オタメイト~幻想浪漫旅行~   作:まぐろ

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十七話「月の都」

 ジリリリリン!

 

 目覚まし時計が鳴り響き、文は瞼を開け目を覚ました。

 文は起き上がりカレンダーと時計を見ると、5月3日の6時20分の日に遡っていた。

 文は自信がフラれた事を思いだし、大きなため息をついた。

 何故フラれたのだろうか、何がいけなかったのだろうか、次はいけるのか、本当に大丈夫なのか等、考えていた...しかし、それよりも文は別の事が気になっていた。

 

 「あの言葉...どう意味なのでしょうか」

 

 そうこう考えていると「ピンポン」とインターホンが鳴った。

 文は立ち上がり玄関へ行き扉をあけるた。

 そこには歩が立っており「おっはーあやや学校行こー」と作戦が失敗したのにも関わらずニコニコとしており文は不謹慎に思った。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 文はその後、制服に着替え歩と一緒に学校へと向かっていた。

 

 「いやー存外にフラれちゃいましたなー」

 

 「何でそんなに平然としているんですか...失敗したんですよ?」

 

 「失敗は成功のもとって言うっしょ?この気を活かして次を頑張ればいいんだよ」

 

 歩はポジティブに言うが文は未だに不安が残り「本当にこれで解決できるのでしょうか」と口にした。

 

 「ヘイヘイ、そんなにフラれた事がショックだったの?作戦なんだから、そんなに役にのめり込まなくてもいいじゃん」

 

 「のめり込んでいる訳では無いのですが...ただフラれた時の動機が気になって」

 

 「動機?...あ~あれの事?あんまし気にしない方がいいんじゃね?」

 

 歩はそう言うが文はどこか引っ掛かり、腑に落ちなかった。

 そんな文に歩は「私ちゃんがついてるから大丈夫だよ」とニコッと笑った。

 

 ドキッ...

 

 文は心臓がキュッとなる感覚に襲われた。

 そして心臓の鼓動が激しくなり、文は何が何やらわからず戸惑った。

 

 (何でしょう、この急な高まりは...私自身のでは無いような気が...)

 

 ふと文は先ほどの、歩の笑顔がフラッシュバックし、更に鼓動が早くなり、顔が熱くなった。

 その瞬間、文はフラれた時の言葉を思いだし理解した。

 

 (勘づいたのでしょうね。私が好意がなく告白した事に...)

 

 そして文は気がついた...『文』自身ではなく、この体の持ち主である『文斗』が歩にたいして好意を抱いている事に...

 

 「...」

 

 「どうかしたの、あやや?」

 

 「え!?何がですか?」

 

 「何か思い詰めているような気がして」

 

 歩は気にかけると、文は「...大丈夫ですよ」とニコッと笑った。

 

 「...?」

 

 そんな話しをしていると「お二人ともおはようございます」とサグメと合流し、文と歩は「おっは~」「おはようございます」と口をそろえて挨拶した。

 

 「お二人はいつもご一緒に登校しているんですか?」

 

 「今日はたまたまですよ」

 

 「私ちゃん的には毎日一緒でもいいんだけどね?」

 

 歩はそう言うと文は「あ、はい」と塩対応し、それにたいして歩は「なんだーその反応はー」と文に飛びついた。

 

 「ちょ、ちょっと歩さん!急に飛び付かないでくださいよ!」

 

 「文斗がそんな反応するからいけないんだ~」

 

 そんな2人を見てサグメは「お二人は本当に仲がよろしいですね」と言い、微笑ましさとちょっとしたヤキモチを妬いた。

 

 「ほ、本当にッ...まずいですって!」

 

 文は顔を赤らめながら抵抗すると、歩は(ちょっとやりすぎちゃった?)と思いパッと離れた。

 文は歩と密着していた事にたいして鼓動と息が激しくなっている事に気がつき、その場にしゃがみこんだ。

 

 (し、心臓がもたない...)

 

 「ごめんwごめんwちょっとからかいたくなっちゃてさー」

 

 「ほ、本当にやめてくださいよ...」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 お昼休み...

