吾輩はルビコニアンデスお兄さん!人とコーラルの行く末を真に憂う者である!   作:ポポァ

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随分と調子よさそうだねぇ……初投稿とも知らずに。
感想評価誤字報告ありがとうございます。

前話でストライダーの高さ1.3kmって書いたけど測る場所によっては1.7km超えるゾ
ルビコンの建築物はマジでサイズ感覚狂う。クソデカストライダーの背景にストライダーが小さく見える高さ8km級のグリッドが乱立してるし……


「武装採掘艦護衛」

 哀れなもる……テストパイロット君が"スピードの向こう側"に行ってしまってから数日後の夜、武装採掘艦ストライダーの甲板からお届けします。

 物資を降ろした輸送ヘリたちは再度の輸送の為にベリウス南部へと帰っていき、俺はここの護衛依頼を受けたので、次の輸送が届くまでの間この艦の護衛をこなすことになっている。

 ストライダー自体が戦術兵器と呼べる代物であり、雑多な大部隊での攻勢は薙ぎ払われるだけなのでまず無いと思っていい。来るとすれば少数での展開速度に優れたAC、それもアイボールの砲撃を潜り抜け本体を撃破まで持っていける腕前の持ち主だろう。

 そしてそんな腕前の精鋭がうっかりやられたら損失が洒落にならないので他勢力は尻込みしてるわけだ。

 

 

「暇だな。物資運んで敵企業の輸送部隊撃破して護衛も務める俺が艦内出禁っておかしくない?これじゃ俺、ストライダーを守りたくなくなっちまうよ……」

 

『いやフィリクス、最近は意識しなくなってきたけど相当おかしい外見してるからね?慣れてない人には目に毒よ、視力的にも……』

 

 

 そう。護衛中なので甲板でACに乗ってるのは当然なのだが、休憩や睡眠でも艦内に入るのを拒絶されてしまったのだ。

 暗い艦内にはピカピカの俺の体が役に立つはずなのに、返事はNOで砂塵の舞う甲板生活をしている。酷くない?

 

 

『そういえば、さっきシュナイダー社からメッセージが届いてたわよ。依頼じゃないみたいだけど』

 

「ええぇ……?流石にあそこはスカウトされても勘弁だぞ」

 

 

 内容を要約すると「テスト機を壊したのは許す。敵勢力だしそこはお互い様だから構わない。高速機同士の実戦データが取れたのは嬉しい。だが貴様の機体はどういうことなの?なんで高速軽量機なのに我が社のフレームを使っていないの?大気圏内なのに宇宙用の機体で空を飛ぶとか許さんぞ。支給された我が社のブースタを使用しているのになぜ取説通りフレームも揃えないのか。貴様は空気抵抗とか知らないのか?空力特性の価値を軽んじているのか?不格好な機体に衝突される大気の悲鳴が聞こえないのか?判断まで遅い貴様には分かりやすく我が社の最新フレーム一式を購入する権利を与える。業腹だが脱出機能も付けてやったので買うように」とのこと。

 いやハンドパルスミサイル売ってくれよ。あと俺はショップに重武装が売ってないから速度の出る軽量機に乗ってるだけで、どちらかと言えばごてごてとした重量機のほうが好きである。

 

 

「い、要らねぇ……なんで最高速度チャレンジ機体で戦場に出る必要があるんですかね……?アリーナとかならこれでもいいけどさぁ。コアに被弾したら即死でしょこれ」

 

『流石に私も止めるわよ。というか普通に値段的に買えないわ。!?敵の反応……速い!飛び乗ってくるわ!』

 

 

 地表を高速で走り、アイボールの死角である艦体の真後ろから千メートルを超える高さを一気に飛翔し登ってくる二機の未確認機体。目視で見るそれは重厚な装甲を持つMTのようだが、自力で歩くストライダーに追い付き地上から一息で登ってくる、ACに匹敵する推力と重装甲を両立したMTはBAWSやドーザーに作れるとは思えない*1。そして封鎖機構なら通信しまくってうるさいのですぐ分かるはずだ。

 

 

『ウィーヴィル型*2!?技研のC兵器がなぜこんなところに!?』

 

「ウィーヴィル?C兵器?よく分からんが、対応は常にチェスト一択!」

 

『あれはコーラルを動力にして稼働する無人兵器よ。五十年以上前に作られた機体が、まだ稼働しているというの……』

 

