オタメイト~幻想浪漫旅行~   作:まぐろ

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三話「魔法の森・前編」

 鮪麗が博麗神社に現れるもう少し前に遡る。

 ここは魔法の森、そこに生えてるキノコ等が特殊な胞子を出し幻覚など催眠効果がある。

人間が入るのは危険な場所と呼ばれてる。そんな危険な所に一人の人間の少女が住み着いている。

少女の名前は【霧雨 魔理沙】と言う魔理紗は【霧雨魔法店】という建物に住んでいる魔法使いだ。

 そんな魔理紗は魔法の研究の為にいつも通りキノコ集めをしていた最中だった。

 変わらない日常、変わらない風景...目の前に倒れてる少女を除いては。

 

 「誰だこいつ?」

 

 少女の姿はエメラルド色した長髪に頭の両サイドから木が映えており、眼鏡を掛けて。

研究者がしてるの白衣を着ていた。

 魔理紗は少女を揺すりながら声をかけた。

 だが返事はないただの屍のようだ。

 

 「息はしてるな気絶してるだけか」

 

 魔理紗は安否を確認するとその少女を持ち上げ自分が持っていた箒を浮かばせ後方に乗せ、前方へ座った。

 

 「とりあえず安全な所に運ぶか」

 

 そう言うと魔理紗は少女を乗せ何処かへ飛んでいった。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 「で、なんで私の家なのよ!」

 

 金髪のショートボブの少女がムスッしながら文句を言った。

 少女の名前はアリス・マーガトロイド

 

 「私家は汚いからさ、流石に客人は入れるのはな」

 

 彼女も魔理紗と同じ魔法を使うが、人間では無く妖怪でありいわゆる魔女である。

 

 「だからって何で私よ!」

 

 「アリスの家って綺麗だろ?お前しか頼りはいないんだよ!」

 

 魔理紗がそういうとアリスは赤面し「今日だけなんだからね」と言った。

 霊夢に引きを取らないツンデレだ!

 

 「誰がツンデレよ!」

 

 「何も言ってないぜ?」

 

 「あ、あれ?気のせいかしら?」

 

 辺りをキョロキョロしだすアリスに魔理紗は「空耳だろ」と呼び止めた。

 

 「にしてもこいつ何だと思う?」

 

 「わからないでつれてきたの!?」

 

 「木の妖怪じゃね?」

 

 他人事のように言う魔理紗に「そんなあっさりに」とため息をついた。

 

 「鬼とか魔獣の類いだったらどうすのよ、暴れたりでもしたら」

 

 「その時は私らが退治したらいいだけだろ」

 

 魔理紗の言葉に「私らって何よ、私をまき混まないでよ」と拒否し「アリス家だろ?自分の家は自分で守らねーとな」と言ったら「魔理紗が勝手に連れてきたのでしょ!」と言い返した。

 そんないざこざしてる内に気絶していた少女が気がついたのか目をゆっくり開いた。二人はそれに気付き、どんな子なのだろうか?という好奇心と危険では無いのかという警戒心を持ちながら息を飲んだ。

 少女は起き上がり目の前にいるアリスと魔理紗には目もくれず辺りを見渡し「みんな?」と呟いた。

 どうやら誰かを探しているらしく、それを見て魔理紗が先ほどまでの少女の状況を教え、少女以外に誰もいなかったと教えた。少女はそれを聞き「そう...ですか」とボソッと呟いた。

 落ち込んだのか少女はうつ向いた。

 

 「魔理紗あんたデリカシー無さすぎよ」

 

 「えー?だけどちゃんと教えないと不安になるだろ?」

 

 「それがかえって不安にさせてるじゃない!見なさいあの落ち込みようを」

 

 「うっ...とりあえず今は元気付けるしかないぜ」

 

 二人はこそこそ話をした後、魔理紗は少女に話しかけた。

 

 「元気だせよ!私らが必ずお前の仲間に合わせてやるからさ」

 

 「だーかーら何で私も巻き込むのよ」

 

 「冷たい奴だなー困ってる奴がいたら助けるだろ?」

 

 「それは...そうだけど」

 

 魔理紗の言い分に不服そうにアリスは納得した。

 魔理紗は「だろ?」と笑うとアリスは赤面しながらプイッとそっぽ向いた。

 

