ここは守矢神社...妖怪の山と呼ばれる沢山の妖怪達が住む山の頂上にある神社であり、そこには『八坂 神奈子』『洩矢 諏訪子』の二柱の神がおり、そしてその2人の信仰を手助けをする現人神にして巫女である『東風谷 早苗』が住んでいた。
そんな守矢神社で巫女である早苗は竹箒を持ち神社周辺を掃除していた。
風があおり緑髪がふわりとなびき早苗はふと青空を眺め「今日も綺麗な空と」呟いた。
空を眺めていると上空にいる人影を見つけた。
「あれは...文さん?」
早苗が口にした文さんとは妖怪の山に住んでいる『射命丸 文』と言う種族 天狗の妖怪の名である。
その文は黒い翼を広げ遠くでこちらを見ている早苗に気がつき文は軌道を換えた。
文は早苗のもとへ来るやいなや「おはようございます早苗さん」と元気よく挨拶した。
「おはようございます文さん、今日も取材ですか?」
文は『文々。新聞』と呼ばる新聞を作り、そのため取材と配達を繰り返しそれを生き甲斐として活動している。
「はい取材です!早苗さんにも聞きたい事があってちょうどよかったですよ!」
文がそう言うと早苗は「私にですか」と不思議そうにした。
すると文は早苗にズイズイと近づき真剣な眼差しを向けた。
「早苗さん...『赤い彗星』をご存知ですか?」
「赤い彗星?『シャア・アズナブル』の事ですか?」
「あー...なんとなくですが私の言う赤い彗星と早苗さんが思ってる赤い彗星はちょっと違うような気がしますね」
早苗は(赤い彗星と言えばシャアじゃないの?)と疑問に思ったが心に内伏せた。
「赤い彗星と言うのはここ最近、幻想郷各地で目撃されている高速で飛来する赤い閃光の事です!」
「それって...ただ赤いだけの流れ星なんでは?」
「私も最初はそう思いましたが、あまりにも目撃情報が多くて...しかもそれが夜だけではなく真っ昼間にも目撃されているらしいんですよ!」
早苗はその情報に不謹慎を抱いた。昼間にも見える赤い彗星なんて存在するのかと疑問に思ったが、ここは幻想郷...常識に捕らわれてはいけない場所。
「それだけじゃないんですよ、どうやらその彗星を見た目撃者は次々と不幸な目にあってるらしいんですよ」
「えぇ!?」
早苗は驚きを隠せなかった。文は普段取材をしている時に使う手帳を取り出した。
「私が集めた情報ですが、最初に目撃したのは人里のとある居酒屋で、その時は夜中らしく、その目撃者言わく飲み過ぎて気分展開に外の空気を吸おうと店を出た時上空でその赤い彗星を目撃したとの事で、あまりの衝撃的な事にその目撃者はあわてふためいて横転した際に頭を強打したらしいのですよ」
その話しを聞いた早苗は呆れた顔で「それ不幸じゃなくて失敗談では?」とつっこむと文が「財布を盗まれたそうです」と続け早苗は「まぁ...確かに不幸ね」と呟いた。
「続いての情報は里外れ付近の川で釣りをしていた男性二人組です...なんとこの情報昼間らしいんですよ。釣りをしている最中突如上空で激しく輝いた彗星を見て驚きのあまり川に落ち込み溺れかけたらしいんですよ」
「これも失敗談じゃないですか!ですが昼間に見たと言うのは不思議ですね...」
「他にも情報があって彗星を見てぎっくり腰になったとか、彗星につられ歩いていたら屈強な男にぶつかってボコられ、穴に落ちた、告白したら降られた等々」
「全部失敗談じゃないですか...しかも最後にいたっては彗星のせいにしてるし」
早苗は呆れた顔して言うと文も同じ顔をし「私もそう思います」と言った。
「正直これまで取材している時本当に記事にしてよいのかと思いましたよ...ですがここに来る前にある人物から得た情報で全てがひっくり返りましたよ」
早苗は今までの話しからしてあまり期待していない顔をしており、文が「この話しを聞いたらあっと驚きますよ」と意味深に言った。
「時に早苗さん一昨日ここいらで起きた山火事はご存知でしょうか?」