 早苗が文達を昼食に誘い、食堂に3人はやってきた。

 

 「...」

 

 文は箸を止め呆然としていた。

 そんな文にたいして早苗が「昨日お話し聞けなかったのですか?」と歩に小声で聞いた。

 早苗の言う昨日の事は文が記憶が戻り状況把握出来なかく不安になっていたからで、この件に関しては既に解決済みで歩は「いや...相談にのったんだけどな~」と不思議に思った。

 

 (いつもの文斗先輩に戻ってたら普段みたいにアプローチしようと思ったんだけど...なんだか調子が狂うのでやめておこ)

 

 「もしかして別の悩みとかですかね?」

 

 「その可能性は大だね...」

 

 歩は早苗の意見を考慮して文に(へ~いあやや、そんなに気難しい顔をしていたら後輩ちゃんが心配しちゃってるぞ?)と脳内で語りかけるとハッと気がつき(私そんな顔してました?)言うと歩は小さく頷いた。

 

 (本当にどうしたのあやや?朝から様子がおかしいけど)

 

 (すみません...ちょっと考え事をしていまして)

 

 (そんなに思い詰めてたらストレスマッハで胃に穴が空いちゃうぞ☆私ちゃんで良かったら相談にのるよ?)

 

 歩はそう言うと文は(たいした事ではないので気にしないでください)と言った。

 

 「...」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 放課後...

 部室にやってきた文は入る早々にヘカテに「作業が進まな~い」と泣きつかれ手伝う事にした。

 

 「いやー助かったるよ!どうしようかと思っちゃってさ」

 

 「いえいえ、一昨日から休んでいたのでお気になさらず」

 

 「休んだって言っても文斗君の作業はほとんど終わってるからたいした事ないよ...手伝ってくれたお礼をしないとね」

 

 ヘカテはそう言うが文は「気持ちだけでいいですよ」と断った。

 

 「気遣わなくていいのに、何だか悩んでいるみたいだし相談ぐらいにのるわよん?」

 

 ヘカテはそう言うと文は思わず「何で知てっるんですか」と言いそうになったが、早苗の仕業かと気付いた。

 

 (相談したいのは山々ですが...早苗さんやヘカーティアさん、サグメさんには何故か相談しづらいし)

 

 文はニコッとして「たいした事ではないので大丈夫ですよ」と遠慮した。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 ヘカテの手伝いが終わった文は下校せず、グラウンドで黄昏ていた。

 

 (はぁ...この気持ちを歩さんに伝えたら直ぐに解決するのでしょうが...)

 

 文の足は小刻みに震えていた。

 伝えるのが怖いから...文自身ではなく、文斗が歩に言うのに怖じけづいているからだ。

 伝えたらこの関係が崩れてしまうのではないのか...歩が自身から離れていくのではないかと...しかし伝えなければ苦しみから解放される事は無い。

 文は得たいの知れない恐怖に怯えていた。

 

 「はぁ...どうしたらいいのでしょうか」

 

 文は悩んでいた...するとそんな時だった。

 

 「どうした文斗!悩み事か!」

 

 聞き覚えのある声に文はビクッとなり、振り向くとそこにはうさ耳が付いた屈強な男が立っていた。

 

 「ご、ごり崎!?」

 

 文は思わず呼び捨てをしてしまい取って付けたように「先生」と言った。

 

 「考える前に走るお前が、くよくよしているなんてらしくないぞ!」

 

 「考える前にじゃなくて考えながらですよ!」

 

 文はそうツッコムとごり崎は大笑いし「言い返す元気はあるようだな!」と言った。

 

 「というか、何で私が悩んでいるって思ったんですか?」

 

 「今日のお前の走りは、迷いのある走りに感じたからだ」

 

 ごり崎の謎理論に文はポカーンとなったが、現に的中してるから何も言い返せなかった。

 

 「悩んでいるのなら、相談に乗るぞ?」

 

 「いや...たいした事では無いので大丈b」

 

 文は遠慮しようとしたがごり崎は「それは嘘だな」とズバッと言い、文はギクッとなるが平然を装い「何でそう思うんですか?」と聞いた。

 

 「こう見えて俺は色んな生徒達から相談を受けているからな...お前みたいな奴は何人も見てきた」

 

 (そう言えば歩さん言ってたな、生徒の相談にのってるって)

 

 「どうだ...話してみる気はないか?」

 

 最初は遠慮しようと考えていた文だった...

 

 「...好きな人がいるのですが」

 

 その口は自然と開いていた。

 

 (く、口が勝手に?)

