また活動報告にも眼魔の項目を作りましたので、皆様のリクエストをお待ちしております。
それと書き忘れてましたが悠仁は養子になった設定だったので、夜宵と同じ名字にしてあります。
「うーん」
「どう?生成できそう?」
ラブホテルの廃墟の外に出て、花魁が封印されたぬいぐるみを眼魂に生成しようと試す悠仁だが、うんともすんとも言わない様子だ。
「…駄目だ、眼魂生成できねぇ」
「そう。
ごめんね、危険を冒してまで回収したのに」
「いや、気にするなよ。
多分俺もやり方がわかってないかもだから」
と、一緒に方法を考える。
すると、周辺で騒ぎが起き始めた。
悲鳴、破壊音、何かが壊れる音。
二人は何か嫌な予感が感じた。
「この気配は」
「うん、悪霊に近いけど、何かが違う。
でも、行ってみよう」
そこへ行くと、街なかで悠仁が変身するスピリットと同じくパーカーを着た怪人が三節棍を振り回して建物や車などを破壊していた。
「あいつは!?」
「変身した悠仁と似たパーカー、それに周囲の逃げ惑う人たち声からの情報によると、悪霊の可能性はあるけど、断言はできない」
「だとしても、ここであいつを止めるしかねぇだろ!
変身!」
『カイガン!スピリット!燃えろ生き様!その果ての死に様!』
悠仁はスピリットに変身し、怪人に殴り掛かる。
怪人は三節棍で攻撃を受け止め、スピリットに殴り返す。
その攻撃を腕をクロスして防ぐが、その衝撃は凄まじく地面を少し削る程だった。
「なんつぅ一撃だ」
「貴様のこの力、人間ではないな」
「そういうてめぇは、何者だ!
幽霊じゃねぇみてぇだが」
「ふっ、なんだって良い。
だが、そうか、そういうことか。
お前が持ってるその眼魂を渡してもらおうか!」
「なんだそりゃ!」
「うるさい!さっさと渡せ!」
怪人は悠仁の首を締め上げる。
「うっ、放せ!」
「うぐっ!」
悠仁の蹴りが怪人の腹に決まる。
首を絞める手が緩み、再び蹴飛ばすことで距離を取った。
「くっ、貴様ぁ!!」
不規則な曲がり方をする三節棍を前に、もう一度腕をクロスして防ごうとする。
「悠仁!」
そこへ、悠仁の前に出た夜宵が、花魁が封印された狐のぬいぐるみを盾にして防いだ。
ぬいぐるみを縛る縄は解け、三節棍はたわむ。
「むっ!」
「や、夜宵!」
「大丈夫。
それよりも、私も卒業生を使って加勢する。
人もいないから、任せて」
「良いのか?
そいつ、俺らに敵意ある感じだろ」
「問題ない。
でも、この卒業生が出す蝶とか炎には気を付けて」
「お、おう」
怪人と距離を取りながら、ぬいぐるみを構えた。
そして怪人も、ぬいぐるみから感じる気配に、何をする気かと警戒している。
(この子は私たちに敵意を抱いてるから、出した時に即座に私たちに攻撃してくる可能性があった。
だから敢えて悠仁の盾になって攻撃を受けさせることで奴に敵意を抱かせた。
これなら行けるはず)
封印の縄が解け、禍々しい気配を発する狐のぬいぐるみ。
「─────煌めいて」
それを掲げると、口から血にも似た何かが噴き出し、頭が髑髏になった花魁道中が現れ、それらが全て炎に包まれ、一箇所に集まる。
そこへ現れるは豪華絢爛の着物をその身に纏った美しくも禍々しい花魁。
微笑む口を隠す扇子を大きく振り、無数の蝶が舞う光景に見合う花魁が、召喚された。
「魄啜繚乱弟切花魁───」
怪人が、三節棍を手に間合いを取る。
それに対して弟切花魁はキセルを吹かせ、見下ろしながら笑い舞う。
「───狂い咲く絢爛の花、抱かれて煌めく夜の蝶。
世界で一番美しいのは誰かって?
