ドン!ドン!ドン!
空間に響く音。そこではイナゴ怪人に拳銃ではなく久しく会った相棒で発砲する不動がいた。
「ギィッ!」
「この重量、反動、お前なんだな、ゴウリュウガン。」
『YES、腕は落ちていないようだな。』
「当たり前だ。・・・・拳銃を握る度にいつもお前の事を思い出していた。」
懐かしのやり取りに緩みそうになる口を噛み締め、イナゴ怪人に向き合った。
「おい!イナゴ野郎ッ!散々痛めつけてくれやがって。今、清算してやる。マグナリュガンキー!」
「発動!」
『チェンジ マグナリュウガンオー』
「剛龍変身!」
鍵を差し込み、変身の名乗りと共に放った弾丸。それは銀色の龍になり、不動の周りを駆け巡り光った。そこに立っていたのは赤い戦士。白を基本としたスーツカラーに赤と金の装飾に覆われ、右手にゴウリュウガン、左手には小型銃『マダンマグナム』が握られていた。
魔弾銃士マグナリュウガンオー
「絶望から助けの声が聞こえた時、赤き龍は蘇るッ!マグナリュウガンオー!ライジン!」
「最初に言っておく。今の俺は、昨日の一億倍強いッ!!」
そう言い走り出すマグナリュウガンオー。それに対し、イナゴ怪人はエネルギー弾を飛ばすがかわされ、ゴウリュウガンによる射撃で相殺され意味はなく、それにイラついたのか大きめのエネルギー弾を放った。
それを焦りもせず同じ動作で相殺し、エネルギーのぶつかり合いで爆風が巻き起こった。
「ギッ・・・ギッ!?」
払いのけるイナゴ怪人。そこにマグナリュウガンオーの姿はなく、代わりに背中に何かを突きつけられた。
「こっちだ。」
ドドドドドン!
「ガ・・・ギ・・・ギシャアアア!!」
ブブブブブブ・・・・
ゼロ距離からの射撃。それに怒りを表現するかのように大量のイナゴに分かれ襲い掛かろうとする。
しかし、リュウガンオーはその場で動かずゴウリュウガンの声で構える姿があった。
『このイナゴは全てが本体と判明』
「そうか・・ダブルショット!」
バージョンアップにより『ショットキー』の必要も無く、ドラゴンショット級の光弾を可能にした攻撃。
『左上50°』
ドン!
『真上3体』
ドドドン!
『五歩前進し真後ろ』
ドドン!
ゴウリュウガンの指示、そして不動の正確無比な射撃により徐々に、しかし確実に数が減っていき、やがて堪らなくなったのか再び一つになり姿を現した。
「言った筈だぜ?一億倍強ぇってな!ファイナルキー! 」
カシャ「発動!」
『ファイナルクラッシュ』
鍵を差し込み、ゴウリュウガンの銃口にマダンマグナムを嵌め二つの銃を一つにするとマダンマグナムの先に刃が出てきた。すると、見て分かるほどの熱気がリュウガンオーの体から出て、エネルギーがマグナゴウリュウガンに溜まっていきイナゴ怪人に向け両腕で固定した。
「マグナドラゴンキャノン!発射ッ!!」
収束して放たれた弾丸。それは炎の龍となり動く暇も無くイナゴ怪人の体を貫き爆発し、煙が晴れた頃にはイナゴは一匹もおらずマグナリュウガンオーだけが立っていた。
「ジ・エンド」
「アーチェリーモード!ハッ!」
バシュン!
「ッ!おらっ!」
バシュン!バシュン!
「はっ!」
ダッ!バシュン!