 

 しかし開いた口は文の意思に反しており、文は文斗が語っていると気がついた。

 

 「その人は昔からの付き合いでして、いわゆる幼なじみなのですが、その好意に気がついたのはつい最近でして」

 

 文斗がそう言うとごり崎は「伝えるのが怖いのか?」と核心のつく事を言うと文斗は小さく頷いた。

 

 「想いを伝えたい...だけど伝えたらこの関係が崩れるのではないかと...」

 

 「なるほどな...その気持ちわかるぞ」

 

 共感するごり崎に文斗は「気遣わなくていいですよ」と言うとごり崎は食い気味に「そんなつもりはないぞ」と言った。

 文斗は「え?」と唖然した。

 

 「俺にも幼なじみがいてな、幼稚園の時からの付き合いでな、俺の記憶が確かなら小学生の時からそいつの事が好きだったんだ」

 

 文斗は恐る恐る「伝えたのですか?」と聞くと、ごり崎は首を横に振り「お前と同じさ」と言い、文斗はなんとなく昔のごり崎と今の自分を重ねた。

 

 「実はな、そいつも俺の事が好きだったらしいんだ」

 

 ごり崎がそう言うと文斗は驚き「両お想いじゃないですか!?」と言った。

 

 「それを知ったのは俺が大人になり...そいつが結婚した時に聞かされた」

 

 ごり崎がそう言うと文斗は胸がキュッとなった。

 文斗は不謹慎ではあるが、恐る恐る「後悔...しましたか?」と聞くと、ごり崎は一呼吸空き「ああ」と言った。

 

 「無理に想いを伝えろなんて言わない...だが、これだけははっきりと言える」

 

 ごり崎は文斗の肩をポンッと叩き「俺見たいに後悔はするなよ」と言った。

 文斗の足の震えは収まり、気づいた時には走っていた。

 去り際に文斗はごり崎に「ありがとうございます」と礼を言い、ごり崎は「そのいきだ文斗!」と鼓舞した。

 

 「また、生徒の悩みを聞いていたのですね」

 

 文斗を見送ったごり崎に亜麻色のロングヘアーに全周のつばのついた白い帽子を被り瞳の色は金色、服装は、長袖で襟の広い白いシャツのようなものの上に、左肩側だけ肩紐のある、青いサロペットスカートのような物を着ている女性が話しかけた。

 ごり崎はその女性を「お、豊姫か」と言うと、豊姫は少しムスッとし「校長をつけなさい」と言い、ごり崎は「すまんすまんつい癖でな」と笑った。

 

 「あの子は依姫のクラスの子ですよね?何を話していたのですか?」

 

 「俺のちょっとした昔話をな」

 

 「貴方の昔話?それは随分とまぁ退屈だったでしょうね...スポーツしかしてない人生なんだから」

 

 豊姫はそう言うとごり崎は「そんなに誉めても何もでないぞ!」と大笑いした。

 豊姫は「誉めていません!」と怒鳴った。

 

 「だが誉められるような話しはしてないぞ、何せ俺の失敗談だからな」

 

 ごり崎はそう言いながら豊姫の左手の薬指にはめた指輪を眺めた。

 

 「失敗談?貴方にもそんなものはあったのですね」

 

 「俺にも失敗の一つや二つだってあるさ」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 文斗は全速力で走り歩の家へと向かった。

 文斗は歩の家にたどり着きインターホンを鳴らした。

 しばらくしても歩は現れず、まだ帰って来ていないと文斗は悟った。

 

 「またどこかうろちょろしてますね、これ」

 

 文斗はそう言いながら歩を探しに走った。

 

 「一体何処に...あ」

 

 ふと文斗は昔歩とよく遊んでいた場所を思い出し、そこにいるのではないかと思い向かった。

 青年移動中...

 文斗は他の所より少し地表が高い場所にたどり着いた。

 その場所は学校や文斗の家等がまるでミニチュアに見える程高く、町並みが一望でき、文斗のお気に入りの場所だ。

 そんな所に文斗意外にも人がおり、町並みを眺めていた。

 文斗は「み、見つけた...」と言うと眺めていた人が「お、あややじゃん部活終わった感じ?」とニコッと笑った。

 

 「...やっぱりここにいたんですね」

 

 「ここの景色はいつも綺麗だからね...私ちゃんのお気に入りなんだ」

 

 歩はそう言うと文斗も頷き「私もここはお気に入りです」と賛同した。

 

 「小さいころ夕方まで遊んで、遊びつかれたらいつも眺めていましたね」

 

 文斗は昔の事を思い出しながら語った。

 

 (何だかあややの雰囲気がいつもと違うと言うか...戻った感じ?)

