仮面ライダー鎧武 巡りあう鍵   作:最上侑人

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A HAPPY NEW YEAR !!!



ハーメルンよ、2016年もよろしく書かせていただきます!




ということで新年最初の投稿です。
因みにこれは予約投稿なので最上侑人は新年を祝う為、去年と同じく神社や寺を廻って新年を明けに向かっています。


ハーメルン様、この小説を見てくださっている皆様方、2016年もよろしくお願いします。



18話:帰るための手段

「ほれ、入れ。」

 

老人に連れられ四人がついた先、ジャンク紛いのオモチャがある店だった。

 

「どうせ行くとこないんだろ。ここだったら政府も気づかねえよ。」

「良いの?見ず知らずのワテクシ達を?」

「どうせ初めてじゃねえしな。それに情報も入ってくるぜ。」

 

 

 

「本田のじいさん!」

 

閉まった入り口が勢いよく開けられ、三十代程の男が入って来た。

遠慮の無いその様子は過去何度も出入りしていたことを思わせる。

 

「ん、あんたら客?そうだそうだ。大変なんだよ。実はよ、政府に何者かがハッキングしたみたいで表立ってねえが躍起になって探してるらしいぜ。」

「成る程。彼を使えば外の事が分かる。その間に我々が準備をすればいいのか。」

 

納得したように言う凌馬に男も客ではないという雰囲気を感じた。

 

「なあ、こいつら誰?」

「お前さんが今言った"何者か"だよ。」

 

「…………………え?」

 

何でもないように言った本田と言われた老人の言葉に呆気にとられる男性だったが次第に言葉の意味を理解し、騒ぎだした。

 

「いやいやいや大丈夫なのかよ!?」

「ジローが大丈夫だったんだから大丈夫だろ。」

「確かにそうだけどよ!」

 

 

ーーーージローーーーー

 

 

 

「ジロー……やはりそうか……。」

「? あんた、ジロ吉の事知ってんのか?」

 

その名前を聞いたことで確信を得た凌馬。

 

「知ってるも何も彼とは一度交戦した事があるからねぇ……」

 

 

交戦した事がある。

異世界であるここで有り得ないことをいう戦極凌馬。

 

「あなたどういうこと。ここは異世界じゃなかったのかしら。」

「勿論ここは異世界さ。しかし文化水準が同じなら似通っている所があってもおかしくないだろ?」

 

 

 

「オーバーロードがユグドラシルタワーを陥落する2週間前、知り合いの科学者からとあるアンドロイドの最終調整を行って欲しいという話が来た。

アンドロイドの名はハカイダー。人間の脳を移植することによって完成する狂気のロボットさ。」

 

「ハカイダー……って、もしかしてザックの言っていた!」

 

思い出したように言うペコに構わず説明を続ける凌馬。

 

「ハカイダーの力は素晴らしかった。蛹から蝶に生まれ変わったかのような気分、あらゆる攻撃に怯まないボディ、黒一色ながらもあの斬新なデザイン、惹かれる要素が散りばめられたようなあれはまさに一つの芸術と言ってもいいものだった…!」

 

力説する凌馬にその場にいる全員がわかった。ーーーこの男はキカイダーになったことがある…と。

 

「あなた、イカれてるわ。」

「科学がイカれてる事は戦場で文明の利器を使っていた君が一番分かってる筈だよ?」

 

凰蓮からの皮肉を皮肉で返す凌馬。

 

「話を戻そう。しかしハカイダーに欠点、いや、特徴とでも言うべきかな?脳に影響を与えあらゆる物を破壊する狂気に蝕まれる。まあ私も当てられた口なんだがね。いやーまいったよ。」

 

はっはっはっ、と笑う凌馬。ハカイダーの戦いを見たことのある入って来た男、服部半平から見てもこの男は変わってるとすぐにわかった。

 

「なかなか…愉快な友達だね…」

「友達?冗談。」

 

 

 

