破壊者と幻想の道標   作:鉄線攻種

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前回二話同時投稿だった反動でスンゴイ短いです。短いのはいつものことですが。
バトルもありません。

侑斗が悪い、謝る(第一話ぶり)




第二十話 前略、河童のアジトから

 

 

河童のアジトではにとりを初めとした河童連中とデミタスによる、青い残骸の修復作業が行われていた。

作業を始めてから数時間。日も傾き始めたが、作業は一向に進んでいなかった。手伝いもせず河童と遊んでいたジガキュールたちも戻ってくる。

ちなみにルーミアは作業の手順を理解する行程で失神した。

 

 

1号「進捗はどうだ?」

 

にとり「………あのねぇ」

 

河童1「形だけは直せたんだけど…」

 

河童2「そこで行き詰まってるんだよね」

 

デミタス「これが何なのかも分からないのに、無茶言ってくれるヨ!!」

 

 

河童の技術力と、ジガキュールたちを直してみせたデミタスの力が合わさって尚、この機械は彼らの手に余るものらしい。

それでも大体の形は取り戻しているようだ。残骸だったものは今や青い板状の形へと修復されている。形だけだが。

 

『メモリーメモリ』

 

かつて、とある二人の仮面ライダーを激闘の渦中へと巻き込んだ、地球の記憶の結晶。

その小さなメモリがどれだけ強大な力を秘めているのか、修復作業を続けるにとりたちは知る由もない。

 

 

にとり「いつまたあのトラ男がやってくるか分からないのに…ああ、やだなぁ…」

 

デミタス「愚痴零してる場合じゃないだロ!」

 

3号「〆切迫る、というやつだな!」

 

2号「違うと思うぞ」

 

にとり「あんまり騒がないでよ。こちとら数日前から完徹しっぱなしって時にこんな厄介事持ち込まれて、正直迷惑してるんだから」

 

河童1「私も徹夜明けー」

 

河童2「私だって!」

 

にとり「だったら帰って寝てろ!!」

 

 

にとりの喝が飛ぶ。

コウタへの用事を済ませたらさっさと一眠りしようとしたところにこの騒動。今の精神状態では、油断すると自分も知らない裏の顔が出てしまいそうだった。

 

 

にとり「まったく、こんな時に魔理沙の奴はどこで何をしてるんだろうね?」

 

2号「そういえば見ないな」

 

デミタス「どうせ面倒になって逃げ出したんだヨ」

 

にとり「うーん…私の知ってる魔理沙ならこの状況で逃げ出したりしないと思うけどなぁ…」

 

デミタス「そうなノ?」

 

にとり「多分」

 

3号「当てにならんな!!」

 

 

喋りつつも、作業の手は止めない。

 

まあ、今魔理沙がいても役には立たないか。

 

にとりは自分が吐いた毒に気付くと、頭を小突いて邪念を振り払う。

修復作業はまだまだ続く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

士「………」

 

文「……おっかしいですねぇ。河童の気配がしません」

 

士「本当にここで合ってるのか?」

 

文「当然ですよ。河童のアジトは玄武の沢。常識ですよ」

 

士「俺はこの世界の常識を知らないからな」

 

文「では一つだけ教えてあげます。常識に囚われてはいけませんよ」

 

士「…それなら十分理解してる」

 

 

ガラクの妨害が入りつつも、ようやく玄武の沢の探索に入った二人。

沢には河童どころか人の気配すら感じられなかった。

 

 

士「仕方ない。こうなったら徹底的に───」

 

文「あっ、見つけました!河童の隠し通路!」

 

士「………おい」

 

 

弾けるような笑顔で士に手を振る文。

隠し通路とやらの元へ向かってみると、確かに隠し通路と呼ぶに相応しい抜け道が巨大な岩の下に開いていた。

 

 

文「河童たちはこの先ですよきっと!さあ行きましょう!」

 

士「いいのか? …いいか」

 

 

狭い抜け道を進む二人。薄暗く、無駄に長く、無駄にうねった抜け道を進むこと約二分、ようやく出口が見えてきた。

 

 

文「今更ですけど」

 

士「ん?」

 

文「…あまり前見ないでくださいね」

 

士「? 何故だ?」

 

文「…何でもないです」

 

士「……?」

 

 

文に続いて後ろを進む士。

隠し通路を抜けると、そこは周囲を岩に囲まれた広々とした空間だった。どうやら玄武の沢の数ある洞窟の一つに繋がっていたらしい。奥の方から何やら騒がしい声が聞こえてくる。

 