 

 「思えばあの時からですかね...」

 

 文斗はそう呟くと歩が「あの時?」と不思議がった。

 すると文斗は真剣な眼差しで歩を見つめだし、そんな文斗に歩は「なんだ~い?私の顔なんか見て」とニヤニヤと笑った。

 

 「もしかして私ちゃん告白されちゃう!?もう~フラれたからって移り変わり早すぎない?」

 

 「はい、そのつもりです」

 

 

 からかうつもりで言ったのに、思いがけない言葉に歩は目を見開き「でじま!?」と驚いた。

 

 「気づいたんです私自身の気持ちに...私は、私『射命丸 文斗』は高酒 歩が大好きです!」

 

 文斗は告白した。

 その場はしばらく静寂に包まれた。

 文斗は緊張していた。自身の心臓の鼓動がいつもより早くよく聞こえ、文斗は不安を感じた。

 すると歩はクスっと笑った。

 その時の歩の表情は文が知っている歩ではなく、文斗の知っている歩の笑顔だった。

 

 「気づくの遅いんだよ!待ちわびたんだから」

 

 歩は満面な笑みでそう言うと文斗も笑みを浮かべ「すみません、お待たせしました」と言った。

 

 「私ちゃんも大好きだよ文斗」

 

 歩はそう答えた瞬間、辺りは輝き次第に2人は意識が遠退いた。

 

 歩ルートGOOD END

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 「っ!?」

 

 文は意識が戻り起き上がった。

 辺りを見渡すと早苗と依姫が倒れ混んでおり、風景も先ほどの見渡しの良い場所ではなく殺風景な場所に変わり文は戻ってこれた事に気がついた。

 そんな文に歩がタバコを咥えながら隣にやって来て「戻ってこれたねあやや」とニコッと笑った。

 しばらくすると早苗も気がついた。

 

 「早苗さん、良かった意識が戻られたんですね」

 

 「あ、あれ?私...気を失っていたのですか?」

 

 「私ちゃんらもさっき気がついたところだよ」

 

 「何だか急に光が現れて、それで...長い夢を見ていたような?」

 

 早苗はあの世界でいた時の事は覚えていなかった。

 

 「あの世界の早苗とこの世界の早苗さんはやはり別人だったのでしょうか?」

 

 「いや~あれは紛れもなく、さなっち本人のはずだよ、多分だけど記憶とかかが改竄されたかなんだと思うよ」

 

 「でしたら何故私達はあの世界での記憶があるのでしょうか?」

 

 「私ちゃんらはあの世界で幻想郷での記憶があったから、あの世界の記憶も残っているんだよ」

 

 歩はそう言うと文は納得した。

 そんな2人を見て早苗は自身が知らない所で何か起き、そして2人がいつの間にかそれを解決した事に「2人だけなんかずるいです!」と拗ねた。

 

 「ずるいって...早苗さん結構大変だったんですよ!私が男になって誰かと恋愛しなくちゃならないんですから」

 

 「何ですかその面白そうな事件!私も参加したかったです!」

 

 「面白そうじゃないですよ!」

 

 早苗と文はそんな言い合いをしていると依姫も「私は...一体?」と意識が戻った。

 

 「お?よっちゃん気がついた感じ?」

 

 歩が依姫に話しかけるとたん依姫は刀を手にとり歩達から距離をおき構えた。

 

 「さっきの光は何だッ何をした!」

 

 依姫は先ほどの光が歩達の仕業だと考え殺意マシマシだった。

 

 「ああああっ!?この人の存在忘れてたぁ!!」

 

 問題を解決したのにも関わらず新な問題に直面し文と早苗はパニックになった。

 

 「いや、あのっ!私達も今気がついたところで何が何やらわからない状況でして」

 

 「貴様らが来たからこんな事になったに違いない!」

 

 依姫はそう言うと、文と早苗は(確かに)と納得してしまい、思わず歩を見てしまった。

 歩を見つめる2人に依姫は勘づき「やはり貴様の仕業か!」と刀を降り上げた。

 

 「いやいやいや、違います違いますから!思わず見てしまっただけですから!」

 