「もちろんです。川岸あたりで起きたやつですよね。河童の皆様のおかげで被害は最小限に抑えれたと聞いていますが」
「実はですね...この山火事の原因...赤い彗星が絡んでるですよ」
早苗は「えぇ!?」と驚愕した。
「あの山火事が起きる前、椛が目撃したらしいんですが、警備をしている時に赤い彗星を目撃したのですが」
文の言う椛とは、『犬走 椛』と言う少女の名で『千里先まで見通す程度の能力』を持つ、種族白狼天狗である。
早苗は文の話しを食いつくように聞き入り「それでそれで」と相づちをうった。
「椛が夜間の警備をしているとき赤い彗星が流れ、しばらくしたら流れた先が明るくなり...」
「山火事になった、て訳ですね」
「そうです。私は今までの情報は冗談半分で聞いていましたが先ほどの話を聞いて確信に変わりました...『赤い彗星は厄災をもたらす』」
早苗は息を飲んだ、山火事の騒動に白狼天狗による目撃情報...最初半信半疑だった早苗は今の話しを聞いて信じざる終えなかった。
「一応聞きますが早苗さんは目撃とかしてないですよね?」
「残念だけど見てないです...この件、霊夢さんは動いているのでしょうか?」
「昨日霊夢さのところに伺ったのですが、彗星どころか山火事の情報も知らず仕舞いでした...」
「霊夢さんが動かないって事は...異変ではないと言うことでしょうか?」
早苗は深くうなだれていると文は「多分そうでしょうね」と答えた。
「だけど私の勘ですが...異変が起きるのは時間の問題と思うんですよね」
「それってどう言う事ですか?」
「私言いましたよね?『赤い彗星は厄災をもたらす』と」
「っ...」
文の表情がいつにもまして真剣になっている事に気がついた。端にネタになる話しが出来た事の執着だけではないことに、妖怪の山に住む妖怪達は、人間や麓の妖怪とは別の社会を築いており仲間意識が高いからだ、そんな妖怪の山で山火事が起き、その原因が赤い彗星であると言うのなら住人達はよしとはしないと言う事だ。
守山家も他人事ではない...いつ赤い彗星の驚異が来るのか身構えなくてはならないからだ。
すると文は翼を広げ宙に浮いた。
「私は引き続き情報収集しますので何か情報があれば連絡ください」
文がそう言うと早苗は「わかりました」と言い高速で飛び立つ文を見送った。
「相変わらず騒がしい奴だなあの烏は」
「仕方ないさ、何せ山の驚異みたいなもんだからさ」
文を見送っていた早苗の背後で話しをしている声がし早苗は振り向くとそこにはここの二柱である神奈子と諏訪子がいた。
「神奈子様!?諏訪子様!?いつからそこに?」
早苗がそう聞くと諏訪子が「最初っからいたよ」と答えた。
「と言う事は先ほどの話しは聞いていたのですか?」
「端からな、というより知っていたけどな」
神奈子がそう言うと早苗は「知ってたのですか!?」と驚いた。
「何で私に話してくれなかったんですか?」
「私も昨日聞いたばかりだからな...今日話そうとしたがあの烏に先起こされたと言うわけだ」
神奈子の説明に早苗は「そうだったのですね」と言い、間を入るように諏訪子が「私は早苗と同じで今初めて聞いたよ」と答えた。
「お二方はどう思われますか?『赤い彗星』の事は?」
早苗がそう聞くと二人の表情はいつにもなく険しくなり早苗は寒気を感じた。
「どう思う諏訪子?」
「んー...良くない者って言うのわかる...だけど、どうこうする訳には行かないだろ?あれ」
「ほっとけと言うのかアレを?」
「私らではどうにも出来ないでしょ?」
2人の会話を聞いた早苗は事の重大さに気がついた。
(神奈子様と諏訪子様でも脅威を感じるなんて...赤い彗星て)
早苗は赤い彗星にたいして恐怖を覚えた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
翌日...
