※ここ以降は週刊少年ジャンプ本誌の内容が多く含まれます。
アニメ勢の方に対してはネタバレとなってしまう展開が多発するので、注意して閲覧してください。
えー、大変長らくお待たせ致しました。
お待たせついでに読者の皆様に3つばかり謝罪しなければならないことがございます。
まず1つ目。
元々毎日投稿で短編を後2話ほど投稿予定だったのですが、とんでもなく筆が進まなかったので、ダイジェストとして雑に処理し、そのまま人外魔境新宿決戦編へと突入させていただきます。
次に2つ目。
今回の話は原作の観戦みたいな雰囲気にしたかったのですが、一問一答みたいな形式を連発する展開となる為、今回の話はほぼセリフで構成されてしまい、非常に読みにくくなってしまいました。申し訳ございません。
そして最後に3つ目。
百鬼夜行編の時点でやたら長文が多い上に独自設定多めで、複雑で読みにくい構成になってしまいましたが、人外魔境新宿決戦編はその比ではありません。
そもそも死滅回游のルールが複雑という事と、
その為、焼け石に水ですが、後書きにルールと状況について軽く解説をします。
各ルールの解釈について間違っている箇所がある可能性が高いですが、その場合は独自解釈という事で温かく見守っていただければ幸いです。
序章
記録
「んじゃ、頑張って探してきてねー」
「本当に行くんだ……」
「安心シナ、良イ国ダヨ」
4月某日———乙骨憂太、ケニアへ渡航。
記録
「……ミゲルは?」
「先生には会いたくないそうです」
「……そう」
「あ、これミゲルさんの村で作ってるお土産の人形です。お守りにもなるとか」
「会いたくないっていう割に妙に律儀だな……」
9月某日———五条悟、ケニアへ渡航(短期)。
記録
「おやすみ、五条悟」
「新しい世界で、また会おう」
10月31日———渋谷事変発生。五条悟、封印。
同日深夜———死滅回游開始。
「……勝つ気かい?」
「勝つさ」
11月19日———五条悟、復活。
そして、現在。
「……ソロソロ準備スルカ」
11月19日———ミゲル、休憩中。
「ンー、乙骨ガ帰ッテカラ気ガ抜ケテ困ルネ」
日本が滅亡の危機に陥っている最中、ミゲルはそんな事何一つ知らずに、村の発展の為に仕事に勤しんでいた。
しかし、その平穏は突如として終わりを迎える。
「ミゲル」
「ウォッ!?……何ダ五条カ」
「緊急事態だ。来い」
「来ルナラ連絡クライ……エ?オイマテ今日用事ガ」
言葉など全く聞かずに、五条はミゲルの首根っこを捕まえて瞬間移動を行う。曲線軌道の瞬間移動をモノにした五条は、その技術を流用して長距離の瞬間移動も呪印無しで行えるようになったのだ。
ミゲルにとっては不幸なニュースである。
そんな不幸を噛み締める暇もなく、ミゲルは日本まで輸送されたのだった。
「連れてきたぞー」
「フザケルナ!今日ハ日本人向ケノツアーノ案内ガアルンダヨ!セメテ説明クライシロ!ダカラ嫌イナンダヨオマエ!」
「うおおおおおおおお!!!」
「What’s!?」
「よしよしよしよし!これで勝てる!あっぶねぇマジで!」
「ミゲルさん!お久しぶりです!連絡つかないから心配しましたよ!」
到着直後、五条に文句を付ける間もなく日下部と乙骨が出迎える。よくよく周りを見渡すと、かなりの数の術師に囲まれていた。
「乙骨ト日下部……ソレトハカリ?ハワカルガ、他ハホボ知ラナイナ。
……何ガアッタンダ?」
日下部と乙骨が事情を説明する。
あの後、渋谷事変という呪術テロが発生し、そこで五条が封印された事。
