ハイスクール・フリート〜時空を越えた航海日誌〜 作:小説設営隊隊長
トカラ列島にて極めて異常な低気圧に巻き込まれて、1942年6月7日のミッドウェー海戦域へとタイムスリップしてしまった学生艦隊。
帝国海軍第1航空機動艦隊を救助した彼等は、連合艦隊司令長官 山本五十六提督と会談すべく、ミッドウェー海域を離脱する途中、アメリカ海軍の潜水艦[ガードフィッシュ]の襲撃を受けるも、晴風の尽力もあり、撃退に成功する。
米海軍潜水艦ガードフィッシュの襲撃を辛くも撃退した学生艦隊は、ミッドウェー海域を離脱して小笠原諸島海域へと突入した。
武蔵:艦橋
武蔵航海長《小笠原諸島硫黄島沖を通過!間もなく西之島沖に到達します!》
武蔵副長「了解。警戒配置はそのまま。」
吉田親子「あれ?艦長は何処へ?」
武蔵見張り員「さっき宗谷監督官と格納庫へ向かいましたよ?打ち合わせじゃないですか?」
武蔵:スキッパー格納庫
ここスキッパー格納庫では宗谷真霜以下、真冬と古庄教官、羽山陽介と知名もえかが集まって今後の艦隊行動について話し合っていた。
宗谷真冬「今後の艦隊行動?そんなの決まってんだろ。彼等帝国海軍と交渉するしかねぇ。」
宗谷真霜「真冬、貴方本気で言っているの?」
宗谷真冬「本気じゃなけりゃ、話をハブらかして適当に答えてるっての!」
やはり、単に帝国海軍と交渉するのは危険であると考えていた真霜は、決めかねていた。
知名もえか「しかし、今後もミッドウェー沖での遭遇戦の事を考えると、帝国海軍と手を組むのは避けられないことです。」
宗谷真霜「知名さん、客観的な意見で物事を判断するのは……」
古庄薫「私も知名艦長の意見に賛同です。」
宗谷真霜「先輩まで!」
古庄薫「今回の戦闘で水面下ではありますが、生徒たちの間で慢心が見られます。このままの状態では、生徒たちにも被害が及ぶことは明白です。」
宗谷真霜「…………。」
たしかに、このままの状態では生徒たちの中から怪我人を出しかねず、最悪の場合には[死傷者]も出るかもしれない。
身の安全を確保するためにも、帝国海軍と交渉するのは避けられないことであった。
しかし、ここで羽山が突破口をこじ開ける。
羽山陽介「たしかに帝国海軍と交渉するのは避けられないが、何もなしという訳にはいかないな。」
宗谷真霜「な、なにか方法でも?」
羽山陽介「条件を出すんだよ。帝国海軍に編入させるための、最低限の。」
知名もえか「たしかにその方が、安全の確保も担保されるし、補給と整備のための港の整備も要求できますので、一石二鳥も狙えますね……。」
古庄薫「しかし帝国海軍が簡単に首を縦に振るとは思いません!必ず、それ相応の条件を持ち掛けてくるはずです!もしそうなってしまった場合、この世界の歴史にタッチする羽目に!」
羽山陽介「だがな………俺達がこの世界に現れた時点で、歴史にタッチしているんだ。こうなっちまった以上、条件を出してでの交渉しかない。生徒たちの安全を確保するためにもだ。」
生徒たちの安全確保。
教師としてこれは、何をおいても優先しなければならないことであった。
しかしここで、艦橋から報告が入る。
吉田親子《艦長!電信室から報告!我が艦隊の前方から、スイジョウキと思われる飛行物体が接近中とのことです!》
知名もえか〔こちら艦長、了解!すぐ戻るわ!〕
宗谷真冬「南雲忠一中将が仰ってた、艦隊司令官座乗の連絡機か………。」
羽山陽介「吉と出るか凶と出るかは、交渉の内容次第だな。」
そう言うと、それぞれ元の持ち場へと戻っていった。
水上機:機内
パイロット「長官、見えました!」
???「ほう、あれか。」
真下を見ると、横須賀女子海洋学校の艦隊が、第4警戒航行序列を成して日本を目指していた。
???「それでは、始めてくれ。」
パイロット「は!」
武蔵へ接舷するため、着水態勢に入る。
武蔵:艦橋
武蔵電信員《航空機1機、高度を下げました!着水する模様です。》
宗谷真霜「こっちに接舷するつもりね。」
知名もえか「両舷減速!第1戦速へ!」
武蔵航海長《両舷減速!》
武蔵機関長《第1戦速!!ヨーソロー!》
水上機と接舷するため、武蔵の速度を落とす。
そして、水上機は水しぶきを上げて着水する。
武蔵見張り員《水上機、着水しました!減速中!》
宗谷真霜「タラップ下げて!出迎えの用意を!」
武蔵左舷からタラップが降ろされると、水上機から1人の上級士官が降りてきて、武蔵へと乗艦する。
武蔵:左舷上甲板
???「出迎えに感謝する。」
武蔵乗組員たち「…………?!」
しかし、出迎えのため上甲板へと上がっていた生徒たちは、自分たちの目を疑った。
動揺していたところに、艦橋から降りてきた知名もえかと宗谷真霜達が出迎えの為やって来た。
???「君たちが、最高責任者かね?」
宗谷真霜「は!ブルーマーメイド保安監督官、宗谷真霜です!」
知名もえか「本艦の艦長、知名もえかです!」
羽山陽介「晴風の先任士官であります、羽山陽介です!」
帝国海軍連合艦隊司令長官:山本五十六元帥「うむ。連合艦隊司令長官の山本五十六です。」
知名もえか(やっぱり…………目の前にいるのが、あの”山本五十六”……!!)
