破壊者と幻想の道標   作:鉄線攻種

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仮面ライダーエイジ登場!

それだけです!!




第二話 獅子奮迅

 

 

コウタ「ここだ、さあ入ってくれ」

 

士「ひどいオンボロガレージだな…」

 

カイト「文句があるなら出ていけ」

 

 

コウタ、カイト、ミツザネに案内され彼らの拠点である廃ガレージに案内された士。

着いて早速悪態をつく士に苦笑しながら、コウタが椅子を差し出す。

 

 

士「……どうでもいいが、俺を怪しまないのか?」

 

コウタ「あんた、オーバーロードの仲間じゃないんだろ?そういうことだよ」

 

士「今は猫の手も借りたい状況ってわけか」

 

ミツザネ「そういうことです。あなたが何者かは知りませんが、手を貸してくれるのなら心強い味方です……この世界を救うために」

 

カイト「寝首をかかれても、俺は知らんぞ」

 

ミツザネ「まあまあ…それで、何から話しましょうか」

 

士「まずは……この世界のことだ。何故こんな有様になってる?」

 

 

士が一番に聞き出したかったことは、何故この世界がヘルヘイムの植物に侵略されているのか、ということ。

その問いに、コウタとミツザネは表情を曇らせる。

 

 

コウタ「…負けたんだ。オーバーロードに」

 

士「負けた、だと?」

 

ミツザネ「数年前のある日、僕たちの世界に突如インベスが現れました。どういうわけか世界規模ではなく、この街だけに、です」

 

コウタ「あっ、そうだ。インベスとオーバーロードってのはな…」

 

士「オーバーロード。あのニワトリとカメみたいな知性を持った怪物のことだろ?で、インベスは周りにいた知性の低い奴ら」

 

ミツザネ「その通りです」

 

士「続けてくれ」

 

ミツザネ「はい……そして、通常の兵器が通用しないインベスに対抗するために、戦極凌馬という男が『戦極ドライバー』を開発しました」

 

コウタ「このベルトのことな」

 

士「知ってる」

 

コウタ「…なんか俺にだけ冷たくない?」

 

ミツザネ「続けます。開発された戦極ドライバーは、戦極凌馬の指名で選ばれたこの街の人間に託されました」

 

カイト「俺たちビートライダーズ結成の瞬間ってわけだ」

 

士「…なんだ、空気になりたくなかったのか?」

 

 

会話に割り込んできたことを小馬鹿にするように笑う士を、カイトは身を乗り出して睨みつける。

 

 

カイト「貴様…」

 

コウタ「よせカイト!士、あんたも人を怒らせるようなこと…」

 

士「ミツザネ、続けてくれ」

 

コウタ「やっぱり俺にだけ冷たい!なんで!?」

 

 

困惑するコウタを気にかける様子を微塵も見せず、士は話の続きを催促する。

 

 

ミツザネ「で、では続けますね。えーと…どこまで話しましたっけ?」

 

士「蔵間カイトの自己顕示欲の深さについて」

 

ミツザネ「ああ、そうそう、それで…」

 

 

 

バンッ!!

ガシャーン!!

 

 

 

ミツザネ「いい加減にしろおおおぉぉっっっ!!」

 

 

 

 

 

コウタ「ミッチがキレた……」

 

 

士の態度に我慢の限界を迎えたミツザネが、囲んでいたテーブルを蹴り飛ばした。

テーブルは綺麗な放物線を描き、ガレージの窓を突破。ガラスが割れ破片が飛び散る耳障りな音が響く。

 

 

士「…サッカー選手でも目指してるのか?」

 

 

動じることなく、むしろどこか冷めた目でそうツッコむ士。

 

 

カイト「おい、マズいことになったぞ」

 

コウタ「え?」

 

カイト「このガレージにインベスが集まってきた」

 

 

割れた窓から外を眺めるカイト。

どうやらミッチの無回転シュートによって窓が砕け散る音でインベスが集まってきてしまったようだ。

 

 

士「やれやれ、面倒なことになったな」

 

コウタ「誰のせいだよ!?」

 

ミツザネ「カイトさん、もうバレているんですか?」

 

カイト「………」

 

 