 「つーわけだ、だから元気だせって!そのー...お前何て言うんだ?」

 

 「こら!名前を聞くなら、まず自分から名乗らないといけないでしょ!」

 

 「あ、それもそうだな、私の名前は霧雨 魔理紗て言うんだ、魔理紗って呼んでくれ、こっちのは私の弟子のアリs」

 

 魔理紗が言いかけた瞬間アリスは魔理紗の頭をチョップして話を遮った。

 

 「デタラメな事言わないの!」

 

 「えー、いいじゃんかよ別にー」

 

 「良くないわよ...私の名前はアリス・マーガトロイド、気軽にアリスって呼んでくれても構わないから、これからよろしく」

 

  少女は会釈をし小さな声で「よろしくお願いします」と言った。

 そんな少女を見てアリスはニコッと笑い優しく「あなたのお名前を聞いてもいいかしら?」と尋ねたら少女はまたうつむいた。

 それを見て二人はまたこそこそ話をし始めた。

 

 「お、おい全然元気にならないぞ、アリスが私に暴力をふったのを見て怯えてるんじゃないのか?」

 

 「そんなはずないでしょ!きっとまだ不安なのよ、仲間とはぐれたのだから」

 

 少女は仲間とはぐれている...そう、まさしくこの子は鮪麗が探している仲間の1人である。その名前は...

 

 「..や.ます」

 

 「え?」

 

 「...旗八です...『西文 旗八』[にしぶみ きや]と言います」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 三人は丸いテーブルを間に座っていた。魔理紗とアリスがとなり合わせでそれに対面するかのように旗八が座っていた。

 テーブルの上にはポットにクッキーの入った器、3つのティーカップが置いてあった。

 ティーカップにはうす赤い液体が入っており恐らく紅茶だろ。

 クッキーの入った器に魔理紗は手を伸ばし中に入っていた物を取り自身の口へと運び咥えた。

 サクッと言う音が部屋中に鳴り響いた。

 クッキーを食べる音、時計の秒針が動く音、外から入った透き間風の音、ただそれだけが鳴り響き...ただ時間が過ぎていく。

 すると魔理紗が痺れを切らしたのかアリスに顔をよせた。

 

 「なぁ...私達この状態で半時間ぐらいたってないか?」

 

 「うーん...ちょっとは楽になったと思ったんだけどね...やっぱりまだ不安なのよ、今はそっとしておきましょ」

 

 アリスの言うとおり旗八は不安でいっぱいだった。仲間とはぐれているからなのわもちろんだが、それ以上に不安な事があるのだ、それは。

 

 (ど、どどどどどどど、どうしよう!?どうする!?どうなる!?どうなのよ!?どうやって話題を出すべきなのよ!)

 

 旗八はどう話をするべきかんでいた。そう、つまり旗八はコミュ障なのだ。

 

 (何でみんないないのよ!目を覚ましたら居たのアリスと魔理沙だし、もしかして来る途中ではぐれたのか!?だとしたら最悪だ!)

 

 説明しようコミュ障を発動した旗八は言動には移さないが、脳内では饒舌でアバウトとで大胆な事をしているのだ!

 旗八はその場で頭を抱えてじたばたと暴れだす。

 

 (普段なら交渉は任せきりだし、みんなを通して会話したりするけど今はそれが出来ない!完全にマンツーマン!いや、今の状況はそんなんじゃない!例えるなら...そう!面接だ!圧迫面接だ!)

 

 3人の服装は社会人が着てそうなスーツ姿へとなった。

 

 (あなたが幻想郷に来た理由は何んだぜ?)

 

 (旅行に来ました)

 

 (ふざけた理由だな、不採用!恋符【マスタースパーク】)

 

 魔理紗に吹っ飛ばされた所で旗八の脳内劇場は終わり、いずれ来るであろう終わりに青ざめた。

 

 「...なぁ顔色悪くないか?」

 

 「今はそっとしておくべきよ」

 

 2人はコソッと話した。

 

 (あぁ!またこそこそ話ししてる!私が話題を出さないからだ...私が何もしゃべらないからだ!変な奴だと思われてる!?)

 

 旗八には2人の顔が冷たく、下郎を見るような目で自身を見る姿が映った。

 

 (なぁ、こいつさっきから何もしゃべらなさすぎじゃないか?)

