シャーレの先生 アカシア   作:電シャーク

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グルメあーかいぶっ!⑱

■カイザー踏んだり蹴ったり

 

一龍「ふぅむ…」

ノノミ「ど、どうでしょうか一龍先生?」

シロコ「私たちの学区の砂漠は、どうにかなりそう…?」

一龍「うむ!これなら何とかなると思うぞい!」

セリカ「ほ、本当ですか!?」

一龍「表面は砂漠化しているが、奥深くの土壌はまだ死んどらん。地脈に強いエネルギーを放てば活性化して、しばらくすれば植物が生える下地が出来るじゃろう。なあ三虎や?」

三虎「そこまで分かってるならいちいち俺に振るな…この程度の規模の土地で、かつ土壌がまだ死んでいないなら、食運のコピーも要らん。グルメスパイス一回で何とかなるだろう」

一龍「それと、最初は範囲を狭めて実験的に行った方が良いじゃろうな。経過観察しつつ緑化範囲を広げていこう。実験区域の指定はお主らに任せるぞ」

アヤネ「もちろんです!ありがとうございます…!」

三虎「とはいえ、グルメスパイスの放出は久しぶりなんでな。少しエネルギーを蓄えておきたい。3ヶ月ほど待て…いや、アレの片付けに時間がかかるか?(チラッ」

 

次郎によって力づくで引っ張り出されたウトナピシュティム

 

次郎「ふむ、高高度の飛行を想定した船のようですが…宇宙航行船にしては微妙な大きさじゃのう?」

アカシア「高速飛行は可能だろうが、宇宙までは届きそうにないな…いや、先頭の衝角による突撃を想定した造りだとすると、飛行戦艦の類か?」

フローゼ「ビナーの装甲のような、既知の素材とは異なる感触がある、ということは…味も違いそうね。あなた、一枚剥してくれないかしら?」

アカシア「よしきた(メキメキバキッ」

 

ノノミ「…私たちの学区に、あんなもの埋まってたんですか…」

セリカ「ていうかアカシア先生が装甲剥ぎ始めたけど、いいのかな…?」

シロコ「ん、ビナーとはまた異なる味なら興味がある。早く食べてみたい」

アヤネ「シロコ先輩気が早いです…あと気にするべきはそこじゃないかと…」

ホシノ(…あれ、ひょっとしてカイザーが私たちの学区狙ってたのって、コレ見つけることだった…?)

 

三虎「あのままだと解体してそのまま食い尽くしてしまいそうだが、いいのかジジイ?割と重要そうなブツだが」

一龍「流石にそこまではせんじゃろうし、最悪証拠ぐらいは残るじゃろ。ワシらも食べるか」

三虎「やはり半年で良さそうだな…色彩マヨネーズが合うんじゃないか?」

一龍「スナックサンチュもあるぞい」

 

 

 

アリス「ハッ!?アビドスの方角で新たな食材の気配…!?」

Key『違います王女、それは食材の気配じゃなくて本船からの救難信号…!やめてサンチュ巻いて食べないで!?よりによって色彩マヨネーズつけないで!!?』

 

 

 

 

 

■フローゼに『自分たちも何か課題をこなしてみたい』と相談した結果

 

ハルナ「あ”あ”あ”あ”---ッ!!また失敗ですわぁーーーッ!!」

イズミ「今回は14時間か…うう、全然ゴールが見えないよぉ…」

ジュンコ「はぁ…フローゼ先生から課題をもらったのはいいけど…フローゼ先生の世界、本当にこんな無茶苦茶な食材があったの?何度見ても正気を疑うんだけど…」

 

(昆布石の出汁の取り方手順表)

 

ジュンコ「ねえ、もう諦めない?いくらなんでも無茶でしょ、こんなの…。1時間ごとに温度を1℃ずつ上げてって、1ミリずつ一定の速度で浸していって、しかも全部人の手で、なんてさぁ…」

アカリ「会長には申し訳ないですが、私もそう思います…。フローゼ先生からの課題は、『昆布石から本来の手順以外の方法で出汁を抽出すること』なのですから、一度本来の手順で出汁を取ってみる、なんて実験にこだわらなくても…」

