オタメイト~幻想浪漫旅行~   作:まぐろ

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二十五話「太陽の畑・後編」

 「世界の侵食...通りで幻想郷全土が『無縁塚』みたいな雰囲気になっているのね」

 

 幽香はハーブティーの入ったカップを手にとり口をつけた。

 無縁塚とは他の場所とは比べて空間等が不安底で外の世界のもの等が流れ着きやすい場所かつ幻想郷の中でも最も危険な場所とされており、住人は比較的に近づく事のない場所である。

 

 「それで?解決策は?」

 

 「旗八の友人達を見つけて、全員を元の世界に戻る事が解決策なのよ」

 

 アリスがそう言った同時に旗八が写真を取り出し幽香に渡した。

 

 【この顔に見覚えはありませんか?】

 

 「...残念だけど見てないわね」

 

 それを聞いて旗八はシュンとなった。

 

 (旗八ちゃんがシュンとしてる)

 

 (ボードから顔がヒュコッてしてるみたい...)

 

 アリスと幽香は((かわいい))と思った。

 

 「それにしても旗八ちゃんの友人はユニークと言うか、よく見ると種族がバラバラね」

 

 【そうですね、もっちーは『人間』で司令は『ホムンクルス』姉貴は、今は『妖狐』でパリピは『天】

 

 鮪麗達の説明している最中何故か旗八は急いでボードを伏せた。

 

 「どうしたの旗八ちゃん?そんなに慌てて」

 

 「まだ説明の最中と思うのだけど」

 

 「あ...いや、別にその...あの」

 

 何故かテンパる旗八を見て2人はこの話しはあまりしたくないのだと察し掘り返す事はしなかった。

 

 「友人達を見ていないのはわかったけど、何か異変というか違和感みたいな事は起きていない?」

 

 「そういうのはまだ起きてないわね、ただ貴女達の話を聞くかぎり時間の問題ね」

 

 そんな話しをしている3人と別で、魔理沙はと言うと幽香に弾幕ごっこでボコボコにされた後、破壊した家を修理作業をしていた。

 

 「魔理沙、早くしなさい、少し肌寒くなってきたわ」

 

 「んな事言われたって身体中痛くてうまくできないんだよ!」

 

 「それは自業自得ね」

 

 魔理沙はどの口がと言わんばかりの表情をしたため幽香にキッと睨まれた。

 

 「くっ...こうなったのも旗八を幽香のところにチルノ達のせいだぜ」

 

 「アリスから聞いたのだけど、もとはといえばあんたと紅魔館のもやしが弾幕ごっこで旗八ちゃんを吹き飛ばしたのが原因らしいわね」

 

 魔理沙はギクッとなった。

 すると幽香は鬼の形相で「口じゃなくて手を動かしなさい」と言い、魔理沙は渋々作業に戻った。

 

 (あの調子だと、まだまだかかりそうね...そうだわ)

 

 「旗八ちゃん良かったら魔理沙の作業が終わるまで太陽の畑を見ていかない?凄く綺麗よ」

 

 無駄にニコニコとする幽香に少し怯えながら旗八は頷いた。

 

 「アリスもどうかしら?」

 

 「私は遠慮しとくはあの調子だと日が暮れそうになるから、ちょっとだけ手伝うわ」

 

 作業している魔理沙を見つめながらアリスはため息をついた。

 アリスが動向しない事を聞いて旗八は不安な表情をした。

 そんな旗八にアリスは優しく肩に手を置いた。

 

 「大丈夫よ旗八ちゃん、幽香は貴女に危害を与えるつもりはないみたいだから」

 

 幽香に気を悪くしないためかアリスは旗八にしか聞こえない程度の小声で話した後、魔理沙のもとへかけよった。

 それでも不安だった旗八はアリスを呼び止めようと手を伸ばした...が、その手は幽香に両手で握られ「それじゃあ行きましょう」と微笑んだ。

 旗八にはその笑顔が恐ろしく見え、ひきつった笑顔をした。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 幽香に連れられた旗八は大量のひまわりに圧倒していた。

 旗八はひまわりを見ているとある違和感を感じた。

 

 (なんか視線を感じるような...大勢に見られている感覚が...)

