無力でも勝てます   作:ツマミ

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プロローグ。悪友

「だぁぁぁぁ!また負けたぁ!!」

「まだまだだね。君は本当にこういう時はバカになるねぇ。」

「バカとはなんだバカとは。俺はな。いざと言う時はビシッと決めて

普段は手を抜く。隠れ強キャラなんだよ。」

「はははは。たまに何言ってるか分からないけど。相変わらず面白いね君は。」

 

とある小屋の。日向が当たり布団で横たわる話す声だけは元気な老人と

30代程の額を糸で縫っている若い男の他愛のない会話が響く。

 

「……本当によく君はそれだけの力で生き残ったね。宿儺も運だけがいい凡夫以下だと言っていたが君がここまで生き残ってるのに少し感慨深くなってたよ。本人は認めないだろうけどね。」

 

あんな顔初めて見たよと若い男が思い出すようにニヤニヤしながら話す。

 

「いや。なんかツンデレキャラみたいに言ってるけど。あいつ気に入らないことあるとすぐ殺そうとするじゃん。それツンデレじゃないから。純度100パーセントの殺意だからな?」

 

老人が苦い顔をし。絶対俺に攻撃した回数は忘れねぇからなと愚痴をこぼす。

……ふと老人が咳をする。吐血をした。本人は特にもう気にしてない様子だが…量が尋常ではない。

 

「……君もそろそろかな。少し寂しくなる。」

「お前がそんなこと言うなんて珍しい。まだまだだよ。言っただろ。お前のバカ騒ぎには死ぬまで付き合うって。またなんか考えてんだろ?手伝ってやるから教えろよ。」

 

男が寂しそうな顔をする。それに対し老人は笑顔で答える。だが老人も少し諦観があるような影が入った笑みだ。

 

「……ほんとに君は変わらないねぇ。けどもう無理だよ。次こそほんとに死んでしまう。君はタイミングだけはいい男だけど。呪術的はほんとに終わってるんだから。」

「こんな老人にそんな追い討ちする?そこは君はすごいとか褒めろよ。

タイミングだけはいい男ってなんだよ。屑男みたいに聞こえるじゃねぇか。……それに俺は死なねぇよ。だから安心しろ」

「……ふふふふ。君が言うとほんとにそう思える不思議な感覚になる。だがもう無理だよその体は。君はもう死ぬ。明日も迎えられないかもしれない。」

「……まあ。だろうなぁ。お前と違って乗り換えとかは無理だし。

自分の体だ。正直どうなるかはわかってるよ。」

 

自分に対しては1番自分が理解していると思い。友の馬鹿げた夢に対してもう付き合ってやれないという悲しさと申し訳なさで老人が俯く。

 

パン!

「そこで君に提案だ。」

男が先程とはうってかわり満面の笑みで手を叩く。

「君は未来に興味はないかい???」

「ついに頭でも狂ったか。あ。元々だったな。裏梅の料理でも食うか?

宿儺にも相談するか。あ。でも宿儺に言ったらため息つかれそうだな。」

「君は私に対する優しさとかは無いのかな?」

 

男が溜息をつき仕切り直しだと言わんばかりに咳をする

 

「受肉だよ。受肉。今ね。周りの死ぬのに対し未練がある奴らを集めて面白いことをしようとしているんだ。君はそっち側では無いけど。受肉はさせられる。さっき言ったね?死ぬまで付き合うって。縛りでは無いけど。親友との約束を卑下するような君じゃないよね?」

 

男がここぞとばかりに押してくる。他人から見ればただの外堀を埋めてくる恋人である。

 

「だぁぁ!そこまで言わなくてもいいよ!YESだよ!welcomeだよ!

死ぬのは怖くねぇけど消えるのはこえぇしな。ここまで来たんだとことん付き合ってやるよ。」

「死ぬのと消えるのの違いがよく分からないけど。よかったよかった。

まあ断っても無理やり受肉させたけどね。数少ない友人を失うなんて私は悲しい。」

 

演技だと100人中100人がわかる嘘泣きをする。老人はこいつ痛い目見ないかなとつくづく思っているだろう。

 

「まあ。なら頼むわ。俺はもう寝る。今日は疲れたわ。また起こしてくれ」

 

何気ないいつもの会話のように。次が来るのが当たり前と言わんばかりに親友…羂索に頼み事をする。

 

「…そうだね。任せなよ。次も必ず起こしてあげよう。ただそうだね

会うのは……1000年後かな。」

 

羂索の語り声に老人は反応しない。それは意識がないだけなのか。それとも……羂索は気にしない。どうせ会える。それまでに下準備等様々な実験や挑戦がある。それに…親友が目を覚めた時にまたバカをやれることを楽しみにしているのだ。気長に待とう。

 

「……………それじゃあね。悪鬼。」

 

 

 

 

数日後。崖の上で街を見下ろす男と異形がいた。

 

「悪鬼はもう逝ったよ宿儺。」

「………ほう。死んだか。まあ。寿命で考えればそうだろうな。」

「まあね。ただ悪鬼は受肉させることにしたよ。計画に組み込むかは置いておいて。死んだままにするには惜しいしね。」

「ケヒッ。惜しいではなく寂しいの間違いだろう。貴様はあいつと仲が特に良かったからな。」

 

宿儺が少し煽るように話す。

 

「それは君もじゃないか。悪鬼と花見を2人でした事なんて知ってるよ」

 

羂索もココぞとばかりに煽り返す。

 

「黙れ。貴様と一緒にするな。彼奴がどうしてもというから飲んでやっただけだ。」

「他のやつなら部を弁えろとかすぐ殺すじゃないか。多少なりとも気に入ってたんでしょ。」

 

あー言えばこー言うとばかりに繰り返される応酬に宿儺が飽きたのか。

あーうっざとばかりの顔をする。羂索は舌を出して反省の色はまるでなし。

 

「……それより羂索。受肉はいつにする気だ?」

「やっぱり気になってるんじゃないか。1000年後だよ。色々したい事があるしね。ちなみに例の計画もその時だから悪鬼に君も会えるから殺したりしないでね。」

「ケヒッそれは彼奴次第だがな。まあ少しの無礼は許してやるが。」

 

宿儺はその時が楽しみとばかりに不気味な笑みを浮かべる。羂索は

あー。これをなんて言うだっけ……ツンデレかともういない親友の言葉を思い出す。

そこに女性のような男性のような中性的な人物が話しかける。

 

「宿儺様。失礼します。食事の準備ができました。城の方にお戻りになられますか?」

「裏梅か。そうだな。食事にするとしよう。……羂索貴様も来るか?」

「……珍しいね。君から誘うなんて。そうだね折角だし久しぶりに参加しようかな。ただ私は普通のご飯がいいから裏梅。よろしく」

「………ちっ」

 

裏梅が舌打ちをする。羂索は笑いながら裏梅をからかう。

それを宿儺がどうでもよさそうに眺めるが。ふと1人足りないなと思う。しかし直ぐにその考えを捨てる。

 

「あ。そういえば万はどうする??誘う???」

「「誰が誘うか。」」

 

あと一人友人と呼べるか怪しいラインの人を招待しようとした羂索だが即否定されわざとらしく残念がる。言ってみただけなのと2人の反応を楽しみたかったのだろう。

 

 

 

 

 

 

 




羂索って体によって話し方変えてそうだけど基本的言葉遣い綺麗そうだよね。あと羂索の本来の性別判明してねぇからなんでもええやろ!
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