「...ヘカーティアさんに告白しようと思います」
「おkヘカちゃんね。まぁこんなところで立ち話なんだから登校しながら作戦決めようか」
歩にそう言われて文は登校するために支度しに部屋へ戻った。
しばらくしてから文は「お待たせしました」と言い支度が完了し「そんじゃ行こうか」と2人は学校へ向かいながら今後の事を話し合う事にした。
「ぶっちゃけ私ちゃん的には3人の中で一番難度高いと思う」
「まじですか!?やっぱり別の方にするべきですか?」
「いや心配なかれあやや、私ちゃんに良い案がある」
歩はそう言うと手帳と二枚の紙を取り出した。
「何ですかその手帳と、紙は?」
歩は手帳を強調するようにふりながら「これは私ちゃんの機密情報」と言い一方、紙は文に渡した。
文はその紙を見て「これは...映画のチケットですか?」と尋ねた。
よく見るとその紙には『レイセン物語』と何処かで聞いたことあるような名前とタイトルをした映画のチケットだった。
「この映画はね。愛する主の帰宅を待つ白兎のレイセンは、ある日突然、最愛の師匠を亡くしてしまうが、毎日変わらず待ち続け...おっとこの先はネタバレになるから聞かないでね」
「聞きませんよ、それよりこのチケットを渡した意図を教えて欲しいのですが?」
文はそう聞くと歩は「ふっふっふー」て不適な笑みをしながら手帳をペラペラと捲りあのところで手を止めた。
「私ちゃんの情報によればヘカちゃんはこの映画を見たくて見たくてたまらないらしい...そんな時にあややが、その映画を誘うわけ...どうよ、いい作戦しょ?」
「確かにいい作戦ですが、その前にどうやって私は誘えばいいのですか?」
そう聞くと歩は文の肩にポンと手をおき「がんば☆」と言い、文は「適当すぎませんか?」と言った。
「いや、まじでこれに関してはそうとしか言い様がないっしょ?」
「だからといってなげやりにならないでくださいよ、もう少し考えてください」
「というより、何で私ちゃんが全部考えないといけないの?あややも何か策を考えて欲しいんだけど?」
正論を言われ文は「うぐっ」となった。
そして文は腕を組み深く考えた。
「おはようございます歩さん、文斗さ...ん?」
登校中の2人とはち合わせになったサグメは悩んでいる文にたいして「何かしら悩んでいるんですか?」と歩に聞き、歩は「思春期にはつきものだよ」とへらへら笑いながら言った。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
お昼休み...
文はご飯を食べては手を止め悩み、止めては悩みと繰り返しながら「...うーん」と項垂れていた。
そんな文を見て早苗が「文斗先輩どうしたんですか?」と歩に小声で聞いた。
「最近見た漫画の影響を受けたらしいよ?なんか推理もんのか、なんかの」
「なんですかそれ?もしかして一昨日のもそうなんですか?」
早苗は呆れた顔をしながら、そう聞くと、歩はフッと鼻で笑いながは「ソダヨー」て言った。
「一昨日からの、私達の心配を返して欲しいですよ...これは荷物持ちぐらいにはなっていただかないと!」
「それ言ってもスルーされてランチ奢りで済まされるっしょ?」
歩はそう言うと早苗はぐてーとなり「いつもの光景ですね」とガックリした。
(うーん...どうやってきっかけを作るべきでしょうか?今から直接誘うのも変ですし、どうしたらいいのやら...)
(あはは、随分と悩んでるじゃん?やっぱり難度高いっしょ?)
(そうですね...文斗さんの記憶では気さくで優しい方ですから、誘えそうな気がしたのですが...いざとなると難s...ん?)
(どうしたのあやや?そんなに眉間にシワを寄せたりしちゃって)
(歩さん口動かしてないですよ?と言うかしゃべって無いのに何で歩さんの声が聞こえるんですか?)
(今...あなたの心に直接呼びかけています)
(この人直接脳内に...て何でそんな事できるんですか!?)
文は心声でそう言うと歩は舌を出しながら(友人枠としての特権?みたいな)と答えた。
(そんなに難しく考えても仕方がないと思うよ?)