その黒幕、羂索によって開催された死滅回游を止めなければ、世界中に穢れが伝播し世界が滅亡する危険がある事。
そして……日本でそんな大事件が起きているのにも関わらず、ミゲルがそれに気が付かなかった理由についても。
「……ツマリ、ウチノ村ノツアーニ参加シテタ日本人タチハ、ソノ羂索トカイウ敵ノ仕込ミダッタト…………」
ミゲルはこれまでにないほど酷く落胆した。
「割とガチ凹みしてんのな……」
「イヤ……日本語覚エテ良カッタートカ……
「ミゲルでも気付かないモンなのか?残穢とかは?」
「
「つーかミゲルの村にテレビとか無いのかよ。東京の壊滅なんて世界的なニュースだろ」
「いやありますって。ミゲルさん携帯も持ってるし、発電機だけど村に電気も普通に通ってますよ」
「ソンナコトTVデ言ッテナカッタヨ……」
「……大国の軍隊まで出張ってきてるんだろう?ケニアのメディア……中枢まで掌握されてると見るべきだ」
「スケールがデカすぎるんだよマジで……」
「……ハァ、大体理解シタヨ。マタヤバイ事件ガ発生シテルミタイダネ。
俺自身モオチョクラレタ訳ダシ、祖国ノ危機トモ言エル。全力デ協力サセテモラウヨ」
「マジで助かる……!心強さが尋常じゃねぇ……!」
「ソノ羂索トカイウ奴ハ五条デモ厳シイノカ?」
「いや、羂索よりも奴の仲間の宿儺ってのがいてだな……」
その頃、ミゲルを知らない虎杖らは引いた立場で歓迎されるミゲルを観察していた。
「あの人が乙骨先輩の師匠……なんか呪術師感全くないな。ムキムキの黒人だしグラサンしてるし」
「正直私もよく知らねぇんだよな。去年一回見たくらいで」
「悟を倒しかけたっていう化け物らしいけど……正直信じられないよなぁ」
「こんぶ」
「いや……あれは凄まじいぞ」
「日車?」
「何で術師歴1ヶ月で俺らよりそういうの鋭いんだよ」
「基礎的な呪力操作を極めるとああなるのか?全く呪力の漏出が見られん……それでいて呪力総量は乙骨の倍ほどはある」
「マジ!?」
「高菜!?」
そこに物知り顔の猪野が入ってくる。解説をしたかったようだ。
「俺は五条サンとミゲルサンの戦いを直に見たから知ってるが、アレはマジでヤベェぞ。つーか五条サンが勝ったってのも、ミゲルサンを戦闘不能にした後にぶっ倒れて寝込んでるから実質相打ちだし」
「猪野さんあの人と戦ったんですか?」
「いんや、術式で召喚した精霊相手にすら歯が立たないから逃げ回ってた」
「情けな……」
「オイ誰だ今情けないって言ったの!?」
真希である。
ミゲルが到着し、高専勢力は集結した。
そこで、現状の確認と今後の動きについてのミーティングを行う。
「死滅回游は現在停滞状態だ。既に彼岸へ渡る儀式……天元様と日本人の超重複同化のための慣らしは完了してしまった。羂索のルール追加によって羂索、宿儺、裏梅を除く泳者を殲滅すれば死滅回游は終了し、同化が始まってしまうだろう」
中心にいるのは日下部。
普段はそこまでやる気のある人間ではないが、今回ばかりは日本、ひいては世界の命運がかかった大事な局面である事が大きく、纏め役として率先して動いている。
「それを阻止する為には、当然羂索の撃破が必要になる」
「向こうの戦力は伏黒に受肉して十種影法術を手に入れた宿儺、全ての元凶にして呪霊躁術で天元様を取り込んだ羂索、超強力な氷の術式と高出力の反転術式を持つ裏梅」
「……楽観的と言われるかもしれないが……
正直、ぶっちゃけるとミゲルと五条が組めば向こう側が全員で来ようとも殲滅できると考えてる」