「...」
昨日の会話から『赤い彗星』が頭にべったりと残りまともに一睡が出来なかった早苗は寝不足気味でぼーとしていた。
そんな早苗を影から覗いている二柱がいた。
「おい神奈子どうするんだよ早苗昨日から寝てないよ?」
「もとはといえばお前がなんか重大そうに話そうと言うかこうなったんだろ!」
「神奈子も乗り気だったじゃないか!」
そう...あの険しく重大そうに話しをしていたのは早苗をからかうためにやった事だったのだ。
「ともかく何とかしないと!神奈子励ましに行けよ」
「えぇ!何で私がお前が行けよ!」
「いいから行け!」
諏訪子は神奈子に押し付けるように蹴りを入れ物陰が出て諏訪子を睨み付け「あとで覚えてろよ」と呟いた。
神奈子はゆっくりと早苗に近づき早苗の真横に立った。
「...神奈子様」
「昨日の事か?」
神奈子がそう聞くと早苗は頷いた。
「心配するな赤い彗星の驚異が来ても私と諏訪子が何とかする...だから心配するな」
神奈子はそう言いながら早苗の肩を叩くすると何故か早苗はあわてふためき神奈子はその行動に疑問を感じた。
「わ、私は神奈子様達が赤い彗星に打ち勝つ事は信じています!私が悩んでいるのは...私がお二方や妖怪の山達の住人達のお役に立てないのが悔しくて」
「早苗...」
「文さん達は彗星の正体を暴くために調査をして河童の皆さんは山火事を必死で鎮火してくれて山のために頑張ってくれてるのに...私は...私は」
早苗の涙の訴えに物陰に隠れていた諏訪子が思わず出てきて「早苗」と心配した。
「守矢神社の巫女なのに無力な私が悔しいんです!」
涙を流す早苗に神奈子と諏訪子がよりそった。
「大丈夫だよ早苗、早苗は無力なんかじゃないよ、早苗のおかげで私達は信仰を取り戻してるんだよ、つまりは私達の力は早苗の力でもあるんだから」
「諏訪子の言うとおりさ、お前は無力じゃない、私達がその証拠じゃないか」
「諏訪子様...神奈子様」
二柱は早苗を優しく抱きしめた。
感動に溢れるがぶっちゃけた話し、早苗をここまで追い詰めたのは優しく抱き締めている二柱が原因であると言う事を...
そんな感動ムードの中、突如地響きが3人は何事かと困惑した。
早苗が上を見上げるとそこには赤い炎に包まれた謎の巨大物体が落下している事に気がついた
「なんだあれ?でかすぎないか!」
「もしかして...赤い彗星!?」
「おい...よく見たら人みたいなのがいないか?」
そうこうしている内に赤い彗星と思わしき物体が墜落し辺り一面が火の海になった。
「あの火事...やっぱりあれが赤い彗星ですよ!」
早苗がそう言うと神奈子と諏訪子が飛び出した。
「早苗はそこで待っていな」
「私達で片付けるから」
そう言うと二柱は落下物の方へ向かった。
「神奈子...あれなんかヤバイ雰囲気しないかい?」
「ああ、この距離でもわかるぐらいにな」
「うげぇ...戦いたくないな~」
「早苗にああ言ったからにはもう引けないだろ」
「そうだね。早苗にカッコいい所見せないとね!」
二柱を行方いを見つめる早苗、その表情は不安と心配に満ち溢れていた。
「神奈子様...諏訪子様」
早苗はふと謎の物体に目を向けた。遠くでうごめく謎の物体の姿を見た。
人間の上半身だが下半身は人間ではない形をした巨大な物体だった。
「あれは...もしかして!?」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
神奈子と諏訪子は巨大物体にたどり着きその姿を見た二柱は驚愕した。
「おい...なんの冗談だこれ?」
「あの顔まるで」
二柱が見た物は甲冑を思わせる体と方パットは赤く肩の先端には黄色いバルブのような物が付き両腕は白く人間のような上半身に下半身が多数の脚部とエビのような鋏が特徴をしたカニムシした化け物地味て驚愕的な姿だが、特に2人が注視したの頭部である。全体的には白だが2本の触角のような物は黄色く目は緑色に輝き口らしきものはなく代わりに赤い突起物のような物がついた姿をしていた。