 文は必死で弁明するが依姫は「問答無用!」と襲いかかった。

 文と早苗は歩に抱きつき「今度こそ終わったー!!」と泣きじゃくった。

 万事休すになった瞬間突如その間に割って入るように上空から何かが落ちて来て辺りは土煙が舞い、何が何やらわからない状況になった。

 次第に土煙は薄まり4人の間に人が立っている事に気がつき依姫が「何者だ!」と言った。

 

 「何者?私を知らないなんて月の情報力はそんなに程度が落ちるのかしら?」

 

 歩達は依姫を煽る声の主を知っていた。

 そして土煙がなくなりその声の姿がはっきりとした。

 

 「知らないなら教えてあげるわ!私の名前は比那名居 天子...貴様を倒す者の名だ」

 

 天子はそう言いながら緋想の剣を依姫に差し向けた。

 

 「て、天子さん!?応援に来てくれたんですね」

 

 天子はどや顔をして「ヒーローは遅れ来るものよ」と言った。

 

 「衣玖さんの姿が見えないのですが何処にいるんですか?」

 

 「来ているわけないでしょ?こんな奴私1人で十分よ!」

 

 天子はそう言うと早苗と文はあからさまに不安な顔をした。

 そんな不安そうな2人を見て天子は「助けにきたのに何よその顔は!!」と怒鳴った。

 

 「いや...だって相手は月の民ですよ?天子さんだけでどうこうなる気がしないのですが」

 

 すると天子は緋想の剣を強調するように振り「私にはこれがあるのよ」と言い、文は「な、なるほど」と納得した。

 

 「こいつは私にまかせてあんた達は逃げなさい」

 

 「それは流石にまずいんじゃないですか!?緋想の剣があったとしても1人で相手するなんて無謀ですよ!」

 

 「あんた達がいるだけでかえって邪魔って言った方がいいかしら?早く行きなさい」

 

 天子は3人を逃げるよう促すが早苗と文は心配して立ち止まっていると、歩が2人の肩をつかんだ

 

 「わかったよ、てんこちゃん...貴女の雄姿...しかと見届けたぜ☆」

 

 「...ふっ、2人を頼んだわよ歩」

 

 天子は親指をグッと立て、歩も同様に立てた。

 歩は2人を抱えたまま飛んでいき幻想郷へと向かった。

 

 「歩さん!本当に天子さんを置いてきて良かったのですか!?」

 

 「てんこちゃんが大丈夫って言うなら大丈夫なんじゃない?」

 

 軽く言う歩に文は「軽すぎませんか?」と突っ込んだ。

 

 「天子さん、私達の為に自らを犠牲にするなんて...なんて優しい方なんでしょうか」

 

 早苗が染々しながそう言うと歩がニヤニヤしながら「本当に私ちゃんらの為なのかな~?」と言い早苗が「どう言う事ですか?」と聞いた。

 

 「だってあのてんこちゃんだよ?私ちゃんらを助けてやろうの気持ち以上にきっと...」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 月に残った天子は自身の髪を靡かし「今の私...最高にかっこいいわね」と自惚れしていた。

 そんな天子を見て依姫は「何をしているんだ奴は」と呆れた。

 

 「奴らを逃がした意味がわからん...4人係りで挑めば幾らかましだというのに」

 

 「わかっていないわねあんた?そんな事したら私の活躍が半減するじゃない!」

 

 依姫は更に意味がわからなくなり「は?」と言った。

 

 「3人の危機に駆けつけた天子は3人を逃がし、月の民と一騎討ち...死闘の末、勝利を掴んだ天子は帰還...これだけの活躍をすれば新聞の表紙は間違いないわね!」

 

 天子は単に新聞の表紙目的で歩達を助けに来たにすぎないのだった。

 

 「何を言っているのかわからないが、貴様ごとき私に勝てるとでも?」

 

 「そう簡単にはいかないぐらい私だってわかるわ...だけどこの緋想の剣をあんたに一発でもあたえれば勝機はあるわ」

 

 天子はそう言いながら緋想の剣を振り上げた。

 依姫も同様に刀をかざし「そう簡単には当たるかしら」と言った。

 

 「大口を叩けるの今nポピィィィ!」

 

