それではどうぞ。
■乙女の尊厳のフンバリ所
シグレ「工務部でウコンウンコの栽培手伝ってくれない?」
ミノリ「それが具体的にどういう食材なのかは知らないけれど断固拒否する」
■グルメ細胞の適合食材なので仕方ない
キサキ?「……すまん、最初から順を追って説明してくれるか」
ココナ「その…先日学区内で発見したクスリバチなのですが…」
サヤ「体内で様々な種類の薬品を生成すると聞いて、練丹術研究会で養蜂を行うことになったのだが…まあここまでは門主様もご存じかと思うのだ」
ココナ「それで、クスリバチ自体は食用にはならないけれど、クスリバチの作るハチミツは非常に栄養価が高く、特にローヤルゼリーはその極地で…特に美容成分が非常に豊富と…シュン姉さんがアカシア先生から聞いて…」
サヤ「で、押しかけてきたのだ。まぁ個人的にも普通のハチミツとの成分の違いとか気になったし、協力して採取して…」
ココナ「その場で姉さんが食べた結果…こうなりました」
シュエリン「あ、あはははは…」
キサキ?「…若返りの秘薬そのものじゃったということか?」
サヤ「いや、そういうわけじゃなく…アカシア先生曰く、シュンの適合食材だったのだろうと。ローヤルゼリーに含まれる成分がシュンのグルメ細胞に合致し、その効能が通常時の数倍から数十倍に跳ね上げられた結果、若返るほどの効果を齎したのではないか、とのことだったのだ」
キサキ?「なるほど。つまり…」
キキ「………妾にとっても適合食材じゃった、と?」(←梅花園の園児服着用中)
サヤ「…状況から見て、その可能性は高いのだ」
キキ「…元に戻る算段は?」
サヤ「…こ、これから…成分を研究するので…」
キキ「この後玄龍門の会議と他校の生徒会長の訪問があるんじゃけど?」
「「………」」
サヤ「そんなこと言われたってぼく様ちゃんにもどうしようもないのだー!!未知のグルメ食材の性質も、それとグルメ細胞の化学反応も、いくらぼく様ちゃんが天才だといっても管轄外にも程があるのだー!!」
キキ「妾とて死活問題じゃ!!幹部や他校との会議に園児服で出る生徒会長が何処におる!?というか何故妾は園児服を着させられとるんじゃ!?」
シュエリン「可愛かったのでつい。ルミちゃんに相談したら即座に用意してくれたわ」
ココナ「すみません、ルミさんから園児服の代金として写真を要求されてますので、一枚いいですか?」
キキ「助けてカグヤ、妾に味方がいない…!!」
■阿慈谷ヒフミの美食屋伝説⑨
コハル「うわ、美味しっ…!」
ハナコ「牛テールのスープみたいに、濃厚で旨味たっぷりの出汁がこれでもかってくらいに出てます…!」
アズサ「そうだろう?乾燥させた
コハル「それにこっちも食べ応え凄いわよ。タンっていえば焼き肉屋で薄切りで出されてるものしか見たことなかったけど…厚みがあるとこんなに味が違うのね…!」
アズサ「ペロロジラの特徴でもある長い舌だからな。筋肉が発達してるから、旨味も歯応えも牛タンのはるか上だ」
ハナコ「サイコロステーキのサイズなのがちょうど良いですね。メインディッシュが一枚肉ですから、その前座としてはこのぐらいのサイズがちょうど良いと思います」
ヒフミ「ふふふ、これが私のフルコースのスープと肉料理です!ペロロ様から採取できる一流の食材なのに、調理法に癖がなくて扱いやすいと、アカシア先生もべた褒めだったんですよ!」
ハナコ「ええ、本当に美味しいですよヒフミちゃん、アズサちゃん!」
コハル「正直恐れ入ったわ…何だかんだ言って、やっぱりペロロジラって最高峰のグルメ食材なのね…!」
ヒフミ「そのとーりです!ふふふ、コハルちゃんにもハナコさんにも喜んでもらえましたー!ありがとうございます、ペロロ様ぁー!」
ペロロジラ「…」(←鶏冠と舌と爪を採取されてグッタリしてる)
コハル「…それは分かったから、その子私たちの視界から退けてくれない?」
ハナコ「鶏冠も舌も腕がれた姿が痛々しくて、ちょっと食欲なくしちゃいますので…」
ヒフミ「問題ありません!トサカも舌も、ペロロジラ様からOK貰って採取したものですから!」
