ハイスクール・フリート〜時空を越えた航海日誌〜 作:小説設営隊隊長
横須賀海軍工廠 第1ドック
柳原麻侖「作業員は退避!!もたもたすんじゃねぇぞ!」
作業員3「ドック内、退避完了しました!」
柳原麻侖「ドック内、注水!!」
轟音とともにドック内に海水が流され、晴風を離床させる。
作業員5「晴風の離床を確認しました!!」
作業員4《機関、定格作動中!タービン圧正常値!!》
作業員7《艦内漏水点検完了!!問題なし!!》
安全点検が終わると、ドック内の海水が満水になる。
作業員5「ドック内、満水になりました!外海との水面差、ありません!」
柳原麻侖「水密扉を開けろぉ!!後進微速!!」
ドックの隔壁が開くと同時に、けたたましい機関音を轟かせながら、大改装を受けた晴風が、やっと日の目を浴びることとなった。
横須賀軍港 逸見埠頭
新しく生まれ変わった晴風に乗り込もうと、晴風クラスの面々が続々と集合していた。
宗谷ましろ「これが、生まれ変わった晴風……!」
納沙幸子「新品同然ですね………!」
岬明乃「凄い…………本当に直るなんて……。」
唖然と晴風を見つめる明乃たちであったが、続々と晴風へと乗艦していく。
晴風:教室
教室に全員集合すると、今日からの予定を伝える。
羽山陽介「今日からの予定だが、武蔵以下護衛の航洋艦数隻とともに公試を行ってもらう。」
西崎芽依「やっぱりテストは必要か〜。」
知床鈴「ちゃんと公試をしないと、どこかで不具合が起こっちゃうからね…。」
柳原麻侖「まぁ出来るところは全てしたからな!あとは、何処まで性能を引き出せるかだ!艦長?」
岬明乃「うん!それじゃあ全員、配置について!
!」
岬明乃の号令の下、晴風は出港準備に掛かった。
晴風:機関室
柳原麻侖「機関始動!!」
黒木洋美「高圧ボイラー始動!!」
けたたましい重厚音と共に、機関の圧力メーターが動き出す。
伊勢咲良「ボイラー定格作動中!圧力正常!89、90……」
若狭麗緒「電力供給正常!艦内全主電源、接続!」
晴風:電気制御室
機関室からの電力供給が来ると、新しく設置された電気制御室の配電ランプが赤から緑へと切り替わる。
和住媛萌「電力供給、問題なしっす!」
青木百々「漏電もありません!」
晴風:艦橋
宗谷ましろ「艦内全区画、異常無し!」
納沙幸子「機関正常!出港用意完了!!」
西崎芽依「砲雷科配置についたよ!」
立石志摩「うぃ!!」
知床鈴「航海科、用意よし!!」
岬明乃「晴風出港!!両舷前進微速!!」
煙突から黒煙を出しながら、晴風は再び大海原へと飛び出した。大改装された晴風の諸元をここで紹介しておこう。
航洋直接教育艦〔晴風改三〕。この改三は、帝国海軍が名付けた名称であり、晴風が三回目の改装を受けた証拠でもあった。
元の全長は118.5mであったが、改装前の調査で竜骨の一部に損傷が見つかったため、建造中であった【島風型駆逐艦2番艦】の船体の一部を移植したため、43m長い[162.4m]となり、全幅11m、基準排水量3,066tで満載排水量4,343t。
ボイラーは島風型の【ロ号艦本式缶(空気予熱器・収熱器付)】を3基、主機は艦本式タービン(高中Ⅰ中Ⅱ低圧)を2基搭載して推進は2軸で出力は計画時点で75,000馬力と想定していて、速力も39ノットと想定していた。
乗員は31人+猫2匹に宗谷雪少佐の合計34人で、艦の設備のほとんどが自動化されているため、さほど人手は不必要であった。
岬明乃「めぐちゃん!電探の方はどう?」
宇田慧《長距離索敵も問題ありません!新しく装備された対空電探も正常に動作しています!》
晴風改三の電探は55式対水上探知機・69式航海探知機に加えて、帝国海軍の対空用電探【三式一号電波探信儀三型(通称:13号電探)】を前部マストに1基装備されたことにより、より正確に対空警戒が容易となった。
野間マチコ《浦賀水道を抜けました!》
宇田慧《対空電探に感あり!零戦(標的機)1機、接近中!》
岬明乃「教練、対空戦闘用意!」
明乃の号令がかかり、主計科と水雷員が機銃座へと向かう。
晴風:前部銃座
等松美海「みかんちゃん!そっちは!」
伊良子美甘「大丈夫!ちゃんと動いてるよ!」
杵崎ほまれ「こっちも大丈夫だよー!」
杵崎あかね「ちゃんと動いてるよ!」
晴風:後部銃座
姫路果代子「こっちの機銃は一人で操縦できるから楽ちんだね〜!」
松永理都子「そうだね〜!」
晴風:艦橋
宗谷雪「全機銃座、射撃準備よし!」
宗谷ましろ「電探と連動!自動給弾装置も異常無し!」
宇田慧《零戦!本艦の射程圏内に入りました!》
岬明乃「掃射始め!!」