その言葉に、ミゲルの戦いを知らない者は驚愕の表情を浮かべる。
当然、全員宿儺の恐ろしさを知っている。それを五条と組むとはいえ、殲滅できるとまで言っているのだ。
「皆まで言うな。俺も宿儺の恐ろしさ……そして狡猾さは聞いているよ。それに術師同士の戦いは騙し合いだ。相性や戦略でどうにでもなる……だが、それは俺たちのレベルでの話だ」
「五条とミゲルの戦いを見た俺は知ってる。呪術師の最高レベルが戦うとジャイアントキリングは起こりえねぇんだ。ちょっとした傷は反転術式で治癒できる上に、その呪力消費さえ気にしないほどの圧倒的呪力量や呪力効率を持つ奴らばかり。
細かいダメージの蓄積なんて意味をなさない以上は、必殺の押し付け合いになる。その最たるもんが領域展開。
宿儺と羂索は既に領域展開の効果が割れている。不意打ちで食らったとしても、五条とミゲルが即死するようなもんじゃない。その上、五条とミゲルは領域を当てた瞬間に勝利が確定する……最終的に領域勝負にはなるだろうから、これは途轍もなく大きなアドバンテージだ」
「そういえばミゲルさんって反転術式は……?」
「使エルヨ。精度ハ五条ニ劣ルケドネ」
五条は反転術式と簡易領域・落花の情の領域対策、ミゲルは圧倒的な肉体強度で受けて反転術式で治癒。領域の押し合いに負けても、またリスタートを切る事ができる上、2対1の状況が作れれば、1人を領域外に置いて外から相手の領域を破壊して、その後術式が焼き切れている相手に領域を展開するようなハメ技も使える。
その上、五条もミゲルも領域は必殺。片方が領域を耐えられるならば、理論上負ける事などあり得ない。
「よって作戦はシンプル。五条とミゲル、この最高戦力2人で協力し、現状最大の脅威である宿儺を叩き、その後に他の奴らを捜索して倒す。最善は五条とミゲルのコンビで全員倒しちまう事だ。
もしも奴らが同時多発的に別行動で動くならば、鹿紫雲・乙骨・真希・秤の4人を羂索に当て、その他戦える奴を集めて裏梅に戦いを挑む」
「あ、一応言っておくが今回高羽と日車は戦力としてカウントしていないぞ。こちら側の泳者が1人でも生き残っていれば同化が始まらない以上、元一般人組の2人を今回の戦闘の絶対防衛ラインとする。無論、緊急時には自衛してもらう必要はあるがな」
死滅回游の終了条件は『宿儺、羂索、裏梅以外の全泳者の死亡』。実際には2人よりも遥かに弱くて戦えない三輪なども居るが、そこは高専の術師として腹を括っておけという日下部と楽巌寺の意向だ。実際には全く役に立たないので、良くてデコイにしかならないが。
加茂が海外に向かうというのも、泳者全滅を防ぐ保険として機能する。
「俺は裏梅との戦いに出るつもりだが、基本は肉体強度が高い俺と虎杖が前衛、隙を見て狗巻の呪言で動きを止めてから脹相の穿血で狙撃を狙い、毒で弱体化したところに更に呪言をかけて冥冥の神風で止め……っちゅープランを考えてる。どうだ?」
「良いと思いますよ。
でもまだちょっと危ないかな……秤先輩も裏梅側に回せるんじゃないですか?超速回復と無限呪力は凍結と相性がいい」
「いや、羂索は九十九と脹相のコンビに天元様のサポートまである状況で、正面から打倒し九十九を殺している。裏梅も特級クラスとは言え、出来るなら羂索側に戦力を集中させたい」
基本的に最優先は羂索。なんなら宿儺と羂索が揃って出てきても、後ろから切り刻まれる覚悟でまず羂索を討伐する流れとなる。
「此方ダガ、二人ガカリデヤルナラ五条ニ谺喚山嶺ヲカケテ不可侵ヲ得タ俺1人ノ方ガヤリヤスイナ。奪ウ存在ヲ1%程度ニ調整スルカラ、羂索ニ五条ヲ当テルノハドウダ?」