アズサ「数日もあれば新しいのが生えてくるそうだ。特にペロロジラの舌はひたすら成長し続けるから、折を見てカットしてあげないと舌の重量で動けなくなってしまうと…」
ハナコ「今さらですけど、舌が髪の毛と同じ扱いになる動物って何なんですかね…?」
ヒフミ「ペロロ様が何なのかって?フフフ、そんなの決まってます!このグルメ時代の最先端を行く、キヴォトスに降臨せし慈悲深き美食の化身!それがペロロ様なのです!さあ、皆で崇め奉りましょう!」
コハル「そういうのは自分のトコの信徒相手にやりなさいよ!」
ハナコ「宗教法人立ち上げてキヴォトス中に広めたのは凄いと思いますが、私たちはペロロジラ教に入信するつもりはないですからね?」
アズサ「ん?二人はとっくに入信者リストに入ってるぞ。私の次に若い番号だったから、ペロロジラ教立ち上げ時から入ってるはずだけど」
「「え?」」
ヒフミ「えっと、宗教法人の立ち上げ時には一定人数が必要だとコタマさんから聞いたので、ちょっとお二人の名前を拝借して…」
コハル「───ヒフミィィィ!!アンタ勝手に友達を邪教徒にしてんじゃないわよぉ!!」
ヒフミ「じゃ、邪教なんかじゃありません!ナギサ様も名を連ねるまっとうな宗教です!」
ハナコ「ああ、それなら安心ですね───って、それも絶対無許可ですよね!?いくらナギサさんがヒフミさんに甘いとはいえ、トリニティの最高責任者がそんなのに名前入れるの許可するはずないですよね!?」
コハル「ちょっとぉ!?ティーパーティーのトップの名前を無許可で宗教団体の名簿に書き連ねてるっていうの!?流石にそれは洒落にならないわよ!?」
ヒフミ「だ、大丈夫です、ナギサ様なら笑って許してくれるはずですから…!」
コハル「トリニティのトップの名前勝手に使って許してくれる道理なんてないわよぉ!?」
ハナコ「こ、こうなったらクーデター…桐藤ナギサをティーパーティーから引きずりおろせば皆守れる…」
アズサ「よく分からないが拙いことを口走ってるのは分かるぞ、落ち着けハナコ…!!」
■食べてもイケるんだろうけど
セナ「はい、応急処置完了です」
コノカ「いやー、申し訳なかったす姉御。まさかマグマガモの卵が、中身までマグマ並に熱々だとは…」
カンナ「いや、取り扱い方を心得ないままグルメ食材の違法販売に手を染めている輩と分かっていながら油断した私の落ち度だ。まさか肝心の食材そのものをぶん投げてくるとは…」
コノカ「お返しに蜂の巣にしてやったっすけどね。それにしても、いくらゲヘナ学区内とはいえ通りすがりだってのに、手助けしてもらって悪かったっすね、セナさん。」
セナ「いえ。そこに死た…けが人が居るのなら助力するのが、医療に携わる者として当然のことですから」
コノカ(患者を死体呼びしなければ立派な人なんすけどね…)
カンナ(言い直すぐらいなら最初から言わなければいいと思うが…)
セナ「幸運にも新鮮な包帯を巻けたのでよっぽど大丈夫かと思いますが、念のため後で病院に行ってくださいね。鮮度と効能が落ちてるかもしれませんし」
コノカ「…ん?新鮮な包帯?鮮度?どういう意味っすか?」
カンナ「そういえばこの包帯、何というか変わってるな。緑色だし、火傷した肌でも感じ取れるぐらいひんやりしてるし」
セナ「…?ご存じないのですか?アカシア先生と連邦生徒会の名義で、非常用として各校に配られていると聞いていますが」
コノカ「え?各校に?」
カンナ「…すまん、詳しく聞いてもいいか?」
セナ「こちらはドクターアロエ。アカシア先生の世界の植物なのですが、非常に治癒効果の高い天然の包帯だそうなのです。擦傷はもちろんのこと、火傷や凍傷で壊死した細胞組織に対しても有効で、こうして巻くだけで大抵の傷は何とかなると。救急医療で用いるようにと、アカシア先生から各校へ渡されているはずです」
コノカ「…食べるんじゃなくて、巻くためのアロエ…?アカシア先生から、各校へ…?」
カンナ「…おいコノカ。この間アカシア先生からのお裾分けだと言って、アロエの入ったヨーグルト持ってきたな?」
コノカ「…そ、そんなこともあったっすね…?いやでも私も部下から貰っただけで…」
カンナ「…使い方を聞いてなくてただのグルメ食材だと思い込んで、刻んでヨーグルトに混ぜて出した、なんてことはないよな?」