 

 ひまわりは日差しがある方に花を向ける性質があるのだけど、何故かここのひまわり達は旗八の方を向いていた。

 それに気づいた旗八は挙動不審になり、そんな姿を幽香は可愛らしく思いながらも少し心配になり「どうかした?」と尋ねた。

 

 「え!?あ...いや、見られ...てるなって...」

 

 「見られてる?...ああ、きっと貴女の事が気になるのよ」

 

 (そう言えば花達が私に敬愛しているとかなんとか言ってたけど...私何もしてないよね?)

 

 旗八は不思議そうな表情をした。

 

 「ふふ、どうして?てみたいな顔をしているけど、本当は心当たりあるでしょう?」

 

 幽香がそう言うと旗八は複雑な表情をした。

 そして旗八はボードに少し長めの文を書き始めた。

 

 【あまり自分の事を話したくないのです、私の正体を知ったら悪用しようとする者が現れるので、そんな人間達をたくさん見てきたから】

 

 旗八の表情はどこか怨みや憎しみが見られた。

 

 「...もしかして『人間』が嫌いなのかしら?」

 

 幽香がそう聞くと旗八は頷いた。

 

 「なら、どうして魔理沙と動向しているの?あの子は人間よ」

 

 【気がついていない様子なので、動向するだけなら良いと考えているだけです、気がついたらきっと私の見方が変わるはずです。その時は離れるつもりです】

 

 「だけど貴女の友人の1人にも人間がいるじゃない、その子はどうなのかしら?」

 

 「...?ああ、もっちーの事か...もっちーは別」

 

 (長い付き合いだからその子は特別のようね)

 

 【もっちーは知能が著しいから悪巧みとか考えないから】

 

 「旗八ちゃんて意外と辛辣ね」

 

 今までの傾向からしてみんなからボロクソに言われる鮪麗だった...うぅ

 

 「まぁ...それだけじゃないけど、もっちーは『自分が死ぬ』ってわかっていても私達を...助けてくれる」

 

 旗八の表情はどことなく嬉しそうにしていた。

 そんな旗八を見て幽香は(やっぱり特別なのね)と思った。

 

 「何も考えず突っ走ってるだけなんだけど、中身空っぽだから」

 

 (あれ、どっちかしら?)

 

 そんな会話をしていると旗八はひまわりの間から自身をここに運んできたサニー達がこちらを見ている事に気がついた。

 

 (ひ、ひまわり意外に見ている子がいる!?)

 

 「ねぇサニー...旗八って子、あの幽香さんと親しく会話しているわ」

 

 「...ただ者じゃないわね、私達と同じ妖精みたいな雰囲気なのに」

 

 「もしかしたら...妖精の中で『最強』なのかも」

 

 「何!?あたいと言うものがありながら最強を名乗るなんて許さない!」

 

 するとチルノはバッと飛び出し旗八と幽香の前に立った。

 突然の事に旗八は戸惑った。

 

 「やい、お前!あたいを差し置いて最強を名乗ってるみたいだけど、あたいの方が最強なんだぞ!」

 

 3秒程沈黙が続いた。

 

 「な、何の話し!?」

 

 「とぼけても無駄だ!どっちが最強なのか勝負だ!」

 

 「いや、あの、私別に最強なんt」

 

 「問答無用!」

 

 チルノは有無言わさず弾幕を飛ばし旗八を襲った。

 旗八は急いでその場から離れ弾幕を回避した。

 チルノは「逃げるな!」旗八を追い続けた。

 

 (ど、どうしてこんな事に~!?)

 

 「ぐぬぬ、ちょこまかと、ならこれでも食らえ!氷符『アイシクルフォール』」

 

 スペルカードを使うとチルノを中心から氷の弾幕が飛びかった。

 本来ならチルノ真っ正面に入れば安直なのだが、旗八はその事を忘れ逃げる一方だった。

 それを見てチルノは旗八がたいしたことない奴だと思い始めた。

 

 「逃げてばっかりで弱いじゃん」

 

 それを聞いて旗八はピクッとなった。

 すると旗八は立ち止まった。

 

 「...銀狼『ブリザード・フェンリル』」

 

