2人の旅行記   作:星火 悠瑠璃

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 初めまして、お久しぶりです。ゆるりです。

 大学で筆を置き、大学院で目を回すうちに、かなりの時間が流れました。
 文章を書けなくなった、と感じたり、勉強が周りよりできない、とも思うようになりました。

 つまり、自分探しの最中のリハビリです。

 そんな拙作…というかそのうちエッセイ判定を受けないか(前科一犯)ヒヤヒヤしておりますが、お楽しみいただければ幸いです。

 では、前置きが長くなってしまいましたが、ごゆるりと。


いつもの

 

 私たちが出会った、否、再会した…のは大学1年の春のことだ。

 

 あの子と私がそれぞれ大学へ向かうためのバスに乗り込んだところ、それぞれの間接的な顔見知り、というか、クラスメートが声をかけてきたのだ。

 

 その時初めて、私たちは互いの存在を知った。そして、どうやら同じ中学の同級生だった、らしい。だというのも、私たちはクラスメートになったことはないのだ。

 それに、私たちそれぞれと1回ずつクラスメートになったという子とすらもあまり仲が良かったというわけでもない。たまたまその子が3年間地元で見かけなかった見知った顔が同時に見つかったから声をかけた、声をかけてから違うタイミングで会ったことのある相手だったことを思い出した、という完全なる偶然の産物だ。

 

 その元クラスメートが声をかけた理由の通り、私たちは2人とも高校は故郷からは離れていたのだが、大学が実家から通えるということで地元に帰ってきたのだ。

 ただし私は隣町の理工系、あの子は故郷の町の中の家とは反対側の文系。

 

 恐らく、今はもう滅多に会わない子の勘違いがなければ、私たちはこうして会うこともなかっただろう。

 

 ほぼ毎日。

 

「お腹、減ったわ。」

 

「私、一限ないんだけど? なんで必要に駆られてない方が早起き間に合ってるの?」

 

「でも、ボクにはあるんだよ。」

 

 女王様と犬かな?

 

 今は私がこの子を町の反対側の大学まで、自家用車で送ったその足で自分の大学へ通っている。電車でも通えるはずの大学には、日によって遅くなるため、ということで申請した。

 

 普段両親は平日の昼間に車に乗らないので、私たちが通学に使っても問題ない。私の通学路の途中に単身赴任中の私の叔母に時折届け物をしたり、預かり物をすることもあるが、それで許されているだけありがたい。

 

 そして、私たちにとって都合がいいのが、金と時間の問題である。バスよりも融通が利いて、電車よりも燃料代が安いのだ。

 

 私に関しては少しばかり他人が苦手なので、1人だけで済むこの状況はありがたい。

 

 さて、それだけならこの子のこの態度はかなり悪い通り越して、最悪。なのだが、勝てないのには訳がある。

 

「ボクが払うから良いじゃない。」

 

「私の心が良くないんだよ。」

 

 理系と文系の違い、それはバイトできる時間の差。もとい、金である。

 

 この子はこれでいて接客から家庭教師まで平日は割とフルでアルバイトをしている。たまに私を紹介してくれることもあるが、配属を希望している研究室だったり、実験授業などの都合で自由になる時間というのはそれほどない。

 

 私はもぎ取った給付型の奨学金と親の脛齧りでなんとか生活している現状なのだ。

 

 しかも、私の服に関してはこの子の趣味の裁縫で半分くらい賄われている。布代とかは支払っているが、労働分が最低賃金に満たない。

 

『試作品だし、リフレッシュになったから』

 

 という言葉で誤魔化されているが、どう考えたってファストファッションよりも安いし、オーダーメイドなので身体にもピッタリ合うのだ。せめてもの情けなのか、どんなに趣味に走ったものでもモノトーンを基調にしてくれているので当たり外れに乏しいのがありがたい。

 

 帽子のリボンは私には可愛すぎるとは思うのだが、童顔だからイケる、という謎の推しに負けた。

 

「…料理、勉強しようかなぁ」

 

「えっ、キミが毎日食べさせてくれるの? 幾ら貢げばいい?」

 

「流石に毎週10食は無理だからね?」

 

「お弁当まで作ってくれるつもりだったの?」

 

 洋食が好きとのことだ(予定調和の敗北)。

 

 さらっと対価を金銭にしようとしていた通り、少なくとも私よりもこの子の方が自分で稼いだお金は多い。

 

 私が強く出られないのも、この通学の燃料代を運転代としてもらっているのだ。流石に自分で食べたものは自分で払っているが、2人ですることはこの子の比重が重かったり、2人でしてもこの子が選んだことだと2人分払ってしまったりする。

 

 なお、私は親からもらっている燃料代は私の財布にプールしているので、どう言い繕っても悪い子である。

 

「今日は塾講師のバイトがあるから拾ってね。」

 

「夜まで研究あったかなぁ…」

 

「じゃあ次の週末の旅行の計画、お願いね。旅行雑誌は二冊くらいなら買えるから。」

 

 そう言って、腹の虫を鳴らしながら大学へと駆け込んでいった。因みにあの子の寝坊によって遅刻スレスレである。

 

 とはいえ、私はあの子と旅に行くことが嫌いじゃない。

 

 

 いつだって、分かち合おうとできる子だ。そりゃ、人間誰とだって少し以上にイラッとすることはある。でも、誰かと比べたり、奪ったりして悦に浸るような人間じゃない。

 

 だから、きっとまだ見ぬことも、あの子とならきっと楽しい。

 





 先日の旅行の最中に私のWALK◽️ANから10年ぶりに発掘した、秘封倶楽部のアレンジを聞いていて、今こうしている旅行がそういう2人旅だったら…

 というのが、今作です。

 蓮メリにしなかったのは、現代なのに東京が荒廃するレベルの未来キャラは…と日和ったからです(身も蓋もない)。
 ただし、「あの子」によって「私」の服装は宇佐美蓮子のスキニーボトムスverみたいな感じです。「あの子」はわかってやってます。隠れてないオタクです。

 2人の性別は明言する予定は(今のところ)ないです。
 genderとs⚫︎xが噛み合う、噛み合わない、は個々人でお好きに楽しんで下さい。(必須タグが数学の場合分け見たくなるからつけたくない。最低でも4通りでうち1通りずつ必須タグが必要になり2通りが必須タグ不要だから…)
「かっこいい」も「かわいい」もs⚫︎xは関係なく、好きでいいし、やって良い。ただ、やるなら中途半端じゃなくて全力で。が作者のスタンスなので、いずれにせよ、全力で似合わせていくのがここの2人のスタンスにもなっています。
 

「私(キミ)」
・理系
・車運転、立案、料理 担当
・かっこいい服装(ケープっぽいマント。暑そう)、かわいい言葉遣い
・2人が楽しい

「ボク(あの子/貴方)」
・文系
・バイト、計画調整、服飾 担当
・かわいい服装(萌え袖標準装備。暑そう)・かっこ良さげな言葉遣い
・2人で楽しみたい



ではそのうち、また。
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