 脚部後方の無限軌道を展開し高速でストライダーの甲板を滑走する二機から、胴にジョイントされた連装機関砲とグレネードキャノンから放たれる射撃を回避。腕が無く、胴体に直接武装が繋がっていることから、相手の方向に正面を向けなければ火力を出せないようだ。

 敵の装甲は分厚く、少し距離を離されるだけでショットガンとマシンガンは跳弾し有効打にならない。ミサイルは距離を問わず有効、パルスブレードの距離まで近づけば全武器有効で蹴り飛ばしてもいい。

 だがそれら全てより、強力な兵器がここにはある。

 

 

「こちら管制室!アイボール砲台の準備は出来ている。レーザーの照射に巻き込まれないよう気を付けてくれ!」

 

「了解!甲板のMT部隊は下げてくれ!火力不足で被害が増えるだけだ」

 

 

 アイボールは強力なパルスアーマーで守られており、艦体に幾つか備え付けられたサブジェネレータが破壊されない限り攻撃を受けつけない。MTさえ下げてしまえば狙われるのは俺だけで、後は正面に立つのを避けながらアイボールと艦載ミサイルの援護を受けながら骨董品をスクラップにするだけだ。

 だが……それよりも今は気になる事がある。

 

 

「なあ……コーラルで動いてるってことはだ。あの機体の中には、あの機体を動かせるほどのコーラルが入ってるってことだよな?」

 

『そりゃあ……そうだけど。フィリクス?なんか変なこと考えてない?』

 

「ヘンジャナイヨ。いちルビコニアンとして?コーラルを救ってあげたいなって思うじゃん?同じルビコンの仲間じゃん?」

 

『でも……飲むんでしょ?仲間なのに?』

 

「仲間の大切さが、五臓六腑に染み渡るっていうか……人は、仲間がいるから生きていけるんだなって」

 

『人間特有の欺瞞ね……どうせ増えるし、ちょっとくらい飲もうが燃やそうがいいけどね……』

 

 

 

 よし、楽しく話せたな。敵は硬くて速いが二機しかおらず、対策も分かりやすい以上苦戦はしていない。肩と思っていた場所がミサイルハッチで、三十発ほど一気にぶちまけてきたときは焦ったが、誘導が貧弱で碌に当たらなかった。

 五十年以上前から稼働しているということだが、そんなものアーマードコアでは珍しくもなんともないし。旧式のACは大体現代のより強いし(アナザーエイジ)旧文明の遺産はマッハで地上を制圧するし(ネクサス)謎の建造物からは世界を滅ぼす兵器がPOPする(ヴァーディクトデイ)。コーラルを動力にしてなくても五十年くらい余裕だろう。

 そもそもその辺にいくらでも生えてるグリッドだって、惑星を周辺星系まで巻き込んで焼き尽くしたルビコンの火を耐え抜き、電気設備が稼働できる状態のものがいくらでもあるし、そのせいで人間でさえ生き残ったのがそこそこいるくらいだ。

 一度生まれたものはそう簡単には死なないとPVでハンドラー・ウォルターが言っていたが、ここまでやっても死なないんだからもう人類は不滅と言っても過言ではないだろう。地球も4回くらい滅んでるはずだし。

 そんなことよりコーラルだ。動力にされているということは当然ジェネレーターがコーラルを燃やして動いているということを意味するだろう。つまりコーラルが欲しいなら、キャタピラとブースターで爆走する機体からジェネレータ、またはどこにあるかも分からんコーラルタンクを衝撃と火気を与えず引っこ抜く必要があるわけだ。

 考えるまでも無く無理ゲーだ。俺はバナージ君みたいにビスト神拳使いではないし、操縦桿をガチャガチャしても抜き手からパーツ引っこ抜きなんてモーションはプログラムされてないので出ないのだ。無力な俺を許してくれ……

 まぁ敵は普通に撃ってくる。なんならロックが完全に俺固定だし、分かり合えないならチェストしかない。

 スリムな小顔にショットガンを叩き込み、ブレードで斬りつけスタッガー状態に。蹴り飛ばして距離をとったあたりでアイボールが光り輝き、放たれた特大レーザーが見事に狙いを過ち俺の右腕を吹き飛ばした。

 

 

「管制室! ちゃんと援護しろよ!!」

「すっすまない!敵の動きが速くて……」

 