窓の外から視線を外さないままで何も答えないカイト。

彼の視線の先にいたのは…多数のインベスを従えこちらを睨みつける桃色のサンゴに似た怪物だった。

 

 

怪物「…ココニ居タカ、猿ドモ」

 

ミツザネ「まさか、オーバーロード……」

 

士「隠れていても仕方ないみたいだな」

 

コウタ「ああもう!あんたメチャクチャだよ!」

 

 

四人はガレージを飛び出しオーバーロード、インベス軍団と対峙する。

 

 

《KAMEN RIDE…》

 

《オレンジ!》

《バナナ!》

《ブドウ!》

《ロック・オン!》

 

士&コウタ&カイト&ミツザネ「「「「変身!」」」」

 

《DECADE》

 

《ソイヤッ!オレンジアームズ!花道 オンステージ!》

《カモン!バナナアームズ!ナイト・オブ・スピアー!》

《ハイーッ!ブドウアームズ!龍・砲・ハッハッハッ!》

 

 

変身完了した鎧武、バロン、龍玄はインベス軍団に突っ込んでいく。

ディケイドは襲いかかってきた数体のコウモリインベスを軽くいなすと、サンゴの怪物にライドブッカー・ソードモードを向けた。

 

 

ディケイド「お前もオーバーロードとやらか?」

 

デョムシャン「我ガ名ハ、デョムシャン!下等ナ猿ドモ、貴様ラヲ殺ス名ダ、覚エテオケ!」

 

ディケイド「お前はニホンゴ話せるのか。律儀な奴だ、ならこっちも教えてやる。俺は…通りすがりの仮面ライダーだ!覚えておけ!」

 

 

オーバーロード・デョムシャンのサンゴを象った禍々しい棍棒とディケイドのライドブッカー・ソードモードがせめぎ合い、火花を散らす。

 

 

鎧武「カイト、無茶すんな!」

 

バロン「もう油断などするか!」

 

 

バロンがバナスピアーで襲い来る初級インベスを薙ぎ払い、デョムシャンと戦うディケイドを押しのける。

 

 

ディケイド「カイト!?」

 

バロン「こいつは俺が倒す!貴様は手を出すな!」

 

 

バロンのバナスピアーがデョムシャンの肩をかすめる。

その一撃を受けたことで、デョムシャンの標的は完全にバロンに向いた。

 

 

ディケイド「…どうしたんだ、あいつ」

 

龍玄「さっきの一件をまだ引きずってるみたいですね」

 

鎧武「士もそうだが、あいつもあいつで厄介な奴だよ」

 

 

バロンの怒涛の連続攻撃にデョムシャンは押されていく。

血が上ったらしいデョムシャンは勢いの乗った棍棒による強烈な一撃を放ち、バロンはその攻撃をバナスピアーでは受け止めきれずに弾き飛ばされた。

 

 

デョムシャン「我ヲ、倒ス?貴様ガ?倒サレルノハ、貴様ダ!我ガ殺ス!」

 

バロン「ぐっ…なら、こいつだ!」

 

《マンゴー!》

《ロック・オン!》

《カモン!マンゴーアームズ!ファイト・オブ・ハンマー!》

 

 

バロンはマンゴーアームズとなり、バナスピアーに代わり装備されたメイス・マンゴパニッシャーでデョムシャンに反撃する。

パワーの増した攻撃に、デョムシャンも一瞬焦りを見せた。

 

 

デョムシャン「ヌッ…貴様……!」

 

バロン「貴様に本当の強さというものを思い知らせてやる!」

 

 

マンゴパニッシャーと棍棒がぶつかり合う鈍い音が、乱れたリズムで響く。

衰えるどころか逆に勢いを増していくバロンの猛攻に、デョムシャンは手も足も出なくなっていた。

 

 

デョムシャン「グ、ヌ、ヌオオォッ……」

 

バロン「これで終わりだ!」

 

《カモン!マンゴーオーレ!》

 

 

バロンがブレードを二回倒し、必殺技《パニッシュマッシュ》を発動。

ハンマー投げの要領で投擲したマンゴパニッシャーはデョムシャンに直撃し吹き飛ばした。

 

 

デョムシャン「アファビリェ…!!」

 

