魔法少女リリカルなのはA's──記憶を無くした魔導師──   作:六道 天膳

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復活ということで2日連続投稿です。宜しくお願いします。


第6話「深まる謎」

2人がメンテナンスルームに戻ると早速なのはが出迎えてくれた。

 

 

「二人ともお疲れ様!それにしてもすごかったよトウカさん!クロノくんと互角に戦うなんて。」

「勘弁してくれ……こっちは死ぬかと思ったよ。しかも実際には一撃もまともな攻撃当ててないんだから全然互角じゃないよ。」

 

 

そんなこと言いつつ、トウカは苦笑いしていた。

 

 

「それで、クロノ。俺と戦ってみてどうだった?」

「最後の詰めは甘かったが、実力はそれなりにあるようだし……まぁ悪くはなかったな。」

「トウカさん魔力量ではかなり不利だったけどすごい健闘してたと思うよ~」

 

 

エイミィの言う通り、トウカが持っている魔力は管理局の一般的な隊員と同じ、Bランク程度で平凡な魔力しか持っていない。

だが、それを遥かに上回るAAA+ランクのクロノを相手にあそこまで対等な戦いをやってのけたのだ。

結果的にトウカは負けてしまったが、それでもなのはやエイミィ達は驚いていた。

 

 

 

 

 

という感じで、みんなが先ほどの戦闘の話で盛り上がっているそんな中

 

 

 

「……」

 

 

 

フェイトはトウカに対して密かに警戒心を抱いていた。

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

「あー暇だ~協力者になったんだからもう少しマシな部屋にしてくれればいいのに。」

 

 

トウカは最初に連れて来られた部屋のベットの上で愚痴をこぼしていた。

 

 

「せめて何か……例えば本が欲しい。なぁヘイムダル?」

 

 

しかし、いつもだったら即答してくれるはずの相棒の返事が返ってこない。

 

 

(あ、そういえば戻ってくる時にまた没収されてたんだった……忘れてた。)

 

 

しかし、なぜトウカがこの部屋に再び戻ってきているのかというと、それはメンテナンスルームでの話が終わった直後のこと。

 

 

 

 

『すまないが、もう少しだけあの部屋で待っていてくれ。ついでに、本局のスタッフと協力して調べてみたいからヘイムダルもここに置いていってくれ。』

 

 

 

 

ということをクロノに言われたのでヘイムダルを渡しておとなしくこの部屋に戻ってきたわけなのだが。

 

 

しかも

 

 

『申し訳ないが、部屋から出るのは控えてもらえるとありがたい。』

 

 

 

そんなこんなで現在。

トウカはここでただボーっとベットの上に寝転がっているわけなのだが、とにかく暇だった。

だが、今の自分は保護されている身なので文句を言うわけにはいかない。理由は聞いていないが部屋から出るなと言われればおとなしく部屋で待つ。

しかし、ただでさえこの部屋はなにもないのでヘイムダルがいないと暇で暇で仕方が無かった。

 

 

「あ、そういえば。今度は本局のスタッフと協力して解析すると言っていたような……」

 

 

……解体とかされてないことを願おう。

 

 

 

と、トウカは一人、心の中で祈っていた。

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

メンテナンスルーム。

現在、ここではクロノとエイミィ、そして本局メンテナンススタッフであるマリーの3人はヘイムダルの解析を再び試みていた。

最初に解析をしていたエイミィとユーノが完全にお手上げ状態だったので若いが本局の優秀な技術スタッフであるマリーに解析を依頼したのだ。

 

 

「どんな感じ?」

「ダメですね。アクセスを全く受け付けません。」

「マリーでも解析できなかったか……」

 

 

マリーが操作している画面にははっきりと『ERROR』と表示されている。

 

 

「もう、なんなのよ!このデバイスは~!」

 

 

と言いながらも、エイミィはイライラした様子でコンソールを叩いて何度もヘイムダルにアクセスしようとするが、やはりアクセスできずエラー音がただひたすら鳴っている。

 

 

進行状況は会話の通り全く進んでいなかった。

 

 

トウカの話のおかげで性能などは判明したが、結局デバイスを解析することはできずにいた。

 

 

「でも、収穫はありましたよ。一応ですが……」

「本当か。マリー?」

「はい。インテリジェントデバイスに似た技術で造られているってエイミィ先輩から聞いていたので、試しに過去のデータベースと照らし合わせてみたら……インテリジェントデバイスをベースに作られているのは確かみたいです。ただ問題なのが……」

 

 

そこでマリーは口ごもってしまう。

 

 

「どうしたマリー?」

「そ、それがこのデバイス……50年以上も前のデバイスと似た構造をしているみたいなんですよ。」

「なに?つまり、これが50年前に造られたものだっていうのか……?」

 

 

クロノも流石にこれには疑問を持った。

そもそも50年も前に造られたデバイスが今も現役で動いてること自体おかしいことだが、それ以上に少なくともミッドチルダにデバイスを複製という技術があるなんてことはクロノとエイミィは聞いたことが無いからだ。

 

 

更にマリーは説明を続ける。

 

 

「正確には、構造が50年以上前のミッドチルダのデバイスに非常に似ているというだけです。しかも、現在よりも遥かに高い技術で造られてるみたいです。これじゃあデータ解析のしようがありません……」

 

 

 

 

周囲に沈黙が訪れる。

 

 

ミッドチルダ式に似ているデバイスだがミットチルダ式とは異なるデバイス。

 

ミッドチルダ式の魔法の発祥の地。最先端の魔法技術を持つミッドチルダ以上の高度な技術で造られたデバイス。

 

しかも、50年前のインテリジェントデバイスに近い構造で造られている。

 

 

──このデバイスはまさに謎の塊だった。

 

 