二柱はその姿に見に覚えがあった...二柱及び早苗は幻想郷に来る前は『外の世界』からやって来その世界にで見た物が二柱の前にいる物にあまりにも酷似していた。
「「ガンダムじゃないか!」」
二柱は口合わせてそう言った。
「にしては私達が知っているガンダムとは違うよね。赤いしごついし、これじゃあ『白い悪魔』には程遠いね~」
「何呑気な事言ってんだよ、そもそめ何故こんな物がここに?」
諏訪子はそう言いながら興味本位で近づくとガンダムは少し動き諏訪子に目線向けた。
「こいつ...動くぞ!?」
「ふざけてる場合か!早く離れろ!なにしでかすかわからないだろ!」
「大丈夫だよ~ヤバい感じはするけど敵意は無い感z」
ガンダムは手で諏訪子を押し潰そうとしたが、それをヒラリと躱した。
「おっとと...あれれ敵意はなかったんだけどな?」
「ある訳無いだろ、相手はロボなんだから」
「んんーだけど操縦士がいるはずだから敵意とか感じるはずなんだけどなー...という操縦士いなくないあれ?」
諏訪子がそう言うと神奈子は深く項垂れた。
(確かに人が乗ってる様子は無いな...だが何故かあのガンダムからは生命力が感じる)
そして神奈子は一つの可能性に気がついた。
「...まさか生きてるのかあれ?」
「可能性はあるね...付喪神の類いか何かかい?」
「妖力とか霊力は感じられない...魔力も神性も無い...生命力だけは感じるんだよな」
すると諏訪子が疑いの目を向けながら「待て待てつまりあれは動物て言いたいのか?」と聞くと「今はそうとしか言えないだろ」と神奈子が言った。
そんな話しをしているとガンダムは再び動き出し下半身にある鋏を二柱に向けて動かし挟もうとした。
二柱はガンダムの攻撃を躱し弾幕を放った。
放った段幕はガンダムの頭部に直撃した。
「ニュータイプならこの程度簡単に避けれるはずだぞ!」
諏訪子はガンダムに向けて煽るように言った。
「あまり油断するなよ、まだ相手は未知数なんだから」
「わかってるってこれで一気に終わらせるからさ」
諏訪子はそう言うとスペルカードを取り出した。
「開宴『二拝二拍一拝』」
すると諏訪湖は色の違うレーザーを左右交互に発射し、一呼吸を空けると弾け粒なような物へとなり飛ばした。
段幕はヒットし諏訪子は追い討ちするように同じ色のレーザーを左右同時に放ちそれを繰り返した。
諏訪子の弾幕はガンダムに当て続け動きが鈍くなり次第には動かなくなった。
「お、やったか?」
「それフラグだぞ...生命力はまだ感じる。生きてるぞ」
神奈子はそう諏訪子に伝え警戒を促し諏訪子は「はーい」と適当に返事した。
そうしていると神奈子が警戒していた通りガンダムは再び動きだし頭部にある両サイドの穴から弾幕のような物を出し二柱を襲いかかった。
諏訪子は弾幕の斜線から逃げるように離れ一方神奈子は仁王立ちで構えスペルカードを出した。
「バルカンによる攻撃か、見た目はあれだがまんまガンダムだな...どちらの弾幕が強いか勝負といこう...神秘『ヤマトトーラス』」
神奈子は花の形にナイフ弾と丸弾を配置し、ガンダムが放った弾幕は丸弾で相殺し、ナイフ弾をガンダムに向けて発射した。
ガンダムは被弾を恐れたのかジェットエンジンを生かしナイフ弾をよけた。
「ほう、デカイ図体の割には動くではないか...だが甘い」
神奈子がそう言うと躱されたナイフ弾は軌道を変え、再びガンダムへと向かい背後を直撃した。
ガンダムは予期せぬ攻撃にバランスを崩し倒れこんだ。
電源が切れるかのように目の光が消え動かなくなった。
(生命力が消えた...死んだのか?)
動きを止めたガンダムに未だに警戒しつづける神奈子に対して諏訪子は警戒心は0でガンダムの元へ近づいた。
「この程度で死んじゃうなんて、このガンダム対した事無いねー」
「おい諏訪子!さっきも言ったが油断するなよ!」
「生命力がなくなって動かなくなったんだし大丈b」
その時だった。二柱は一瞬、動かなくなったガンダムから僅かに生命力を感じた。
神奈子は攻撃しようと構え、諏訪子は何かまずいと感じその場から離れようとしたが時すでに遅し...