 

 (こっちは気を遣って茶も出してあるのに何か言いなさいよ)

 

 (ひ、ひぃ!ごめんなさい!しゃべります!しゃべりますから許してください!)

 

 旗八は被害妄想で怯え、小刻みに震え出した。

 

 「なぁあいつ...痙攣してないか?」

 

 「そっとしておくべきよ」

 

 「いや、気にかけるだろそこは!」

 

 こそこそ話をしていた。二人だが旗八の不審な行動に魔理紗はしびれを切らす。

 

 「おいおい落ち着けよ旗八、別に私らはとって食おうなて思ってないぜ?とりあえず今は深呼吸だ、息を吸え!」

 

 魔理紗にそう言われ旗八は大きく息を吸い込んだ。

 吸い込み、吸い込み、吸い込んだ...吐くこともせず。

 

 「ーッ!」

 

 「吐けよ!誰が過呼吸になるまで吸えて言ったんだよ!」

 

 魔理紗の言葉にハッ気付き旗八は息を吐いた。

 

 「...ッハー!ッハー!」

 

 「大丈夫か?」

 

 「フーフー...あ、だ、大丈...夫です」

 

 「お茶でも飲んでリラックスしてね」

 

 「あ、ありが...ございます」

 

 旗八はすすめられた。ティーカップを手にとった。

 

 (しまった...二人を心配させてしまった。私としたことが、これ以上二人を迷惑かけないようにしないと)

 

 旗八はそう思い悩みながら手に持ったティーカップに口をつけた。

 

 「あ...美味」

 

 「だろ!アリスの茶はすげーうまいだろ!このクッキーもうまいんだぜ!」

 

 そう言うと魔理紗はクッキーの入った器を旗八に差し出した。アリスが不機嫌そうに「なんで我が物顔で言うのよ」と言ったがスルーされた。

 旗八はクッキーを口に入れた。これも美味しいとわかり味わった。

 

 (良かったどうやらリラックスはしたみたいね)

 

 美味しそうに食べる旗八を見てアリスは「ふふ」と笑った。それに気づいて旗八は赤面しもじもじした。

 

 「あ、その...遅れて...ごめんなさい、ありがとう...ございます」

 

 旗八は二人に感謝を述べた。二人が助けてくれたのだとさとり、自分ができる最低限の事はしようと思っての行動だ。

 

 (これ以上ここに居てはいけない、私がいると二人に迷惑がかかる)

 

 等と自分に言い聞かせてるが実際は自分のメンタルが持たないからと言うだけである。家を出るため上がろうとした瞬間、何気なく魔理紗が「お前って何の妖怪なんだ?」と旗八を呼び止めた。

 

 「やっぱり木の妖怪か?」

 

 「...え?」

 

 旗八は一瞬、魔理紗が何を言っているのか理解できなかった。何せ旗八の頭の中はここを立ち去る事しか考えてなかったのだから。

 

 「あんたね...少しは自重を覚えなs」

 

 「なぁ、何の妖怪だ?」

 

 「人の話しを聞きなさいよ!」

 

 旗八はフリーズしてた。

予期せぬ事態に頭がパンクし、ぼーと突っ立ていた。

 いくら待てど返事をしない旗八を心配になったアリスは「大丈夫?」と声をかけた。

 

 「うぇ!?あ?はい...大丈夫...です」

 

 「?」

 

 先ほどから見せる旗八の不可解な行動にアリスは疑問を感じた。

 

 (なんなのかしら?さっきから旗八ちゃんから感じるこの違和感は?簡単な受け答えはできるけど、こっちが会話をしようと話しかけてもしゃべらない事が多い)

 

 ただのコミュ障である。

 

 (最初は私達に対して警戒しているのだと思ったんだけど、警戒しているのだったら私が出した物を飲食するはずがないもの。あんなに美味しそうに食べてたから、てっきり警戒は解いてくれてるのだと思ったんだけど)

 

 警戒はしている。敵対ではなく、応対の方で。

 

 (何か隠している?私達に言えない何かを?もしくは企んでいる...いや、それだと尚更食べないわよね。...もしかして)

 

 アリスは考えた。旗八の行動についてをそしてある憶測が浮かび旗八に問いただした?