 

文「当たりですね」

 

士「何か騒がしいが…行ってみるか。文がいるから話がこじれることもないだろう」

 

文「任せてください!」

 

 

文が何故か得意気に胸を張る。

それを適当に受け流しつつ先へ進むと、そこには。

 

 

1号「撤退ッ!!緊急事態だッ撤退しろーッ!!」

 

2号「俺の砲塔がーッ!!」

 

3号「待ってくれ兄だ…ギャーッ!?俺の砲口が何か吹いたー!?」

 

デミタス「痛ッ、ちょ、痛いッ…お、お前ら、いい加減にしろヨーッ!?」

 

河童1「にとりを止めろー!!」

 

河童2「もうやめろにとり!!」

 

士「………」

 

文「………」

 

 

一言で言うならば「惨劇」か。

正体不明の粉やらクラッカーやらを吹き散らす砲塔三つ。

混乱に巻き込まれ蹴飛ばされるデミタス。

虚ろな眼で工具を振り回すにとりと、それを必死に抑える二人のモブ河童。

士と文は現状把握が追いつかずただ呆然と立ち尽くすのみであった。

 

 

河童1「あっ!?貴方たちどうしてここに…」

 

河童2「何でもいいや、こいつ止めるの手伝ってよ!!」

 

 

二人に気付いたモブ河童が助けを求める。

現場のカオスっぷりに、二人は何も言わず手を貸した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にとり「………」

 

1号・2号・3号「「「俺の砲塔…」」」

 

 

ひとまず騒動は収まった。

デミタスがうっかり発射したシークレットメダルがジガキュール3号の砲塔に詰まって暴発したり、目を覚ましたルーミアがみんなで遊んでいると勘違いして乱入してきたりとハプニングは続いたが、何とか収まった。まあ、収まった。

暴走したにとりに砲塔をパーティーグッズに改造されてしまったジガキュール兄弟は、ご愁傷様としか言いようがないだろう。

一休みした後、モブ河童たちから状況の説明を受けた士と文は、ダウンしたにとりと疲れてまた眠りに就いたルーミア、隅っこでうずくまるジガキュール兄弟を尻目に話を続ける。

 

 

河童1「ところで、お二人さんはどうしてここが分かったの?そんで何の用?」

 

文「それがですね…この状況で何なんですが…あの…ホントすいません…」

 

河童2「え?な、何…?」

 

文「このロボット犬の修理を…お願いできたらなーと…」

 

河童1「死ね」

 

文「ええ!?そこまで!?」

 

士「最悪のタイミングだよな」

 

河童2「ホントにね!!」

 

 

今のモブ河童たちの精神状態では、「死ね」なんて暴言が飛び出してしまうのも仕方がない。

どうしたものかと頭を抱える二人の元に、何故かジガキュール1号の砲塔から抜け出してきたデミタスが転がってくる。

 

 

士「デミタス?お前、何故こんなところに…」

 

デミタス「聞かないデ。それよりその修理、僕がやるヨ。僕は疲れてないシ」

 

文「あやややや!?それはもしかしてあの時の銀筒では!?」

 

士「ああ。コイツもロボットだ」

 

デミタス「で、患者はどコ?」

 

文「あっ、こ、こちらです、どうぞ…」

 

士「何でかしこまってるんだ…」

 

 

文がデミタスの前にサツキ丸(仮称)を下ろす。

相変わらず死んだように動かないが、デミタスはそれほど重傷じゃない、とすぐに修理を始めた。

 

 

文「さて…修理が終わるまで暇ですね」

 

河童1「ここには何もないよ」

 

河童2「暇って嫌だねぇ」

 

 

周囲を見回してみてもガラクタばかり。士と文には良さは分からないが、河童にとっては宝の山なのだろう。

ふと、文の視界にある物が映る。引っ張り出してみると、それはオセロ盤だった。

 

 

文「あれ?将棋盤かと思ったのに…何ですかこれ?」

 

河童2「あー、それ私たちにも分からないんだよね。将棋に似たものだとは思うんだけど」

 

士「仕方ない。ルール教えてやるから、これで暇を潰すか」

 

文「知っているんですからい…士さん!?」

 

士「おい、何を言いかけたお前」

 

文「やりましょう士さん!!私は上達の早さでも幻想郷の頂点に立つ天狗ですよ!!」

 

士「………ほう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デミタス「終わったヨー……って何こレ?」

 

河童1「何も言ってやるな」

 

河童2「士さん帰っておいでー…」

 

 