 旗八がそう言うとフェンリルが現れチルノの弾幕を弾き飛ばした。

 突然の事でチルノはキョトンとした。

 チルノが瞬きをした瞬間目の前に巨大な狼が立ちふさがっている事に気がついた。

 

 「...へ?」

 

 いつの間に移動したのか等考える暇も与えないかのようにフェンリルは口を大きく開けチルノを喰らおうとした...が、その瞬間にフェンリルの姿は消え、チルノはただ、ぼーぜんとした。

 

 「...私の勝ちです」

 

 普段は弱々しい旗八なのだが、実は負けず嫌いな1面があり、チルノの一言でカチンときたのだった。

 旗八は「むふー」とどや顔をした。

 そんな旗八のどや顔を見て幽香は(かわいい)と思った。

 ぼーぜんとしているチルノに大妖精が駆け寄り「大丈夫チルノちゃん?」と心配した。

 

 「...す」

 

 「す?」

 

 「すっげー!」

 

 チルノは目を輝かせながらそう言った。

 敗北したのにも関わらず、出た言葉が喜びに満ちたもので旗八と大妖精は困惑した。

 

 「大ちゃん見たさっきの!おっきな犬!スッゴク大きな犬が!」

 

 「見たけど...あれは犬じゃないと思うよ?」

 

 大妖精はフェンリルが犬ではないと否定しようとしたが「どう見ても犬だよ!」と食いぎみに主張し、大妖精はこれ以上発言はしなくなった。

 するとチルノは旗八のもとへかけよった。

 

 「ねぇさっきの犬もう1回呼んでよ!」

 

 「い、犬?もしかしてフェンリルの事かな?」

 

 「あいつフェンリルて言うだ!ねぇ呼んでよ」

 

 せがまれる事に旗八は困惑していると、気がつくとせチルノだけではなくサニー、ルナ、スターもいつの間にか旗八のもとに集まりチルノ同様に目を輝かしていた。

 

 (ふ、増えてる!?)

 

 旗八の周りにはチルノ達がわちゃわちゃとして旗八は困惑した。

 その様子に幽香は微笑ましく感じた。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 チルノ達にもみくちゃにされた後、旗八はヘロヘロとなりながら魔理沙とアリスのもとへ戻ってきた。

 

 「お帰rってどうしたの旗八ちゃん?なんだか疲れている様子だけど」

 

 旗八はプルプルと震えながらボードを書き始めた。

 

 【妖精達と無理やり遊ばされて、へとへとです】

 

 それを見てアリスはフェンリルではしゃいでいるチルノ達を見た。

 フェンリルの表情は何となく疲れきっており、アリスは察した。

 

 「ま、まぁ少し休んでいたら?まだまだ作業は続きそうだし」

 

 アリスはため息をつきながら作業をしている魔理沙をジーと見つめた。

 

 「しょうがねーだろ、やりなれてない作業なんだからよ!」

 

 「このままだと日がくれるわよ」

 

 「ああ、もう!わかってるよ!...あ、そうだぜ旗八、森で私が死にかけた時みたいに時間を巻き戻してくれないか?」

 

 「ちょっと魔理沙、旗八ちゃんは疲れてるのよ?無理させたらいけないわ!」

 

 「だけどこのままだとまじで日が暮れるぜ?」

 

 魔理沙はそう言うとアリスはぐうの音も出なかった。

 

 【できなくはないのですが、あれはセーブという1度マーキングしないといけなくて、私が最近したセーブは竜王を倒す前なので、だいぶ遡ります】

 

 それを聞いて魔理沙はガクッと落ち込んだ。

 

 【それ意外で直す事はできるのですが、この事態が起きた原因がスキルなんであまり使いたくないんです】

 

 「そんな固い事言うなよ~それこそこんなところで足止め食らってたらもともこもないぜ、なぁ頼むよ」

 

 魔理沙は悲願すると旗八はしばらく考えた。

 

 【わかりました。では家から離れてください】

 

 旗八がそう指示すると魔理沙は「さすが旗八だぜ」と意気揚々と壊れた家から離れた。

 

 「旗八ちゃん直すってどうやる?」

 

 「直ぐに...わかります...『コンピューターゲームプレイ』『クリエイティブモード』」

 