 

 「間違えてたらごめんなさい、もしかして旗八ちゃん...人と話すのが苦手だったりして?」

 

 旗八は目を見開いた。自身の核心を突かれた旗八は「はい」と言いかけたが、言うのが恥ずかしくなり赤面しうつ向いた。

 

 (うぅ気付かれた...恥ずかしいよ、でもちゃんと伝えないと...2人に迷惑がかかるよね...)

 

  「ごめんなさい!私、傷つけちゃったかしら?」

 

 「おい私にデリカシーとかなんとか言ってだけど、人の事言えないぜ?」

 

 「私、そんなつもりは!」

 

 2人が言い争いそうになる前に旗八が「あの!」と今まで聞いていたのとは明らかにボリュームが違う呼び止めにビクッとなり二人は旗八に注目した。

 

 (目線が痛いけど言わないと!)

 

 「あ、アリスさんが...言って、る事は...正しい、です。私...初めて...の人とお話しするの、緊張しちゃって、面と向かって話すのが...苦手です」

 

 うつ向きながらも頑張って話す旗八を見て2人は驚いた。

 

 「受け答え、出来なくて...ごめん、なさい。迷惑でしたよね?これ以上、迷惑かけませんので、家から出ていきましゅ」

 

 (か、噛んじゃった)

 

 最後の最後で噛んだ旗八に魔理紗が「あ、噛んだ」と言い、それにぶちギレたアリスが魔理紗の頭にアイアンクローをおみまいした。

 

 「あんた!本当にそういうところよ!」

 

 「イデデデ!悪い!今のはまじで私が悪かった!」

 

 2人のやり取りの最中旗八がコソッと出口まで向かい「...失礼しました」と扉を開けた。

出ていこうとする旗八にすかさずアリスが「待って!」と呼び止めた。

 

 「迷惑だなんて思ってないわ、私はあなたの助けになりたいのよ」

 

 「あ、アリスさん...」

 

 「そうだぜ!私らは困ってる奴はほっとけないんだぜ!だから頼れ!」

 

 「...魔理紗さん」

 

 アリスが「なんで命令形なのよ」と突っ込んだ。

 

 「まぁでも...魔理紗の言い分もわかるわよ、頼っていいのよ?」

 

 「...」

 

 旗八は黙りこみ悩んだ、頼るべきか頼らないべきかを。

 

 (正直頼りたい...私はみんなと違ってあまり幻想郷には詳しくないから、みんなを探そうとしても途方にくれるだけ、案内してくれる人が欲しい...だけど2人には迷惑をかけたくない...と言うより私の心が持たない...だけど)

 

 旗八はドアを閉めて、もじもじしながら振り向いた。

 

 「頼って...いいんですか?」

 

 旗八の言葉に2人はチラッと見つめ、ニコッと笑い「もちろん」と答えた。

旗八は恥ずかしながらも「よろしくお願いします」と言った。

 

 「んじゃ早速、出発だ!」

 

 「行くって何処によ」

 

 「それゃあ!...何処にだ?」

 

 魔理紗の無計画さにアリスは頭を抱えた。

 

 「そもそも私達はまだ旗八ちゃんの名前意外聞いて無いのよ?まずはそこかよ」

 

 「ごめんなさい...私がちゃんと、伝えてなくて」

 

 名前しか言ってなかったと気づいた旗八は自分のせいだと思って謝った。アリスは「旗八ちゃんは悪くないわよ?」と否定した。

 

 「とりあえず私が簡単な質問するから、あってたら頷いて違っていたら横に振ってくれないかしら?」

 

 (なるほど、そうすればあまりしゃべらなくてもいい)

 

 旗八は頷いた。

 

 「なかなか良いアイディアじゃないか、よっしゃまず一番気になっていた質問だ、旗八は木の妖怪か?」

 

 「まだ気にしてたの?」

 

 「当たり前だぜ!さぁ答えは」

 

 ぐいぐい来る魔理紗にちょっと引き気味になったが、旗八は頷いた。

 

 「よっしゃ!やっぱり木の妖怪だったぜ」

 

 「そんなに喜ぶ?じゃあ旗八ちゃんは幻想郷は初めて?というよりここは初めて見る場所?」

 

 旗八は頷いた。

 

 「つまり外の世界からやってきたのか」

 

 「知らない場所に迷いこんだなんて、辛かったわよね」

 