面を上げて、前を見な?」
「くっ、こざかしい!」
怪人はジャラジャラと三節棍を振り回し、弟切花魁を殴りかかろうとする。
だが、そこへある違和感を覚え後ろへ飛ぶように距離を取った。
周囲を見回すと無数の炎の蝶が飛び回り、動きを妨害する。
「えぇい、こんなものはまやかしだ!」
縦横無尽に振り回される三節棍が、周囲の蝶を薙ぎ払う。
だが、一匹の蝶が腕に止まり。
「うっ!?」
腕が痩せ細り、萎れ始めた。
「な、あいつの腕が!」
「うん、花魁の蝶に止まられると、相手の生命力を啜り、それが花魁の糧とする。
花魁がダメージを負ってるなら、それで回復するし、呪いの手数も増える。
悠仁、花魁の蝶に触れないように気を付けて」
「おう!」
無数の蝶が舞う中、悠仁は触れないように注意しながら突っ走る。
だが花魁は敵意を持ってるので、蝶が悠仁に迫る。
避けていく中、悠仁の頭の中に、断片的に花魁の過去を見せられた。
天性の美貌で貧困の家族を救うために身売りして遊女になり、そのまま昇格して花魁になったこと。
花魁になってから、後輩の教育を兼ねるようになりその際手鏡を渡したこと。
ある日、身請けしようとした男から代金を貰った直後、その男から毒を盛られたと勘違いされ話を聞いてもらえずに殴り倒されたこと。
遊郭を追放され、梅毒を患い薬を買う金を稼ぐために夜の街に出るようになったこと。
そこへ、後輩が姿を現して実は身請けしようとした男に毒を盛ったのは自分であることと、その男に今身請けしてもらったのは自分であることを告げられたこと。
更に畳み掛けるように、かつて後輩に渡した手鏡を見せられ、そこへ映されたのが梅毒や薬として飲んでた水銀によって腫れて爛れて、その天性の美貌を失い醜くなった自分の顔。
絶望と怒りに呑まれた花魁は、夜に遊郭に忍込み、その後輩に油を掛けて自身諸共燃やして死亡したこと。
(これが、花魁の過去か)
走りながら、悠仁は花魁を見る。
死して尚、美しさを保とうとするのは、こういう経緯があるから。
そう思うと、今の悪霊となった花魁のそれは、かつての自分を否定しようとするような痛々しさを感じた。
(──あぁ、そうか。
あんたは、正しく死ねなかったんだな)
彼女にとって美は自身の存在価値そのもの。
だから、自分の顔が醜くなった時、その存在価値を否定され踏み躙られ、自分の中の根底にあるものが崩れたのだろうと、悠仁は思った。
それも家族を救うために躊躇いなく自ら遊女となるその美しくも優しい花魁が、今では美しさに執着するしか己を肯定できなくなった悪霊へと成り果てる程に。
だからって悠仁は彼女に同情はしない。
どんなに凄惨な過去があっても、悪霊となってまで美しさを求める理由になんかならない。
だが、強いて言うなら、ほんの少しの憐れみの情を抱いたくらいだ。
その情を、駆け抜ける足に集中させる。
悠仁は怪人に接近し、攻撃を仕掛ける。
「ふん!」
「ぬぅ!」
拳と三節棍がぶつかり合う。
怪人は恐ろしいことに、既に蝶が大量に止まって生命力を啜られてるにも関わらず、その威力は衰えてない。
むしろ、以前よりも力が増しているようにも感じた。
「ちっ、こんなもので足止めできると思うなよ!」
三節棍が振るわれ、悠仁は腕をクロスして防ぐ。
その威力は凄まじく腕が痺れる程だが、もう片方の腕で怪人に一撃を入れようと殴り掛かるが、あっさりと受け止められた。
だがそこで逆に掴まれてしまい、締め上げられる。
「おらぁっ!」
負けじと悠仁も片方の手で殴る。
「うっ!」
がら空きとなった胴体に拳を入れて離れる。
そこへ、飛んできた花魁の蝶を避ける。
「くっ、お前もそうだがまずはあの花魁からだ!」
手を翳すとどこからか大量の刀が現れ、それが雨のように蝶と花魁に降り注ぎ、串刺しにされた。
「がはっ…!?」
全身を串刺しにされて、身動きが取れない状態となる。
「まずい…、蝶を一瞬で切り刻まれた。
これじゃ回復できない」
ぬいぐるみを手に夜宵は今の状況に危機感を覚える。
「ぐっ、うぅ…っ!」
痛みに耐えながら蝶を出そうとするが、体が痺れて動けない。
「まずは邪魔な貴様からだ!!」
「…!」
今まさに、花魁の顔に一振りの刀が落ちる。
はずだった。
「え…?」
「ぐっ!」
「何?」
刀の刃を、悠仁が掴む形で受け止めた。
掴んだ掌から、血が流れる。
怪人と花魁はその光景に困惑していた。
「悠仁!花魁は顔をやられたぐらいじゃ!」
夜宵が言いかけた所で静止した。
「…悪い、少し我慢してくれよ」
「なっ、何を、うぐっ!?」
花魁を突き刺した刀を抜いていく。
その刀が引き抜かれる度に、花魁が苦悶の表情を浮かべて体がビクッと痙攣する。
そして、全ての刀を引き抜くと、自らの体を差し出した。
「まずは回復しろ。
ほんの少しだけ、お前にくれてやる」
「わ、わかったよ…」
花魁の1羽の蝶が悠仁に止まり、生命力を吸収される。
「うぅっ!!
