ハイスクール・フリート〜時空を越えた航海日誌〜 作:小説設営隊隊長
ワスプとの戦闘で、致命的な損傷を受けた晴風は警告文を打ってワスプとの戦闘を中止させようとするが、相手はアメリカ合衆国海軍の戦士であるという誇りを持って、断固として戦う姿勢を見せた。断腸の思いの中、晴風は磁気誘導魚雷でのワスプ撃沈を敢行する!
航跡を見せない磁気誘導魚雷は、ワスプへと迫る!
空母ワスプ:艦橋
グレイ大佐「………っ!!」
ノイズ少将「…………おぉぉぉ!!」
彼らが魚雷の存在に気づいた時には遅く、既に目と鼻の先にへと到達していた。
グレイ大佐「なっ……!!」
磁気誘導魚雷がワスプに命中するや刹那!
大規模な爆発と振動がワスプを襲った。
経験したことのない轟音と振動で、グレイ大佐は態勢を崩して転び、ノイズ少将は艦長席の背もたれにしがみついた。
ノイズ少将が振り向くと、そこには激しく燃え上がる光景が広がっていた。
グレイ大佐(飛行甲板には…………まだ、魚雷と爆弾を抱えた機が……!!)
グレイ大佐の予感は的中して、それも最悪な方向へと転がる。
爆発は艦全体へと伝わり、飛行甲板にも爆発が到達!
爆風で押されたドーントレスが隣で駐機していたドーントレスと接触して炎に包まれて誘爆を起こす!その後もたて続けに誘爆は続き、瞬く間に飛行甲板は火の海と化して、格納庫から爆発を起こす。
ワスプ:艦橋
グレイ大佐「司令!!お怪我は!!」
ノイズ少将「私なら大丈夫だ。………被害を報告せよ!………っ!!」
ノイズ少将が被害報告を指示するが、たて続けに爆発が起こり、被害は言わずとも知れていた。
そこへ、被害報告をまとめた整備員達が艦橋へ急行してきて、被害を報告する。
整備員1「機関室は浸水!機関停止!!動力パイプも各所で断線して、スプリンクラーも作動しません!!」
整備員3「負傷者の集計も、混乱を極めています!!」
すると今度は、艦がやや右へと傾き始めた。
整備員2「破孔からの浸水、拡大中!!」
整備員3「防水隔壁、動力喪失!ビルジポンプも作動しません!!」
整備員4「格納庫、被害甚大!!火災拡大中!!機体にも誘爆しつつあります!!」
整備員1「復旧は絶望的!!持って、30分が限界です!!」
復旧は絶望的。
これは、いつ沈没してもおかしくないことであった。
そこへ、現場海域に空母エセックス率いる【第19任務部隊】が急行してきた。
グレイ大佐「司令!!将旗をエセックスに移乗してください!!」
ノイズ少将は少しの間考えたが、すぐに指示を出す。
ノイズ少将「………これより、艦隊を二分する。第19任務部隊と駆逐艦2隻はワスプ乗員、もう一方は第1次攻撃隊員の救助だ。艦隊旗艦を空母エセックスに移す!第1次攻撃隊を大至急呼び戻して、上空警戒に当たらせろ!!」
グレイ大佐「アイ・サー!!」
通信士「司令!!電文です!!」
グレイ大佐「何?!」
通信士「…HFからです!」
ノイズ少将「…………。」
通信士「”我が艦は自衛のため、やむを得ず貴艦を攻撃した。ここに、本戦闘の終結を宣言する。我が艦は当海域を離れるが、周囲には貴艦の航空機搭乗員が漂泊している。彼らの早急なる救助を要請する。”以上です!!」
ノイズ少将「………………たった一隻の駆逐艦で、このワスプが………!!」
彼らは何者なのか、そして目的は何かすらもわからずまま、遂に任務を達成できずに貴重な重要戦力である正規空母を沈められる事態にまで発展してしまい、戦慄すら覚えたノイズ少将であったが、まずは退避を優先させた。
ノイズ少将「退艦命令を!!」
グレイ大佐「総員退艦!!負傷者を短艇へ!!乗りきれない者は飛び込め!!」
ノイズ少将・グレイ大佐ら全乗員がワスプから退避すると、遂にワスプは艦体中央から大爆発を起こして、艦体が2つに裂けてマリアナ諸島の海に沈む。
晴風:前部マスト見張り台
野間マチコ「…………ワスプの機関停止と短艇の放出を確認………。」
晴風:艦橋