 旗八は横に振った。2人はどういう意味がわからず、首をかしげた。

 

 「あの...違う、んです...その、知ってるんです...」

 

 「お?知っているのか」

 

 「はい...私達は、そのー....来たんです幻想郷に」

 

 それを聞いて魔理紗はピンッときた顔になり「なるほどな」と知ったげな態度をとった。

 

 「どうやら私らの仕事は幻想郷で、はぐれた旗八の仲間捜索と言うわけだな」

 

 旗八はパァと表情を明るくして頷いた。

 

 「みたいね。旗八ちゃんの仲間は何人ぐらいかしら?」

 

 旗八はゆっくりと手を出し、指を4本出した。

 

 「4人か...結構多いな」

 

 魔理紗は腕を組み難しい顔をした。

 

 (流石に人数が多いよね)

 

 旗八は断られると思った。

だが魔理紗はニヤリと笑い、自身の箒を持ち立ち上がった。

 

 「やりがいがあるぜ!4人を探す幻想郷巡り、ワクワクするぜ!」

 

 そんな魔理紗にアリスはため息をつき分厚い本を手に取り、魔理紗同様立ち上がった。

 

 「旗八ちゃんが困ってるのに何がワクワクするぜ、なのよ。安心して旗八ちゃん私達がみんなぬ合わせてあげるから」

 

 旗八は2人の言葉に満面な笑みを見せ小さな声で「ありがとうございます」と感謝した。

 

 「そうと決まれば早速出発だぜ!」

 

 魔理紗はやる気満々に家を出おうとしたらアリスに「待ちなさい」と袖を引っ張られた。

 

 「何するんだぜ?今からって時によ!」

 

 「まずは、お茶とかの片付けよ!手伝ってもらうからね!」

 

 魔理紗は「嫌だぜ!」と否定的に言ったがそれを被さるように旗八が「私も...手伝います」と魔理紗を巻き込むように答えた。

 

 「旗八ちゃんも手伝うって言ってるのだから魔理紗も手伝いなさい!」

 

 「そりゃないぜ!」

 

 台所まで無理やり引っ張られる魔理紗を見て旗八はクスッと笑い食器を持ち着いていった。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 魔法の森入り口付近、そこに和風の一軒家がある。アリスと魔理紗の家とは別の建物だ、その名は【香霖堂】

 幻想郷で唯一外の世界の道具、冥界の道具、妖怪の道具、魔法の道具全てを扱う道具屋。販売だけでなく買い取りも行っている。そんな場所に魔理紗を先頭に3人が入り口前に立っていた。

 

 「出発したと思ったら、何でなんで霖之助さんのところなのよ」

 

 「ミニ八卦炉のメンテナンスをしてたからな、それに今から大冒険が始まるんだ、下準備は基本だろ?」

 

 (RPGなら基本だよね)

 

 旗八は静かに頷いた。魔理紗は扉を開けた。入るなり魔理紗は「邪魔するぜ」と店の主に語りかけるように言った。

 すると店の奥に何かをまじまじと見つめていた男性がこちらに気付き、見ていた物をおいた。

 

 「邪魔するなら帰ってくれないか?僕は今忙しいんだから」

 

 男性の名は【森近 霖之助】と言う半人半妖の店主で【道具の名前と用途が判る程度の能力】を持っている。

 おそらく先ほどの物の名前と用途を見ていたのだろう

 

 「客1人もいねぇのに忙しくは無いだろ?それにそんな物を見ている時点で暇だろ?」

 

 道具をいじる事が霖之助の趣味であり、その事を指摘された霖之助は「さて、今日は何しに来たんだ?」と話を反らした。

 魔理紗は「都合が悪くなると話しを反らしやがって」と呟いたらアリスが「人の事言えないでしょ」とつっこまれた。

 

 「...ん?珍しいなアリス君までいるなんて」

 

 「お邪魔してます霖之助さん」

 

 「それに...見ない子もいるね」

 

 霖之助は2人の後ろにいた旗八に気づき話しかけた。

 

 「おう!こいつは旗八って言うんだ、仲間とはぐれちまってよ、私らはその仲間捜索をするんだぜ!」

 

 霖之助はふーんとあまり興味なさげな態度をとり再び見ていた道具を手にとった。

 先ほどから見ている道具に魔理紗も興味が湧きまじまじと見つめた。

 