 

「ま、なんやかんやあって沢芽市にきたジローや葛葉紘汰、ザック君からデータをもらい無事元の身体に戻った私はハカイダーを返した訳だ。」

「で、ジローはいいとして、あんたらはどうするつもりなんだ?」

「政府には挨拶をしたから、1日2日あれば何かしらアクションを起こすだろ。その間っ…これでも解体しとくよ。君らは勝手にしといていいよー?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ーーーーって、言ってたけど。」

 

思い返すように口にするペコ。街を歩く彼の隣にはチャッキーとジロ吉と言っていた男、服部半平(はっとりはんぺい)が付き添いで歩いていた。

ちなみに凰連は凌馬の監視と言って残っていった。

 

 

 

 

「ね、君達異世界から来たって言ってたよね?どんな感覚だったの?」

「んなの知らねえよ。変なアーマードライダーに襲われたと思ったら攻撃くらって気付いたらここにいたんだから…。はあ、俺にもベルトがあったらな…。」

 

下を向き、長年の不満を口にするかのように溜め息をしながら歩くペコ。それは人にぶつかっても気づかない程だった。

 

 

しかしそれがいけなかった。

 

 

 

「おい、ちょっとまてや。」

 

声の方を向くとそこにいたのは黒いサングラスに上下黒いスーツに身をつつんだ男だった。

厄介なのに絡まれた。3人はそう思ったが時既に遅く、男はペコの目の前に近づいていた。

 

「人にぶつかっといて一言もなしか?ああ?おいそこの。」

「え?俺?!」

 

ペコに絡んだかと思えば自分に変わり戸惑う服部。

 

「ガキに礼儀ぐらい叩き込んどけ!」

 

サングラスで目元が見えないことにより一層深まる威圧。

チャッキーは助けを求めようと周りを見るが、周りも関わりたくないのか目を逸らすか早足でその場から離れていった。

 

「おい聞いてんのか!」

「はい!すいません!!」

 

状況は悪化し肩に手を置かれ逃げられないようにされる2人。

ただでさえ苦労が耐えないのに…。

そう思う2人に男が周りに聞こえないように小さく呟いた。

 

「…あんたらつけられてるぞ。」

「え…?」

 

突然の言葉にあっけに取られ周りを見ようとすると肩を強く掴まれ見えないようにされた。

 

「俺の合図で走れ。いいな?」

「それは分かったけどあんた何で…」

「後で説明する………行くぞ…!」

 

その合図で動く3人。ペコはチャッキーの手を掴み、服部は男を押し、よろけた所を走り出した。

 

 

「まてコラッ!」

 

倒されたことに怒るようにした男。目元を隠すサングラスから背後を見ると、そこには目立たないように動き始める黒服の男達があちこちにいた。

 

「数は?」

『八人。其々銃を所持している。』

 

男の質問に応えるように電子の混じった声が聞こえると、男は背後に気をつけながら走っていったペコ達を追っていった。

 

 

「ちょっと!?どういうこと!?」

「俺だって分かんねえよッ!?」

 

手を引っ張られては腕が痛むので自分で走るチャッキー、ペコ、服部の三人は状況が理解出来ないながらも男の指示に従い人混みを避けながら走っていた。

その中、服部は今までの事を考えながら一つの可能性を口にした。

 

「はあ、はあ、あのさ、もしかして政府の人間じゃない…!?