マグナリュウガンオーとイナゴ怪人が戦っていたのと同じ頃、リュウジンオーはザンリュウジンをアーチェリーモードに変え、シグルドと撃ち合っていた。
「くッ!(アイツが使う武器、ソニックアローと似てやがる。だが!)おらおらおら!!」
リュウジンオーに近づきながら矢を撃ちまくり、斬りかかるシグルド。
確かに、ソニックアローとザンリュウジンは攻撃の方法としてなら似ている。しかし、違うものがあった。それは近づけば斬り、遠ければ撃つの両方が行えるソニックアローと違い、片方しかできないザンリュウジン。モードチェンジしなければいけない事で隙ができ、リュウジンオーに若干不利があった。
しかし、それは双方の力量が同じ場合に限る。
ザンリュウジンとソニックアローの違いはそれだけでなくもう一つの決定的な違い、それはザンリュウジンには『考える力』がある事。
そしてもう一つ、ブランクがあるとはいえ白波鋼一は魔物との戦いで何度も死に掛け、勝ってきた歴戦の戦士。
いかに性能が高いゲネシスドライバーでも二人の間には大きな”差”がある。
故に・・・
「フッ!」
「何!?ぐおっ!」
迫ったソニックアローをザンリュウジンで受け流し、バランスを崩した所を腹に蹴りを入れた。
「こいつ・・舐めやがって―――」
「弱いな。」
「何だと!」
「最初の時、変身してなかった俺を殺すのに十分な時間があった筈だ。なのに直に始末せずに俺に行動を与えていた。わざとなのかそれとも・・・狩りをしているつもりだったのか?」
・・・自らが有利になると、すぐにとどめを刺さず相手に行動を許す。シド、お前の悪い癖だ・・・
「!!だ、ま、れええええっっ!!!」
「烈風!」
上に矢を放ち、さくらんぼ型のオーラ状にして矢の雨を降らすシグルド。だが、リュウジンオーが持っている加速機能『烈風』によって全てかわされ、逆に四方八方から撃たれ、その場に倒れた。
「終わりだ。」
ザンリュウジンをアックスモードにして突きつける。
「ハッ、これからが本番だろ!」
取り出したロックシード。それは大きく『S』と書かれており、ソニックアローに嵌めた。
『ロック・オン』
そして三つのスイカロックシードを出し、空に投げ・・・
『コネクティング』
矢を放ち、当てると音声と共に3mはあるスイカ型のロボットが現れた。
「スイカ!?」
『おいおいおいこっち来たぞ!!』
「烈風―――」
「させるかよ!ジャイロモード、索敵攻撃!」
烈風により避けようとするリュウジンオーをシグルドの指示によって空を飛ぶジャイロモードになった2体が撃ち抜いた。
「ぐっ!がっ!・・くぅっ!」
『鋼一!前!』
撃たれたことによりよろけるリュウジンオーに呼びかける声と同時に目の前に大きな拳が迫り、殴られ壁に激突していった。
『大丈夫か!?』
「ああ、ザンリュウ、”奴”も目覚めてるな?」
『―――ああぁ、なるほどねぇ。勿論。』
「シャドウキー」
カシャ「召喚」
『デルタシャドウ』
「来い!デルタシャドウ!!」
振りかざしたザンリュウジンから魔方陣が放たれ、魔法陣の中からカラス型デルタシャドウが出現した。
―――『獣王』―――魔弾戦士をサポートする地球の精霊で獣の姿の他、ビークルモード・ウェポンモード・ウイングモードが存在する。
リュウジンオーが口笛を吹くと、反応するように一際大きく啼き変形しリュウジンオーの背中に固定された。
「シャドウウイングリュウジンオー ライジン!」
「!まて!」
突然現れたデルタシャドウに驚きながらもスイカロボに乗り込んだシグルド。別の場所に飛んで行ったリュウジンオーを追うよう後をを追いかけていった。その時、シドの頭の中から中心に行くという考えは消えていた。
「此処でなら思う存分戦える。」
