最近僕の周囲でどんよりが多発してます(更新頻度的な意味で)
士「ん?あれは……」
霊夢の案内で、謎の勢力によって占拠されたという紅魔館へ向かう士たち。
その道中訪れた霧の湖で、メタルダーとスプリンガーを目撃した。
霊夢「あの人、昨日の…」
コウタ「おーい!!メタルダー、スプリンガー!!」
コウタの呼びかけで気が付いたメタルダーとスプリンガーが振り返る。
振り返った、その表情。表情など微細な変化も生じないはずのロボットから、士は哀愁を感じ取った。
士「…泣いていたのか、お前」
士の台詞に誰もが目を丸くする。その台詞を理解できない、とでも言いたげに。
だが誰よりも驚いていたのは、メタルダー本人だった。
メタルダー「……それは…一体、どういう意味だ…?」
士「そんな表情をしていた……ような、気がしただけだ」
ふっ、と鼻を鳴らす士に、相変わらず戸惑い狼狽えるメタルダー。
スプリンガーは何も言わなかったが、尻尾を左右に振って士の周囲を跳ね回っていた。
メタルダー「だが、泣く、なんて…今の僕には…」
士「気にするな。そう見えただけだからな」
霊夢「あ、でも少し分かるわ。うまく説明はできないけど、なんだかそんな感じがする」
メタルダーの顔を覗き込みまじまじと眺めていた霊夢がそう呟く。
コウタ「ええ?ま、マジで…?ルーミア、分かるか?」
ルーミア「お腹へった!」
コウタ「それ以前の問題だった!!」
士「…で、お前はこんなとこで何してたんだ?」
メタルダー「…僕はこれから、博麗神社というところへ向かう途中だったんだ」
霊夢「私の神社に何の用?」
「博麗神社」というワードが出たので、霊夢が士を押しのけメタルダーに尋ねる。
メタルダー「元の世界へ帰る方法を教えてほしいんだ」
士「何だ、もう帰るのか?」
スプリンガー「すぐには帰らねえよ。この幻想郷のどっかに潜んでるネロスの残党を倒すまではな!」
士「なら、今は俺たちについてこい。これから怪物に占拠された紅魔館を解放しに行くところだ。そいつらがネロスとやらかもしれないぜ?」
メタルダー「何?それは本当か…!?」
コウタ「行ってみなきゃ分からないけどな」
たとえネロスでなかったとしても、誰かを守れる、救えるのなら。
メタルダーの心は既に決断を下していた。
メタルダー「…分かった。僕も一緒に行こう」
スプリンガー「ネロスだろうがそうじゃなかろうが、懲らしめてやるぜ!」
士「上等」
士の返答に、スプリンガーはああそうだ、と付け足す。
スプリンガー「これからこいつのことは流星と呼んでやってくれ。こいつの本当の名前だからな」
メタルダー「スプリンガー…いや、しかし…」
コウタ「おう、いいぜ。よろしくな、流星!」
戸惑うメタルダーにはお構いなしに、コウタが右手を差し出す。
数秒迷っていたメタルダーもやがてひとつ頷き、握手に応じた。
メタルダー「……ああ、よろしく」
士「んじゃ、霊夢。引き続き案内よろしく」
霊夢「…前から思ってたけど、なんで上からなのかしら…?」
コウタ「なあ、今更だけど海東は?慧音んちまで一緒だったよな…?突然消えるなんて…いや、置いてきちまったのか…?」
士「いつものことだ、気にするな」
霧の湖を迂回すること小一時間。
ようやく辿り着いた紅魔館は、文字通り血のように紅いお屋敷であった。
門前に並ぶ士たち。門の横では赤い髪のチャイナ服の女性が鼻提灯を膨らませて気持ちよさそうに眠っているが、誰も気にとめていなかった。
コウタ「紅ッ!!」
士「目が痛くなりそうだな…」
メタルダー「あまりいい趣味とは思えないな…」
さっそく低評価を押し付ける三人。
霊夢は一人でずんずん進んでいく。
霊夢「さー、さっさととっちめて帰るわよ!!」
ルーミア「霊夢がやる気だ!珍しい!」
スプリンガー「おい、門が開きっぱなしじゃねえか。不用心だなぁ」
門を過ぎ、庭園を進む一行。に、背後から迫るズドドドド、という轟音。
瞬間的に士が身を捻って横へ跳ぶ。刹那、標的を外した鋭い飛び蹴りが突き抜けていった。
士「な、何だッ!?」
士たちの眼前に綺麗なフォームで着地したのは、先ほど門の横で眠っていたチャイナ服の女だった。