先ほどまでの様子が嘘のように元気になったサツキ丸(仮称)が背中にデミタスを乗せて現れる。

オセロの腕には自信があった士を、ものの十分ほどで追い抜いてしまった文。

その後は目を覆いたくなるような文の連勝の嵐。士は真っ白に燃え尽きていた。ちなみに士の駒は黒だった。

 

 

文「何か…すみません」

 

河童1「謝っちゃだめだ、士さんがさらにみじめになる」

 

河童2「それも言っちゃダメだと思うけどな」

 

???「まったくだらしねぇ男だぜ」

 

士「………」

 

河童1「…え?今の声って誰…?」

 

文「へ?そういえば誰とも知らぬハスキーボイスが…」

 

???「オレだよオレ」

 

デミタス「この犬だネ」

 

文「あ、貴方でしたか。これはどうも失礼しました」

 

 

声の主は、デミタスを背に乗せるロボット犬───サツキ丸(仮称)。

バウ、バウ、と犬らしい鳴き声を漏らしながらも、しっかりと人間の言葉を喋っていた。

 

 

サツキ丸(仮称)「驚かねえんだな」

 

文「この世界では珍しいことではありませんよ」

 

サツキ丸(仮称)「そうか……って、オイ!オレの名前間違ってるよ!オレはサツキ丸なんて名前じゃねえ、スプリンガーだ!」

 

文「誰に言ってるんです?」

 

スプリンガー「気にするな。ったく、丁寧に(仮称)とまで付けやがって…とにかく、オレを直してくれたのは感謝するが、お前らは一体何者だ?」

 

士「門矢士。世界の破壊者だ、覚えておけ」

 

河童2「立ち直り早っ!?」

 

スプリンガー「へぇ、大層な名前じゃねえか。スプリンガーだ、よろしくな」

 

士「ああ…今度はお前のことを教えてもらうぞ、サツキ丸」

 

スプリンガー「そんな味気ない名前で呼ぶな。そうだな……そうだ、相棒とはぐれたんだ。探すのを手伝ってくれないか?」

 

士「はぐれたついでにはぐらかしたなコイツ」

 

 

話を逸らしつつ臆面もなく協力を求めてきたスプリンガーに再び頭を抱える士たち。

スプリンガーはそれがどうしたとでも言わんばかりにこちらを見つめている。

 

 

スプリンガー「相棒が見つかればオレの素性も明かせるってもんだ」

 

士「そこまでして知りたい情報でもないんだがな…」

 

文「また目的ができましたね士さん!!」

 

士「なんで嬉しそうなんだお前は…」

 

文「さあ?」

 

士「……ッ ああ、分かった。探せばいいんだな?」

 

スプリンガー「そうこなくっちゃな」

 

 

スプリンガーが嬉しそうに一鳴きする。

 

 

士「で、探してる相棒とやらの特徴は?」

 

スプリンガー「ああ。赤と青のツートンボディで分かりやすい」

 

士「………何だと?」

 

 

 

 

 

~~~~~

 

 

 

 

 

ガラク「クソッ…あのアマァッ…」

 

 

白蓮に吹っ飛ばされ、撤退を余儀なくされたガラク。

クレストの一室で愚痴を零していると、暗がりからスミィが姿を現した。

 

 

スミィ「んじゃ、交代すっか?」

 

ガラク「あぁ!?んなわけねえだろ…まだやれるぜ俺は…」

 

スミィ「あ、そ。なら私はもう少し暇をもらうぜ」

 

ガラク「もう出番はねえかもな?」

 

スミィ「それに越したことはねーだろうがよ」

 

ガラク「……そうだな」

 

スミィ「んじゃ私は寝るわー。あ、そうだ。もうすぐアレが拝めるかもしれないってよ。楽しみだよな?」

 

 

けけけ、と品のない笑い声を残して、スミィの気配が消える。

ガラクは静止したままのメタルダーとコウタを見遣り、はぁ、とため息を吐いた。

 

 

ガラク「アレ……ねぇ。こちとらそれどころじゃねえっての。何故こいつらはまともに操れない…?一体何がこいつらの洗脳を阻害しているんだ…?」

 

 






ドライブ4話のベガスとキャブにやられて、少し前からシフトカーを集め始めたのですが、これが手に取ってみると想像以上に楽しいんですよね。
このままではドライブドライバーにも手を出してしまいそうです。そんな金ないのに。

念のため言っておきますが最後の「アレ」は、ハリケンジャーの「アレ」とは無関係です。
シュリケンジャーも出しちゃったし念のため、ね?
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