そこはパワースポットから離れた場所。下は海、空は晴れ渡っていた為、リュウジンオーとシグルドがよく見えていた。
『にしてもまんまとついてきたなぁ?』
「それだけバカだということだ。くるぞ」
矢を放つシグルド。しかし当たる瞬間リュウジンオーの姿が消え、代わりに1体のスイカロボが爆発した。
「何!?消えた!?・・違う、高速で飛んでる・・地上での高速移動より速く・・!くそが!!」
縦横無尽に飛び回るリュウジンオーに攻撃をする2体、しかし、翼を得たことによってスイカロボでは不可能な鳥特有の動きを可能にしたリュウジンオーの動きに追いつく事も、また、ソニックアローのホーミングをもってしても当たる事は無かった。
「畜生!何なんだあの動きはよっ!?」
『鋼一、あれ。』
2人の見た先。そこには炎の馬とレスキュードリル、レスキュードーザーと合体したレスキューマックスがあった。
『向こうも終わりそうだな。』
「ああ―――決めるぞ。」
『了解。』
同じく、デルタシャドウが啼いた。
「魔弾龍、獣王、闘士、三つの心が1つになる時、究極の一撃が放たれる!ファイナルキー 発動!」
『ファイナルクラッシュ』
「三位一体・ザンリュウジン乱撃!!」
魔力によって威力の増した刃が瞬時に残った2体を切り裂き、シグルド諸共海に落ちていき爆発した。
「勝負ありだ」
リュウジンオーが起こした爆発はR1とR2からも見えていた。
「何だあれ!?」
驚くR2に通信で返答がきた。
『俺だ。』
「白波さん!?ってことは、あれが魔弾戦士!!?」
「もたもたしてらんねえっ!決めるぜR1!」
「はい!」
「「ファイナルレスキューを要請します!」」
2人の声を聞いたのはR5。
―――ファイナルレスキュー―――レスキュービークルに搭載されてる機能で、下手すれば周りへの被害が拡大する可能性もあるもの。昔は上からの権限無しでは使用できなかったが、今では技術の発展やらで単独で行使可能。
しかし昔の癖なのだろう。2人はかつての上官に許可を求め、昔と変わらない声で許可を出した。
「ファイナルレスキュー承認! 爆裂的に鎮圧せよ!!」
「「了解!!」」
「ターゲットロック!」
『ターゲットロックオン』
標的は炎の馬、ターゲットを見据え、カードを切った。
「ファイナルレスキュー マックスブラスター!発動!」
『マックスブラスター』
体から黄色いエネルギーを纏ったレスキューマックスドリルドーザー、撃ってくる炎弾を物ともせず突き進み、左肩のドーザーで馬を掴み、まわし始めた。
「回れ回れ回れーーーッッ!」
「そしてぇーー、どっせーーい!!」
何回も回し上に投げると、右肩のドリルの出番。ジャンプし2人の咆哮と共にドリルが炎の馬の体を貫いた。
着地するレスキューマックスの背後で炎の馬が爆発した。
「よっし!!」
「イエス!!」
「「爆鎮・・・完り「まだ終わってないぞ!」ってあれっ。」」
「いつ新手が来るとも限らん。2人はそのまま逃げ遅れた要救助者の救助しつつ待機だ。」
「「了解!」」
「ザンリュウ、俺達も戻るぞ。」
『了解っ』
そしてR1とR2は街に、リュウジンオーはパワースポットに戻っていった。
「ハァッ、ハァッ・・・ハァッ・・あ?あれって・・・マグナリュウガンオー!?」
「剣二?R1は兎も角、R5は?」
「あ、いや、御厨博士が魔力を感知したって連絡が来たからいても立ってもいられなくなって・・てかゴウリュウガン、目、覚ましたのかよ!?」
「ああ、そんな事よりこれ見ろ。」
リュウガンオーに言われ見た先には、パワースポットの中心部を蔽うようにして絡まり、動いているヘルへイムの植物だった。
「イナゴ野郎を倒して戻ってきたらこれだ。今ゴウリュウガンにスキャンしてもらってるが・・・」
『該当データ無し。唯一判明している事は―――』
『別の世界から来ているって事だけってなっ。』