バロン「まだ立ち上がるのか…!」

 

 

パニッシュマッシュの一撃を耐え切ったデョムシャンは、数体のインベスを呼び出すとその場から逃走した。

 

 

バロン「待て!!」

 

龍玄「カイトさん!?」

 

鎧武「おい、お前が待て、カイト!!」

 

 

デョムシャンを追って駆け出したバロンを止めようとする鎧武と龍玄だったが、インベスに行く手を阻まれてしまう。

 

 

鎧武「くそ、あいつ一人で…!」

 

ディケイド「今は、それどころじゃ…ないだろッ!」

 

 

ディケイドがライドブッカー・ソードモードで初級インベス数体を斬り捨てる。初級インベスはあえなく爆散した。

鎧武、龍玄もインベスたちを倒していくが、一向に数が減らない。

 

 

ディケイド「このまま一気に蹴散らしてやる!」

 

《KAMEN RIDE…》

《FAIZ》

 

《FORM RIDE…》

《FAIZ ACCEL》

 

 

仮面ライダーファイズにカメンライドし、続いてアクセルフォームとなったディケイドファイズは左腕のファイズアクセルを起動させる。

 

 

《START UP》

 

ディケイドファイズ「いくぜ」

 

《FINAL ATTACK RIDE…》

《FA FA FA FAIZ》

 

 

鎧武と龍玄からすれば一瞬の出来事だった。

インベスたちの頭上に真紅色の円錐が現れたかと思えば、気付いた時には既にインベスの大群が爆散し消え去っていた。

 

 

《TIME OUT》

 

 

鎧武「あんた、何をしたんだ…?」

 

ディケイド「ちょっとした手品さ」

 

龍玄「答えになってない気がしますが…とにかく、今はカイトさんを追いましょう」

 

 

三人は頷き合うと、デョムシャンの逃げて行った方へと走り出した。

 

 

 

 

