難しているところに勇義が「お~い倒したぞ」と言いながらやって来た。

 

 [流石俺たちの姐さんだ!][倒してくれたんだ!][これで酒が飲めるぜ!][勝利を祝して宴会ダァ!]

 

 勇義が生還した事により住人達は歓声を上げた。

 

 「おいまだ安心してんじゃねーぞお前ら!あのやろうのせいで街がめちゃくちゃになってやがる...宴会をする暇なんてねぇぞ!」

 

 勇義がそう言うと歓声をあげていた住人達は静まりかえった。

 

 「復興してから宴会だお前らァ!」

 

 勇義は高らかにそう言うと住人達は再び歓声を上げた。

 そんな住人達の間からヤマメ達が出てきて勇義のもとへかけよった。

 

 「お疲れ姐さん」

 

 「服ぼろぼろじゃない!早く手当てしないと」

 

 「大丈夫、大丈夫、身なりはあれだが狐龍のおかげで全快だからよ!」

 

 そんな余談している三人を横目にヤマメが辺りを見渡し勇義に「あれ?咲ちゃんは?」と聞いた。

 

 「あー...あいつは地上に行った」

 

 「え!?どうして!咲ちゃんも一緒に戦ってくれたんでしょ!手当てとか...私まだお礼してないし!どうして宴会に誘わないの勇義姐さん!」

 

 「いやー誘ったんだがよ...あいつ断ったんだよ」

 

 勇義がそう言うとヤマメは不満気に「どうして」と言った。

 

 「気分じゃないとさ」

 

 勇義がそう言うとヤマメはしょんぼりとし「最後にお礼したかったな」と言った。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 地上へと繋がった道を咲は飛んでいた。

 背後にはお燐とこいしが着いてきており、こいしが不思議そうに「どうして参加しないの?」と聞いた。

 

 「さっき言っただろ、そういう気分なんだよ」

 

 「そんな事言わないでさ~参加しようよ!咲さんのおかげで旧地獄は救われたんだからさ」

 

 「咲ちゃんは地底のヒーローだよ!」

 

 2人はそう言うが咲は急に立ち止まり振り向いた。

 

 「あれは儂らが呼び寄せた...って言っても」

 

 咲の目は見開き二人を威圧するように言った。

 

 「呼びよせた...どういう事だい?」

 

 「言葉通りだ、あいつは儂らの世界にいた存在だ、おそらくここに来るときに釣られて来たんだろう」

 

 「それって...」

 

 「つまりあの地底をめちゃくちゃにしたのは儂が原因だ...それでもお前らは参加して欲しいと言うか?」

 

 咲の衝撃的な発言にお燐は言葉を失った。

 しばらく沈黙が続いた。そんな思い空気をぶち壊すかのようにこいしが咲に抱きつき「えー別にいいじゃん」と言った。

 

 「お前人の話し聞いてたのか?儂らのせいで地底はめちゃくちゃになったんだぞ?」

 

 「今の話し聞く感じ、別に咲ちゃんが悪いわけじゃないじゃん、勝手に来たあいつが悪いじゃん」

 

 こいしがそう言うと咲は言い返そうとしたが遮るようにこいしの発言は続いた。

 

 「原因かもしれないけど、めちゃくちゃにしたのはあのとかげちゃんな訳だし~それに咲ちゃん必死で戦ってくれたじゃん♪」

 

 こいしの満面な笑みを咲に見せた。

 

 「っ...それでも儂は...参加しない」

 

 それでも拒む咲にこいしは頬を膨らませ「えぇ~何で~」と不満気にすると背後からお燐がこいしを咲から剥がすようにたくしあげ自身の元へ引き寄せた。

 

 「こいし様、察してあげましょう、咲さんは私達に気を使っているんですよ...咲さん口ではああ言っているけどなんやかんや言って優しいから」

 

 お燐がそう言った瞬間咲は顔を赤らめて「な!?」とあわてふためいた。

 

 「そうだったんだ~ごめんね咲ちゃん気づかなくて」

 

 「何でそうなる!別に儂は気を遣ってなんかいないぞ!儂は...そう!ただ単に気分がのらんだけだ!」

 

 「ああ言って内心は「ああ、儂のせいでこんな事に...」とか「地底のみんなに顔向けできない」とか思ってるんだよ~」

 

 「咲ちゃんは悪くないのに...かわいそう」

 

 必死に否定する咲を横目にお燐とこいしは二人こそこそとしていた。

 

 「ああ言えばこう言いやがって...んな事思っていねぇよ!」

 

 「あの感じ...パルスィちゃんに似てない?」

 

 「こいし様わかります!素直にならない感じがそっくりですよね!」

 

 煽る2人に咲はついにぶちギレた。

 

 「だいたいお前らァ!何着いて来てんだよ!」

 

 それ今更かよと誰もがツッコム空気の中お燐とこいしはやれやれと言わないばかりのポーズをとった。

 

 「咲ちゃんと居たら面白い事が起きそうだから」

 

 「あたいはさとり様のご命令で咲さん勧誘するためについて来てるだよ」

 

 咲は「そう言えばそうだった」と改めて2人が着いてくる理由を思い出し頭を抱えた。

 

 「まぁあとあたいは幻想郷を案内するつもりだから着いてきてるのもあるけどね」

 

 「お前...わかってるのか?」

 

 「何が?」

 

 「儂はお前の主人のさとりを危険な目を合わせた原因だぞ?」

 

 咲がそう言うとお燐は「あー」と惚けた顔をした。

 

 「別にいいんじゃない?こいし様の言うとおり咲さんは悪くないんだし」

 

 「いや...だけど」

 

 「あたいが案内したい気分なんだよ、咲さんが断っても勝手についていくし勝手に案内するからさ」

 

 お燐は笑顔でそう言うと咲は目を見開き顔を赤くし尻尾を振っていた。

 

 「咲ちゃん尻尾振ってる~かわいい~」

 

 「うるせぇ!見んな!」

 

 尻尾を抑えこいしを睨む咲に(本当にかわいいなこの人)と思うお燐だった。

 すると咲は頭をかきお燐の方に振り向いた。

 

 「あー、その...頼りにしてる」

 

 恥ずかしそうに言う咲にお燐はニコっと笑い「お任せよ」と言った。

 

 「ねぇねぇこいしは!こいしは頼りになる?なるよね!」

 

 「あーはいはい頼り頼り、頼りになるなる」

 

 「なんか適当に言ってない咲ちゃん!」

 

 適当にあしらう咲にこいしは頬を膨らましながらポカポカと叩き、そんな二人を優しく見つめるお燐だった。

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