 天子が依姫に襲いかかろうとした瞬間、突如上から雷が落ち天子に直撃した。

 突然の事で依姫は何が何やらわからずじまいだった。

 しばらくして雷は収まり感電した天子はその場で倒れ混むと、上空から衣玖が降りてきた。

 

 「やはりここに来ていらしていたのですね...総領娘様?」

 

 明らかにぶちギレている衣玖に天子は「ウゲェェ!?い、衣玖ぅ!?」と驚愕した。

 すると衣玖は依姫の方を向き「家の総領娘様がご迷惑をおかけしました」と頭を下げた。

 依姫は突然の出来事に先ほどまでの殺意を忘れてしまい「あ、お構い無く」とあっさり許してしまった。

 

 「さぁ帰りますよ総領娘様!これ以上ご迷惑をかける前に」

 

 衣玖はそう言いながら天子の頬を引っ張りながら飛んだ。

 

 「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!今回は私迷惑なんてかけて無いわよ!むしろ歩達の危機に駆けつけた救世主よ!」

 

 「そんなバレバレの嘘が通じるとでも?歩さん達を巻き込むのはお止めください!」

 

 「嘘じゃないわよ!そうだわ歩達に直接聞けば分かるわよ!」

 

 天子は歩達に弁明してもらおうとそう言うがこの場には歩達は居らず、自信がその場から逃がした事を思い出し「し、しまったぁ!?証人がいねぇ!」とガクッとした。

 

 「総領娘様?言い訳それだけですか?」

 

 衣玖は手を放電させながそう言いヤバいと思った天子は依姫に目が行った。

 

 「そ、そうだ!あんたからも何か言いなさいよ!私は歩達を助けに来ただけで迷惑はかけてないって」

 

 必死に助けを求めた天子だったが、依姫は「いや、何で私が貴様の手助けしないといけないのよ」と正論を言われた。

 

 「少なくとも私は貴様を迷惑だと思ってるし」

 

 「何だよもおおぉ!またかよぉ!」

 

 天子は悲痛の叫びを上げながらじたばたした。

 

 「やはり迷惑かけてるじゃないですか!嘘をつくだけではなく他の方を巻き込むなんて...」

 

 衣玖の放電は激しさを増し「お覚悟はよろしいですか?」と言った。

 

 「いや、あの...本当に嘘なんかじゃくぁwせdrftgyふじこlp」

 

 天子の必死の弁明は虚しくも衣玖の放電により消し炭にされた。

 天子は感電しながら衣玖に連れて行かれた。

 そんな2人を見て依姫は「なんだったのかしらアレ?」と呆然と立っていると「依姫どの!ご無事ですか!」と、うさ耳が生えた屈強な男が駆けつけ、依姫は「宇崎[うざき]か!」と屈強な玉兎の名前を呼んだ。

 

 「援軍に遅れて申し訳ございません!」

 

 「軍団長のお前が遅れるなんて...もしかして都に何かあったのか!?」

 

 「ご察しの通りでございます...実は都に地獄の女神がやってきた次第でして、その対応に追われていまして」

 

 「何、ヘカーティアが!?やはり奴らは月に攻め混んできたのか...しかもヘカーティアと繋がっていたとは」

 

 依姫は歩達がヘカテと共に攻め込んで来たと考えた。しかし宇崎が「いえ、それがそうではないらしいのです」と否定した。

 

 「どう言うことだ?」

 

 「女神が言うには侵入してきた奴らとは無関係との事でして」

 

 「...そう言って私達を混乱させる作戦とかでは?」

 

 「私もそうではないかと思ったのですが_」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 月の都...

 大勢の玉兎に囲まれながら気長にお茶を飲むヘカテと、警戒と緊張で強張る豊姫がいた。

 

 「貴女自ら出向くと言う事は、あの侵入してきた者達は貴女の差し金ですね」

 

 豊姫は問うとヘカテは「ちがうわよん」と即答し、思いがけない回答に豊姫は同様した。

 

 「私とその侵入者がグルで都に攻め混んできたと思ってる見たいだけど見当違いよ、私は貴女達に忠告しに来たの」

 

 「忠告?どう言う事でしょうか?」

 

 「あの者達に手を出さないほうがいいわよん」

 

 「貴女がそう言う事はつまり奴らには脅威があると言うようなものではないでしょうか?私どもそれを聞いたからにはそうやすやすと野放しにする訳には行かないのですが」

 