 

~~~

 

 

 

 

 

デョムシャン「アファ、ビリェ…アファビリェ…!」

 

 

バロンに敗れ、満身創痍で足を引きずりながら逃げ惑うデョムシャン。その瞳には明確な「復讐」の炎が宿り、燃え盛っていた。

うめき声を漏らしつつユグドラシル・タワーへ向かう彼の前に、二人の男が現れる。

 

 

少年A「見つけたよ、オーバーロード」

 

少年B「ここから先は通さないぜ!」

 

デョムシャン「…デェンゴミョファン……ドケ、猿ドモ!」

 

 

男の正体は二人とも若い少年だった。

行く手を阻まれたデョムシャンは棍棒を構え、二人に襲いかかる。

 

 

少年A「悪いけど、退くつもりはないね」

 

少年B「世界を救うためにもな!」

 

《ドングリ!》

《マツボックリ!》

 

二人「「変身!」」

 

《カモン!ドングリアームズ!ネバーギブアップ!》

《ソイヤッ!マツボックリアームズ!一撃 イン・ザ・シャドウ!》

 

 

二人の少年は戦極ドライバーで仮面ライダーグリドン、仮面ライダー黒影へと変身した。

 

 

グリドン(少年A)「俺らでも、手負いのお前ぐらいなら倒せるかもな」

 

黒影(少年B)「アーマードライダー黒影!容赦しないぜ!」

 

デョムシャン「ホザケ…猿ドモ…!」

 

 

グリドンは小型ハンマー・ドンカチを、黒影は長槍・影松を振りかざしデョムシャンに立ち向かっていく。

 

 

デョムシャン「手負イデモ…貴様ラゴトキィ……!!」

 

黒影「やってみろ!」

 

 

デョムシャンが振り下ろした棍棒を簡単にかわした黒影が影松で反撃する。

怯んだ隙を突いてグリドンがデョムションの腹部にドンカチをアッパースイングで叩き込む。

 

 

デョムシャン「ガアァッ!」

 

黒影「いくぜ!」

 

《ソイヤッ!マツボックリスカッシュ!》

 

 

大きく打ち上げられ無防備に宙を舞うデョムシャンに黒影の《影縫い突き》が炸裂し、地面に叩きつけられた。

 

 

デョムシャン「グ、ガ、アァ…!」

 

グリドン「タフだなあ。でも、そろそろトドメを…ぐあッ!?」

 

黒影「おい!?グリド…があッ!」

 

 

デョムシャンを追い詰める二人のライダーに、突如謎の影が襲いかかった。

奇襲を受けた二人は吹っ飛ばされ、壁に激突する。

 

 

黒影「な、何だ…!?」

 

グリドン「新手か!?」

 

 

立ち上がった二人が見たものは、無表情でこちらを見つめる大男の姿だった。

 

 

大男「………」

 

黒影「に、人間!?」

 

グリドン「何でこんな場所に!おいあんた、早く逃げろ!」

 

 

大男に駆け寄るグリドン。だが大男は近寄ってきたグリドンを殴りつけた。

ベルトの力で強化されているにも関わらず、グリドンは凄まじい勢いで吹っ飛ばされる。

再び壁に叩きつけられたグリドンは変身が解除され、倒れこんだ。

 

 

黒影「なっ!?くそっ、何すんだこいつ…!」

 

グリドン「おい、よせ…」

 

 

大男に向かって影松を振り下ろす黒影。大男はそれを片手で受け止めると、黒影の首を鷲掴みにし、思い切り投げ飛ばした。

 

 

黒影「ぐああぁーっ!!」

 

グリドン「だ、大丈夫か…!?」

 

 

黒影も変身を解除された。

大男は倒れ伏す二人を気にも留めず、デョムシャンの方へ向かっていく。

 

 

デョムシャン「…キ、キサマ…何者……」

 

大男「………」

 

 

大男はデョムシャンを相変わらずの無表情で見下ろす。見下ろすだけで、特に何かしようともしなかった。

 

 

グリドン「あいつ、何を…」

 

カイト「木島!相原!」

 

 

と、そこにデョムシャンを追ってきたカイトが現れた。

カイトは横たわる木島、相原というらしい少年に駆け寄る。

 

 

木島「カイト…」

 

相原「気をつけろ、あいつ…なんかヤバいぞ…!」

 

カイト「何?あいつはデョムシャンと…誰だ?」

 

大男「………」

 

 

大男はカイトを一瞥すると、また視線をデョムシャンに戻す。

まるで虫でも見るかのように、大して気にも留めていない大男の様子に、カイトの闘争心が掻き立てられる。

 

 

カイト「あいつ……俺が!」

 

木島「待て、カイト…何か様子がおかしい…!」

 

 

木島の指差した方を見ると、何やら空間が歪んでいる。

歪みはだんだんと広がっていき、やがて一つの黒いクラックとなった。

 

 

カイト「クラックだと?オーバーロードか…!?」

 

 

 

 

 

???「違うな…これはクラックではない。『ホール』と呼ぶものだ」

 

 

 

 

 