ゴウリュウガンを遮った声、それに反応した2人の後ろからリュウジンオーが飛んできた。
「リュウジンオー・・ザンリュウジンも目覚めたのか。」
「じゃあゲキリュウケンは!あいつも目覚めてんのか!?」
『いや、ゲキリュウケンはまだあそこで眠っている。』
『ぶっちゃけ俺達が目覚めてる事自体がおかしいんだ。俺達はパワースポットの暴走を止める為に眠った。逆を言えば、俺達が眠ってないと暴走が始まる。が、今目覚めてるのに暴走していない。理由はゲキリュウケンが頑張ってんのか・・・・』
「この植物が関係しているか・・・」
「ああもうっ!魔力は暴走してねぇしゲキリュウケンだけ目覚めねぇし、だいたい、この植物は何なんだよ!」
「その植物は世界を蝕む意思そのものだ。」
突如聞こえた声。何時の間にいたのか、コウガネが中心部のすぐそばにいた。
「てめぇ、あん時の金ピカ・・ッ!」
『鋼一、気をつけろ。あいつ、人間じゃ無え。』
「それが魔弾龍、そして魔弾戦士か。貴様等の戦いは、全て見させてもらった。」
コウガネの肩、そこには一匹のイナゴが乗っていた。
「!!あのイナゴ、倒しきれてなかったか。」
「おいっ!さっさとゲキリュウケンから離れやがれッ!!」
「断る。私の完全復活にはこれが必要なのでな。」
見るとコウガネの手に光が集まっていた。
「あれは・・」
『高密度の魔力と判明。』
「ふっ、よおく見ておくがいい。」
魔力の塊から手を離すと、中心部を蔽っていた植物が離れ、魔力の塊を包んでいき、人の姿を形成していった。
その姿は男性で中世の貴族のような黒い衣装に身を包んでいた。
「ハッハッハッ、素晴らしい。肉体が完全に戻った。しかも以前よりも力がみなぎる!」
男は自分の存在を確かめるように拳を握り締め、喜びに震えていた。
「ここは魔力が溜まっている場所の中心。魔力で体ができてるならばここでの肉体と戦闘は十全な筈だ・・・
・・・お前達『ファントム』という存在は。」
―――ファントム―――強力な魔力を持った人間=『ゲート』が絶望したときに生まれ、宿主の全てを喰らい尽くす事によって現実世界に出現する存在。
各々が神話や伝承に名を残す伝説の獣や怪物の名を持っている。
―――しかし、剣二達には知る由も無かった。そもそもファントムはこの世界の存在ではない。遥か別世界『仮面ライダーウィザード』の世界の怪人なのだから。
「ハハハッ、あなたのリーダーはファントムというのをよく理解しておられる。よろしい!魔力を吸った植物で私の体を創った時に植物を通して何をするかも聞いたので、さっそく役目を果たすとしようか。」
「イナゴ人間の次は植物人間かよ・・!」
『ライトニング ナウ』
「!剣二下がれ!」
どこからともなく鳴り響いた音と共に3人に襲い掛かった稲妻。見ると黒い衣装の男の前に魔法陣が表れそこから稲妻を出していた。
「ぐっ、なんて力だ・・」
「くそ、まだ痺れてやがる」
剣二を庇い倒れる2人。
「さて、肩慣らしは終わりにして本番と行きましょうか。」
『ドライバーオン ナウ』
「っ・・またベルト・・」
「申し遅れました。私の名前はオーマ。ファントム・ドレイクにして、金色の魔法使い。変身……!」
シャバドゥビタッチヘンシーン『チェンジ ナウ』
右手の中指に顔の意匠が彫られた指輪を嵌め、手形のベルト『白い魔法使いドライバー』にかざすと音声が鳴り、魔法陣が表れ、オーマの体を通り過ぎると別の『何か』に変わっていた。
黒と金色を基本に顔にはカイゼル髭のようなパーツが、頭部には魔法使いの帽子のようなものが、背中にはマントがあり、『魔法使い』と名乗るのに相応しい姿だった。
仮面ライダーソーサラー
「魔法使いってDr.ウォームや瀬戸山と同じ・・・」