「五条がいいならそれでもアリだが……精霊って対象と離れすぎてはならないみたいな制約は無いのか?」
「術式対象トノ距離ハ無制限ダヨ。精霊化シタ段階デ存在トシテ独立シテイルカラネ。
因ミニ、谺喚山嶺ノ精霊ハドンナニ長クテモ10日程シカ持タナイガ、全ク意識セズトモ3日ハ持ツ。俺ト精霊トノ距離ハ1〜2kmガ限度ダ。ソレ以上ハ契約ガモタナイ」
「結構いい案じゃないですか?」
「申し訳ないけど拒否させてもらうよ。相手側に魔虚羅が居る以上、無下限に適応されるデメリットがある。
つーかお前はそこまでしなくても十分硬いだろうがよ」
来栖……もとい天使が手を挙げる。
「そういう話なら私の精霊も提供しよう。私の術式が宿儺に通じるのは実証済みだ」
「天使の術式か……発動した時にミゲルの精霊躁術を消滅させて精霊化がキャンセルされるとかは?」
「ふむ……ミゲル、どうだ?」
「……流石ニ初メテノ
「問題ない。戦力になれる可能性があるなら存分に使ってほしい」
「ありがたい、戦略の幅が広がる」
最も最悪な展開は、五条とミゲルが封じられ宿儺が自由に動く事だ。五条、ミゲル、宿儺を同格として計算している関係上、何かの不手際で片方が討伐された場合宿儺戦の重要度が跳ね上がる。
「宿儺と羂索が揃って出てきたら?」
「向こうの戦力からしてその作戦で来る可能性が高いが、そもそも五条とミゲルで全員相手にしたら勝てる公算が高い。俺らが危険を負う必要がなくなるし、好都合だ」
「正面から勝てる計算なら、逃げられる方を警戒する必要がありますね。これに関してはどうなんですか?」
「天元様が向こうにいる以上、現状最も呪力感知の鋭い五条を向かわせることになるから多少苦しくなるが……相手を見失って、こちらの拠点を襲撃される可能性があるのが怖いな」
「いくら何でも天元様相手に隠匿の結界は心許ないですからね……」
「俺が守られる側みたいな言い方がクソほど腹立つんだが?」
この話し合いを聞き、ただ一人イライラしているのが、後ろの方で腕組みしている鹿紫雲だ。秤がバツの悪そうな顔をしている。
「ほら!全部終わったら五条さんが相手してくれるから!な!?」
「納得してねぇんだよ!2番手ならまだしもポッと出の黒人の下扱いしやがって!」
「オッ、ヤルカイ?」
「……え、マジ?良いの?じゃあやろうぜ」
割と乗り気のミゲル。明らかにオーラが違う鹿紫雲のことは気になっていたようだ。
「やめろ! 鹿紫雲の電撃は脳に当たればミゲルですら危ねぇんだから!」
「物理的ニ脳ヲ焼カレタラ流石ニ死ヌヨ、多分ネ」
「お前に多分って言われると耐えそうで怖いんだけど……」
大体の戦略は決まった。後は相手側がどう来るかのパターンを考察し、各対応策を決める段階に入る。
そこで真希が根本的な疑問を投げかけた。
「……目的という面で言うなら、何故羂索は今すぐに超重複同化を実行しないんだ?慣らしは終わっているのに」
実際問題、高専勢力から見て何故あのようなルールが通るのか全く理解ができない。永続に抵触出来ないはずなのに、死滅回游の終了条件を定義するルールが許可された理由が全く分からないのだ。
何より、そんな事が出来るのなら、なぜそんな面倒な終了条件を選択したのか。各
「それにはあいつら以外の全泳者を殺す必要があるが……どう考えても永続に抵触しているそのルールが許可された理由すら不明だから何とも言えねーな。第一なんでそんなにめんどくせぇ条件にしてるんだ?