コノカ「あ、あは、あははは…まさかそんな…」
セナ「ちなみにこのドクターアロエ、アカシア先生の世界だと一メートル辺り数十万円は下らないそうです」
カンナ「───今すぐアカシア先生からアロエを受け取ったヤツ特定して一緒に始末書書いてこいバカタレェェェ!!」
コノカ「ヒィィィスミマセンっすううう!!?」
カンナ「ったく…!すみません、足が無くなってしまったので、病院まで連れてっていただけますか?」
セナ「もちろん構いませんよ。ちなみに、美味しかったですか?」
カンナ「美味しかったですよチクショウ!」
■涙と鼻水が調味料
ミサキ「っ、クシュン!」
ミヤコ「おや、風邪ですかミサキさん?」
ミサキ「ううん、ただの花粉症。昔から花粉に弱いんだよね」
モエ「ああ、園芸部にあんまり近寄らないのってそれが理由?」
ミサキ「まあね。姫は事情理解してくれてるけど、いたたまれないんだよね」
三虎「…花粉、花粉か…そういえばアレだけは結局食べ損ねたな。当然だが披露宴でも出なかったし…」
サキ「おや三虎先生、何か思い当たる食材でも?」
三虎「ああ、サンドリコっていうグルメ界産の花があってな。捕獲レベル2500を誇る超危険植物だが、大層美味いらしい。フルコースの前菜に入れたやつも知っている」
サキ「に、2500!?流石グルメ界…どんな風に危険なんだ?」
三虎「今のミサキと同じく、花粉が体内に入ると凄まじいアレルギー反応を起こして、花粉症になる」
ミヤコ「え、花粉症になる?それだけですか?」
三虎「ああ。体内のありとあらゆる水分が涙と鼻水になって排出され尽くして、カラッカラに干乾びて死に至る、恐るべき花粉症だ。この花粉症が蔓延したことによって、キヴォトスより遥かに大きい大陸に住む全ての生物が絶滅しかけたくらいだ」
ミサキ「本当に凄まじかった!?」
ミヤコ「それ本当に花粉症ですか!?感染症とかではなく!?」
三虎「排出速度はガララワニくらいのサイズなら数秒程度。人間なら余程鍛えていない限り即死だな。アカシア様ですらコレのせいで死にかけたという話だ」
サキ「それはもう分類が花粉なだけの殺人ウイルスだろ!?」
三虎「後にこの花そのものが花粉症の特効薬で、食べれば治ることが明らかになった。ちなみに食べる前にある程度体の水分を排出してから食べると旨味が増すそうだ」
ミサキ「さっき人間なら即死って言ったじゃないですか!?食べたり適度に排出したりする余裕がどこにあるんですか!?」
三虎「とはいえこっちに来ないという保証はないんだよな…つい先日、グルメ界に存在する捕獲レベル3000超の植物系グルメ食材が見つかった事例もあるし」
サキ「マジでいつ来てもおかしくない瀬戸際だった!?」
ミヤコ「今のキヴォトス、薄氷どころかほぼ割れかかってるじゃないですか…!?」
モエ「…死に至るほどの花粉症…しかし死に至るギリギリまで耐えればその分美味しくなる…ひょっとして私が求める最高のスリルなんじゃ…!?」
ミサキ「即死だって話聞いてた!?」
ミヤコ「あと間違ってもそんな興味口に出さないでください、食運発動して本当に来ちゃうかもしれないでしょう!?」
サキ「食べたいならアンタ一人で花粉全部吸い込みなさいよ!?絶対よ!?」
三虎(…確かに来たら危険極まりないが…気にならないといったら嘘になるよな…アカシア様もフローゼ様も食べたこと無いんじゃないか?話したら興味持つだろうな…)
ミサキ「え、ちょ、三虎先生まで何考え込んでるんですか!?止めてくださいね!?食べてみたいとか思わないでくださいね!!?」
ミユ「…こ、こうしてゴミ箱に隠れていれば、やり過ごせるでしょうか…?」
ヒヨリ「そ、その時は私も中に入れてねミユちゃん!友達として!」
ミユ「…すみません、RABBIT小隊の皆が優先です」
ヒヨリ「思いの外はっきりキッパリ断られたぁ!?」
書き始めてから、ミサキとミヤコとサキで並べるとややこしいことに気が付いた。
次回もあーかいぶですが、この小説の〆みたいな内容になりますので、よろしくどうぞ。
最終回を惜しむ感想、たくさんいただけて嬉しかったです。
それでは、感想お待ちしております!