多分君達を捕まえて、人質とか交渉の道具に使うつもりだったりして……」

 

考えてても仕方ない。兎に角今は逃げるのみ。

人混みを抜け、路地裏を通った時………倉庫の裏口だろうか。

人の手があり倉庫に指をさしていた。まるでこの中に入れというように。

 

 

 

「どうする…!?」

「入るに1票!」

「あたしも!」

 

 

同意も得てよし、と意気込みその勢いのまま中に入る三人。

 

 

「あ!あんたーーー」

「静かに…!」

 

中にいたのは先程の黒服男。先の事で警戒もあるがまず目に付いたものがあった。

 

 

ーーーー銃だった。

 

赤色が目立ち形は見た事のないものだったが、これは銃だと何となくわかった。

3人が倉庫に入るのを確認すると、男は銃に話しかけた。

端から見ると異常な光景。それは3人にとっても同じだが男は気にせず真剣な表情だった。

 

 

「数は。」

『三人。まもなく角を曲がる。交戦まで……2……1……』

 

 

0。その数字の声は無く、しかし同時に男=不動は飛び出した。

 

同時に見えた追跡者と思われる男が一人。

 

そこからは速かった。

 

先頭の男の首を右腕で回し掴み、飛び出した勢いのまま後ろの男に左回し蹴り。

1人目。

 

 

蹴った事で勢いを殺し、着地し、先頭の男の膝裏を蹴り、膝を地面に付かせ、左拳で抑えたこめかみを殴打。

2人目。

 

敵に気づき懐から武器を取り出そうとする男。右手を不動に向けるーーー衝撃。

見ると撃つよりも速く右手の銃=ゴウリュウガンで手首を攻撃。銃を落としてしまう程の衝撃に襲われる。

痛みにより反応が遅れゴウリュウガンを上に投げた不動に手を掴まれ後ろに回され関節を極められる。同時に落ちてきたゴウリュウガンを左手で掴み、首裏に一撃。

3人目。

 

 

 

「ーーーふう、これで全部か?」

『追跡者なし。クリア。』

 

鮮やかに行われた動作。政府の人間を倒すこの男にますます怪しむ3人。

 

「あんた一体……」

「話は後だ。ちょっと手伝え。」

 

気絶した男達を倉庫の中に引きずり入れ、中にあったロープで縛り始める不動を手伝い始める一同。

 

「色々聞きたいだろうから先に言っておく。お前らの事は廃墟からつけさせてもらった。その途中、奴等がお前らをつけはじめてたんでな、そして俺は不動銃四郎。刑事だ。コイツは相棒のゴウリュウガン。」

 

『こんにちは。』

 

「そんなに前から…、なんで……」

「悪いが事態は急を要する。こちらの質問に答えて貰う。林檎やオレンジ、レモンの模様の付いた錠前を使う鎧野郎に心当たりはあるか?」

「ちょっ、オレンジって…!」

「もしかして紘汰さん!?」

「やっぱり知ってたか……できれば全部聞かせてくれ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ーーーーアーマードライダー、それにインベス……か。」

 

男達を縛った後、場所を移動した不動達。

ペコから聞いた話は不動が想像していたよりも大きな話だった。

 

「そしてそいつらを束ねるオーバーロードとかいう知性を持った存在。グレンゴーストが絡んでいるからもしやと思ったが……」

 

『グレンゴーストの時の比ではない。時空を超えて様々な世界に影響を及ぼしている。』

 

同じく不動から魔弾戦士の事を聞き、驚いたペコ達。

その中で不動の落ち着きように疑問を持っていた。

 

「あの、不動さんはどうやってこの世界に?」

 

自分たちはこの世界に飛ばされ混乱していたが、最初に会ったとき不動は上手く町にとけこんでいた。

そう言われ不動がポケットから出した物。それにペコとチャッキーが大きく反応した。

 

 

 

ーーーフルーツは描かれていないが形は自分達の世界にある錠前ーーーロックシードだった。

 

 

 

「採取した果実を解析してうちの科学者達が作り上げた物だ。これを使えば世界を越えて移動する事が出来る。ただし、使えるのは4回だけだ。

俺の目的はお前達がヘルヘイムと呼ぶ植物の調査。そして鎧野郎の捜索、目的を聞きそれの撃破。

まあ、ざっくり言うとだーーーー世界に平和を取り戻し人々を救う。」

 

 