ルール追加の制限の関係でそうせざるを得なかったのか、五条さんとミゲルさえ居なければ実行可能な公算だったのか……もしくは、それを実行できるだけの切り札がまだ向こうにあるのか」
「後者と考えておこう。さっき楽観的なことを言っておいてなんだが、警戒しておいて損はない」
五条とミゲルの両名がいないならば、全員宿儺に斬殺されて死滅回游は終わりだ。それを考えるなら、と冥冥。
「やはり五条くんの封印を解く前に死滅回游の新規泳者を打ち切った羂索は賭けに負けたって言うことかな。天使が此方の手に渡った時点で死滅回游の新規泳者を打ち切ったと言うことは、五条くんを
「実際はコガネが着かないってだけで、自分の意思で侵入可能という条件が残った結界になったんだけどな。伏黒津美紀……万によるルール追加で出入り自由になったお陰か、泳者じゃなくても出入り自由だ。
流石に予測していなかったと言うことは無いだろうが、これは羂索の不利に働いているはずだ」
現在の結界は、万が追加したルールによって出入りが自由となっている。
これは死滅回游のルールだが、実際に適用されたのは死滅回游の泳者に止まらず、結界そのものが出入りを拒まないようになった。
その後に追加されたのが新規参加の打ち切り。だが、出入りが自由となるルールは残っている為、泳者であろうと無かろうと、結界に入る事も出る事も自在だ。
「この状況で死滅回游の終了条件が宿儺、羂索、裏梅を除く全泳者の死亡……このルール本当に羂索が考えたのか?条件キツすぎるだろ」
「永続を謳う以上はそれくらいの条件が無いと不可能なのかもしれないが……だが同レベルで永続に抵触しそうな新規参入者の打ち切りが無条件なのとあんまり噛み合わないよなぁ」
「そのおかげで僕は泳者じゃないから、細々したルールに従わなくて良いのは楽なんだけどね」
「それで言うと、1度も結界に入ってない脹相も泳者じゃないよね。冥冥さんと憂憂くんもだっけ」
「あー、それ多分綺羅羅も泳者じゃねーわ。待機しろって言っちまったから一回も結界内に入ってないだろ」
「そういえばそうだね」
「……とにかく、全ての泳者の死亡って条件を達成するには、いくらなんでも結界に入る必要がある。その為に24時間体制で宿儺と羂索の情報を探ってるんだがな」
そんな議論を重ねていると……突然、全泳者のコガネが同時に出現した。
『『『『『リンゴンリンゴンリンゴンリンゴン』』』』』
「!!」
ルール追加だ。
『『『『『泳者による死滅回游へのルール追加が行われました![結界内の情報及び泳者情報の開示は行えないものとする]』』』』』
「……マジかよ」
「監視封じか……」
「試していなかったから知らなかったが、泳者が追加したルールの否定は可能だったのか?」
ルールの追加を知らせるコガネが消える前に、続けて2度目のルール追加を知らせる声が鳴り響いた。
『『『『『リンゴンリンゴンリンゴンリンゴン』』』』』
『『『『『泳者による死滅回游へのルール追加が行われました![泳者が滞留
「これは……」
先程とは少し毛色の違うルール。結界の出入りに関するルールだ。
「別の
「全泳者を殺すためには、泳者が
「これ、考え方によってはプラスに働くんじゃないか?泳者を全滅させるためには
「いや、転移を使った宿儺がヒットアンドアウェイとかシャレにならねーぞ」
追加されたルールについての考察を行う最中、ミゲルはある事に気付き頭を抱えた。
「……ヤラレタナ」
「と言うと?」
「俺ト五条ハ泳者ジャナイ。ツマリコノ
「……!成程」
このルールを泳者視点で要約すると、「泳者は結界から出る事はできない」「結界間の移動は可能で、その方法は転移である」という二つのルールとなる。
そうなると、結界から出られないというルールと結界の出入り自由というルールという相反するルールが両立してしまう。出られるかどうかは検証が必要だが……それはさておき。
もし、入る事は可能だが出る事はできないとなった場合、非泳者にとってはかなり不利になってしまう。
「泳者トシテハ
「……逃げの一手を打たれた場合、こちらの最強2人が追いかけることができない……」
「となると、宿儺と羂索が逃げまわる場合詰みか?」