自分の目の前に、あの歴史上の人物である山本五十六提督を見て、もえから学生たちは目を輝かせていた。
自分たち船乗りにとって、山本五十六という人物は、尊敬に値する存在だからだ。
晴風:物品倉庫
機関科応急員:青木百々「え~と?応急用の木材10日分と、溶接器具一式………」
機関科応急員:和住媛萌「非常用の保存食品4ヶ月分と水のペットボトル6ヶ月分………」
会談が行われている間、晴風では各種物品の在庫確認を行っていた。
和住媛萌「各種缶詰が5ヶ月分……と、こっちは問題ないっすよ?」
青木百々「でも、また戦闘とか起こったら今度こそ補給不足になっちゃうから、大変なんだよね〜。」
和住媛萌「あ~……それは言ってるっすね………あれ?」
何気ない会話が続くと思ったら、媛萌がとある段ボール箱に気づく。
和住媛萌「この段ボール箱は確か……」
その段ボール箱には[トイレットペーパー]と書かれていたが、青木が中身を確認すると…………
青木百々「え?」
和住媛萌「え?」
晴風:炊事室
伊良子美甘「野菜とお肉も後1ヶ月分あるね!」
ほぼ同時に、炊事室でも食品類の備蓄確認が行われていた。
伊良子美甘「あっちゃん、ほっちゃん!そっちはどう?」
杵崎あかね「たいへーん!!お米が後3袋しかないよ〜!!」
杵崎ほまれ「こっちは、乳製品と卵が4週間分しかないよ〜!!」
伊良子美甘「えぇ?!」
晴風:艦橋
岬明乃「平和だね〜。」
宗谷ましろ「そうですね。」
納沙幸子「平和すぎて、戦争中なのが嘘みたいですねぇ〜。」
知床鈴「平和のほうが静かだから、私は安心だよ〜。」
一方で晴風艦橋メンバーは、平和なひと時を味わっていた(訳:暇を持て余していた)。
西崎芽依「はぁ~………早く魚雷撃ちたいなぁ〜。」
立石志摩「………上がり。」
内田まゆみ「え゙?!もう?!」
山下秀子「早いなぁ〜、砲雷長は。」
仕舞いには、西崎芽衣たちが狭い艦橋のウイングで、風呂敷を広げてトランプでババ抜きをしていたのだ。
青木百々「かかかかかかかか艦長!!」
和住媛萌「緊急事態っす!!直ぐに全員を教室に集めるっす!!」
そんなのほほんとした空気をぶち壊すかの如く、青木と和住がかなり慌てて艦橋へ上がってきた。
岬明乃「ヒメちゃんモモちゃん、どうしたの?」
和住媛萌「大事件発生っすよーーーー!!!」
武蔵:応接室
場所は変わり、応接室で山本五十六との会談が行われていた。
山本五十六「ほう。では、貴方方は別の未来からやってきたと……」
知名もえか「…………。」
山本五十六「そして貴方方の世界では、日米開戦を辛くも回避して、国際機構である"ブルーマーメイド"を創った………中々興味深い話ですな。」
確かに、この世界の人達からすると、平野部のほとんどが地盤の沈下で失われ海洋国家となった日本と、女性が主体となって世界の治安維持を行うブルーマーメイドという国際海軍部隊。
そして、ブルーマーメイドを育てる女性海洋学校、どれを差し引いてもこの世界の人達から見ればスケールが大きすぎるのだ。
山本五十六「わかりました。貴方方の話を信じましょう。」
しかし山本五十六は、彼らの言う事を信じて帝国海軍に引き入れることを決めた。
宗谷真霜「では、我々を帝国海軍に編入すると…?」
山本五十六「はい。なにか要望がありましたら、ご期待に添えますが……」
ここで、羽山が帝国海軍に編入される前提条件を提示した。
羽山陽介「では、前提条件を出させていただきます。」
山本五十六「伺いましょう。」
羽山陽介「先ず第一に、生徒達の安全の確保です。これがなくては、我々は帝国海軍に協力することはできません。」
山本五十六「分かっております。生徒達の安全確保は、帝国海軍が保証しましょう。」
第一の条件を了承してくれた羽山は、次の条件を出した。
羽山陽介「次に、行方不明艦の捜索の協力と補給・整備のための港の確保です。」
行方不明艦の捜索。
これは、先のミッドウェー沖海戦に巻き込まれたときに艦隊が散り散りになってしまい、他の学生艦は行方不明になってしまっていた。