(で、ですが、どうにか誘わなければ解決しないじゃないですか)
(確かにそうだけど、そんなに悩んでいると頭がパンクしちゃうぞ☆)
歩にそう言われた文は(わかりました)と難しく考えるのをやめ、リラックスした。
(それに放課後、新聞部の活動があるじゃん、もしかしたらその時にチャンスがあるかもしれないし)
(それもそうですね)
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放課後...
文は部室に向かっている最中だった。
(早苗さん今日は用事があるからヘカーティアさんに休むって伝えてと言っていましたが...この新聞部はなというか自由な部ですね)
文はそう思いながら部室の扉を開けた。
「うぇぇん!!助けて文斗くん早苗ちゃん!」
「!?」
扉を開けた瞬間、涙目になりながら飛び付くヘカテに文は度肝をぬかれた。
しばらくしてヘカテは辺りをキョロキョロしだし「あ、あれ?早苗ちゃん」はと聞き「今日用事があるから休むとの事で」と答えた。
「ま、まじか...早苗ちゃんにも手伝ってもらいたかったのに...お願い文斗君!手伝って欲しいの!」
「手伝うって何をしたらいいのですか?」
文はそう聞くとヘカテは白紙の原稿を文に見せ「次に書く四コマのネタが思い付かないのよ~」と言った。
実はこの新聞部は分野を別けているのだった。
文は新聞の内容と写真、早苗は新聞の執筆、ヘカテはおまけの四コマ漫画を描いており、ヘカテはその四コマのネタが思いつかなくて困っていたのだった。
「そう何ですか...私で良ければ手伝いますよ」
文は了承するとヘカテは満面な笑みで「本当!?ありがとう文斗君!」と文を強く抱きしめた。
文は「お、おふっ」と苦しそうにし、それに気づいたヘカテはパッと放し「あ、ごめんね」と謝った。
「い、いえ大丈夫ですよ、むしろ私の方こそ一昨日から休んでいたので、その精算ですよ」
「あの時は仕方ないって言いたいところだけど、今回はその言葉に甘えさせてもらうわよん」
文とヘカテは早速、四コマ作りに取りかかった。
少女試行錯誤中...
「やったー描けたー!」
何とか今日中に描きおえた事にヘカテは歓喜した。
「お疲れ様でしたヘカーティアさん」
「文斗君もお疲れ~本当に助かったよ、何かお礼しないとね」
「え?いや、お手伝いしたのは精算のためって言ったじゃないですか、私が休んだせいでヘカーティアさんの作業が遅れたのもあるので」
「確かにそうは言ったけど、文斗くんの作業はもともと、ほとんど終わってたから特に関係ないわよん、私ができる範囲で何かしてほしい事はあるかしら?」
「いえ、お気遣いしな...あ」
文はヘカテのお礼を断わろうとしたが、ふと映画の事を思いだしこれはチャンスと思った。
「でしたらお言葉に甘えて、実は映画のチケットをあy...抽選で二枚当たって」
文はチケット一枚をヘカテに渡した。
ヘカテはそのチケットを見て「これ、丁度私が見たかったやつ!」と驚いた。
文は「アー、ソウダッタンデスネー」とふてぶてしく言った。
「もし良かったらですが、明日ちょうど休みですし、一瞬に見に行きませんか?」
「いいの!?私も明日空いてるから!」
ヘカテは嬉しそうに了承し、文は何とか誘えた事に安心した。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
翌日...
映画館前で文はヘカテと待ち合わせをしていた。
(流石あやや、上手いことヘカちゃんを誘えたじゃ~ん♪)
(運が良かっただけですよ...所で歩さん、今何処にいるんですか?話しかけてるって事は何処からか見てるんですよね?)
(一応ね~だけど場所を教えたら、デートに集中出来なくなるからかもしんないから、教えてあ~げない)
歩はそう言うが文はどうしても気になっているのか(そう言わず教えてくださいよ~)と聞いた。
(え~?仕方ないな~場所h...ん?)話す暇はなさそうだね~)
(どういう事ですか?)