世界を救う。言葉にしてみれば子供が言いそうなでかいことだが、元の世界において事件の渦中にいるペコ達にしては自分達の今までの行動もそれに似ているので不動の言葉も真実味があった。

 

 

「そこでお前たちに頼みたい事がある。」

 

その言葉で体をいっそう前に寄せる不動達。

そしてペコ、チャッキー、服部は聞いた。不動が話し始めた幾つかの頼みを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何だ。遅かったじゃねえか。」

 

おもちゃやロボットからガラクタとまで言える様々な物が溢れてる部屋。その部屋の主、本田の向ける視線の先、扉の前に若干疲れ気味のペコ達が帰ってきていた。

 

 

「いやまあ、いろいろあってな。」

 

言葉を選びながら喋る服部。先程の事を言わないのは不動の言った頼み事の一つだったからだ。

不動からの頼み事は3つあった。

 

1つ、自分のことは秘密にする事。動きやすくするというのもあるが一番の理由は戦極凌馬だった。

聞くところによると不動は自分たちよりも前に来ており調査をしていた。途中、ゴウリュウガンが感知し自分達を見つけてずっとつけており戦極凌馬の危険性が分かったとの事。

 

2つ、何か分かったら教えて欲しい。これは単純にヘルヘイムについて一日の長がある自分達だからこそ。といってもアーマードライダーならともかくあまり知らされてない自分達だと教えるのには限界があるが。

 

3つ、緑のライダー、つまり凰蓮に協力を仰ぐことが出来るか。

 

 

 

という訳で早速凰蓮に相談を・・・というところで気付いた。

 

「あれ?あの二人は?」

 

その場にいたのは本田のみだった。あの二人なら外にいたとしても刺客を対処できるほどの力があるとはおもうが。

 

「んん。防衛省に行った。」

「・・・・・・え?いやいやいや!大丈夫なのかよ!?」

「お前さっきもそのリアクションだったぞ。」

「そんなどうでもいいから!てか、え!?いいのかよ!?防衛省って事は!」

「お呼び出しがあったんだよ。防衛大臣からな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所変わって防衛省。地下にその場所はあった。

数々の電子機器。様々なタイプの武装が施されている機械。

その奥。会議室と思われる空間に男達はいた。

 

 

「いやぁ、随分とお早い返事感謝するよ。それとも急がなければならない理由でもあったかな?」

 

挑発的に喋る凌馬と隣で黙って座っている凰蓮。

2人の視線の先にいる男こそが椿谷。

現日本国防大臣にして「ARKプロジェクト」事実上のトップ。

その背後に無言で佇む女性、マリ。

 

「その後ろにいる彼女もアンドロイドいや、ガイノイドで間違い無いね?」

「すまないが忙しい身でね。余計な話はできない。戦極凌馬博士、要件は?」

 

「別に大した事じゃない。ちょっとした機材とエネルギーをもらえればそれでいいよ。それに要件はそちらにもあるだろ?なんせこんな早く場を設けてくれたんだ。余程急ぎと見える。」

 

「・・・あれを。」

 

不敵に笑みを浮かべる凌馬。それを見て何を思ったのか、そう考えながらも一言いうと職員と思われる者が手に収まるサイズの透明なガラスに覆われたケースを持って現れ、机に置いた。

 

 

「ほう・・・」

「これは数日前発見された新種でね。調べてる途中問題が発生し我々も困っている。」

 

それは凰蓮と凌馬は見間違える筈がなかった。

何故なら今現在、自分達の世界を蝕んでいる物なのだから。

 

「何故それを私に?」

「君たちの事は調べは付いている。個人情報は見つからず我々の知らない技術。この世界の人間ではない。生憎私は研究者ではなくてね、非科学的なものはそれなりに信じられる。それにこれは君達が見かけられた日に発見されたものだ。関係あると私はふんでるが。」

「意外と頭の回る・・・で、条件はそれの解析かな?」

「いや、私からの条件、それはーーーーーーー」

 

 

 

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