再び動きだしたガンダムは口元が変形し諏訪子に覆い被さるように食べた。
「諏訪子!あの馬鹿、言わんこっちゃない」
するとガンダムの下半身が変形しはじめカニムシのような見た目からまるで蛙の頭に植物の根が出、地面から生えたような状態になった。
神奈子は諏訪子を食らったガンダムに4本御柱を向けエネルギーを貯めた。
「あの馬鹿を吐き出せ!奇祭『目処梃子乱舞』!」
神奈子はレーザーを放った。
ガンダムは神奈子の攻撃に気がつき手で何か持ち上げる動作をすると地面が浮き上がり、神奈子の放ったレザーを防いだ。
「!?」
神奈子は目を疑った。ガンダムが使った力は諏訪子の『坤を創造する程度の能力』の一つ『土』を操る力だからだ。
(吸収した諏訪子の力を使えるのか!?まずいな未だに奴の能力がわかっていないのに、更に諏訪子の力と来たら厄介だな)
ガンダムが諏訪子の力を使える事で考えていると神奈子の足元が盛り上がり、危険を察知した神奈子は回避するために空中へ飛んだ。
神奈子の予想は当たり巨大な白蛇が地面を突き破り神奈子を襲った。
よく見ると白蛇は一部所々が機械じみているに気がついた。
「これも諏訪子の...だが所々いつもと違う箇所があるn...!?」
神奈子は機械じみた白蛇をまじまじと見ていると口を開き中には管があり、その管からビームが放たれ神奈子を打ち落とした。
「ぐっ!?」
大ダメージを受けた神奈子はうまく飛行できず落下し、その好機を逃さまいと白蛇は口を開けたまま神奈子を食らおうとした。
(私まで取り込むつもりか!?)
神奈子は白蛇から逃れようとしたがダメージにより抵抗はできずじまいだった。蛇の口が近づく一方で神奈子が半ば諦めた瞬間だった。
何者かに横から高速で神奈子を抱え間一髪蛇の口から逃れた。
突然の事で神奈子は何が何やらだったが自身を抱えている人物の顔を見て直ぐに状況を理解した。
「うぉ間一髪っ!」
「お、お前は!射命丸のライバル」
「その覚え方!?私は『姫海棠 はたて』って言うちゃんとした名前があります!」
「す、すまない冗談だ」
神奈子の窮地を救ったのは文と同じ天狗にして同様に『花果子念報』という名で新聞を発行している『姫海棠 はたて』だった。
「...しかし何故こんな所にいるんだ?」
神奈子はそう聞くと、はたては「あれだけ騒いでいたら誰かしら来ますよ」と答えた。
「まぁ私の場合は『赤い彗星』の事で念写していたらたまたま二柱の方々が、あの巨大ロボと戦闘中だったので来てみたら...まさかその一柱があのロボに食われる所に出くわすとは」
はたての言う念写とは、はたての『念写をする程度の能力』の事で、持っているカメラにキーワードを入れるとそれにちなんだ写真が見つかるというものである。
「まぁ何せ助かった感謝する」
「礼には及びませんよ...貴女様がいなくなったら色々と面倒事になりそうなので...それよりあの白蛇、諏訪子様の物に見えるのですが、もしかして」
「ああ、あれは諏訪子のだ...姫海道の想像どおりあいつは取り込まれた」
はたては「やっぱり」とめんどくさ気に言った。
「通りで神奈子様がこれ程まで苦戦を強いられるわけね...白狼達だけで大丈夫かしら?」
「加勢が来ているのか?」
「白狼天狗の陣営が騒ぎに駆けつけていますよ」
はたては下の方へ指を向けると大勢の白狼天狗達が白蛇に立ち向かっている姿だった。
「椛は河童達にも応援を頼む為に河に行っているみたいですけど」
「それは助かる。手を貸してくれる者は多い方がいいからな」
「妖怪の山の危機ですからね。そりゃ来ますyって、その言い方まさかまだ戦うつもりですか!?」
「当たり前だろあれだけで奴には勝てない!ここで私が抜けたら対処しようがないだろ」
「だけどそのダメージで戦うの無茶ですよ!」
はたての正論に神奈子は項垂れた。
「だ、だが、あれを止めるにh」
「ガンダムは私が止めます!」
はたてと神奈子の会話に割るように何処からともなく声がし2人は辺りを見渡した。
「その声、早苗か!」
「はい、状況はなんとなくわかります、諏訪子様がガンダムに取り込まれた事...感覚でわかります。」
「無茶ですよ!諏訪子様を取り込み神奈子でもかなわなかった相手ですよ?早苗さんだけでどうにか出来るわk」
「...確かにはたてさんの言い分はわかります。だけどお二方がピンチの時、指をくわえて見ているなんてできません!」
早苗がそう言うとはたてはその圧におされ言葉を失い、そんな早苗に内心嬉しく思う神奈子だった。
「それに私は一人じゃありません!神奈子様と諏訪子様が居てくれて妖怪の山の皆様もいてくれる。私は『東風谷 早苗』守矢神社の巫女です!この場所を守る巫女です!」
声は徐々に近づいてきている事に気がつきはたてと神奈子は声のする方に目線を向けた。
するとそこには早苗の姿はなく別の物であった。
「あ、あれは!?」
「ま、まさか!」
その姿はマジンガーZっぽいカラーリングと形状の胴体とアゴに、ビッグ・オーみたいな形状の黄金色に輝く頭部の...ロボット
早苗はそのロボットに乗って飛んできその名もっ!