「いや、よく見ろ!今の魔法陣。魔力を使って変身している。それに、あの身を覆う装甲に媒体を使っての変身・・・俺達魔弾戦士と限りなく似ている。」
『ゲート ナウ』
「では諸君、世界の崩壊までこの世界で大人しく見守ってるがいい。」
「くぉんの・・いきなり現れたくせ好き放題しやがって・・・ふっざけんなーーーーーッッッ!!!」
「ちょっ、おい待て!剣二ッ!!」
別の指輪をかざすと上に扉が開き中心部と一緒に消えようとしているソーサラー達に、様々なことで色々限界だった剣二がついに走り出し、一緒に消えてなくなった。
『不動君、巨大な魔力が消失したが一体何があった!』
「―――――――パワースポットが奪われました・・・剣二も後を追って共に消えました。」
御厨に返答する不動の言葉でパワースポットでの戦いは終わった。
手にしたものはあった。しかし同時に失ったものもあった。
長官室―――
「―――以上の結果を纏めると、超災害によって街に被害がありましたが死傷者は0です。しかし・・・」
「響助、お前が気に病む事じゃない。輝、お前もだ。お前達は町の人を救った。中央にたどり着けなかった俺達に責任がある。」
ソーサラーが姿を消したと同時に鎧武・闇やインベス、植物が消えたので、長官室に集まりそれぞれ報告をしていた。
「そうですよ!先輩は悪くありません!・・あの黒い奴、エクスバッシャーがあればすぐに倒せたのに・・!
」
右拳を握り、それを見るタツヤの頭に思い浮かぶのはかつて『ジャカエン』との戦いで振るっていた伝説の剣『龍導剣』。エクス着装によって強大な体力消費の変わりに凄まじい力が込められていた勇者の剣。
しかし、かつてジャカエンの首領ドンカエンとの決戦でその頭に突き刺し凍らせ、封印した。今はドンカエンと共に宇宙を彷徨っている。
「・・・で?お前達は互いの傷を舐め合い、ないものねだりするないのか?」
「大河隊長・・・」
「行方不明者がいるというのに・・このバカモンがッ!」
「――――っ」
昔と変わらず叱りの声を挙げる大河リク。石黒とは同期であり、その体はレスキューファイアーのスーツテストの際体のあちこちの神経が傷つき着装できない。それでも本人は後に着装して危険な現場に急行する後輩達の為なら・・・と納得してのことであり後悔はしていない。消防教習所の教官をしていたが、再びの召集で長官室で待機、指揮していた。
気落ちしかけた皆を叱った後、一呼吸しフォローの言葉を入れた。
「現場にいなかった私が言えることではないが、お前達は自分のできる事をやり遂げた。ただ、相手が一枚上手だっただけだ・・・。」
「それに分かったこともある。」
扉のほうを見ると御厨と刑部がいた。調べることがあると言って退席していたがどうやら終わったらしい。
「で、なにが分かったんだ?」
御厨に預けていたザンリュウジンを受け取りながら、壁に寄り掛かって沈黙を貫いてた白波が口を開いた。
「まず不動君達から預かった魔弾龍のコアを調べたがまったく異常なしだった。冷凍保存のような状態だったのだろう。それと響助君が回収した果実だが・・・」
それから口を閉ざした御厨に代わり、刑部がしゃべりだした。
「ここからは辛い話になる。それでも聞く気はあるか?」
沈黙。それを肯定と受け取り話し出した。
「・・・あの実には食べた者の内部構造を怪物に作り変える成分が検出された。そして実を調べようとした何人もが口にしようとした。無論その前に我々が止めた。あの実には手に取った者を魅了する力があるようだ。」
その意味。それは自分達が戦い、倒した怪物達が元は人間だったかもしれないと言うことだった。
「何よそれ。じゃあ私達は・・人を・・・。」
「まだあれが元は人という確証はない。」
「だが人間の可能性もある・・・そうですね?」
「うむ・・・。」
「・・・・・・俺にやらせてください!!」