カイト「…ッ!」

 

 

突如聞こえてきた低くくぐもった声。その主は黒いクラック…いや、ホールから現れた男のものだった。

獅子のたてがみを思わせるたくましい金髪に無精髭を生やした中年の男。

カイトはその男が醸し出す「強者」のオーラに、恐怖すら覚えていた。

 

 

カイト「貴様…何者だ?」

 

シシガケ「俺の名はシシガケ。いずれ全ての世界を手に入れる者だ」

 

 

シシガケは控えていた大男を押しのけると、息も絶え絶えで横たわるデョムシャンの前に立つ。

 

 

デョムシャン「ナ、何ヲ…」

 

シシガケ「少し面倒な体質でな…貴様の闇、喰わせてもらうぞ」

 

デョムシャン「グアァッ…アアアアアアアァァァァッ!!」

 

 

シシガケは右手をデョムシャンに翳す。

するとデョムシャンからどす黒いエネルギーのようなものが放出され、シシガケの右手に文字通り『吸い込まれて』いく。

その間、デョムシャンは悲痛なうめき声を上げ続ける。

やがて黒いエネルギーが放出されなくなると、そこにはもうデョムションの姿はなくなっていた。

 

 

木島「喰った…のか…!?」

 

相原「何て奴だ…」

 

 

眼前の光景に驚愕する三人。

 

 

シシガケ「いくぞ、コテツ」

 

コテツ「………はっ」

 

カイト「…待てッ!!」

 

 

コテツ、というらしい大男を連れて引き上げようとするシシガケを引き止めたのは、カイトだった。

 

 

シシガケ「…何か用か、坊主」

 

カイト「俺と戦え!」

 

木島「っ、おい、カイト!?何を…!」

 

シシガケ「ほう?」

 

 

シシガケは歩みを止める。

振り返ったその顔は、意外そうな、だがどこか楽しそうな表情をしていた。

 

 

シシガケ「いつ振りだ?俺に面と向かって勝負を挑んできた奴は」

 

コテツ「………覚えておりません」

 

カイト「何を話している…俺と戦え!変身!」

 

《バナナ!》

《ロック・オン!》

《カモン!バナナアームズ!ナイト・オブ・スピアー!》

 

 

カイトはバロンに変身し、シシガケにバナスピアーを向ける。

 

 

シシガケ「コテツ、遊んでやれ」

 

コテツ「………はっ」

 

 

シシガケに命じられ、コテツが前に出る。

コテツは低い唸り声とともに、トラのような怪人の姿に変身した。

 

 

バロン「こいつ、インベス…!?いや、オーバーロードか!?」

 

コテツ「………」

 

シシガケ「ハズレだ。俺たちは俺たちで…いや、知らなくていい事か」

 

 

バロンはトラ怪人となったコテツと対峙する。

 

 

シシガケ「お前がどれほどの力の持ち主なのか、見せてもらおうか」

 

バロン「望むところだ!」

 

 

バロンとコテツが飛び出したのはほぼ同時だった。

バロンのバナスピアーとコテツの鉤爪がせめぎ合い、金属音を立てる。

バナスピアーがコテツの頬をかすめる。コテツはバナスピアーを掴むと思い切り引き寄せ、バロンの腹に強烈な一撃を叩き込んだ。

 

 

バロン「があッ…!」

 

 

吹っ飛ばされたバロンは何とか体勢を持ち直し、コテツに躍りかかる。

 

 

バロン「負けるか…!」

 

コテツ「………」

 

 

コテツはバナスピアーを弾きながら後退し、バロンが焦りを見せた一瞬の隙を突いて鉤爪で切り裂く。

何度膝をついても立ち向かってくるバロンに、コテツもどこか押され気味だ。

 

 

バロン「うおおおぉぉっ!」

 

《カモン!バナナスパーキング!》

 

 

バナスピアーをコテツに向け構えをとるバロン。コテツもそれを迎え撃つ体勢をとるが…

 

 

???「ムール!」

 

バロン「なっ!?」

 

コテツ「…ッ!!」

 

 

突如戦闘に割り込んできた赤い影。影はバロンとコテツを弾き飛ばした。

影はだんだんと形を作っていき、一体の怪人となる。

 

 

木島「あいつは…たしか、オーバーロードの…」

 

バロン「デェムシュ…!!」

 

 

デェムシュ、というらしい赤いオーバーロードはバロンに剣を向ける。

 

 

デェムシュ「屈辱見過ゴセヌ!貴様ラ、ココデ殺ス!」

 

 

デェムシュが満身創痍のバロンに斬りかかる。

もはや避ける気力もないバロンはデェムシュに打ちのめされていき、やがて変身が解除された。

 

 

相原「カイト!」

 

木島「ぐっ、今、助けに…」

 

 

木島と相原も助けに入ろうとするが、体が言うことを聞かない。

 

 

木島「がっ、くそっ、このままじゃカイトが…」

 

シシガケ「貴様らは、見ているがいい…」

 