 旗八はそう言いながら両手で画角をとるようなポーズをしその間から家を覗いた。

 すると家の周りが箱のような結界が囲い、旗八の目の前に半透明な家がそのままの形で現れた。

 それを見て魔理沙は思わず「おお」と口を漏らした。

 

 「えっと...材質は木製」

 

 旗八はまるで模型を組み立てるようにその家の壁を外したり付けたり等をしていた。

 

 「なぁそれで本当に直せるのかよ?」

 

 魔理沙はそう疑った。

 しかしアリスが「...直っていってるわ」と呟き、魔理沙は家の方に目線を向けると、旗八が模型のように組み立ててる家とまんまに実際の家も出来上がっていき、魔理沙は言葉を失った。

 しばらくすると家はもとの原型へとなり、旗八は「ふぅ」と一息つき完成した。

 

 「す、すげぇ...一瞬で完成させちまってるぜ」

 

 【外見は問題なさそうですが、ここからだと内装がわからないので、確認してもらっていいですか?】

 

 幽香は「わかったわ」と答え、旗八達は確認の為に中へと入っていた。

 一方チルノ達はフェンリルの背中に乗り遊んでいた。

 

 「わースゴーい!はやーい」

 

 「ち、チルノちゅん!手を離したら危ないよ?」

 

 「ちょ、ちょっと早すぎない!?」

 

 「もふもふしてて気持ちいい」

 

 「お、大きい...」

 

 「ク、クゥ~ン」

 

 フェンリルは(も、もう勘弁してくれ)と思った。

 

 「...!?」

 

 

 すると突然フェンリルが立ち止まった。

 

 「お、おいどうしたんだ?」

 

 フェンリルは何やら足元を気にしている様子だった。

 その様子に気がついたチルノ達は降りて、フェンリルの足元を見てみた。

 するとそこには1メートル程の大きさのサイコロがあった。

 

 「なんだこれ?」

 

 「どう見てもサイコロでしょ、にしても大きいわね」

 

 サニーはそのサイコロを持ち上げた。

 

 「...思ったより軽いわね」

 

 サイコロを持ち上げるサニーにルナ「ねぇそれ触っても良かったの?」と不安を感じていた。

 

 「ただのサイコロよ?ルナは心配性だな~」

 

 サニーはそう言いながらサイコロを投げた。

 

 「そんな事より次は何して遊ぶ?」

 

 「追いかけっこなんてどう!」

 

 チルノ達は引き続きフェンリルと遊ぼうとした。

 

 (ご主人...助けて)

 

 「!?」

 

 「どうしたんだ旗八」

 

 「あ...いえ、何でも」

 

 (フェンリルの悲痛の声が聞こえたような...許せフェンリル)

 

 旗八はフェンリルの事を記憶の片隅にとどめる事にした。

 サニーが投げたサイコロが地に着いた瞬間だった...サイコロは眩い光を放ち、近くにいたサニー達は混乱した。

 室内にいた旗八達は窓から差し込む光に気がつき、警戒態勢をとった。

 次第に光は強くなっていき、室内というのに眩くなり旗八達は目を開けていられなかった。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 旗八サイド

 光は徐々に薄れていき、旗八の視界は徐々に戻っていった。

 

 「い、たい...!?」

 

 視界が完全に戻るとそこは先ほどまでいた幽香の家や太陽の畑とは違う場所で、まるで現代の町並みのような風景に馴染みと不気味さを感じた。

 

 「ここって...もしかして!?」

 

 「歪みが増したわね...旗八ちゃんの言っていた不具合ってこれの事ね」

 

 「あ、はい...ん?」

 

 ふと旗八は魔理沙とアリスがいない事に気がつき辺りをキョロキョロとした。

 

 「探しても見当たらないわ」

 

 【一体何処に行ったのでしょうか?】

 

 旗八がそう聞くと幽香は空を見上げた。

 旗八も同様に見るとそこにはハロウィーンでよく見るカボチャの頭に首元にひだ襟の付いた、青地に白い星マークと赤白のストライプの服を着てた全体的にピエロを思わせる服装をした少女が宙に浮いていた。

 よく見ると背中には白い半透明な羽が生えており、旗八はチルノ達と同じ妖精だと思った。

 

 「それを知るにはあれに聞いた方がいいわね」

 