 「つうかさっきから何を見てんだ?」

 

 「これかい?どうやらこれは、カセットと言う物を入れて遊ぶ道具らしい」

 

 説明だけ聞いても理解できない魔理紗は「コーリンの能力って本当に半端だよな」と嫌みを言ったが「仕方ないだろ、そういう物なんだから」と開き直った。

 

 「にしてもこれで遊べるのか...何て名前なんだ?」

 

 霖之助はその物を持ち上げた。それは箱のようなもので丸いボタンが2つに十字のボタンがついた物だ。

 

 「これは【ゲームボーイ】と言うらしい」

 

 先ほどまでアリスの後ろにいた旗八が前へと出て顔を覗かせた。

 

 「…GBだ!」

 

 旗八の大きな声に魔理紗とアリスは驚き固まり、霖之助も最初は驚いたが眼鏡をクイッと上げ「ほう...知ってるのかい?」と聞いた。

 

 「あ、はい...よくこれで遊んでましたから...」

 

 霖之助はもう一度眼鏡を上げた。一瞬眼鏡がキラーンと輝いた。

 

 「遊んでいた、と言う事は使い方を知っていると言うことだね。よろしければ使い方を教えてくれないか?」

 

 「え!?あ...いや、電源点くかな?」

 

 「ふむ電源か、電源と言うものを点けたらいいのかい?」

 

 「はい、横のこれを動かしたら点くはず...やっぱり点かない...単3電池が入ってないからか」

 

 旗八がそう言うと霖之助は「単3電池...」と呟きながら立ち上がり店のさらに奥の方へと向かった。

 しばらくすると霖之助は戻ってき、その手には小さな箱を持っていた。

 

 「その名は見覚えがある。この中に単3電池はあるかい?」

 

 霖之助は箱の中身を旗八に見せた。旗八はまじまじと見つめ単3電池らしき物を手にとり「これですね」と言った。

 

 「それをどうやって入れるのかい?」

 

 「入れるには向きがあるんですけど、この出っぱてるのがプラスで平らのがマイナスで、GBの裏側のここを開けて、この渦を巻いてる...バネのところにマイナス側ではめ込めば」

 

 「3ケ所入れる場所がある見たいだけど、よく見たら入れる方向が違うのがあるね」

 

 「はい、それを気にしながら...こう、入れて電源を点ければ」

 

 旗八がそのGBをいじると一部の場所が緑色に光り出し音が流れた。

 

 「着いた...」

 

 「ほう...これで遊べるんだね」

 

 「あ、いや...まだこれでは遊べないです。カセットがいりますね」

 「やはりカセットがいるのか...」

 

 「できれば遊びたかったです。色々あるんですよ」

 

 「色々?色々とはつまりカセットの事かい?」

 

 「はい、カセットを入れ替える事によって色んなゲーム、つまり色んな種類の遊びができるんですよ」

 

 霖之助は目を輝かせた。

 

 「なるほどそういう事か、そのカセットと言うものが今無いのが残念でならない...もし良かったら、どんなやつがあるか簡単でいいから教えてくれないだろうか」

 

 「わかりました!まずテトリスと言うパズルゲームが...」

 

 旗八も目を輝かせた。自身の好きな物を語れるとわかり夢中に語った。旗八はゲームオタクなのである。

 霖之助も自信の知らない使い方夢中に聞いていた。

 そんな夢中になってる2人を横目に魔理紗がムスッとしていた。

 

 「なんかコーリンと話してる時の方が楽しそうなんだが?」

 

 「思い出がつまってるのよ...今はそっとしておきましょ」

 

 「さっきから気になっていたんだが、その保護者キャラはなんだぜ?」

 

 夢中になっている2人は1時間にも及んで話しが盛り上がり、魔理紗が流石に飽きてきた頃合いに2人の会話は終わった。

 

 「遊べないのが実に惜しい、そのカセットが流れてくる事を祈るばかりだ、貴重な話しが聞けて良かったよ、感謝するよ旗八さん」

 

 「ああ、いえ、私こそ楽しかったのでありがとうございます」

 

 「お礼といってはなんだが、ここにある品1つなんでも持っていっても構わないよ」

 