チャイナ服の女は拳を構えて士たちと対峙する。
霊夢「
霊夢の言葉に美鈴、というらしい女ははん、と鼻を鳴らす。
美鈴「それはこっちの台詞です!!霊夢さんはともかくこんな珍妙な集団を紅魔館に入れるなど、門番である私が許さない!!」
士「こいつ門番だったのか」
コウタ「門番が寝るなよ」
メタルダー「職務怠慢、というものではないのか?」
スプリンガー「てかもう入ってるしな」
美鈴「まだ庭園だからセーフです!!」
何故かドヤ顔でそんなことをのたまう美鈴。前半三つは聞き流したようだ。事実、急に汗だくになり構えが緩んでいる。
どうやら何ひとつ現状を把握できていないらしい。霊夢はここ最近で最も深いため息を吐いた。
霊夢「はあ、あんたは相変わらずねえ…何も知らないの?紅魔館が今どうなってるのか」
美鈴「? 何のことです?」
霊夢「……あんたそんなんでよく門番やってられるわね?」
さすがに呆れ果てた霊夢に、美鈴も体勢を崩した。
美鈴「一体何の話です?紅魔館は私がずっと守っていましたよ?」
ルーミア「寝てたじゃん」
美鈴「寝てません!仮眠ですッ!!」
コウタ「同じだよッ!!」
美鈴「全然違います!!私のいう仮眠とは短時間ガッツリ眠るというわけではなく、こう、異変を感じとればすぐさま目を覚ますように…」
コウタ「遅かっただろ!!ガッツリ侵入されてるだろ!!」
士「……漫才やってる暇があるのか?」
メタルダー「士の言う通りだ。紅魔館を解放するのだろう?」
二人の言葉で美鈴とコウタははっと我に帰る。
落ち着きも取り戻し、美鈴がようやく本題に入った。
美鈴「…それで、紅魔館は一体?」
霊夢「怪物に占拠されたんだってさ」
美鈴「はあ、怪物に占拠ですか。なるほど、そんなことが………
大変だァーーーッ!!?!?」
コウタ「ホント遅いなこの人!!」
美鈴「ほ、ほ、本当なんですか霊夢さん!?」
肩を鷲掴みにして揺さぶってくる美鈴に、霊夢は鬱陶しそうに返す。
霊夢「それを今から確かめに行くところよ…」
美鈴「あああ、こうしちゃいられない!!お嬢様ーッ!!この紅美鈴、直ちに参りますッ!!」
そう叫びながら紅魔館へと突入していく。
霊夢は美鈴に掴まれて痛む肩をぐるぐると回して、もはや何度目かも分からないため息を吐いた。
霊夢「……何でこんな連中助けないといけないのかしら?」
士「霊夢…俺もそう思う」
内部から響いてきた紅美鈴の奇声を聞きながら、士たちは紅魔館へ踏み込んだ。
~~~~~
───
─────
───────
大丈夫、あなたは強い子だから。
仮面ライダーディライト───火室怜雄は、走る。
傷付いたエルネード・バラドリエーフを背負って、走る。
隣には黒いレザージャケットを身に纏うサリシア・アンレビィを伴って、走る。
バッタの上級フォッド怪人・グラウと、三体のフォッド怪人、そしてネオショッカーの再生怪人部隊が、迫る。
三人の裏切り者を始末するために、迫る。
フォッド怪人の一体、ヘッジホッグフォッダーが、鋭いニードルを射ち出す。
ディライトは撃ち落とそうとするが、ここに来るまでに蓄積されたダメージが反応を鈍らせた。
迫る無数の殺傷武器。それらはディライトの眼前で“見えない壁”によって阻まれ、弾け飛んだ。
サリシア「………大丈夫か?」
ディライトは目を見開いた。
ただ高い魔力を秘めていただけで、特に何かができるわけでもなかったサリシアが、バリアを張って攻撃を防いだのだ。
ディライト「………サリシアッ」
サリシア「……私は、ちょっとした力を得たみたいだな」
サリシアは己の両手を見つめ、そっと瞳を閉じて念じる。
その想いに応えるかの如く、彼女の周囲に十色の光の帯が現れた。光の帯はサリシアの腰に骨格状のベルトを形成させる。
サリシアは拳を半開きにさせた両腕を目の前で交差させ、“解放”の言葉を呟いた。
サリシア「変…身…!!」
《FIRE!!》
《BRAVE SPIRIT!!》
両腕を勢いよく横へ開く。
どこからともなく軽快な、だがどこか重く響くサンバ調のメロディが流れ、サリシアの周囲で渦巻いていた十色のエネルギーが赤一色に変化し、彼女を足元から包み込んでいく。