改装された晴風には対空兵装もあてがわれており、従来の〔20mm単装機銃〕を全て撤去して、探照灯の後ろに新たに機銃台座を設けて、前部に【九六式二十五粍三連装機銃】を2基、後部に【九六式二十五粍連装機銃】を2基装備された。
これらの対空機銃の運用には9人(2人機銃操作・6人弾倉交換・1人指示)が原則であるが、工作艦明石の生徒の働きによりこれらに自動化を施して、2人での運用に成功して、連装機銃は1人での運用をも可能とした。
全ての機銃には防弾板を取り付けており、12.7ミリ機関銃弾の直撃に耐える仕様である。
また、主砲である【Mk39 5インチ単装砲】は砲自体の耐久を強化した上、島風型の【45口径三年式12.7cmD型改1連装砲】の砲身に換装した結果、最大射程が18,445mまで強化された。
主砲管制である射撃指揮装置は、島風型の【九九式3m高角測距儀】を3名で運用できるように改装・搭載された。
岬明乃「教練、魚雷戦用意!!」
西崎芽依「教練、右魚雷戦!!」
水雷兵装も島風型のものを引き継いでいる。
本来装備していた〔61cm4連装魚雷発射管〕では、物足りたいと晴風水雷員が異議を申し立てていたので、島風型の【零式61cm5連装水上魚雷発射管】を2基装備して、使用魚雷も【九三式61cm酸素魚雷】を使用する。
そして、この公試最大の要点である全速航行。
岬明乃「全速航行!両舷、全速一杯!!」
知床鈴「両舷全速一杯!!」
晴風:機関室
柳原麻侖「全速一杯!!」
駿河瑠奈「壊れないよね………。」
広田空「こればっかりはやってみないとわからないな〜。」
そうこうしていると、機関の音が大きく鳴り響き、晴風の速力計も増していった。
黒木洋美「速力、38………39………40……40.37ノット?!」
若狭麗緒「なにそれ?!速くない?!」
晴風:艦橋
黒木洋美《こちら機関室!現在、晴風の最大速力40.37ノット!》
岬明乃「40.37ノット?!」
宗谷ましろ「改装前の晴風の速力を上回った?!」
西崎芽依「流石、島風型の機関だ!!これだけ動かしても、機関不調を起こさないとは!!これは感激過ぎる〜!!」
立石志摩「うぃ!!うぃ!!」
今回の公試で晴風は、最大速力40.37ノットを記録した。
晴風はその後、硫黄島へ向かう武蔵と別れて航洋艦天津風と時津風を率いて小笠原諸島の父島海軍警備府へと向かい、そこで完熟訓練を積み重ねた。
まさに、月月火水木金金の様子を呈していた。どんなに辛くても、どんなに体が筋肉痛になろうと、彼らは自らの身体をいじめぬいた。
そんな中アメリカでは、日本に対しての一大反抗作戦のため、米海軍太平洋艦隊が一路、トラック諸島へと向かっていた。(※この時、トラック泊地は既に完全撤退を終えている。)
これに対し日本帝国軍は、陸海軍の総力を上げてでの迎撃作戦を立案。
トラック泊地から撤退してきた連合艦隊は燃料と弾薬の補給を行って、7月20日にマリアナ諸島サイパン島泊地へ集結。同時期に学生艦隊も、全艦横須賀軍港から出撃して、一路サイパン島へと進路を取る。
この報は、父島海軍警備府に駐留中の晴風にも伝わる。
7月21日 08:00
晴風改三:教室
岬明乃「それでつぐちゃん。軍令部からの通信って?」
八木鶫「受信した通信内容は、”米海軍太平洋艦隊がマリアナ諸島奪還のため旧トラック泊地へと続々と集結中である。帝国海軍軍令部の緊急発令により、連合艦隊及び学生艦隊は直ちにサイパン島泊地へと集結せよ。”とのことです。」
岬明乃「アメリカ軍がマリアナ諸島に………」
宗谷ましろ「それじゃあ、空母ワスプの襲撃はその前哨戦と言うことですか?」
宗谷雪「大いに有り得ることね。」
岬明乃「でも、もかちゃん達が向かっているから、私達もすぐに出撃しないと。」
宗谷ましろ「はい。」
その後、岬明乃の判断で全艦出撃を決意。
晴風改三を戦隊旗艦として、航洋艦天津風・時津風、父島警備府所属の駆逐艦冬月・峯雲、軽巡大淀を率いて一路、サイパン島へと向かった。
道中、行方不明となっていた山城・鳥海・長良・秋風・浜風・舞風と合流を果して、サイパン島へ到着したのが、7月23日のことであった。
遂に、日米両軍の艦隊決戦が行われようとしていた!!果して、マリアナ諸島の運命はいかに!!
遂に改装後の晴風を登場させることができた!
晴風改三の概略については、まとめ回として載せたいと思います!
閑話4は、今日の夕方あたりで投稿しようと思います!
お楽しみに!
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