『核熱造神ヒソウテンソク』
「な、何故にそのロボ?」
はたては早苗にそう質問すると早苗は「目には目に、ロボにはロボです!」と即答した。
ヒソウテンソクはガンダムの元へ行き右拳をガンダムのこめかみにぶちこんだ!
ガンダムはよろめき倒れ釣られるように白蛇も倒れた。
「悪しきガンダムよ今こそ守矢の裁きの鉄槌を!」
早苗はガンダムに向かってそう言い、倒れていたガンダムは起き上がりヒソウテンソクに襲いかかった。
ヒソウテンソクは華麗に躱し距離を保ち左手を右のにのうでを掴むポーズをとった。
「ロケットキューカンバーパンチッ!」
早苗はそう言うと右腕がロケットミサイルのように飛びガンダムの胴体に直撃し動をえぐった。
えぐった箇所をよく見ると無数の管に埋もれた諏訪子がいた。
「っ!諏訪子様!」
早苗は諏訪子に呼び掛けるが返事はなく気を失っている様子だった。
早苗は諏訪子を助けようと手を伸ばしたがガンダムの体は瞬時に再生しヒソウテンソクの腕を掴んだ。
「くっ、乙女の腕を勝手に握るなんて!最低ですね!」
早苗はそう言い、ヒソウテンソクの右腕を回す事で体が回転しその反動で足をガンダムの頭にヒットし強制的に掴んだ手を剥がした。
ヒソウテンソクの猛攻にガンダムは怯み後退った。
「これが私の...守矢の...妖怪の山の力だァ!」
そんな攻防を遠目で見ていたはたては「あれがロボの力」と圧巻していた。
「白蛇は白狼天狗が本体は早苗、この調子なら」
神奈子はそう言いはたても希望が見え出した時だった。
はたては背後に妙な寒気を感じチラッと真後ろを覗くとそこにはあの機械じみた白蛇が襲いかかろうとした。
「一匹だけじゃないの!?」
はたては背後の白蛇の攻撃を回避し距離を取ろうとしたが目の前にも白蛇が現れよく見たら白蛇が何匹も現れはたて達を囲うようにいた。
「か、囲まれた!?というより何匹いるのよ!」
(奴め、このままだと不味いからって私を取り込もうとしているな)
「私が万全ならこの程度容易いのだが、できる限り逃げてくれないか?」
白蛇達は一斉に襲いかかり、はたては猛スピードで回避し「言われなくても」と答えた。
回避しても襲い続ける白蛇はビームを放つようになりはたては自身のカメラのレンズを白蛇とビームに向け攻撃するなどの回避をしつづけた。
「もう!数が多すぎる!」
白蛇の猛攻に嫌気をさすはたてだった。
そんな危ない状況なはたて達に気づいた早苗は助けに行こうとしたがガンダムに足を掴まれ向かう事が出来なかった。
「くっ放してください!」
早苗は再びガンダムにロケットパンチやヒソウテンソクを通して自身の弾幕を浴びせるがガンダムは一切手を離さなかった。
(ぐっ...普段引きこもってるから、急な運動は疲れる...もっと外出て運動していれば良かったわ)
はたては次第に疲れていき飛ぶスピードも遅くなった。
その好機を逃さまいと白蛇がはたての前に現れビーム放った。
はたてはビームを回避したが背後から追い討ちをするかのようにもう一体の白蛇が突進しはたてはそれを回避しようとしたが肩をかすった。
「痛っ...はっ、神奈子様!」
その拍子に神奈子を離してしまいなす統べなく落下した。
はたては神奈子のもとへ向かおうとしたが白蛇達に遮られ向かう事が出来なかった。
1体の蛇が神奈子の元へ向かい口を開けて神奈子を取り込もうとした。
「くっ...ここまでかっ」
誰もが諦めたその時、突如白蛇の首が切り落とされ口を開けたまま落下する頭に神奈子は何が起きたのかわからずじまいだった。