「羂索は泳者組の上位戦力全員で集まれば何とかなる公算だが、宿儺がどう来るか。もし宿儺が逃げ回りながら泳者を斬殺していくような事があれば……」
この状況で宿儺が
下手に追いかけてもイタチごっこにしかならず、最初に入った
しかし、五条はそれは無いと考えていた。
「それをやるなら、恵の精神を押さえ込んだ直後からやっているよ。そもそも、初めから僕ら非泳者の結界への侵入自体を封じておけばいい。そうなっていないって事は、宿儺の全てが羂索の思うままって訳じゃない……恐らくは、宿儺が僕と戦う12月24日を待っている」
「ミゲルが合流した事で焦って行動するという可能性は?」
「あり得なくはないが、僕的には薄いと思う。一応逃げ回る可能性は考慮に入れておかなければいけないけど、流石にそれは最終手段のはずだ」
実際、ルール追加によって結界の要件が変えられる事が分かっているなら、五条とミゲルら非泳者を
「……結果として、宿儺と五条たちが戦うのは変わらないって事か?何を考えている?」
「どっちにしろ僕とミゲルは泳者じゃない。宿儺が僕との決着を望んでいるって考えが正しいならば、宿儺が勝てば万々歳、最悪僕らと宿儺が戦っている間に泳者を全滅させる事ができれば勝ち……そんな腹じゃないかな」
「私の烏は全
「向こうがどう来ようが、流石にマッチアップは変えられないが……羂索の動きについてはもっと考える必要があるな」
「泳者以外の出入りに関しては早急に調べなきゃならねーよな。泳者の
「もし僕たちが出られない様なら東京第一
「五条ガ
「私と天使の出入り自由は動かないだろうが……私は憂憂がいないと遠くの
「出られる事と、最低でも電波が遮断されていない事を本気で祈るばかりだよ。五条悟vs.両面宿儺のPPVチケットもう売っちゃってるんだからね」
「お前はマジで何してんの?」
羂索は、柄にも無く焦っていた。
「ま、あんまり期待はしてなかったけど……苦しいね。この状況は」
獄門疆に封印して深海に廃棄したはずの五条悟が復活し、宿儺が完全に復活した時点で処理する予定だったミゲルも五条に先手を取られて高専勢力と合流してしまった。
ミゲルと五条、この2人と正面から戦えば、宿儺であろうとも敗北するだろう。連戦となれば1人は殺せると確信してはいるものの、消耗した状態で同格クラスとの連戦は流石に苦しい。
転移のルールを追加したことによって自分自身は彼ら2人から逃げつつ動くことができるが……
「自分で掛けた縛りとは言え、ルール追加を強制する手法にも限度があるか……」
羂索はミゲルの参戦を前々より危惧していた。
そのために他先進国よりも先にケニアの中枢と全てのメディアを掌握して日本のニュースを流さない様にしたし、SNSなどでも日本関連の話題をシャットアウトした。
その上で、ミゲルが気紛れに日本へ向かう可能性も捨てていなかった。完全復活した宿儺ならば斃せると考えていたが……
宿儺は楽しそうだ。自身と同格の存在が2人、1000年前ですらこれ程の状況は無かったと、不利な戦況をどう覆すか楽しそうに考えている。
宿儺が乗り気なら、裏梅もそれを邪魔するのを許さない。宿儺は五条悟とミゲルに当てる他無いだろう。
宿儺の性格的には、仮に負けそうになったら結界間のワープは使ってくれると思うが……積極的に使うとは到底思えない。
この状況になった時点で、羂索の手は実質一択。
「かなり危ない橋を渡る必要があるが……まだ策はある」
宿儺と五条、ミゲルが戦っている間に、全ての泳者を殺害して死滅回游を終わらせる事だ。
五条とミゲルは泳者ではない。高専勢力が同化の阻止の為に宿儺を殺す必要性が無いように、同化の発動のためには五条もミゲルも殺さなくていい。
その為には、高専側の泳者最高戦力……乙骨憂太らを、自らが相手しないといけない。
「その展開は彼らも望むところだろう。それ故に動きは読みやすいという利点もある。
乗ってやろうじゃないか」
羂索はそれでも笑みを崩さない。
思えばいつ以来だろうか。このような不確定の博打に、命を賭して挑むのは。
「胸が躍るね」
この状況でも笑えるからこそ、羂索は1000年間の時を生き延びられたのである。