山本五十六「成る程………運悪くあの海戦に巻きこまれてしまい、他の学生艦が行方不明に…」
宗谷真霜「すべくの学生艦には、位置情報を知らせるビーコンを搭載しており、3重の安全装置も搭載していますが、一刻も早く見つけないといけません。」
山本五十六「わかりました。現在我が海軍は来るべき作戦のため、動かせる艦艇はそう多くはありませんが、潜水艦と海防艦も動員させて早期発見に努めましょう。」
宗谷真霜「感謝します。」
山本五十六「補給・整備のための港の確保につきましては、横須賀鎮守府をと考えております。」
話を聞いていると、羽山の足に柔らかい何かが当たった感触がした。
羽山陽介「うん?なんだ?」
すると今度は……
「ナフッ」
図太い猫の鳴き声がした。
まさかと思い、テーブルの下へ手を伸ばす。
宗谷真霜「羽山さん、どうしたのよ!」
羽山陽介「いえ、自分の足元になんか、猫が……」
知名もえか「猫?」
猫を捕まえた羽山は、テーブルの下から引っ張り出すと、ふくよかなどら猫が出てきた。
そう、かつて日本に未曾有の危機を与えた[RATt事件]の真犯人を捕まえた影の功労者[五十六]であった。
知名もえか「………あ!」
羽山陽介「なんだ、またおまえか〜。」
山本五十六「軍艦に猫を載せているのですな。」
宗谷真霜「はい。この猫は横須賀女子海洋学校に住み着いていて、一度だけ晴風に乗っていた時期があったんです。」
山本五十六「鼠対策ですな?」
羽山陽介「補給艦や工作艦に集中的に配置しています。食糧目当てで鼠が紛れんできますので。」
そこに、予備倉庫の確認に行っていた小林亜依子が、困り果てた表情で入ってきた。
武蔵調理担当兼予備倉庫管理者:小林亜依子「あの~………」
知名もえか「どうしたの?小林さん。」
小林亜依子「実はかなり厄介なことになってて……」
知名もえか「?」
晴風:教室
一方晴風では、和住達から緊急招集を受けて、晴風クラス+宗谷雪が教室に集まっていた。
そして、青木が真剣な表情で話し始めた。
青木百々「日本トイレ協会によると、一日に女性が使うトイレットペーパーの長さの平均は12.5m。うちのクラスは30人プラスで羽山さんと宗谷少佐、航海の途中で沖縄港にて物資などの追加補給を行う予定だったので、250ロールを積載していたのですが…………」
和住媛萌『もうトイレットペーパーがありませんっ!!!』
『ええええええ!!』
まさかの非常事態に、クラス全員がどよめく。
今回のソマリア遠征では、全艦に余裕ができるように基本250ロールのトイレットペーパーに+50ロールを余分に積載していたが、予想外の出来事の連発によりトイレットペーパーの消費を促してしまい、慢性的な物資不足を引き起こしてしまった。
一応、補給艦間宮にも予備のトイレットペーパーを積載していたが、総数が350ロール+30ロールだけで、数が足りなかったのだ。
駿河留奈「誰がそんなに使ったの?!」
伊勢桜良「ここ最近減りが早かったからねぇ〜。」
宗谷雪「この艦のトイレットペーパーが意外にも柔らかいから、つい………」
小笠原光「出た。」
武田美千留「出たね。」
日置順子「バキュンと乙女心が出たね!」
宗谷雪が、未来のトイレットペーパーの品質の良さを照れながら話したら、砲雷科の砲術員3人娘に茶化される。
柳原麻侖「ったく、どいつもこいつもすっとこどっこいだな!」
宗谷ましろ「補給を要請するしかないか………」
伊良子美甘「あの~…」
岬明乃「みかんちゃん、どうしたの?」
伊良子美甘「実は、各種食糧が尽きかけてるものが………」
『ええええええええ!!』
西崎芽衣「マジ?!」
知床鈴「食糧尽きたら私達………」
広田空「干からびてお陀仏だね。」
黒木洋美「しれっと恐ろしい事言うんじゃない!おっかないでしょう!!」
食糧は乗組員にとっては活力の一つである。
もし食糧が尽きてしまったら、長期航海が不可能に為る上、栄養失調による体調不良を引き起こしてしまう。
岬明乃「何処かで補給をしてもらう必要があるね。」