 豊姫はそう言うとヘカテは気難しい顔をして「脅威?そうと言えばそうだけど、違うと言えば違うわよ」と曖昧に答え豊姫は疑問を抱いた。

 

 「手を出せば脅威になるだろうし、手を出さなければ脅威にはならないわ、貴女達は手を出さず、月から出させなさい」

 

 「...なにもせず出ていくのを待てと?」

 

 「そうよ、もし排除する気ならおすすめしないわよ?無意味だから」

 

 「...我々が負けるとでも?」

 

 「そう意味じゃないわよん、今私達のいる世界は彼女達の...いや『彼女の夢』に過ぎないからよ、何をしようが『この物語』は『彼女達の都合』で進み都合が悪くなれば『切り捨てられる』だけよ...だから意味が無い」

 

 ヘカテはそう言うと豊姫は冷や汗をかいた。得たいの知れない恐怖が豊姫を襲ったからだ。

 しばらくするとヘカテは「お、無事逃げれたみたいね」と呟き立ち上がった。

 

 「待ちなさい!話はまだ終わっていないわよ!」

 

 「私の話しは終わったわよん、それに私がここに来たのは貴女達が援軍に向かわないように時間稼ぎをしに来ただけなんだから」

 

 ヘカテはそう言うと瞬く間に消えた。

 すると豊姫に宇崎が近づき「どうされましょうか?」と聞き豊姫は「依姫が心配だわすぐに向かってちょうだい」と指示をし宇崎は直ぐに向かった。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 「_という事がありまして」

 

 「...忠告しただけで何もしなかったのか?」

 

 「そのようです...現に侵入者は月から脱した様子...勝ってながら自分、女神の言っている事は大方間違いないかと思った次第でして...失言とわかっておきながらの発言...罰は何なりと受けます」

 

 「お前がそこまで言うならそうなのであろう」

 

 「はっ、お気遣い感謝いたします」

 

 (それにしても奴ら...いや、あの歩と言う者は一体何者なんだ?)

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 一方歩達は無事幻想郷にたどり着いていた。

 

 「はぁ...一時はどうなるかと思いましたよ」

 

 月から脱出できた事に文は安堵していると、早苗が「あ、そうでした!」と何かを思い出した様子に歩が「どうしたのさなっち?」と聞いた。

 

 「私まだ話しの途中だった事を思いだしましたよ!」

 

 早苗はそう言うと文は何となく嫌な予感がした。

 

 「私が知らぬところで起きた事件...文さんが恋愛したという話を聞いてません!」

 

 「いや、その話しは過ぎた事なんですからぶり返さなくてもいいのでは?」

 

 「そう言うわけには行きませんよ!もし今後似たような事が起きたら対象しやすくなるじゃないですか!」

 

 「確かにそうですが...ほ、ほら!既に辺りは暗くなっていますし、今の私達は疲れていますしこんな時に襲われでもしたら大変じゃないですか?とりあえず今日は何処かで休息をとりましょう!」

 

 必死に話すを拒む文に早苗が「文さんが話したくないだけなのでは?」と疑いの目を向けた。

 文は「そ、そんな事ないですよ?」と目線をそらしながら言った。

 

 「まぁあややの言い分は正しいよ、とりま安全に休めれそうな所を見つよっか」

 

 「歩さんがそう言うなら仕方ないですね」

 

 文は内心ほっとなった。

 しかし歩は不適な笑みを浮かべ、それに気づいた文は「ま、まさか」と冷や汗をかいた。

 

 「見つけた後に話をすれば良いんだよさなっち!」

 

 「ちょ、ちょっと!」

 

 「確かにそう言われたらそうですね!文さんその時は隅々と教えてくださいね!」

 

 逃れたまと思った矢先、結局話さなくてはならないといけない雰囲気になり、文は「嫌だ!話さないぞ私は」と駄々をこねた。

 

 「大丈夫だよ、あややが話せないほど疲れているなら、私ちゃんが隅々と話してあげるからさ」

 

 「そう意味で話したくないとかじゃないんです!恥ずかしいから話したくないんです!」

 

 「そんなに照れなくて良いのに~さなっちにも教えないと...あややの雄姿をね♡」

 

 歩はニヤニヤしながらそう言うと、早苗が「文さんの雄姿...つまり、文さんが大活躍したのですね!是非とも聞かせてください!」と食い付き、歩はその流れから今話そうとし文は必死に止めに入った。

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