「もうミサイルだけ撃っててくれ!拡散レーザーとか絶対撃つなよ!」

 

『損傷甚大。こっちでリペアキット使うわね』

 

 

 火花を散らしまくる胴体が緊急修復材で補修され、とりあえず爆散する気配は無くなったが、遣る瀬無い気持ちは無くならない。ルビコンには涙を止めてくれるラフメイカーはいないので、辛くても戦うしかないのだ。

 ショットガンと右背部のミサイルが無くなり、補修したとはいえ機体はエラーを吐き出したままだ。こんな状況でブレードで斬りかかる気も起きず、ひたすら左背の四連ミサイルを撃ちながら逃げ回り、アイボール側面にある十連ミサイルで敵機が破壊されるまで逃げ回った。

 

 

「敵機撃破。ストライダーに乗り込んで来た割にフィリクスしか狙わないとは、一体何だったんだ……?」

 

「分からん。コーラルが仲間である俺に惹かれてきた説と、兵器にされてしまった自分を俺に止めて欲しかった説があるが……あと修理費弁償しろよ」

 

「コーラルを動力にした兵器……帥父なら何かご存じだろうか。かつてのルビコン調査技研の作品なのだろうが」

 

 

 ガンスルーされたが、アイボール用のサブジェネレーターにブレードを突き付けながらお話しすることで修理費も報酬に足すと確約させた。

 結局この後は一応警戒状態で待機するも追加は無く、数日が経過し輸送ヘリが物資を運んできて護衛依頼終了となり、そこそこの報酬を貰ってから輸送部隊と一緒にベリウス南部に戻り、いつものアジトに帰宅したのであった。

 

 

 

 

 

「ウィーヴィル?C兵器?よく分からんが……」「だってコーラルが俺に助けてって」「いや全部は飲まないって」「許して」

 

『やはり。通信回線を開かずにこの会話。コーラル変異波形との交信……それも機体名まで知っているのならアイビスの火以前からの生き残りの可能性が高い。そしてコーラルへの執着心……天然の第二、第三条件を満たす者』

 

「コーラルをキメるときはね、誰にも邪魔されず自由で、なんというか救われてなきゃあダメなんだ」「うおォン俺はまるで人間コーラルジェネレーターだ」「味?頸動脈に赤しそサイダーを注射したみたいな味かな」

 

『…………あくまでサブプランにしておきましょう。まずはコーラル変異波形との接触から……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『登録番号 Rb23 識別名 レイヴンによる認証を確認。安否不明状態を解除、ユーザー権限を復旧します。傭兵支援システム「オールマインド」へようこそ。レイヴン、貴方の帰還を歓迎します』

 

「認証は通ったようだな。SG部隊を一蹴できるのならばこの惑星でもやっていけるだろう。早速だが仕事を……その機体はどうした?」

 

「……ガレージに初めからありました。前任者の物と思われます」

 

「そうか、使えるのならば何でもいい。仕事は二つある。どちらを先にするかはお前が選べ」

 

「同時に受けて下さい。グリッドの部隊を掃討後、そのまま汚染市街の砲台を破壊しに行きます」

*1
大金を積むだけでストライダーの上にスカイツリー並みの超巨大可動砲台アイボールを拵えバリアまで付けた超技術集団である。作れそう

*2
IA-05: WEEVIL 名前はゾウムシから。ウォルターが技研の遺産としか言わないので原作では最後まで名前が分からない不憫なヤツ。攻略本で名前が判明した。




ちなみにストライダー君は未使用データだとアイボール3個載せてる上に下部のドリルも動いた模様。

護衛任務の敵が凄い少ないのは原作と違い黒幕の目的が違うからです。この話ではC兵器への反応が見たいだけでストライダーをどうこうする気がなかったので2機でおしまい。でもルビコンだと外で偶然C兵器と出会う可能性が普通にあるっぽいし黒幕とかいない可能性もワンチャンないでもない

そして621ちゃん&ごすずん密航。ガレージの品ぞろえ凄いなー憧れちゃうなー。
てか実際ウォルターは普段どこにいるんですかね……?621ちゃんのガレージにいて偶に出掛けるのか、どっか別の隠れ家から対応してるのか分からぬ。原作だと通信でしか会話して無さそうだし後者っぽいけど本作は近所に住んでる感じでいきます。心配になって頻繁に会いに来い
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