ちょっとでこれかよ…!
そりゃあ夜宵も触れるなって言うわけだ!」
「何を考えてるかは知らんが、背中ががら空きだ!」
「うっせぇ!お前は後回しだ!!」
「ごふっ!?」
花魁から引き抜いた一振りの刀を投げつけ、怪人を地面に縫い留める。
そして、十分回復したと判断して、止めさせてた蝶を殴り飛ばす。
全身の傷が癒え、立ち上がる花魁だが、その表情は困惑に満ちていた。
「…小僧、一体どういうつもりだい?
こんなことして、あたしがあんたたちに味方するとでも思ってるのかい?」
「別にそんなつもりはねぇよ。
情とか、そんなんでてめぇを助けたつもりはない。
だが、その顔が、美しさが、あんたの存在意義なんだろ?
あんたのことは味方とは思わねぇが、せめて敵じゃねぇってことの証明だよ」
「なっ!?」
その言葉に、花魁は目を見開いた。
「さっき、あんたの過去見させられたよ。
あんた、元々はいい奴だったんだな。
家族のために遊女になるようなやつだしな。
そういう意味じゃ、かつてのあんたは身も心両方美しかったんだな。
今じゃ過去に裏切られた影響で、面影なんざねぇし、最悪なやつだ」
「…ふん、同情のつもりかい?」
「別に。
まぁだからって、際限なく周りのやつの生命力啜って良い理由になんかならねぇよ。
…悪霊だから、こんな講釈垂れたところで意味ないんだろうがな」
「わかってるじゃないかい」
「でもあんたは俺たちの戦力なんだ。
あんたがマジでやられそうになったら、助けてやるから、悪霊とか目の前の変なやつみたい、あんな感じのやつを倒すのに手を貸せ」
「…」
扇子で表情を隠して、少し考える。
花魁からすれば、今でも目の前にいる悠仁も、そして自分の依代となってるぬいぐるみを握る夜宵に快い気分は持たない。
でも、少なくとも。
たった今悠仁に助けられたのは事実。
自分の身を呈してまで助けたその姿勢に、かつての自分を重ねた。
貧乏で貧しかった家族を救うために、自ら身売りして遊女になった自分を。
(…ふん、小僧がいっちょ前に説教かい。
このあたしを味方とは思わねぇとまで言っときながら)
花魁は扇子を畳んで、1つため息をつく。
(……まぁ良いさね。
こっちもやつに串刺しにされたままなのは、癪だしねぇ)
「……ふん」
「いてっ」
そして花魁は悠仁の頭にキセルを軽く叩く。
「助けてやるから手を貸せだなんて、冗談じゃないよ。
小僧の分際があたしをそこまで見下すんじゃないよ。
……ふん、だが、まぁ。
どうやら小僧には借りができちまったみたいだしねぇ」
「え?」
「だったらその借り、返してやるよ。
あいつとか他の悪霊を倒すんだろ?
だったら手伝ってやるさ」
そう言って花魁は背中を向ける。
「ほら、やつが動く前に、あたしの力を使いな。
あんたの腰のそれ、それができるんだろ?」
「花魁…、わかった!
夜宵、花魁のぬいぐるみを!」
「うん!」
夜宵が投げた狐のぬいぐるみを受け取り、印を結ぶ。
すると、ぬいぐるみが光り眼魂へと姿を変えた。
花魁の着物のような華やかさと炎を纏うその眼魂を手にする。
それと同時に花魁が眼魂に入り込む。
「これが、花魁の眼魂」
「小僧、あたしを使いな」
悠仁は頷き、狐の眼をした眼魂を起動させてドライバーに入れる。
『アーイ!バッチリミナー!バッチリミナー!』
華やかな着物のようなパーカーが宙を舞い、蝶が周囲を舞う。
『カイガン!弟切花魁!キラキラ絢爛!メラメラ花魁!』
トリガーを押し込み、パーカーを纏うと、悠仁の体に一瞬だけ炎が燃え上がり、それが拳に集められる。
「これが、花魁の卒業生を眼魂にした悠仁の姿…!」
「すげぇ、これなら行ける!」
拳に集まった炎が蝶となり、悠仁の周囲を舞って消える。
『ふふっ、ほらあたしがここまでしたんだ。
さっさとあいつをやっちまいな』
「おう!」
拳を構えた先では、自分を縫い付けた刀を抜いて立ち上がる怪人がいた。
「ぐっ!ならばその眼魂も奪うまでだ!」
血濡れた刀を捨て、三節棍が振るわれる。
「おらっ!」
「ぐあっ!?」
それを炎を纏った拳で受け止めると、そのまま殴り飛ばした。
すると、殴った場所に炎が着火し、どれだけ払っても炎は消えない。
「な、何だこの炎は!?