-ルール-
①オリジナルルール追加前の結界の出入りについて
こちらに関しては結界の出入りが自由というルールが非泳者にも適用され、泳者、非泳者問わず結界には自由に出入りができるようになっているものとします。
原作では、明らかに泳者参加を打ち切るルール追加後に五条が復活したのにも関わらず、人外魔境新宿決戦の舞台はその名の通り新宿、東京第一コロニーの中です。
上記を根拠として、泳者ではなくても結界の出入りは自由となっていると認識しています。
②泳者、非泳者について
非泳者は結界を出入りすることは可能だが、コガネが付かず殺しても点も入らないし19日経っても術式の剥奪も起こらず、各ルールに縛られないものとします。
原作通りの展開なので、2018年11月18日に新規泳者の参加が打ち切られています。
結果として、それ以前に泳者として活動していないと見られる以下の人物は泳者ではなく、ルールに縛られないものとします。
元々裏梅もここに入っていたはずでしたが、25巻の加筆修正によって泳者であることが確定しました。
・五条
・脹相
・冥冥
・憂憂
・綺羅羅
・家入
・歌姫
・楽巌寺
・ミゲル
・真希(フィジギフにより死滅回游側が認識できず泳者登録ができない)
例外的に、高専勢力としてどこかの結界で人知れず戦っていたとして、以下の人物は泳者とします。
・日下部
・猪野
・狗巻
また、羂索と黄櫨が五条vs.宿儺の放送を視聴できていた事から、出入りが自由となったルールの副次効果で電波の遮断が解除されているものとします。(絶対芥見先生が電波が出入りできない設定を忘れ描いたでしょコレ)
③既存ルールの否定となるルール追加について
こちらに関しては原作で描写された『浄界の破壊を楯にすることで意図的にバグを起こし無理やりルールを通す』という手法で実現しています。
結界の退場、泳者情報の開示について拙作で追加したルールについてはこの手法を用いており、これは高専勢力から同じ事をしようとしても不可能であるとします。
また、死滅回游の終了条件をもう少し緩いものに出来ないかと考えていたのですが、25巻の加筆によって終了条件に泳者の全滅は必須であると言うことが確定したので、ここの難易度を下げる事はできません。
-状況説明-
原作開始→五条復活までの流れは原作と一切変わりがありません。
その上で、ミゲルの参戦に伴い以下のルールが追加されました
①結界の情報、泳者の情報の閲覧の禁止
②泳者が結界から退出する際は、別の結界に転送される
-現在の高専側の戦力及び戦略-
勝利条件
・羂索の討伐
・天元の討伐
宿儺と裏梅は討伐したところで死滅回游は終わらないので、サブミッションのような扱いです。
敗北条件
・泳者の全滅
戦力を以下に分類します。
1.五条、ミゲル
・非泳者なので、結界間の転送ができない
・宿儺戦を担当
2.乙骨、秤、 鹿紫雲
・泳者なので、結界間の転送が可能
・羂索戦を担当
3.真希(憂憂)
・非泳者なので、結界間の転送ができない
・羂索戦を担当(可能なら)
・憂憂の術式でコロニー間を外から移動
4.虎杖、日下部、猪野、狗巻
・泳者なので、結界間の転送が可能
・裏梅戦を担当
5.冥冥、脹相、歌姫、楽巖寺
・非泳者なので、結界間の転送ができない
・裏梅戦を担当(可能なら)
・楽巖寺はお爺ちゃんなので基本は出ない
6.日車、高羽
・泳者なので、結界間の転送が可能
・戦線に出ず、絶対防衛ライン
例外.家入、天使、西宮
・後方支援担当
役立たず.三輪
-なんで憂憂の術式でミゲルを連れて来なかったの?-
ミゲルを憂憂の術式で連れて来なかった理由としては、憂憂の術式では距離が離れれば離れるほど消費呪力が多く、どこかの国で呪力の回復を待つ必要がある(独自設定)ため、襲撃の恐れがあるミゲルへの参戦要請よりも高専勢力のフォローを優先した、としています。
結界から脱出できるようになった時点で乙骨を伴ってケニアに飛ぶ予定でした。それと同時に五条の復活の目処が立ったので、ケニア行きを後回しとした、と言うことにしてください。
かなりご都合主義的ですが、よろしくお願いします。