「おっはよ~文斗君」
そんな話しをしていると待ち合わせしていたヘカテが合流した。
(あーなるほど)「おはようございますヘカーティアさん」
「もしかして待たせちゃった?」
「いえ、私も今着たところですので」
文はそう言うとヘカテはニコッとし「お気遣いありがとうね」と言った。
「ところでどうかな文斗くん、今日の、私のコーデ結構気合いが入ってるんだけど?」
ヘカテの服装は黒無地のキャミソールに黒のジャンバーを羽織、淡い色の緑・赤・青の三色カラーのスカートにブーツを履いた姿をし、ヘカテらしい格好に「似合っていますよ」と言うとヘカテは「そう言ってくれて嬉しいわ」と満面な笑みをした。
「では、そろそろ頃合いでしょうから、行きましょうか?」
ヘカテと文は映画館の中に入って行った。
「あ、そうそう!映画と言えばポップコーンでしょ!」
「あ、買いますか?塩とキャラメルとありますがどちらにしますか?」
(キャラメルしか勝たん!)
(いや、歩さんには聞いてはいないのですが)
「キャラメルしか勝たん!」
「!?」
歩と同じ事を言うヘカテに思わず文は吹き出した。
そんな文に「ど、どうしたの?」と不思議がり、文は「思いだし笑いなので気にしないでください」と言った。
「そんな事よりも、ポップコーンを買って見に行きましょう」
「それもそうね~楽しみだわ~」
文とヘカテはポップコーンを買って上映されてる部屋へと入った。
(いや~楽しみだねレイセン物語、何気に私ちゃんも気になっていたんだよ)
(そうなんですね...というか歩さんも見ているんですか!?)
(当たり前っしょ!2人だけ映画を楽しむなんて、ずるいっしょ!)
文は(歩さんが勧めたじゃん)と内心思った。
「こういう映画が始まる前のこの時間、なんだかワクワクしない?」
「そうですね...」(どうなんですか歩さん?)
(そりゃあそうっしょ、この薄暗さと、今か今かと待ちわびる感じがね)
(なるほど)「今か今かと待ちわびる感じがいいですよね」
歩の意見を参考にしてそう言うと、ヘカテは「わかるー」と賛同した。
そうこうしていると辺りは暗くなりスクリーンに映像が映し出され間も無く映画が始まるのだろう。
ヘカテは「始まる♪始まる♪」とウキウキし、文は(かわいいなこの人)と思った。
少女鑑賞中...
[レイセンは雪の中、主を待ち続けたのだった...]
映画のナレーションが終わると共に映像は暗転した。
ヘカテはすすり泣き映画に感動した。一方文は何故か気難しい顔をしていた.。何故かというと...
(うぇぇん!レイセン!!)
(後半、歩さんの泣き声で全然集中できなかった...)
文は歩のせいで映画の内容が頭に入らなかった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「凄く良かったわね~レイセン物語...私、物凄く泣いちゃった」
「そ、そうですね」
(歩さん!貴女のせいで途中からの内容がわからないのですが!)
(し、仕方ないじゃん!感動したんだから!)
(それはそうでしょうが、もしヘカーティアさんに内容の事を聞かれたらどうすr)
「文斗くんはどの辺りが良かった?」
文の嫌な予想は見事に的中し(ほら!)と心の声で叫んだ。
(まぁまぁ落ち着きなよ、私ちゃんのイチオシのシーンを教えてあげるから、そのまま言えばいいじゃん!)
(それはなんですか?)
(レイセンがかわいい!)
「レイセンがかわいい!」
文は歩の言われた通りの事を言った。しかしヘカテは「え?」と言った。
(なんか微妙な反応じゃないですか!?どうしてくれるんですか!)
(げ、げげんちょ!そんな馬鹿なッ!誰が見たってレイセンはかわいいっしょ!)
(確かにそうですけど...ヘカーティアさんが聞きたいのは、そういうのでh)
「わかる~レイセンちゃんの愛くるしい姿とかたまらないわよね」
「!?」
思いがけない言葉に文は驚き、歩は(でっしょー)と言い何故か歩がどや顔をしている姿が浮かび、文は敗北感がした。
「だけどレイセンちゃんのあの最後...思い出すだけでも涙が」
(わかるぅぅぅ!!)