光に包まれたサリシア。それらが弾け飛ぶと、彼女の体は赤く強固なアーマーを纏った戦士に“変身”していた。
猛々しい竜の頭部を模したマスク。
上半身を包むアーマーの左肩には銀のスパイクが、右肩には竜の頭蓋骨を模した銀の肩アーマーが備わっている。
アーマーの胸部は竜の牙を模しており、左胸のエンブレムから右足首にかけて銀色のラインが稲妻のように走っている。
背中には折りたたまれた翼が、両腰には「キョウリュウジャー」の武器《ガブリカリバー》と《ガブリボルバー》が下がっていた。
ディライト「……サリシア、その姿…!?」
サリシア「………」
ディライト「まるで……仮面ライダーじゃないか……」
サリシア「……なら、相応しい名前が欲しいな」
変身後のサリシアの最初の台詞に、困惑していたディライトもがくっ、と肩を落とす。
ディライト「え、いや、名前ったって……うーん……じゃあ、元になった力から取るのはどう?」
サリシア「もらった。私は第一印象を重要視するタイプ」
そう言って、サリシアは腰から《ガブリカリバー》を抜く。
それを見て、サリシアの“変身”に驚いて固まっていた怪人軍団が一斉に戦闘態勢をとった。
アルマジロフォッダー「何者だ、キサマ……」
最前にいたフォッド怪人の一体、アルマジロフォッダーがそう尋ねる。
サリシアはガブリカリバーを構え、答えた。
「私の名はサリシア・アンレビィ…またの名を、仮面ライダーブレイブ!!」
グラウの一声で、怪人たちが一斉に“仮面ライダーブレイブ”に躍りかかった。
ブレイブはまず、体を球状に丸めて弾丸の如きタックルを放ってきたアルマジロフォッダーを軽く躱し、すれ違いざまにガブリカリバーで一閃する。背後でアルマジロフォッダーが爆散するのを見届けもせず、ネオショッカーの再生怪人部隊を迎え撃つ。
ガブリボルバーでドクガンバとムササベーダーを撃ち落とし、続けて牽制の銃撃を放つ。怪人たちの足が止まった隙に、ガブリカリバーとガブリボルバーをガブルキャノンに合体させる。
ガブルキャノンの強力な銃撃に撃ち抜かれたドクガンバ、キノコジン、ゴキブリジンが爆散した。その爆風を乗り越えて奇襲を仕掛けてきたゾウガメロンとオオカミジンが、銃剣モードのガブルキャノンに切り裂かれ絶命する。
ディライト「つ、強い…!!」
エル「う、うーん……?」
ディライト「え、エルッ!!よかった、目ぇ覚ましたな!!」
エル「怜雄…?ここは…私は一体…?あ、あの戦士は……?」
ディライト「エル、見なよあれ!!サリシアが新しい力に目覚めたんだ!!」
エル「うーん…?サリシア…?」
エルが目をごしごしと擦って、今まさにマダラカジンを撃破したブレイブの姿を注視する。
エル「………えええぇぇーーーッ!?!!!?さささ、サリシアッ!?あれがですかッ!?」
ブレイブ「!! エル…気付いたのか…!!」
エルの絶叫に、ブレイブが振り返る。マスクで表情は見えないが、その口調から喜んでいるのが分かる。
そんな隙を見せた彼女に好機とばかりにジャガーバンが襲いかかるが、振り返りもせずに放たれた銃撃に撃ち抜かれ爆散した。
ブレイブ「エル…大丈夫か?」
エル「は、はい…あの…敵来てますよ…?」
ブレイブ「待っていろ、すぐに片付ける」
ブレイブは飛来したムササベーダーを後ろ蹴りで退け、怪人軍団に向き直ると、左胸のエンブレムに右手をかざした。
ブレイブ「アームド・オン」
《ARMD-ON!!》
《FANG!!》
エンブレムから《ガブティラファング》が現れ、ブレイブの右手に装着される。同時に右腕にスパイクが生えた。
ブレイブ「いくぞッ!!」
ガブティラファングを振りかざし、ムササベーダーの脳天に一撃。怯んだところに強烈なアッパーを決め、ムササベーダーは打ち上げられた上空で爆散する。
シビレイジン「俺のムチを喰らえッ!!」
攻撃後の隙を狙ったシビレイジンのシビレイムチがブレイブを捉える。
電流で痺れ動けなくなったブレイブに、フォッド怪人・ディアーフォッダーが襲いかかった。
ディアーフォッダー「死ねェッ!!」
ブレイブ「くッ…しまッ───」
ディアーフォッダーの角がブレイブを貫こうとした直後。
《KAIJIN RIDE…》
