「どう?」
「ダメね。それらしくヘルヘイムの事を聞いてみたけど誰も知らなかったわ。」
「こっちも。ネットの何処にもそんなもんはないってっ。」
謎のアーマードライダーの襲撃をうけてから早数日。
凰蓮、ペコ、チャッキー、凌馬の四人は別の世界にとんでいた。
別世界にとび、今現在、最初にやっていたことは・・・聞き込みだった。
「あとは…あの男だけね。」
「やっ、お疲れさん諸君。」
三人のもとに端末を持って現れた戦極凌馬。その姿は本当に聞き込みをしていたのかと言いたいほど浮き足立っていた。その証拠に端末を上に投げてはキャッチしている。
「もしかして今私の話をしていたかい?」
「そんな事よりそっちはどうだったの。」
「いやー面白いね。戦国時代風の世界の他にまだまだ異世界はあるとは思ったけどまさかこんなに似た世界があるとは…」
「んな事よりーー」
「あーはいはい……端的に言うとこの世界にはヘルヘイムの脅威は一切ない。文化水準も我々の世界と殆ど同じだが一つだけ特筆する点がある……ロボット技術だ。」
「この世界のロボット技術はとても高く障害者の介護、ぱっとみ人間と変わらないアンドロイドや義手義足の開発に成功している。」
「ふーん。んな事より俺たちどうやって帰ればいいんだよ。」
「現段階で1番に思いつくのは、ロックビークルでの帰還だろうね。凰蓮、シドからロックビークルを貰っていた筈だが…」
「あるわよ」
ロックビークルのロックシードを取り出す凰蓮。
それは別の世界にいるザック達が行っている方法だった。
「でもこれは1人乗りよ。無理をしても2人が限界。」
「そ。だから複製するしかない。」
「できるのかしら。」
「材料さえあれば。ついてきたまえ。」
凌馬に連れられたどり着いた所。それは街から外れている所にあり、所々焼けており一面廃墟となっている場所だった。
「ここはかつて『ARKプロジェクト』の研究所があった場所だ。」
「『ARKプロジェクト』?」
「原発など生身の人間では困難な危険地域での作業、介護等の諸問題をロボットに行わせようと企画された国家事業の事だよ。表向きはねっ。その真の目的は戦争など有事の際に戦力として使える為の駒だ。ここに機材が残っていれば急造のものくらいは作れると思うが…政府があらかた回収したらしいからね。」
「じっとしてるよりましね。分かれて探すわよ。」
「はあ、ザックや戒斗さん何してるかなあ…」
分かれて1人機材を掻き分け探しているペコ。
見渡す限り、そこに見えるのは溶けた鉄、崩れた建物の瓦礫、正直そこから使えそうなものを探すのは機械に強くないペコには絶対に無理である。そのことに気が付いていないペコ。しかし他にやる事は無い。
「お、これなんか使えそうかも!」
「いやー、それは駄目だなぁ。」
「ん?」
声のしたほうを見ると見知らぬ老人が、隣には探しにいった筈のチャッキーがいた。
「爺さんだれ?てか、なんでお前もいんだよ?」
「さっきそこでこのお爺さんと会って機械に詳しいから手伝って貰ってたの。」
「話は嬢ちゃんから聞いたが、若いのに物好きだねぇ。どれ、見せてみな。」
老人はそう言って手に取った部品を見せ、説明しながら三人で探し始めた。
ーーー別の場所にて
「君は探さないのかなー?」
機材を漁る凌馬。その近くに凰蓮がいた。
「勿論探すわよ。あなたを監視しながらね。」
信用ないなー、とボソッと言う凌馬。それに、と付け加え凰蓮が言った。
「あなた、ハッキングしたわね。」
「…………………………」
「ARKプロジェクトまでは人に知られてるとして、本来の目的なんて言えたものじゃないわ。」
その考えは正解だった。凰蓮達と合流する前に凌馬が浮かれていたのはただ異世界に来た事による興奮だけではなかった。