ヘカテに賛同するように歩の泣き声が文の脳内に響き、文は眉間にシワを寄せうつむいた。
そんな文の姿に「やっぱり文斗くんも感動するよね」と勘違いをし、文は(まぁいいか)と思った。
そしてしばらくヘカテと文[歩のサポート有り]は映画の事で盛り上がり、話しが落ち着いた頃には丁度お昼時になり2人はランチを食べに行った。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
なんか良さげなイタリアン店
「近くにこんな良さげなイタリアンがあるなんてね。文斗君詳しいね」
ヘカテはそう言いながらパスタを一口食べ、文は「ありがとうございます」と言ったがこの店の情報は歩が流したのである。
「ここの店、デザートなんかもオススメですよ」
「そうなんだ~食後に頂こうかしら」
ヘカテはメニューを開きデザートが載っているページに目を向け「あ、おいしそう」と目を輝かせた。
「私はこのケーキにしようかしら...文斗君はどうする?」
「私はこのオレンジのシャーベットにしようかと思います」
文はメニューを指しながら言うと、ヘカテは「それも美味しそうだね」と言った。
文は店員を呼びデザートを注文した。
しばらくするとデザートはやってきて、文はヘカテの方へ寄せ「良かったら一口あげますよ」と言うとヘカテは「いいの!?」と喜んだ。
「だったらあーんしてくれると嬉しいな~」
ヘカテはそう言うと文は「うぇ!?」と取り乱した。
ヘカテはそれを見てニコッと笑い口を開けた。
文は恥ずかしそうにシャーベットをスプーンですくい、ヘカテの口へと運んだ。
ヘカテは「うん、おいしい♪」と言った。
するとヘカテは自身のケーキをフォークで切り分け差し文の方へ向けた。
「な、何ですか?」
「シャーベットくれたお礼♪はい、あ~ん」
ヘカテはそう言いながらケーキをぐいっと寄せ、文は更に取り乱した。
(せっかくのヘカちゃんからの誘いなんだから、このチャンスを逃す訳には行かないよ!)
(歩さん!これめちゃくちゃ恥ずかしいんですよ!?自分がしないからってなんだか楽しんd)
言い訳をする文に歩が(つべこべ言わず、やれぇ!!)と言い、文は(えぇい!儘よ)とケーキをパクりと食べた。
「どう、美味しい?」
ヘカテがそう聞き、文は「はい、美味しいです」と答えるが、恥ずかしさのあまり味についてはあまりわかっていなかった。
ヘカテは「ふふっ」と笑った。
「今日はありがとうね、楽しかったわ」
「あ、いえ私の方こそありがとうございます。付き合ってもらって」
「何だか映画といい...こんな感じのレストランに2人で行くなんて...まるでデートだね」
ヘカテは不適な笑みを浮かべながら言い、からかうつもりで言ったのに、文が「嫌...ですか?」と思わぬ言葉にヘカテは驚き「い、嫌じゃないわよ?」と顔を赤くした。
(おっ、これは脈アリの感じですかにゃ~?あやや、告っちゃいなよ)
歩にそう言われ文は腹をくくった。
「あ、あの!」
「え!?うん...」
「今日...誘ったのは、ただ遊びに来たわけではなく...その...」
「...」
「よ、よろしければヘカーティアさん!私とつk」
文は告白しようとしたが、ヘカテに人差し指で口を抑えられた。
文は何が何やらわからずキョトンとした。
しばらくして人差し指は離れ、文は「へ、ヘカーティアさん?」と言った。
「気持ちは嬉しいわ、だけどそれには答えられないわ」
「ど、どうしてですか?」
「それは文斗君が一番わかっているんじゃないかしら?」
ヘカテはそう言うが文は理解できなかった。
「その言葉は私じゃなくて、別の人に言うべきなんじゃないかしら?」
ヘカテがそう言った瞬間、文の視界は暗くなった。
文は、何もわからないまま降られたのだった。