 「イッツ、パーティーターイム!『すごろくの世界』へようこそ!私の名前は『ジャックオランタン』ジャックと呼んでくれたまえ!」

 

 「一緒にいた2人と妖精達は何処?無事なのかしら?」

 

 「ご心配なく他の方達は無事です。ただ貴女達とは少し違う場所で参加してもらってまーす!」

 

 (こいつの言っている事は本当かしら?...だけどなんとなく2人と妖精達の気配は感じるから信じるしかないのだけれど)

 

 幽香はジャックの事を渋々信用した。

 

 「まぁいいわ、そんな事よりも今すぐ私達をもとの場所に戻しなさい」

 

 幽香はギロリとジャックを威圧するが、ジャックは「おーこわいwこわいw」とへらへらして動じる様子はなかった。

 

 「残念ですが、1度始まってしまったものはクリアしないといけないのですよw」

 

 幽香はイラッとなりジャックを弾幕で片付けようとしたが弾幕は出ず、それどころか力も制限されているとわかり、なす術がなかった。

 

 【すごろくの世界と言っていましたが、もしかして私達は今からすごろくをしないといけないと言う事ですか?】

 

 幽香は人生ゲームが何なのか気になって仕方なかったが、ここはおとなしく聞く事にした。

 

 「話しが早くて助かります!そうです、貴女達には今から、このサイコロですごろくを、やってもらいます、そして次にこちらのマップもお渡します!」

 

 ジャックはそう言うとサイコロと地図のような物を出し旗八に渡した。

 地図にはマスと何故か旗八の顔が乗っており、これは自身がどのマスにいるかわかる物だとわかった。

 

 「御察しの通りそれは貴女達の現在地を座しています、さぁ『誰が最初にゴールをする』のでしょうか!」

 

 無駄にテンションの高いジャックに2人は何となく(うざい)(めんどくさい)等で嫌気をさしていた。

 

 「面倒事に巻き込まれたわね、さっさと終わらせましょう」

 

 「そ...うですね」

 

 (あれちょっと待ってもしかして、私、幽香さんと...)

 

 旗八は少し怖い幽香と行動しないといけないのだと気付き体が小刻みに震えた。

 震える旗八に気づいた幽香はそっと肩に手をおき「大丈夫よ旗八ちゃん私がついつるわ」と旗八を安心させようと声をかけた。

 

 (や、ヤバい...幽香はさっさと終わらせたいんだ、この肩にある手は『さっさとしろ』の合図だ!?)

 

 旗八は更に恐怖心が増してしまい、逆効果になった。

 

 (と、ともかくいい目を出して幽香の機嫌をうかがわないと)

 

 旗八はガクガク震えながらサイコロを投げた。

 サイコロはコロコロと転がり出た目は...

 

 [1]

 

 無情にもそれは最低値の数字だった。

 旗八にはそれが死のカウントに見えて仕方なかった...つまり今すぐ殺られると。

 

 「大丈夫よ旗八ちゃんそんな時もあるわ」

 

 (ゆ、許された?)

 

 「次頑張ればいいのよ」

 

 (つ、次はない...だと!?)

 

 旗八は冷や汗がだらだらだった。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 魔理沙サイド

 

 「どうやら、『私と魔理沙』『旗八ちゃんと幽香』『妖精達』の3組に別れているようね」

 

 「心配だぜ旗八の奴、幽香と一緒に行動してて大丈夫なのか?」

 

 「大丈夫でしょ、幽香は旗八ちゃんの事を気に入っているみたいだし危害を加える事は無いわよ」

 

 「いや、それはわかってるんだが...旗八の奴、幽香にたいして怯えてるだろ?癇癪を引き起こすんじゃないかって」

 

 魔理沙はそう言うとアリスは旗八が発狂する姿が容易に想像できた。

 

 「...考えても仕方ないわ、今の私達ではなす術がないのだから」

 

 「それもそうだな、とりあえずこれを早く終わらせるか」

 

 魔理沙はそう言いながらサイコロを投げた。

 

 [5]

 

 「お、なかなかいい数字じゃn」

 

 「おっと!これはアクションマスだ!」

 

 突然ジャックがそう言い2人はビクッとなった。

 