 霖之助がそう言うと旗八は驚きながら「いいんですか?」と伺った。

 するとその会話を聞いていた魔理紗が「まじか!太っ腹だなコーリン」とまるで自分も、もらえるような素振りでいるため霖之助が「魔理紗、君は違う」と否定した。魔理紗は舌打ちした。

 

 「店内を回って気に入った物があればだけどね」

 

 「ありがとう...ございます」

 

 旗八は店内を周り始めた。アリスはその付き添いについて行き、魔理紗と霖之助は2人になった。

 

 「旗八はアリスに任せるか、あいつ旗八の事、えらく気に入ってるみたいだし」

 

 「気持ちはわかるよ、彼女いい子だし」

 

 「まぁな...おっ、そうだあれはどうなったぜ?」

 

 「あれ?ああミニ八卦炉か、ちゃんと出来てるよ」

 

 霖之助は棚からミニ八卦炉を取り出し魔理紗に渡した。

 

 「サンキューな」

 

 「サンキューな...て、代金を払って貰わないと」

 

 「ツケで!」

 

 霖之助はガクッとし「やはりな」と呟いた。

 

 「だが今日はそれでかまわないさ」

 

 「お、珍しいな」

 

 「もう少し彼女と話しをしたかったが、時間がない見たいだからね。仲間の捜索を手伝うのだろ?」

 

 魔理紗は「おう」と元気よく返事をしアリスと旗八の方へ向かった。

 

 「なんか見つけたか?」

 

 「まだ考え中みたいよ」

 

 旗八はまだ悩んでいた。気になる物がありすぎて辺りをキョロキョロしていた。

 するとあるものに目が行きそれを手にとった。

 

 (これって確か...)

 

 旗八はその物を手にし霖之助のもとに持っていき見せた。

 それは1センチ程の厚さに真っ白なボードだった。

 

 「これ...はいいですか?」

 

 「ん?それは【お絵かきボード】だね。そんな物でいいのかい?」

 

 「はい、これが...いいんです」

 

 「ふむ...これは【専用のペン】がいるみたいだが、旗八君がそれを知らないで選ぶわけがないか...旗八君なりの使い方をするのだろ?」

 

 旗八は頷いた。

 

 「詳しい話しを聞きたいが、君には時間が無いみたいだから今はしないけど、次は仲間達と一緒に店に来なさい、その時はゆっくり話をしよう」

 

 すると魔理紗がチャチャを入れるように「ナンパか?」と呟くと、霖之助が「うるさい」と叱られた。

 

 「はい!必ずみんなと行きます。お世話にななりました」

 

 旗八が振り向き出入口まで向かい、扉の前で待っていたアリスと魔理紗と合流し霖之助は笑顔で見送った。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 「それで何で旗八はそんな物を選んだのだ?」

 

 店を出た途端、魔理紗は質問した。アリスもそれに賛同するかのように「それ私も気になってたのよね」と言った。

 すると旗八は人差し指を出しボードをなぞり始めた。

 まるで何か書いているかのように見え、なぞり終わるとそのなぞっていた面を2人に見せた。そこにあったのは旗八の手書き文だった。

 

 【これを使って会話しようかと思って選びました】

 

 「なるほどな確かにそうすればある程度のコミュニケーションはとれるな」

 

 「だけどこれ使い回せないじゃないのかしら?」

 

 アリスがそう言うと旗八はボード下にある出っ張り摘み横にスライドすると、書いてあった文字がうっすらとなり、出っ張りを元の位置戻すと文字は完全に消えた。

 

 「すげぇ!文字が消えたぜ!」

 

 「え!?なんで?どうして?」

 

 2人は驚きを隠せなかった。そんなナイスリアクションに旗八は満足気などや顔を見せた。

 

 (なんだか旗八がうざく感じるぜ)

 

 (うざかわいいわね)

 

 旗八はボードを自分の方に向けもう一度指をなぞり始め、書き終えると2人に文を見せた。

 

 【このボードは磁力で書いたり消したりできるんだよ、私の指に微弱な磁力をだせば霖之助さんの言ってた専用ペンの代わりになるんだよ】

 

 旗八は2人に説明し終え文を消した。

 

 「指に磁力か...木の妖怪にしてはそんなこともできるのか?」

 

 魔理紗の素朴な質問に旗八はボードに文を書き始めた。

 