「そういえば、クロノくん。トウカさんと戦ってどうだった?」

 

 

顎に手を当てしばらく思案した後、クロノは口を開いた。

 

 

「……正直、魔力の差がなければもしかしたら負けていたかもしてない。」

 

 

と、クロノにしては珍しく弱気な発言をしていた。

 

 

「確かに魔力量ではBランク程度しかないが、単純な戦闘の技術だったら僕だけじゃない、あのベルカの騎士達にも引けを取らないかもしれない。」

 

 

魔導師は魔力量が多ければ強いわけではない。魔法は魔力の大きさだけでなく、応用力と判断力で決まる。

だからトウカは魔力で圧倒的な差があるクロノを相手にあそこまで戦えたのだ。

 

 

「彼が何者かわからない以上、油断はしないほうがいいだろうな。」

「フェイトちゃんもずっと警戒してたみたいだしね。でも、トウカさんは悪い人じゃないみたいだし、私は大丈夫だとは思うんだけどな……なのはちゃんも最初驚いてたけど警戒しているどころか、普通に接してたけど。」

「まぁ、しばらく様子見だな……」

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

ここは海鳴市内のとある一軒家。

 

 

「はやてちゃん。お風呂の支度できましたよ」

「うん、ありがとう。」

 

 

ここに住んでいる車椅子の少女、彼女の名前は八神はやて。彼女は足に原因不明の病を患っており、車椅子での生活をしている。

そして彼女は現在、シグナムたち『守護騎士ヴォルケンリッター』と共に暮らしている。

 

 

「ヴィータちゃんも一緒に入っちゃいなさいね。」

「は~い」

 

 

と、ヴィータはシャマルに返事を返す。

 

 

彼女達”ヴォルケンリッター”がここにいる理由。それは今から約半年前のこと

 

はやての誕生日である6月4日午前0時に闇の書の封印が解かれ、それ以降、ロストロギア”闇の書”と『守護騎士ヴォルケンリッター』の主になった。

最初、はやてはさすがにヴォルケンリッター達が突然現れたときには目を回して気絶してしまったが、魔法という非常識をごく自然に受け入れ、主という立場にも戸惑う様子をほとんど見せなかた。

 

 

 

彼女たちは家族だ。

 

 

 

闇の書の主は、すなわち守護騎士たちの主。

しかし、はやてはシグナムたちにごく一般的な家事手伝い以外の命は一切下さず、むしろ騎士たちと一緒に暮らすことを嬉しく幸せに思っていた。

はやては両親を幼い頃に亡くしており、ずっと一人で暮らしてきた。だから、突然現れた彼女達を受け入れることが出来たのかもしれない。

 

 

しかし、騎士達は主であるはやてにたった一つだけ秘密にしていることがある。

 

 

──それは、闇の書の蒐集である。

 

 

ロストロギア(指定遺失物)『闇の書』

頁は全部で666頁あり、魔導師や生物のリンカーコアを蒐集して頁を埋めていく。

そして全て頁を埋め、闇の書の真の主となれば、絶対たる力を手にいれ、それを自在に使うことができるといわれているロストロギア。

 

 

そして彼女達『守護騎士ヴォルケンリッター』は闇の書の第1次覚醒と共に現れ、以後闇の書のページを元に戻すために魔力蒐集を行い、同時にその主を守る騎士達である。

 

 

 

ヴォルケンリッターの”リーダ”であり、ロングストレートの髪を普段はポニーテイルにくくっている。凛々しいという言葉が似合う美女。

 

 

 

将の「剣の騎士」シグナム

 

 

 

ヴォルケンリッターの”参謀”仲間のバックアップやサポートに優れ、金髪のショートボブの生真面目ながら優しい、ほんわか美人。

 

 

 

参謀の「湖の騎士」シャマル

 

 

 

ヴォルケンリッターでは一番のちびっこ。口も悪いが手も早く、直情的で負けず嫌いで、反抗的な態度をとることも多いが根は優しい少女。

 

 

 

「鉄槌の騎士」ヴィータ

 

 

 

寡黙で、言葉を発することも少ない。常に一歩引き、主や仲間のために最善の行動をとれるようにしている。普段は獣の姿だが本来は獣人の男性で、獣モードと人間モードの2形態を使い分けているヴォルケンリッターの盾。

 

 

 

「盾の守護獣」ザフィーラ

 

 

 

以上、この四人からなる魔法生命体が『守護騎士ヴォルケンリッター』である。

 

 

最初シグナムははやてに不自由な足を治すこともたやすいはずと提案したが、はやては自分が闇の書の蒐集を命ずれば、なんの関係も罪もない誰かに、迷惑をかけることになってしまう。

自分のわがままで人に迷惑をかけるのは良くない。そのためシグナムたちは闇の書の蒐集をせずにはやてと共に幸せな日々を送っていた。

 

 

 

しかし、シグナム達は最初は気づいていなかった。

 

 

 

闇の書の抑圧された強すぎる魔力がまだ幼いはやての体を蝕み、それが原因で足が不自由になってしまったことも……しかもその影響は少しずつ上がってきていること。

それはやがて主であるはやての命を奪う可能性があった。

 

 

それに気づいたときシグナムたちにできる、たった一つの治療法。

 

 

それが闇の書の完成であり、はやてを「闇の書の真の主」にするということしか方法がない。

愛しくも優しい主、はやてのために。守護騎士たちは、主との約束を破ってでも、主を救う道を選んだ。

 

 

こうして、騎士たちの闇の書のページ蒐集という名の戦いが始まった。

 

 

 

 

──全ては……主と共に平穏に暮らすために。

 

 




少し短いですが、今回はここまでということで。

質問、感想お待ちしております。



それでは次回もよろしくお願いします~
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