 「なんだなんだなんだ!?」

 

 「アクションマス...そんな話し聞いてないわよ!」

 

 「説明するの忘れていました☆」

 

 2人は「「おい!」」と口がそろった。

 

 「まぁまぁ、たいしたものではないのでご安心を!」

 

 「本当かしら?」

 

 「疑っても仕方ねぇな、それで何が起きるんだ?」

 

 「アクションマスはちょっとした『ミッション』をしてもらうマスでーす」

 

 「クリアしたらどうなるんだ?」

 

 ジャックは「特に何もないです」と即答すると魔理沙は「んだよ、それ、やる必要無いじゃねーかよ」と呆れた表情をした。

 

 「しなくても大丈夫ですがその場合はミッション失敗となり、1回休み、30分進めなくなりまーす」

 

 「まじかよ...ならさっさとやらねーとな駄目じゃねぇか」

 

 「ちなみに何をすればいいのかしら?」

 

 「こちらを食べてもらいます」

 

 ジャックはそう言いながらお椀をアリスに渡した。

 

 「何かしらk」

 

 「ヤァ」←イナゴの素揚げ

 

 お椀に入っていたのは虫で、アリスはそれをみるやいなや「きゃあああ!?」と悲鳴をあげお椀を投げた。

 放り投げたお椀を魔理沙はキャッチした。

 

 「何やってんだよお前」

 

 「だ、だって!?虫が」

 

 「虫だと~?そんなでびびってたらこの先やっていけないだろ」

 

 魔理沙はそう言いながらイナゴを口にヒョイと入れ咀嚼した。

 

 「ちょっ!?何食べてるのよあんた!」

 

 「あ?これ食べないと進まないだろ、意外と香ばしくていけるぜ」

 

 「感想なんて聞きたくないわ!」

 

 「あと1つあるけど、これアリス用じゃないか?」

 

 「そうですね!2人でクリアしてからこそのミッションなので!」

 

 ジャックはそう言うとアリスは「え"!?」と少女としてはあるまじき声を出し顔が青ざめた。

 

 「嫌だぁ!!」

 

 「文句言うな!」

 

 魔理沙はアリスに無理やり虫を食わせようとした。

 アリスは全力で拒んだ...

 しかし、その抵抗は虚しくも散り虫はアリスの口に入った。

 

 「あ"」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 妖精サイド

 

 「「「「「...」」」」」

 

 「...あの、何でしょうか?」

 

 「あんた『ピース』でしょ」

 

 ルナがジャックを指さしてそう言った。

 ルナの言うピースとは『地獄の妖精』の『クラウンピース』の事であり、ジャックの容姿がピースに酷似しているためだ。

 

 「ピース...ああ、この体の元にした、あの子の事ですね!残念ですが私はクラウンピースではなくジャッk」

 

 「ねぇねぇピース、ここどこなのかしら?」

 

 「あ、いや私はピースではなくジャックでーす、そしてここはすごろくのs」

 

 「スゲー広い!見たことない物がいっぱい!大ちゃん!あっちに行って見ようよ!」

 

 「チルノちゃん!そんな走ったら危ないよ!」

 

 「ルナ、サニー!こっちこっち!変な銅像が立っている!」

 

 「え!どれどれ!」

 

 「見せて見せて!」

 

 ジャックは説明しようとしたが自由な妖精達は聞く耳を持たず、ジャックは大きなため息を着いた。

 そんなジャックにフェンリルが前足で肩をポンと置いた。

 

 「ヴァン」(まぁ何とかなるさ)

 

 「あ...お気遣いありがとうございまーす」

 

 「ヴァン、ヴァン?」(私がサイコロ振りましょうか?)

 

 「あ、よろしくお願いしまーす」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 旗八サイド

 

 [1]

 

 サイコロの出目を見て旗八は顔が青ざめた...それは何故かと言うと最低値が4回連続なのだからだ。

 

 (や、やややヤバイ...また1出しちゃった)

 

 ゲームが得意な旗八でも唯一苦手なジャンルがある。

 まさにすごろく等の運で勝敗が左右される『運ゲー』が苦手なのだった。

 ちなみに鮪麗はゲームはドヘタだが運ゲーは強いのである。

 

 「...」

 

 (さっきから黙ってる幽香が怖い...あれ絶対怒ってるよ!?)