《TARANTULA UNDEAD》
ディアーフォッダー「グッ!?」
シビレイジン「ぬおぉッ!!」
ディライトのカイジンライドによって召喚されたタランチュラアンデッドが、ブレイブを守りディアーアンデッドを弾き飛ばした。
シビレイジンのムチを切断すると、タランチュラアンデッドは消滅した。
ディライト「まだまだだね、サリシア。気を抜いちゃあダメって感じ?」
ブレイブ「すまない……助かった、怜雄。もう油断しない……アームド・オン」
《ARMD-ON!!》
《SHIELD!!》
《ステゴッチシールド》を装着し、迫っていたヘッジホッグフォッダーのニードルを防ぐ。
ヘッジホッグフォッダー「おのれぇぇッ…!!」
ブレイブ「今度はこっちの番だ…ブレイブ・イン」
《BRAVE-IN!!》
《SPYKER!!》
ステゴッチシールドが消滅し、エンブレムから五つの武器が連結した巨大な剣《ケントロスパイカー》が現れる。
ブレイブはそれを豪快に振り回しながら突撃し、シビレイジンとコゴエンスキーを切り捨てる。最後にケントロスパイカーを力の限り投擲し、ヒルビランを貫いた。
戻ってきたケントロスパイカーをキャッチするなり、飛びかかってきたグランバザーミーを迎え撃つ。大振りのケントロスパイカーは俊敏なグランバザーミーにはかすりもせず躱されてしまう。
グランバザーミーの吐いた炎に退いた次の瞬間には、右腕のハサミで打ちのめされていた。
ブレイブ「こ、こいつッ…!!」
グランバザーミー「グオオオォォッ!!」
ケントロスパイカーとハサミがぶつかり合い、金属音を立てる。
しかし大振りなケントロスパイカーでは不利。グランバザーミーは懐に潜り込んでハサミを振り抜き、ブレイブを吹っ飛ばした。
ブレイブ「なめ、るなァッ!!」
グランバザーミー「ッ!?」
ケントロスパイカーを地に突き刺し、それを支点に回転してキックを繰り出す。
これにはグランバザーミーも対応できず、まともに喰らって地面を転がった。
ブレイブ「はああぁぁーーッ!!」
ケントロスパイカーでグランバザーミーを叩き割り、そしてその胴体を横一閃。
グランバザーミーは悲鳴と共に爆散し、ネオショッカー再生怪人部隊は全滅した。
グラウ「………」
残るは、グラウ、ヘッジホッグフォッダー、ディアーフォッダーの三体。
だがグラウはブレイブを一瞥すると、二体のフォッド怪人を引き連れてホールから撤退した。
ブレイブ「待て、逃げるのかッ!!」
怜雄「逃げられていいんだよッ!!」
後を追おうとするブレイブを、変身解除した怜雄が引き止める。
変身を解除して振り返ったサリシアはどこか不満そうな表情だったが、怜雄が背負うエルを見ると、ため息を吐いて納得した、とでも言うように頷いた。
怜雄「一刻も早く、あいつらの元へ……」
エル「…すみません。私が油断さえしなければ…」
サリシア「エルのせいではない」
怜雄「そーそ。しつこいアイツらが悪いんだ!エルが気にすることは何もないからさ、もう少し寝てなよ」
怪我を負っているエルが申し訳なさそうにそう漏らすと、怜雄とサリシアが励ます。
エルはふふ、と口元に笑みを浮かべると、再び眠りに就いた。
怜雄「───さあ、行くか」
仮面ライダーディライト───火室怜雄は走る。
仮面ライダーブレイブ、サリシア・アンレビィと伴って。
背中には傷付いたエルネード・バラドリエーフを背負い。
右手にはディライドライバーを。
左手には─────極ロックシードを携えて。
第三のオリジナルライダー、ブレイブはキョウリュウジンがモチーフです。やっと出せました。
電子音声はドライブドライバーでイメージしてもらえれば。
ネオショッカー再生怪人部隊はスカイ27・28話の怪人Ⅱ世部隊を元にしています。
なのにサイダンプとクラゲロンがいないのは、ガドマ戦で既に倒されているからです。
ヤモリジンがいないのは……お察しください。ゼネラルモンスター大好きなんですよね。だからあの扱いはちょっとねえ。
代わりに原典でグランバザーミーに部隊を追い出された哀れな怪人ヒルビランを投入しましたが、だから何だというのか。
やられ役に明日はあるのか!?多分、ない!!