そう響くように言ったのは、輝だった。
「これから行方不明の要救助者を救うために異世界に行くんですよね。なら、俺を行かせてください!」
「だけど輝!」
「先輩、分かってます。異世界に行くことがどういう意味かって事ぐらい。もしかしたらまたあの怪物が出てくるかもしれない。怖いですよ。もしかしたらもう俺は人を殺してしまったかもしれない。でも!それ以上に俺は怒っているんです!!」
「え?」
「指示を出していた奴がいたんですよね。そいつらはこの事を知っていた筈だ!なのに止めようともせずむしろ広げる為にこの世界に来た。同じ人間なら助け合うべきだ!」
「俺も参加します!」
「タツヤ・・。」
「あいつらは今もどこかで植物を広げてるはず。何も知らない人があの実を食べてしまったらそんな人を周りは『化け物』って呼んでしまう。そんなのあんまりだ!だから彼らは『人間』だって知ってる自分達が動かなきゃいけない。俺達の使命は人々を救うこと。もしここで降りたら俺がレスキューファイアーになった意味がなくなってしまう!・・・だから、俺も参加させてください!!」
「「お願いしますっ!!」」
「―――な~にかっこつけてんだよ輝っ。」
「そうだぞタツヤ。」
頭を下げている二人の背中を響助とユウマが叩いた。
「長官、二人の言うとおり”人々を救う事”、それが私の、我々のSAVE THE LIFEです。ここにいる者誰一人としてそれを忘れたことはありません。」
「隊長・・・」
「それに手遅れって訳じゃない。ジャマンガの時みたいに元に戻すことが可能なはずだ。」
「あと悪いが・・・俺はSABE THE LIFEなんて心は持っていない。」
「おい白波―――」
フォローをいれたすぐに言った白波に注意するように言う不動。しかし、すぐさま言葉を続けた。
「俺はただ自分が守るべきものを守る事だけだ・・・・・なんだ?」
「・・・いや、お前・・・・・思ったが、ずいぶん丸くなったよな・・・」
「・・・・あいつのバカが移っただけだ。」
拗ねるように顔を背ける白波。
「いい部下をもったな。刑部君。」
「ええ。これより世界消防庁は創設された使命を果たすべく史上最大の任務にあたる!気を引き締めて掛かるぞ!!」
「「「了解!」」」
『不動、何故そんなに落ち着いている?』
長官室から出た後、ゴウリュウガンが聞いてきた。
「剣二の事か?あいつなら大丈夫だろ。ゲキリュウケンも一緒だしな。」
『……そうか。お前達の信頼は昔から少しも変わってないのだな。』
思えば昔からそうだった。自分しか知らない昔、まだリュウガンオーだけであけぼの町を守っていた時に未来からタイムスリップしてきた剣二。すこしの間だけだったがそこにも二人の絆があった。・・・もっとも、剣二が現代に消えたときに生身でゴウリュウガンを撃った反動で吹っ飛んだ時、頭を打ち記憶を失くしたが、それも些細な問題だろう。
『あと、不動よ。』
ふと思い出したように言った。
『見ず知らずの物体を試食する行為は得策ではない。』
「・・・・・・・・はい。反省します。」
御厨に預けたときQスケがいたので聞いたのだろう。うなだれるように口にした。
~~~~~~~~~~~~~
「お初にお目にかかります。オーマと申します。此度は復活させてくれたことに深く感謝を。この命、貴方様のために使うよう心がけます。」
戦いがあった後の様なボロボロの城。年季が入ってるのか、崩れた割れ目から植物が生え所々花が咲いていた。
王が座っていたであろう場所にサガラにトライブと名づけられた青年が座っていた。目の前にはオーマが臣下の礼をとっていた。
「ヘタな挨拶はいい。お前の役目は魔力を増幅させて圧縮、爆発を起こす術式を作ること。できるな?」
「造作もない。時に、そこの方々の名前を伺っても?」