 

 (旗八ちゃんが焦っているのはきっと悪い数字ばかりでているせいね...ここは私が)

 

 「旗八ちゃん、私が変わりに振りましょうか?」

 

 (役に立たない貴女は用済みよ)←旗八ビジョン

 

 「あ!?いえ、大丈夫です、頑張りますので!」

 

 「そ、そう?」

 

 (しくじったら○される...○される...なんとか挽回しないと)

 

 旗八は良い目がでるように祈りながらサイコロを投げた。

 

 [6]

 

 旗八の祈りが届いたのか最大値が出た。

 

 「や、やったー!」

 

 死から間逃れたと思った旗八は喜んだ。

 喜ぶ旗八の姿にほっこりとする幽香だった。

 

 「おっとこれはアクシデントマスでーすね!1時間ほど休みでーす」

 

 「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"」

 

 旗八は発狂し泡を吹いて倒れた。

 

 「き、旗八ちゃん!?」

 

 魔理沙サイド

 先ほどの虫のせいで今にも吐きそうな表情をするアリスだった。

 

 「う...まだ口の中に残ってるわ...一生恨んでやるわ」

 

 アリスは魔理沙はギロリと睨んだ。

 

 「仕方ねーだろ、そうしないと進まねぇだからよ」

 

 魔理沙はそう言いながらサイコロを投げた。

 

 [6]

 

 「おっと今回もアクションマスですね!イモリの黒焼きを食べてもらいまーす」

 

 「嫌だぁぁぁぁ!!」

 

 「食えぇぇぇぇ!!」

 

 無理やり食わそうとする魔理沙にたいして必死に逃げるアリスだった。

 

 妖精サイド

 先ほどの町並みとは打って代わり、そこはまるで山道のような場所に変わって、妖精達はその光景に驚きと喜びではしゃいでいた。

 

 「すげぇ!山の中に変わった!」

 

 「妖怪の山とは何だか雰囲気が違うね」

 

 「ルナ、スター!!松茸があるわよ!」

 

 「こっちにはカキと栗...桃もあるわ!」

 

 「秋の味覚が沢山...あれ今って秋だったかしら?」

 

 「そんな事どうでもいいでしょ?今は収穫に専念するのよ!」

 

 各々楽しむ妖精達を見てフェンリルとジャックは((呑気だな))と思った。

 

 「とりあえず振りますか?」

 

 「ヴァン」(ですね)

 

 フェンリルはサイコロを咥えて放り投げた。

 

 旗八サイド

 目が最低値や休み等が重なり旗八は心身共に疲れはてており、そんな旗八を幽香は心配していた。

 

 「も、もう少しでゴール...」

 

 それはまるで暗闇の中に差し込む一筋の光のような感覚が旗八をおそう。

 旗八は震えた手でサイコロを投げた。

 

 [1]

 

 (ここに来てまだ1...だけど次でやっとゴール)

 

 「おっとこれは!?」

 

 「っ!?」

 

 「なんと旗八チーム!スタートに戻るマスに止まってしまった!」

 

 旗八は一瞬何を言ったのかわからなかった...そして旗八は「なんて?」とジャックに聞き返した。

 

 「スタートに戻るマスに止まってしまったのでーす」

 

 「」

 

 旗八は真っ白に燃え尽きた。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 そしてなんやかんやあって、魔理沙チームが1位、妖精チームが2位となり、2チームはもとの太陽の畑へと戻ってきた。

 すごろくの世界に満足した妖精達は各々帰っていった。

 

 「ん?旗八と幽香はまだみたいだな」

 

 「大丈夫かしら?」

 

 「クゥーン」(心配です)

 

 しばらくすると旗八を抱えた幽香が現れて、魔理沙達は(((何事!?)))と思った。

 フェンリルは旗八のもとへかけより顔を舐めた。

 

 「貴女の主人は眠ってるだけよ、心配しないで」

 

 幽香がそう言うとフェンリルはホッとした。

 眠っている旗八を見て何となく察した魔理沙だが、念のために「何があったんだよ?」と聞いた。

 

 「色々とうまくいかなくてね...ゴール直前でスタートに戻されてからこんな感じなのよ」

 