ハルナ「くぅ…!無茶なのは承知していますわ…しかしっ!正規の手順で出した味を知らずに手順の改良に着手するなど、邪道!正しい調理法による正しい味を知ることこそ、食への敬意というものではありませんか!?」

ジュンコ「だからそれはフローゼ先生が一度出してくれたし、サンプルが欲しければいつでも出すわよって言ってくれてたじゃん!その味をベースに考えればいいんだって!」

ハルナ「しかしその手順は、フローゼ先生が見つけたフローゼ先生にしか出来ない技術で抽出された出汁でしょう!?正式な手順で出された出汁の味と全く同じという保証があるのですか!?」

イズミ「フローゼ先生なら元の味を上回ることはあっても、下回るものなんて出さないよぉ…ここ二週間、ずっと昆布石にかかりきりで、しかもほぼ進展がないじゃん…いい加減学外に食べに行こうよー…」

アカリ「まあまあ…ひ、ひとまずは学食でフローゼ先生のご飯をいただきましょう?会長も皆もお腹すいてるでしょうし、ね?」

ハルナ・イズミ・ジュンコ『…さんせーい…』

 

 

 

アコ「最近美食研究会が大人しいですねぇ(オチャズズズ」

ヒナ「この上なく素晴らしいことね(オチャズズズ」

 

 

 

 

 

■お酒は二十歳になってからじゃ遅い等と証言しており

 

アカシア「…ふむ」

トモエ「ど、どうでしょうかアカシア先生?」

アカシア「素晴らしいよ。呑んだ瞬間喉がキュッと唸るこの感覚、尾を引くように立ち昇る風味…上質な清酒、いや、大吟醸の泉だな」

チェリノ「おお、やはりそうか!トモエ、清酒系統では初めてのお墨付きだ。事務局で確保・整備をするように」

アカシア「にしてもレッドウィンターは、すっかり酒の名産地になったな」

マリナ「はい。すでに高級ブランデーや赤ワインなど、上質なお酒が湧き出す泉が学区内で複数見つかっている他、酒豪メロンや酒乱牛など、アルコールを多分に含んだ食材も多数発見されていて、その販売でレッドウィンターの経済はかなり潤っています」

チェリノ「酒の飲めないおいらたちでは良し悪しは判断できないが、カムラッドが代わりにテイスティングをしてくれることで、『アカシア先生のお墨付き』というブランドも得ることが出来る!今やレッドウィンターは高級酒類の代名詞だ!」

トモエ「キヴォトスでも僻地だったこのレッドウィンターの地に、高級酒の製造販売ルートの構築のため大企業が続々と進出してくれてますしね。グルメ特需ならぬアルコール特需です」

チェリノ「まあその結果、おいらに取って代わろうと革命を起こす生徒も増えたが…レッドウィンターでは日常茶飯事だしな!」

アカシア「日常茶飯事で良いのかそれ…?」

マリナ「ええまあ…このレッドウィンターにアルコール特需をもたらした元凶の所業に比べれば、些細なものなので…」

アカシア「シグレか…実際凄いことは凄いんだけどな。酒類に関する嗅覚…というより、酒類限定の食運に非常に恵まれている。この大吟醸もそうだが、レッドウィンターで発見・発掘される酒系のグルメ食材は、その大半が彼女の功績だろう?」

チェリノ「うむ、カムラッドの言う通りだ。ただ、工務部を巻き込んだ違法な発掘作業や、我々も企業も介さない密造酒の生成も頻繁に行っているから、実質プラマイゼロなのだ…」

トモエ「大抵作業後に工務部の反乱や密告で露呈して、当人は逃亡。事務局で現地確認して管理下に置くまでがワンセットですね。工務部の証言以外証拠はほぼ残さないし、我々にも益が大きいので、取り締まるに取り締まれないんです…」

チェリノ「ただ生徒内の飲酒違反者は増加の一途なのだ…!」

マリナ「どうも間宵シグレが密かに酒の布教をしてるみたいで…それだけは断固防ぎたいんですけどね…」

アカシア「…そこまで聞いて、ひとつ不安になったことがあるんだが…確認していいか?」

トモエ「何でしょうか?」

 