何故消えない!?」
『ふふっ、そりゃあそうさ。
それはかつてあたしが遊郭を焼いた憎しみの炎だからね。
ほら小僧、あの炎の煙を吸って、少しは体も回復して力も強くなったんじゃないかい?』
「なるほど、そりゃいいな!」
そう言って、悠仁は再び走り出す。
「おのれちょこざいな!」
三節棍が振るわれる。
しかし今度は受け止めず、拳を突き出したまま突撃する。
すると拳に纏われた炎が三節棍を燃やしていく。
「ぐっ!?おのれぇ!!」
叫びながら振るわれる一撃を躱して懐に入り込み、アッパーを繰り出して顎を打ち抜くと、怪人はそのままのけ反り倒れた。
(凄い…、あの花魁の呪いを自分なりに使いこなしてる。
あの炎は花魁の呪いの一つ、本来ならダメージで醜くなった自身の顔を鏡で見せてトラウマを想起させるのが条件のやばい呪い。
本当なら周囲数メートルにまでその炎の遊郭が出現し、さらに炎を蝶に変換するからかなり広くなるけど、悠仁はそれを制御して、拳だけに留めてる)
巻き込まれないように離れたところから、夜宵はその様子を見ていた。
「ぐっ、おのれぇ!小癪な小僧めぇ!!」
大量の刀が上空に出現し、雨のように降り注ぐ。
だが悠仁は、刀が落ちるよりも速く距離を詰める。
「何っ!?」
「おぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
そして、炎を纏った拳のアッパーを食らわせる。
「がはっ……!」
その一撃を受けた怪人は何とか耐えて、燃え上がる体で再び刀を出現させようとする。
「そんなことさせるかよ!」
『ダイカイガン!弟切花魁!オメガトライブ!』
悠仁の背中に、大きな炎の蝶の翅が生え、天高く空を跳んだ。
そして、右足に炎を集中していく。
「だらぁっ!!」
「ぐがぁ!?」
右足を突き出して放つ跳び蹴りが命中する。
そのまま怪人は、燃え盛る炎で爆発四散した。
「はぁ……、はぁ……!」
『ふんっ、あたしを使いこなしてるへばってるのかい?
だらしないねぇ。
全く、あたしもこんなやつにやられて、言い負かされたもんだ。
次あたしを使うまでせいぜい体を休めていくんだね。
ふんっ』
そう言って、花魁は眼魂の中へと消えていき、悠仁も変身を解除した。
そこへ、夜宵が怪人が倒れた場所から何かを持ち出してきた。
「悠仁!お疲れ」
「夜宵、それは」
「これ、眼魂に似てる」
夜宵が見せたのは、眼魂に似た何かだった。
だが次の瞬間、粉々に割れてしまった。
「なっ!?」
「…恐らくこれは眼魂と似た何か。
眼魂とどう関係してるのか気になったからだから持ち帰って調べようと思ったけど、さっきの戦いで限界だったみたい」
「やっべ、やり過ぎちまったかな」
「ううん、あれだけ街中を暴れたやつだから、因果応報。
捕まえたかったのは本当だけど、どうやらそういうわけにはいかないらしい。
それよりも…」
と、花魁の眼魂を手に取り、むくれた様子で見つめる。
「あれだけ私のこと嫌ってたのに、悠仁のこと気に入ったみたいで羨ましい。
15個の内、1個手に入ったのは嬉しいけど」
ムスッとして、拗ねた様子を見せる夜宵。
「まぁとにかく、眼魂一つゲットしたんだ。
それで良いじゃねぇか」
「…一番危険な立場にいるの悠仁なのに。
一刻も早く眼魂集めないといけないから。
でも、今回はいくつか収穫はあったのは確か。
まず、廃屋や暴走族の霊の回収に成功したこと。
そして卒業生である魄魂繚乱弟切花魁を回収し、眼魂を生成できたこと。
でも疑問も出てきた」
「さっきのやつのことか?」
うん、と。
夜宵は考え事しながら頷いた。
「やつの姿は、変身した悠仁と似た見た目をしていた。
それに倒した場所にあった、あの眼魂に似た何か。
霊だけど、霊じゃない。
一体何者なのか、眼魂を探しながら調べておかないと」
「…そうだな」
二人はバイクに乗って、その場を立ち去り家に帰った。
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