 「なるほどな」

 

 (恐らくだが幽香が怖いのと失敗続きでダウンしたんだな)

 

 そんな会話をしていると、何処からともなくジャックが魔理沙達の前に現れた。

 

 「おめでとうございまーす無事皆さんクリアでーす」

 

 魔理沙達は幻想郷に戻れた事で力が使えると分かり構えた。

 戦う体制になる魔理沙達を見てジャックは慌てた様子で「争い事はいけませーん」と魔理沙達から距離を置いた。

 

 「私はゴールした皆さんを祝そうと現れただけなのに」

 

 「お前のせいでこんな事になったんだぞ!」

 

 「あんなのはもう沢山よ!」

 

 「えー?本当は楽しかったでしょ~?」

 

 ジャックはヘラヘラしながらそう言った。

 それにたいして魔理沙はブチギレてマスタースパークを放ち、ジャックは間一髪でかわし「ひぇ~」と言いながらどこかへ飛びさった。

 

 「まったく...困った野郎だぜ」

 

 飛び去るジャックを幽香は見つめているとアリスに「どうかした幽香?」と聞いた。

 

 「いえ、何でもないわ...」

 

 「?」

 

 「つうかどうするよ、旗八が眠ったままだと捜索に支障きたすよな」

 

 「そうね、無理やり起こすのもかわいそうだし」

 

 この先どうするべきなのか2人は考えている中、幽香はふと空を見上げた。

 既に空は日が沈み夜が訪れる前だった。

 

 「今日はもう切り上げた方がいいと思うわ、暗闇の中での捜索は危険が伴うわ」

 

 幽香の言葉に2人は納得した。

 

 「となると何処か休めるところに行かないとな...あr」

 

 「嫌よ!」

 

 「何でだぜ!お前の家なら3人ぐらい余裕だろ!」

 

 「旗八ちゃんならともかくあんたが嫌なのよ!」

 

 「何でだぜ!そんなのひいきだ!」

 

 「あんた寝相が悪いから毎回毎回、物が壊されてたまったもんじゃないわよ!」

 

 「ぐぬぬ...それなら私n」

 

 「あんな散らかっている所に旗八ちゃんを入れさせる訳には行かないわよ!」

 

 魔理沙は「うぐっ」と反論が出来なかった。

 

 「なら、ここで休んでいけばいいじゃない」

 

 2人は思いもよらない幽香の言葉に目を見開き驚いた。

 

 「どうしたのよ?」

 

 「い、いや...お前の口からそんな言葉が出るとは思わなくてよ」

 

 「ゆ、幽香...魔理沙は冗談抜きで寝相が悪いのよ?それでも大丈夫?」

 

 「それに関しては大丈夫よ、秘策があるから」

 

 幽香は不適に笑いながら魔理沙を見つめた。

 

 「い、嫌な予感...」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 「なんじゃごりゃあ!?」

 

 魔理沙は植物の、ツルのような物でベッドに縛り付けられていた。

 

 「見てわかるでしょ?縛ってるのよ暴れないように」

 

 「んな事はわかってるわ!私が聞いてるのはそっちじゃねーよ!」

 

 魔理沙はツルをほどこうと暴れた。

 そんな暴れている魔理沙の頭を幽香が片手で掴んだ。

 魔理沙は反論してやろうとキッと幽香を見たが、幽香はギロリと睨みかえした。

 

 「そんなに暴れたら...千切れるじゃない...暴れるな、いいわね?」

 

 魔理沙は顔を青ざめながら「は...はい」と言い大人しくなった。

 

 「それにしても珍しいわね貴女が私達を追い出そうとせず逆に招くなんて」

 

 「そうかしら...まぁそうね普段ならこんな事しないわね、旗八ちゃんが心配だからかしら」

 

 (えらく気に入ってるわね)

 

 「貴女も休みなさい、疲れているオーラがすごいわよ」

 

 「そうね、ならお言葉に甘えさせてもらうわ」

 

 アリスはそう言うと寝室に入っていった。

 

 (侵食の世界は完全になくなっている...なのになぜあの『ジャックは消えなかった』のかしら)

 

 幽香はそう思いながら家ね灯りを消した。

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