宗谷ましろ「ですが、どこで補給を行うんですか?この世界は我々にとっては異界です。横須賀へ入港できたとしても、補給を受けられる確率は低いと自負しますが………」
納沙幸子「そうですね。この世界には"オーシャンモール"はありませんし。」
『う~ん……………』
皆がなにか打開策を考えるが、やはり何も浮かばない。オーシャンモールのような大型商業施設は1942年現在は存在せず、何処かの港へ立ち寄って補給という事はできなくなっていた。
そこに、宗谷雪が打開策を見出す。
宗谷雪「補給なら受けられる可能性はあります。」
岬明乃「え?!本当!!」
宗谷ましろ「どうやって補給を?」
宗谷雪「今武蔵では、連合艦隊司令長官である山本五十六長官が会談なさっています。そこで私が直接出向いて、補給を手配させるのです。」
鏑木美波「だが、今のその状態ではスキッパーの加速に耐えられない。最悪の場合、死に至るぞ。」
黒木洋美「それに、タダで補給を受けられるかどうかすらわからないわ。」
宗谷雪「ですが、他になにか案でもあるんですか?」
「…………。」
他に案はなかった。
どこの所属でもない学生艦隊が、何処かの港へ入港できても、補給を受けられるかどうかはわからない。仮に補給を受けられるとなったら、その見返りに帝国海軍に協力するように迫ってくる。
岬明乃は考える。
補給は受けたいが、クラスと他の仲間を危険にさらしたくない。補給を受けるか、放浪するかの二者択一を迫られた。
「その心配はいらんよ。」
突然、男の声が教室に響いた。
全員が声がした方向を向くと、海軍の上級士官らしき人と羽山陽介がいた。
宗谷ましろ「あの………失礼ですが、お名前は………」
と、名前を聞こうとするが、宗谷雪がその人の前まで歩み寄り、敬礼をする。
宗谷雪「海軍少佐、宗谷雪。只今帰還しました。山本五十六長官。」
山本五十六「うむ。ご苦労であった。宗谷少佐。」
岬明乃「…………え?」
晴風クラス全員『えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ?!』
余りにも突然のことで反応が遅れたが、自分たちの目の前にいるのが、あの山本五十六であることに驚く。
羽山陽介(当然の反応だな………)
伊勢桜良「山本五十六って………確か……」
納沙幸子「旧海軍の連合艦隊司令長官で、日米開戦危機の回避に尽力された人物ですよ!!」
柳原麻侖「本物見るのは初めてだ……!」
初めて実物を見た彼等は、今まさに目を輝かせていた。
山本五十六「ハッハッハ!!君たちにとって私は、尊敬に値する人物というわけか!」
宗谷雪「それより長官。長官がこちらに来られたのは………」
山本五十六「おぉ、そうだったよ。」
岬明乃「あの、お話しとは………」
山本五十六「補給のことだが、この艦隊から駆逐艦と補給艦と工作艦を引き抜いて、マレー半島のシンガポールに向かってほしい。」
納沙幸子「補給が受けられるのですか?!」
山本五十六「そうだ。」
補給が受けられる事だけで不安は払拭され、彼らに再び希望を与えた。
宗谷ましろ「補給の件ですが、他の艦の事も考えると、10隻近くの油槽船が必要です。」
山本五十六「油槽船については、船舶運営会に頼めば、少なくとも4隻は手配してくれるでしょう。」
和住媛萌「4隻って、なんか微妙に少ないっすね。」
青木百々「でも戦争中なんだから、仕方ないんじゃないかな?」
岬明乃「とりあえず、シンガポールに行けば補給を受けられんだね!」
羽山陽介「まぁ、極端に言ってしまえばそうなるな。」
山本五十六「道中、軍令部の方から特使を派遣いたしますので、艦隊の再編成が終わり次第直ちにシンガポールへ向かってください。」
岬明乃「ありがとうございます!」
その後、武蔵に各艦の責任者が集まり、作戦会議を行い、艦隊旗艦[武蔵]と[比叡]・哨戒艦[べんてん]はこのまま横須賀へ向かい、哨戒艦[てんじん]を船団旗艦とした[晴風]・[天津風]・[時津風]・[間宮]・[明石]にシンガポールへ向かってもらうことにした。