相原「なっ!?」

 

 

二人を制したのはシシガケだった。

シシガケはコテツを押しのけると、デェムシュとカイトの間に割って入る。

 

 

カイト「貴様、な、何を…」

 

シシガケ「コテツ。こいつを下がらせろ」

 

コテツ「………はっ」

 

 

コテツは言われた通り、カイトを抱えて退避する。

 

 

デェムシュ「貴様、何者ダ!邪魔ヲスルナ!」

 

シシガケ「久々にいい娯楽を見れると思ったのだが……俺は、邪魔されるのが嫌いでね」

 

《エイジ!》

 

相原「あ、あれは…!」

 

木島「戦極ドライバーに、ロックシード!?何で、あいつが…」

 

 

シシガケは腰に戦極ドライバーを装着し、ロックシードを解錠する。

頭上にホールが開き、そこから禍々しい怪物を模したマスクが降りてくる。

 

 

《ロック・オン!》

 

 

ブレードを倒すと、ギターのような電子音声が鳴り響きマスクがシシガケに装着されアーマーとなる。

そしてシシガケは「仮面ライダーエイジ」への変身が完了した。

 

 

カイト「その力、一体どこで…」

 

エイジ「企業秘密」

 

 

それだけ答えると、エイジは握られた身の丈ほどもある大剣でデェムシュに斬りかかる。

デェムシュは剣で受け止めるが、エイジの力に圧倒されていく。

 

 

デェムシュ「ナッ…コノ、力…!」

 

エイジ「驚いたか?お前より強いんだよ、俺は」

 

デェムシュ「ルデュオン、シュイブリョフォ!!」

 

 

デェムシュが赤い流動体となりエイジを拘束する。

だがエイジは動じることなく、エイジロックシードを取り外し側面のスイッチを押し、再び装填する。

 

 

《ディケイド!》

《ロック・オン!》

《ディケイドアームズ!破壊者 オンザロード!》

 

 

ディケイドアームズとなったエイジ。

アームズチェンジの際の衝撃でデェムシュは弾き飛ばされた。

 

 

カイト「その姿…ディケイド…!?」

 

エイジ「その通り。こいつはさすがの有名人だな」

 

 

エイジはそれだけ返すと、ライドブッカー・ソードモードを振りかざしデェムシュの放った火炎弾を打ち払う。

 

 

エイジ「ぬるい火の玉だ」

 

デェムシュ「アファビリェ…!!」

 

 

逆上するデェムシュの猛攻を、難なく捌いていくエイジ。

ライドブッカーでデェムシュに一撃を加えると、エイジは再びアームズチェンジする。

 

 

《BLACK RX!》

《ロック・オン!》

《BLACK RXアームズ!サン・オブ・ザ・サーン!》

 

 

ライドブッカーが消滅し、代わりにリボルケインが現れる。

発光するリボルケインがデェムシュを捉え、その一撃が腹を貫いた。

 

 

エイジ「はあっ!」

 

デェムシュ「ガアァッ…」

 

 

リボルケインのエネルギーがデェムシュに注ぎ込まれ、彼を苦しめていく。

 

 

デェムシュ「グ、ヌアァッ!」

 

 

再び流動体となりリボルケインから脱出するデェムシュ。だが彼は既に限界を迎えようとしていた。

 

 

エイジ「次はこいつだ」

 

《王蛇!》

《ロック・オン!》

《王蛇アームズ!ミスターマーダラー!》

 

 

今度はベノサーベルを手にしたエイジの連続攻撃が、デェムシュを追い詰めていく。

 

 

デェムシュ「グガ、アァ…シェ、デョミョ…!!」

 

エイジ「トドメといくか」

 

《王蛇スパーキング!》

 

 

戦極ドライバーのブレードを三回倒すと、どこからともなく紫色の大蛇「ベノスネーカー」が現れ、エイジの背後を追走する。

エイジがバック宙で飛び上がり、ベノスネーカーが毒液を発射。その勢いで放つ必殺技《ベノクラッシュ》がデェムシュに直撃した。

 

 

デェムシュ「メジャミム…!!コンナ、猿ニ…グ、グアアアァァッ──」

 

 

悲鳴と共に爆散するデェムシュ。

エイジは既に興味を失っているかのように、それを見届けることもなく変身を解除してホールへと向かっていた。

 

 

カイト「ま、待て…!」

 

シシガケ「ああそうだ。お前、なかなかいいものを持ってるな。また会う時が楽しみだ…コテツ、いくぞ」

 

コテツ「………はっ」

 

 

コテツは抱えていたカイトを無造作に離すと、シシガケに続いてホールの中へと消えていった。

 

 

木島「何だったんだ…あいつら…」

 

相原「助かったんだよな…?俺たち…」

 

カイト「………」

 

 

ホールの消えた跡を呆然と眺めるだけの三人。

そこにカイトを追ってきた士たちがやって来たのは二、三分後のことだった。

 

 

 

 

 