野間マチコ《ワスプ、沈みます………。》
宗谷ましろ「…………。」
納沙幸子「…………。」
西崎芽衣「………艦長…。」
岬明乃「………取り舵一杯。横須賀へ帰投する………。」
知床鈴「は、はい……。」
重苦しい雰囲気の中、明乃は哨戒活動を切り上げて横須賀へ帰投することを決める。
岬明乃「…シロちゃん、少しの間だけ指揮をお願い。顔を洗ってくるから。」
宗谷ましろ「……分かれました。」
そう言うと明乃は、艦橋を離れる。
なにか感づいたのか宗谷雪も、岬の後を追う。
晴風:洗面所
艦長帽脱いで顔を洗う岬の所へ宗谷雪がやってくる。
岬明乃「……これで良かったのかな…。」
宗谷雪「?」
明乃はここで、自身の心の内を明かす。
岬明乃「あの攻撃で、一体何人の命が消えたんだろう…………考えたら、自分がどれだけ残虐なのか……怖くなってくる……。」
宗谷雪「岬さん……。」
岬明乃「雪さん…………私、怖くてたまらいよ………考えただけで、悲しくなってくるよ………私って……私って、本当に、”人間”なのかな……?」
宗谷雪「…………。」
宗谷雪は何も言えなかったが、明乃を優しく抱いて、悲しみを吐き出せた。
17:50 小笠原諸島沖合
ワスプを撃沈して、マリアナ諸島から離脱した晴風は、損傷した箇所の補修作業をしつつ横須賀へ帰投していた。
晴風:艦橋
宗谷ましろ「各部、損害の集計を!」
そこへ、岬を追っていった宗谷雪が艦橋へ上がってきた。
宗谷雪「ましろさん!今、戻りました。」
宗谷ましろ「雪さん。艦長は何処へ?」
宗谷雪「岬さんには、先にお休みになられました。」
宗谷ましろ「先に?」
宗谷雪「衛生長に頼んで、鎮静剤を打ってもらったわ。………相当、一人で思いつめてたみたいね…。」
宗谷ましろ「そうですか……。」
そこへ、被害集計を終えた納沙幸子が報告の為艦橋へ上がってくる。
納沙幸子「副長!艦の損害集計をまとめてきました。」
宗谷ましろ「状況は?」
納沙幸子「え〜と………第1砲塔大破、射撃指揮所使用不能、水上レーダー一部損傷につき長距離索敵不可能。通信アンテナ全損、一応べんてんから移設した通信機器は使用可能です。」
宗谷雪「その他に損傷した箇所は?」
納沙幸子「左舷前部第7通路は通行不能で機関室点検中。負傷者は主計科2名と砲雷科1名、航海科2名の計5名。」
知床鈴「航行に必要な人員には欠員なし。」
宗谷ましろ「とにかく、直せるところは修理を継続。ダメそうなところは、ブルーシートをかぶせておいて!」
納沙幸子「分かれました!」
晴風の損害は、中破に等しい程であった。
横須賀へと帰り着くまで、直せるところは修理を継続することとなった。
夕食は、ガスコンロはすべて点検に出しているため、【塩にぎり】と【吉◯家の缶詰牛丼】に【インスタント味噌汁】であり、非常食品のありがたみを痛感するのであった。
晴風:機関室
牛丼の缶詰と塩にぎりを持って、機関室へと戻って来た麻侖に、機関助手の黒木が疑問を投げかける。
柳原麻侖「飯持ってきたでい!」
黒木洋美「麻侖!ちょっとこれ!」
柳原麻侖「ん?どうした?」
そう言うと操作盤を見ると、ボイラー缶の圧力計のメーターが振り切れかけていた。
柳原麻侖「………他のメーターは問題ねぇか?」
黒木洋美「今のところは……」
柳原麻侖「となると、圧力弁がイカれたかもしんねぇな………。」
一応、艦橋へ知らせて注意するよう勧告することにしたのだが、これがまさかの事態に発展するとは誰も思わなかった。
次回「晴風、大改装計画を始動せよ!!」へ続く…
次回は遂に、晴風を大改装させますよ〜!!
(完成は閑話の何処かで……)
シーズン2に出したいアニメアンケート!1月1日〜1月17日まで(注:ジパングは固定)
-
空母いぶき(原作)
-
沈黙の艦隊(OVAシリーズ)
-
マブラヴ オルタ(BETA無し)
-
ストライクウィッチーズ(RtBあたり)
-
第3飛行少女隊(独自設定)
-
BATTLE SHIP