あの時既に手を打っていたのだ。
機械技術があり、どれ程プロテクトが厚かろうと戦極凌馬は世界を救う研究の第一人者を務めた男。
この男にとってはこの世界の技術は時間さえあれば”届きうる領域”だった。
「だったら私より彼らの所にいたほうがいいと思うがねー?」
どういうこと。そう言おうとした凰蓮と凌馬の耳に音が響いた。
続いて鼻につく火薬の匂い。かつて傭兵として戦場にいた凰蓮には直ぐに分かった。
「銃声…ッ!」
「それだけじゃないよー?」
まるでこうなる事が分かっていた様に彼方を見ている凌馬の視線の先には…黒い装備に包まれ銃を持っている者達が近づいてきていた。
「ちょっ!何なのあいつらッ!?」
叫ぶチャッキー。その後を銃を持った者達が追いかけていた。
先ほどは偶然避けられたから無傷であったが、先程ので分かったことがあった。
撃たれた場所は足元。つまり奴らの目的は殺すことではないと。
「俺が知るかよ!てか爺さん、何処まで行くんだよ!」
「こっちこっち。…………と、あった。お前さんらここに入れ。」
「これって…隠し扉!?爺さんあんた……」
色々言いたいことがあるが、背後から聞こえる足音が近くに来ていることに気付き中に入って行き、見ただけでは絶対に分からないであろう上手く隠されている扉を閉めた。
「貴方!せつめいできるんでしょうね!」
問答無用で撃ってくる者達から機材の影に隠れ、怒鳴る凰蓮。
「ハッキングがバレたんだろう。」
「やっぱりあなたが原因なんじゃないッ!ああもう!」
これ以上この男を責めても無駄。そう判断し隙をみて飛び出し戦う凰蓮。
「あなたも!手伝いなさいよ!」
「いや、私は肉体労働派ではなく頭脳労働派だからーーーーーおっ、あれは……」
凌馬達を襲っている者達。その中に何も持たず歩いてくるものがいた。
そしてそれを見た時、凌馬はそれが来ると分かって、この場に来るのを待っていたかのように目の色を変えた。
ダッ!
「!」サッ!
「ふん!」
ガン!
「!これはーー!」
ひとっ飛びで向かって来た者の攻撃を躱し、懐に入れたパンチの感触に驚いた一瞬。機材の山に投げられた凰蓮。
「冗談でしょ…あれロボットじゃない!」
「やっぱり実用段階に入ってたか…流石光明寺信彦いや…光明寺ファイル。」
「つべこべ言ってないであなたも手伝いなさい、変身!」
「はいはい………変身。」
『ドリアン』
『レモンエナジー』
『ロックオン』
『ロック•オン』
『ギュイーン ドリアンアームズ ミスター•デンジャラス!』
『ソーダ レモンエナジーアームズ ファイトパワー!ファイトパワー!ファイファイファファファファイト!』
ミラーボールの如くクラックから現れたドリアン状の物体。和、洋、中、どれでもないエレキギター調の音楽が鳴りカッティングブレードを切ると凰蓮の頭に落ち、鎧に形成されていった。
様々な緑を全身に使った姿、触れる者を拒絶するかの如く体に付けられている棘。左目の部分には傷があり、戦い慣れた戦士。両腕にはドリアンの棘をイメージした鋸刃を持つ大振りな双剣・ドリノコが握られ、その出で立ちはギリシャの剣闘士を彷彿とさせた。
仮面ライダーブラーボ ドリアンアームズ
戦極凌馬が変身した姿。水色のスーツとフェイスそして胸のマークを除けばバロン、鎧武と同じ鎧だった。
その者は公爵の名を冠するアーマードライダー。
設計者により常に最新をいくライダー。
仮面ライダーデューク レモンエナジーアームズ
「さて…どれ程の性能なのか…見せてもらうよ…?」
フェイス越しにロボットを見るデューク。そこには精度を上げ、情報を収集しやすいように幾つもの画面が映っていた。