上記スレに感銘を受け、こちらでまとめさせていただくことにしました。会話形式の元スレに地の文を足して投稿していきますので、ちょっとずつの投稿になるかと思います。
まずはプロローグとして、3話投稿させていただきます。
それでは、美味しいご飯いっぱいの平和なキヴォトスへ、レッツゴー!
美食神、キヴォトスに降り立つ
超巨大学園都市、キヴォトス。
数千もの学校、学区とそこに通う数多の女生徒たちによって構成されるこの都市に、最近とある男がやって来た。
男の名はアカシア。
誰も居ないはずのアビドス砂漠の奥地から突然やって来た彼は、自らが別の世界の住人であったと話した。元よりこのキヴォトスには大人の男性という存在が居なかったため、その希少性と不確定性を鑑みた連邦生徒会により保護された。
その後連邦生徒会首席行政官である七神リンが、空席だった連邦捜査部『シャーレ』の顧問として彼を任命。キヴォトス在住の生徒たちの相談窓口として周知された。人格に優れ、かつ穏やかな大人の男性としての姿勢を崩さず、適切に生徒の悩みを解決に導くアカシアへの評価は高く、数多くの学園による複雑な勢力図が広がるキヴォトスにおいて、絶対中立の特異点として、その名は広く知られるようになっていた。
―――しかし。
彼の出現によってキヴォトスに及ぼされた影響の最たるものは、そんなチャチなものではなかったのである。
お昼前の11時頃。シャーレのオフィスに向かって、リンは歩いていた。
リンはアカシアを非常に高く評価していた。突如現れた彼を訝しむ気持ちはあったものの、初めて応対した時の、穏やかで人当たりの良い姿から、この人なら出来るのでは、と捩じ込んだシャーレの顧問に任命した。噂に聞くアカシアの様子は、先生として非常に優れている。生徒たちからの評価は高く、仕事も完璧。自分宛の書類が遅れたりミスがあったことは一度もない。
今日もこれから書類を取りに行く所だが、単純に彼との穏やかな会話を楽しみにしている自分もいる。日々多忙を極める彼女にとって、数少ない心安らげるひとときでもあった。
そんな理由でシャーレを訪れ、アカシアのあるオフィスの扉を開けて―――
「おお、リン!ちょうど良かった、これから昼ごはんなんだ、一緒にどうだ?」
―――目算で10メートルを超える、巨大なワニがそこに居た。
「きゃあああああああああっっっ!!?」
「うおっ!ど、どうしたリン!?ヒルが残ってたか!?」
「ヒル!?ヒルも居るんですか!?ヤダ気持ち悪い、何でそんなもの持ち込んで…っていうか何ですかその化け物は!?」
「化け物?ああ、コイツのことか。コイツはガララワニというワニでな…」
「ワニなんですかそれ!?大き過ぎませんか!?恐竜と言われた方が納得出来ますよ!?というか何でワニが居るんですか!?何でワニを捕まえてるんですか!?」
「え、そんなに大きいか?たかが10メートルちょっとだぞ?それに何でと言われても、今言っただろう?昼ごはんだよ。今から外で血抜きをしようと…」
「ひ、ひるごはん…?」
見たことのない巨大な、恐ろしい風貌の生物に怯えて涙目になりながら、今アカシアの言った言葉が信じられずに反復する。
「ああ、私の居た世界でも有名な、高級ワニ肉だ!来た頃は食材の気配が薄かったが、コイツくらいの捕食者が現れたということは、グルメ食材の発生が活発化しているとみて間違いなさそうだな…危険な生き物も多くなるし、生徒たちにも声をかけないとな…いや、兎にも角にもガララワニだ!生徒たちにも声をかけるぞ!リン、広い部屋を確保してくれ!」
目を白黒させたままのリンに、アカシアは満面の笑顔で語る。
「みんなで一緒に食べるぞ!」
誰かが言った―――
ゲヘナ学区の火山のどこかに、カルビの味と食感を持つ岩が溶岩で熱され、天然のバーベキューとなっている地帯があると。
ミレニアム学区の湾内には、イカとタコの足を持ちイクラを産む蟹が生息していると。
アビドスの砂漠のどこかに、レモネードが湧くオアシスがあると。
キヴォトスの住人たちは魅せられる!未知なる美味に!
キヴォトスは今やグルメ時代。
生徒たちが未開の味を探求する時代―――
プロローグはあと2話投稿します。
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肉料理×シスターフッド
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メイン×連邦生徒会+カンナ
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デザート×陰陽部