 【木の妖怪と言いましたが、むしろ私は魔法が得意でして、魔法使いよりなんですよ(^o^)/~~】

 

 「そうなのか!私らと同じなんだな」

 

 旗八はニコと笑いボードを書き直した。

 

 【主にボード越しの会話になりますけど、これからよろしくお願いしますm(__)m】

 

 「おう!任せとけ」

 

 「ええ、よろしくね旗八ちゃん」

 

 旗八は文を書こうとしたが手を止め「はい」と口で返事した。

 

 「それじゃあ早速出発するぜ!」

 

 【おー\(^_^)/】

 

 (旗八ちゃん文書だと感情豊かだわね)

 

 魔理紗は箒に乗り、アリスはふわりと宙に浮き香霖堂から離れ旗八もフワリと宙に浮いたが直ぐ様香霖堂を振り向いた。

 

 (この場所いいな...みんなとまた来たいからセーブしとこ)

 

 「...バーチャルスキル」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 3人はしばらく森の真上を飛んでいると、魔理紗が何かを思いだし旗八に近づいた。

 

 「今さらなんだが旗八の仲間を探すけどさ、私らその仲間の情報知らないぜ」

 

 (あ、そう言えば伝えてなかった)

 

 「確かにそうね。旗八ちゃん教えてくれないかしら?」

 

 「なんて言うだぜ?」

 

 旗八はボードに文を書き2人に見せた。

 

 【もっちー、司令、姉貴、パリピ】

 

 「んー...ちょっとわからないかしら?」

 

 「もしかして、これ全部あだ名か?」

 

 旗八は慌てて文を書き直した。

 

 【あ、ごめんなさい、つい癖で】

 

 旗八はさらに書き直した。

 

 【まず、もっちーは虹村 鮪麗って言うんだ、背は私より小さいから白と黒と左右色が違う髪をしてるから見たら直ぐにわかると思う】

 

 「虹村 鮪麗か聞くだけでも特徴的ただな」

 

 旗八は鮪麗の特徴を伝えると、次を書き始めた。

 

 【次に司令は、『艦越 にお』[かんえつ にお]て言うんだけど、高身長で青紫色の髪をして軍帽を被っているよ】

 

 「軍帽ね...軍人さんかしら?」

 

 「にお?」

 

 旗八の説明に魔理紗は何か引っ掛かる様子を見せた。そんな魔理紗にアリスは「どうしたのよ?」と聞いた。

 

 「いや...におって言うのどこかd」

 

 魔理紗が何かを言いかけた瞬間3人は急に飛行ができなくなり落下し始めた。

 

 突然の事に3人はパニックなりなす術なく森へと墜落した。

 

 「な、なんだぜ今のは!?」

 

 「急に空が飛べなくなるなんて...旗八ちゃん大丈夫?」

 

 「な、なんとかは」

 

 3人はゆっくりと立ち上がり辺りを見渡し状況を確認した。

 

 「なんなんだぜ?誰かの仕業か?」

 

 「かもしれないわね...気をつけてよね魔理紗」

 

 「アリスの方こそn...ん?」

 

 「旗八ちゃん私達から離れないyどうししたのよ魔理紗?」

 

 魔理紗は何故かアリスの真上を見つめていた。アリスも魔理紗が見ている方を見たが何もなく疑問が増えるばかりだ

 

 「さっきからなんなのよ、何処見つめてるのよ!」

 

 魔理紗はアリスの頭上に指を指した。

 

 「お前の頭の上になんか変なもんが浮いてるぞ?」

 

 「はぁ?あんた何を言っt...」

 

 アリスも同様に、魔理紗の頭上の何かに気付き見つめ出した。

 

 「そういう魔理紗の方こそ何か浮いてるわよ?」

 

 「ま、まじかよ」

 

 2人はもしかしてと思い旗八の方へ振り向いた。

 

 【2人とも頭の上に何か浮いてますよ?】

 

 旗八はボードを見せながら指を指していた。

 そして2人は旗八の頭上に目を向けるとやはりと言わんばかりに、それがあった。

 

 [マリサ レベル15 HP120 MP100]

 [アリス レベル15 HP100 MP120]

 [キヤ レベル30 HP210 MP200]

 

 それはまるでゲームにあるステータスのようなものだった。

 

 「まじでなんだよこれ?」

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