はたても同様だった一瞬見えたのは白蛇の頭より二回りほど巨大な何かが横切る姿だけでその正体はわからなかった。
しかし遠目で見ていた早苗や白狼天狗の軍勢だけはその姿をはっきり見た。
それは赤い弘を描きながら高速で飛来しており鳥が翼を広げたような形に酷似し日光の影響で影と思ったがよく見ると影ではなくそれ以上に黒く光沢があり、両翼の下には樽のような物から赤い炎が吹き出し、生物と言うのはあまりにもかけはなれた姿をしていた。
早苗はその形に見に覚えがあった。
「あれは...飛行機?」
その姿ははっきりとなり全身は黒と思われたが、それ以外にも色があり飛行機の中心は白く、所々紅葉の模様が散らばられ、操縦席らしき所は赤く、その姿はどことなく文に似ていた。
はたてと神奈子もその飛行機の姿を目視、飛行機のパイロットが居るであろうハッチに2名程誰かが乗っている事に気がついた。
飛行機は起動を変え落下する神奈子の元へ向かった。
(こっちに向かってる...敵か?味方か?)
神奈子はハッチをよく見たが光の反射でパイロットの顔は見えなかった。
すると飛行機のハッチが開きパイロットの姿が見えるようになり、神奈子はその顔を見て驚愕した。
そのパイロットは昨日、早苗に取材に来ていた『射命丸 文』だった。
「しゃ、射命丸!?」
何故文が飛行機を操縦しているのだ、とかの悩みの種が溢れるばかりだが、文の背後にいたもう一人のパイロットが立ち上がった。
立ち上がった者は、金髪に毛先が赤のグラデーションのショートボブの髪型に黒いサングラスをかけており、口元にはタバコを咥え、文字のような物がプリントされた黒いへそ出しTシャツ一枚に薄手のジャンバーを羽織りデニム生地のショートパンツを履いた少女だった。
その姿に神奈子は見に覚えは無く思わず「...誰?」と呟いた。
「あやや~もう少し速度上げて、このままだと間に合わないよ~?」
「上げてますよ!これでも!」
「ん~?だったら下にウェーブするようにして、そしたらピッタンゴだからさ!」
「ウェーブってなんですか?」
「波だよ波!お茶碗の形をイメージしたらおk?」
少女の指示に文は「わかりました」と返事をし飛行機は下へ弘を描き少女は両手を広げ神奈子をキャッチし「ナイスぅ!」と称賛した。
「とりま、守矢神社に避難でヨロ」
少女がそう言うと文は「わかりました」と返事をした。
「すまない射命丸、助かった」
「お安いご用です。無事で良かったー...とは言えない状態ですけど、ともかく無事で何よりです」
「無様にやられてしまってな恥ずかしい限りだ、君も助けてくれた事に感謝する」
「困った時はお互い様って奴しょ」
少女は元気よくそう言うと神奈子は続けて「君の名は?」と聞いた。
「おっ!私ちゃんの事気になる感じ?」
「ああ、助けてくれた者の事を気になるのは当然だろ?それに君から感じるその力...ただ者ではないからな」
「ありゃりゃ、やっぱわかる感じ?これでも結構抑えてる感じだけど...ツラいわーあたしちゃんの溢れんばかりの力が辛いわー」
自身の事で愉悦に浸る少女に呆れ顔になる文と神奈子だった。
浸っていた少女は咥えたタバコを取り火を消し、サングラスを頭にずらし、その下にあった金色の蛇を思わせる目で神奈子に目線を向けた。
「まぁ聞かれたのなら仕方ない!私ちゃんはオタメイトナンバー1にして、愉悦界のエンジェルスマイル...」
「『高酒 歩』[こうさか あゆみ]人間です!」
背中から何処からともなく生えた片翼をパタパタしながら少女は自信満々に言い、それを聞いた神奈子は...
(絶対人間は嘘だ)
と疑いの目で見つめた。