武蔵:後部甲板
艦隊が出港準備にかかっていた頃、武蔵の後部甲板では山本五十六と宗谷雪が今後の事を話していた。
宗谷雪「ガダルカナル島に連合国軍が?!」
山本五十六「まだ定かではないが、米海兵隊6万人以上がガダルカナル島を奪回すべく、南太平洋を東進中だそうだ。」
宗谷雪「陸軍はなんと?」
山本五十六「ガダルカナル島への増援は、今のところ問題ではないと言ってきおった。」
宗谷雪(陸軍の連中は、ガ島設営隊を見殺しにする気なの!!)
ガダルカナル島。
現在は[ソロモン諸島]の首都[ホエアラ]があるこの島では、1942年に日本軍が占領。同島に設営隊と海軍陸戦隊合わせて600人弱が飛行場の建設を行うが、同年8月にヴァンデグリフト少将率いる米海兵隊第1海兵師団の強襲上陸を皮切りに、同島を巡って苛烈な攻防戦が繰り広げられることとなる。
山本五十六「今、大和を旗艦とした連合艦隊は、トラック泊地に集結中だ。貴官も直ぐにトラック泊地へ向かってもらいたい。」
宗谷雪「そのことですが長官。私を晴風と共に行かせていただけないでしょうか。」
山本五十六「……彼らに魅了したのか?」
宗谷雪「いえ。しかし、彼らの戦闘を見てはっきりわかったことがあります。彼らには我々にはできない"柔軟な発想と奇想天外な作戦"があります。ですが……」
山本五十六「いざ本格的な戦闘になったら、危険が伴うか…………。」
宗谷雪と山本五十六の直感は正しかった。
学生で、しかも正規の軍隊との戦いに慣れていないので迅速な判断ができなくなると同時に、死人が出てしまったら学生達の精神的苦痛は想像を絶するものであると感じていた。
山本五十六「わかった。宗谷雪少佐には、このまま晴風に乗艦して行動を共にせよ。」
宗谷雪「は!」
そして日が暮れる中、べんてん以下横須賀行の艦隊から燃料と食糧の分配作業を終えた補給船団は出港準備に入っていた。
武蔵:右舷タラップ前
宗谷真霜「この補給作戦の成否で、私達の命運が左右されると言っても過言ではないわ。道中、敵からの発見は極力回避。敵からの攻撃を受けても海域離脱を優先し、本作戦実施中は一切の攻撃も認めません。」
古庄薫「わかりました。そちらこそ、道中お気をつけて。」
宗谷真霜「宗谷雪少佐。あなたはオブザーバーとして同行が許可されていますが、くれぐれも味方を見捨てる行為はしないようにお願いします。」
宗谷雪「ご心配はいりません。私は、軍令部の抗戦派とは違い、穏健派ですので。」
そう言うと、宗谷真霜に敬礼をして武蔵を下船。
その5分後、艦隊は2手に分かれて行動を開始した。
今ここに、補給作戦は実行段階へと移された。月光に照らされながら、補給船団は太平洋を東南へと向かう。
だが、フィリピン沖にて所属不明の大艦隊が、一路シンガポールを目指して南下を始めようとしていた。
彼らの正体は一体………
第6話「シンガポールへ」に続く…
シーズン2に出したいアニメアンケート!1月1日〜1月17日まで(注:ジパングは固定)
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空母いぶき(原作)
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沈黙の艦隊(OVAシリーズ)
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マブラヴ オルタ(BETA無し)
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ストライクウィッチーズ(RtBあたり)
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第3飛行少女隊(独自設定)
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BATTLE SHIP