アカシア「…次郎は、それに関わっていないよな?」

 

チェリノ「………」

トモエ「………」

マリナ「………」

 

アカシア「お、おい!?何とか言ってくれ!?」

トモエ「…次郎先生に関しては、証拠も痕跡も見つからないので…推定無罪ってことで…」

アカシア「それはつまり関与してる可能性が高いってことだな!?シグレが実行犯で次郎が影のフィクサーをしてるってことだな!?」

マリナ「次郎先生には感謝しています。ノッキングを始めとした戦闘技術を懇切丁寧に教えて下さるので、レッドウィンター全体の基礎身体能力向上に繋がっていますので」

トモエ「振る舞いにも尊大なところがなく気さくなので、生徒からの人気も総じて高いです。高レベルの食材を獲ってきて、惜しげもなく我々に食べさせてくれますしね」

チェリノ「クビにした負い目もあったのだが、当人は全く気にせずレッドウィンターに関わり合い、助けていただいている。その器の大きさは、おいらも憧れるし見習いたいものだ」

アカシア「露骨に話を逸らすな!?第二の人生で羽を伸ばし過ぎだぞあいつ!?」

 

 

 

 

 

■ダイエットフィッシュ会議inミレニアム

 

ウタハ「…(ビクビク」

コトリ「…(ガクガク)」

ヒビキ「…(プルプル)」

 

ユウカ「判決。部費半減」

ウタハ「ちょっとぉ!?そりゃないだろう!??」

ユウカ「っっったりまえでしょうが!!!自分たちのやろうとしたことが何か分かってないのアンタら!!?」

ヒビキ「何って…ダイエットフィッシュを飼育する水槽を作ったんだろう!?セミナーの依頼で!?」

コトリ「ダイエットフィッシュが何事もなく生息・繁殖できるよう、技術の粋を盛り込んだ最高の水槽を作れって、そっちが依頼してきたんじゃないですか!!私たちそれにしたがって、最高品質の水槽を作っただけですよ!!」

 

ユウカ「その水槽に!!アンタたち何を仕込んだのよ!!!」

 

「「「自爆装置」」」

 

ユウカ「な!!ん!!で!!よ!!!」

 

「「「盗難対策」」」

 

ユウカやっっっかましいわぁぁぁぁ!!!

 

コユキ「いやー、さすがのアタシも研究チームから報告聞いた時耳を疑いましたもん。マジ何考えてんだエンジニア部(おまえら)

ノア「製作を依頼した時、確かに私たち伝えましたよね?ミレニアムがキヴォトス各校の協力と信頼を得て、全てを託された上で絶対に繁殖を成功させなければならない大仕事だと。何でそれをぶち壊しにする機能を、私たちに黙って備え付けてやがるんですか?ミレニアムを崩壊させる企てか何かですか?」

コトリ(ユウカ先輩はもちろん、ノア先輩もメッチャキレてるぅ…)

ユウカ「コユキ、現在時刻を以てエンジニア部の口座を完全ロック。アンタでも解けないぐらいガッチガチに暗号固めておきなさい。何なら中身半分ぐらい持ってっていいわ。罰金代わりよ」

コユキ「よっしゃ了解しましたー!」

「「「ちょっと待ってぇぇぇ!!?」」」

コユキ「まー空気読むべき時に読まなかった罰ってことで。にはは☆」

ノア「キヴォトス中の女生徒の夢を台無しにしようとした罪の重さ、とくと味わってくださいね?」

 

ウタハ「…えっと、部費は仕方ないとして…ダイエットフィッシュの人体検証優先権の方は…」

 

「「「あァン?」」」

 

「「「…スミマセンデシタ…」」」

 

リオ「―――という次第よ」

ヒマリ「当然の帰結ですね」

トキ「退学にならないだけ温情かと」

 

一龍「怖っわ。女の子怖っわ」

 

 

 

 




来週は用事があってお休みさせていただきます。
予定では以前のアンケートで1位を取った連邦生徒会の話にしようかと思ってますが、ちょっと書きたい題材がありますので、そちらになるかもしれないです。

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