そう言われ、台に腰掛けていた男が名乗った。
「初瀬亮二、アーマードライダー黒影だ。」
初瀬亮二(はせ りょうじ)。チームレイドワイルドの元リーダーにしてアーマードライダーの1人。かつて、ヘルヘイムの果実を食べ、インベスになりユグドラシルに排除された男。
「言っておくが、俺の方が先輩だからな!」
「かしこまりました。」
そこにリュウジンオーによって海に落ちたシドが戻ってきた。
「ふ~まったく、死ぬかと思ったぜ。・・・なに見てんだ?」
「あ~そういえばあんたいたな。そしてあんた1人だけ失敗したのか?だっせえな!はっははは!」
笑う初瀬。それにシドも笑いながら近づき肩をつかみ、ドンッ、と腹を殴った。
腹を押さえる初瀬に、笑いを止めたシドが告げた。
「痛いか?これに懲りたら、もう二度と大人をからかうんじゃない。分かったな?」
「くっっこの野郎!上等だ!!変身!!」
『マツボックリ』
「ガキが・・ちょいと躾が必要なようだな。・・・変身。」
『チェリーエナジー』
戦極ドライバー、ゲネシスドライバーを装着し互いのロックシードを出してベルトに嵌めた。
初瀬の頭上には松ぼっくり、シドの頭上にはさくらんぼ、法螺貝と静かな電子音が鳴り、カッティングブレードとハンドルシーボルコンプレッサーを握り変身した。
『ロックオン ソイヤッ! マツボックリアームズ 一撃・イン・ザ・シャドウ!』
『ロック・オン ソーダ チェリーエナジーアームズ』
黒影トルーパーのモデルとなったこげ茶色に黒いライドウェア。見た目は足軽や忍者を彷彿とさせ、右手に長槍型アームズウェポン「影松」が握られてた。
仮面ライダー黒影 マツボックリアームズ
「ハッ!」
「オラッ!」
影松とソニックアローがぶつかり合い、壁を突き破っていった。
「あらららら、よろしいんですか?」
「元々ここは廃墟のようなものだ。壊れたところでどうということはないし植物で補強すればいい。それに競い合いは必要だ。生物は生死をわける状況になって、真価を発揮する。」
そう言うと玉座から立ち上がった。
「おや?どちらへ?」
「パワースポットの魔力だけだと”奴”の目覚めに足りんかもしれないからな。もう一つ回収する。」
「『もう一つ』・・とは?」
その問いに青年が出した単語。オーマが強く反応した。
それについてはおそらく自らが想像してる場所にあるだろう。自らも行こうとしたが、ダメだ、と言われたので諦めることにする。
そして男は消えオーマだけが残った。
「それにしても恐ろしい男だ。」
植物で体を形成する時に目的を知ったが、改めて思っても馬鹿げてると思う。本当にあったかも分からない神話の伝承を使った青年の計画。確かに、『知恵の実』があったのなら『あれ』も存在してる可能性が高い。しかし計画がうまくいったとしても最後に待ち受ける『あれ』の持ち主からどうやって手に入れるのか・・・
「下手をすれば己だけでなく世界すらも滅ぶと言うのに・・・素晴らしい!!やはり人間は愚かであり面白い!!」
誰もいない空間にオーマの声が響いた。
動物の気配もない森の中、そこに剣二は倒れていた。そしてそこに近づいてくるものが1人。
「・・・・・鳴神・・・剣二・・」
これにてリュウケンドー編は終了です。
こっから鎧武とも絡ませ他作品の者も出していきます。ただあくまで「鎧武&リュウケンドー」なので他作品はカレーのスパイスな感じでの登場になります。
ソーサラーが出たということは勿論『あいつら』もでます。区切ってもしょうがないのでこの文字数になりました。時間をかけてのこのクオリティ。伝わってるか正直不安です。終盤、最後は出来上がってます。ただ過程が未完成なのでこれからも「あ、こいつ投稿したんだ」くらいな感じで見守ってください。
ではこれで……結局吐き出したなあ………。