~~~

 

 

 

 

 

「…なるほど。仮面ライダーエイジ、ねえ……」

 

 

カイトたちと合流した士、コウタ、ミツザネは別の拠点を目指して歩みを進めていた。

その道中で士はこの世界のこと、そしてカイトたちが出会ったシシガケなる男のことを聞いた。

 

 

戦極凌馬に選び出された人間たちで結成されたレジスタンス・ビートライダーズ。

葛城コウタ、蔵間カイト、冴羽ミツザネ、そしてグリドンに変身する木島ヒデヤス、黒影に変身する相原リョウジ…彼らもその一員であるということ。

ビートライダーズは沢芽市の各所に拠点を作り、そこに市民を避難させ、オーバーロードと戦っている。

士が招き入れられたガレージは拠点というよりも簡易的な小休憩所といったものらしい。

人類とオーバーロードの戦いは一年以上続いており、外部との連絡手段が途絶えた今、沢芽市の外の世界がどうなっているのかも分からない。

ここ数ヶ月はオーバーロード勢に押され気味だったが、士の協力で勢いを巻き返すどころかオーバーロードを倒し世界を救う兆しすら見えてきたという。

 

 

士「オーバーロードを倒し、この世界を救う…それが今回俺のするべきこと、か。スケールのでかいこった」

 

 

本当にそうなのか?

 

士は深いため息をつくと、ビートライダーズの拠点を目指すその歩みを速めた。

 

 

 

 

 

~~~

 

 

 

 

 

一方、とある神社の縁側。

ラクダ色ジャケットの青年と白黒金髪少女は相も変わらず縁側で駄弁っていた。巫女の少女の姿はない。

 

 

「…よくないなぁ、実によくない」

 

「何だよ、突然」

 

「ぬ・す・み・ぎ・き。降りてきなよ、泥棒さん」

 

 

青年がそう言い終えてから数秒の間の後、屋根の上から赤い短髪に青い瞳を持った端正な顔立ちの美女が飛び降りてくる。

 

 

「あらら、バレてたって感じ?いつから?」

 

「最初からさ。でも残念、何も盗み聞きされるような会話はしていないよ」

 

「そりゃそーでしょーね。君の性癖なんて知ったこっちゃないもん」

 

「そんな話してたっけ?」

 

「…で?僕に何か用かな?」

 

 

女性は青年を上から下までまじまじと睨めつけると、うーんと何か考えるような素振りを見せてから口を開いた。

 

 

「なーんかつまらない、って感じ。なんでボスはこんなの気に入ったのかなー」

 

「失礼だね。初対面の相手にいきなりつまらない、だのこんなの、だの」

 

「だって微塵も面白みを感じられないんだもん。まー、一応聞いておこうかなー。ねえ、海東大樹…いや、仮面ライダーディエンド」

 

大樹「…何故、そのことを」

 

「いいのいいの、気にしない気にしない。んで、ひとつお願いね。君…“私たち”の仲間にならない?」

 

大樹「僕は誰にも縛られない。覚えておきたまえ」

 

「荒縄には縛られるのに?」

 

「えっ」

 

大樹「やめてくれないか、くだらないデマを流すのは」

 

 

青年──海東大樹の様子が一気に不機嫌なものになる。

 

 

海東「今度は僕が質問をする番だ」

 

「やっぱつまらないわー。んじゃ、もーいいや。帰る!」

 

海東「待ちたまえ!話はまだ──」

 

「そうだぜ。お前、名前ぐらい名乗っていけよ」

 

 

少女の言葉に、赤髪の女性は去る足の踵を返す。

 

 

「名前?私の名前は火室(かむろ)怜雄(れお)よ。またの名を───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仮面ライダーディライト。君たちと同じ通りすがりの仮面ライダー……って感じ?」

 

 






リマジなのでコウタたちの性格を少しイジってます。カイトは力に執着してませんし、ミッチも闇堕ちしません。
プロフェッサーこと戦極凌馬は「戦極ドライバー」の開発者なので、リマジでも名前は変えずそのままにしてあります。
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