これは君達が見かけられた日に発見されたものだーーー
彼ーーー椿谷は確かに言った。同じ日に発見されたと。これははたして偶然なのか。
いや、これは恐らく偶然ではない。
この世界にもヘルヘイムの侵食が?
そもそも二つの世界同時に試練を与える事は可能なのか?
いやこれはサガラに聞かなければ解らない。
しかし、あのアーマードライダーの使っていたロックシード。確かに”アムブロシア”といっていた。
・・・まさかあのアーマードライダーの正体は・・・・
オーバーロードはヘルヘイムの支配者、それはヘルヘイムの植物を操る事が可能という事。
インベスは胞子を飛ばす役割を持つ。
この世界の侵食が我々と関係のあるものとして、インベス以外で胞子的役割を持っていると思われる物があるとすれば・・・・・
「ーーーーなるほど。」
レモンエナジーロックシードを取り出す戦極凌馬。
その顔は大きな笑みに染まっていた。
「どうしたの、いきなり。」
「何もない。」
「それよりもあなた本気なの?」
「仕方ないだろ?ああでも言わないと元の世界には戻れないのだから。」
椿谷からの要求。それはドライバーの制作だった。ロボット達に装着させるのかそれとも自分が装着するのかは分からないがロボットと互角以上に戦えたドライバーが欲しいというのが条件だった。
それを凌馬はOKし、専用の個室とレアメタルなど必要な機材を揃えた中、ドライバーを制作していた。
「あなたの事だから自分の研究は自分だけのもの、とでも言うと思ったわ。」
「よく分かってるじゃないか?勿論只で渡すわけないだろう。ま、安心したまえ。ちゃんと帰るための準備は終わらせておく。それまで観光でもしときたまえ。」
それきり黙り研究に没頭し始める凌馬。
それを見て部屋を後にし外に出る凰蓮。防衛省から離れ監視がいない事を確認すると緊張の糸が切れたのか両腕を伸ばし、体をほぐし始めた。
「さて、あの子達のところに戻らなきゃ・・・ん?あれは・・・。」
「いたいた!凰蓮さんちょっとこっちに!!」
「ちょ、何よあなた達!そんなに慌てて、押さないでよ!!」
「ーーーなるほどねえ、この子達が急かすのも納得だわ。」
「いやほんとすいません。」
ペコとチャッキーにより町中のカフェに連れ出された凰蓮を待っていたのは、ペコ達により呼び出しをもらった不動だった。
「いえ、こんなダンディーな方を待たせるのもそれはそれで問題だったからよしとするわ。」
一連のやりとりを見ていた不動は少し動揺していた。
初めて見る種類の人間にサングラスで隠しているものの少しばかり唖然とする不動。
色物揃いのあけぼの町にはいなかったタイプであり転勤した後も「おねえ」という都会にいたが出会うことのなかったタイプにペコ達が連れて来た時はびっくりしたもの。
色々考えるが思考を正す為に咳払いをすると凰蓮に本題を切り出した。
「話しはさっき言った通りだ。協力してくれるか?アーマードライダーブラーボ、凰蓮・ピエール・アルフォンゾ。」
「良くってよ、ダンディーなお方。」
「なあ、その『ダンディーなお方』ってのはやめてくれ。俺には不動銃四郎って名前がある。」
「ならワテクシの事は凰蓮とお呼びになって。」
そう言いながら握手を交わす2人。
仮面ライダー(アーマードライダー)と魔弾戦士。
今ここに、交わる筈の無い共同戦線がここに確立した。
日が落ち、再び登り始めて1日が経った翌日。
研究室に戦極凌馬、椿谷、マリ、幾人もの技術者達が一カ所を見つめていた。
「これが・・・貴方の世界の技術・・・」
「その名も『ゲネシスドライバー』。人間を神に近づけさせる為のノアの箱舟だ。」
完成されたゲネシスドライバーを手に持ち、一つ一つ確かめる椿谷。
「それを腰に装着し、このロックシードを中央部のゲネシスコアに装着、固定し右側のハンドルシーボルコンプレッサーに握り押し込む事によってアーマーが展開され、晴れてアーマードライダーとなる。」
「そのロックシードとやらは?」
待ってたかのようにポケットからロックシードを取り出す凌馬。
ただしそれは他のエナジーロックシードとは違い、青ではなく赤だった。
「椿谷大臣。」
ロックシードを受け取る椿谷に近づく部下と思われる男。
何かあったのか椿谷に耳打ちすると椿谷はほう、と反応した。
「何かあったのかい?」
「なに。これを使う機会がでただけだ。」
「ほう、それをつまり・・・」
「町に怪物が現れた。」
「変身!」
『ドリアンアームズ ミスター・デンジャラス!』
町に怪物=インベスが現れた直後、現場の近くにいた凰蓮達が駆けつけ戦っていた。
現場は既に未知の怪物の出現に騒ぐ人、インベスによって現れ始めている植物にパニックになっていた。
「ゴウリュウガン!」
凰蓮は変身し、不動は変身せずにゴウリュウガンを元の大きさにしてインベスを撃っていた。
なぜ変身しないのかは凰蓮達はわかっていた。
ここにインベスがいるということは椿谷も見ている。例えゴウリュウガンを見られるのまでは良くても魔弾戦士の姿を見せるのはまだ早いと考えた結果だった。
「おい!ブラーボ!こいつらが元は別の生命だって事は知ってるか!?」
「はあ?何よそれ!?」
「うちの技術者が調べたところによるとっ!ヘルヘイムの果実を食うとインベスになるらしい!」
初めて聞いた事にマスクの中で驚くと同時にかつて食おうとした時に止めた事にナイス判断だったと安心するブラーボ。
「じゃあどうするつもり!まさか倒したくないなんて言うつもり!?」
「今元に戻す策を探してる!それまでは極力倒したくない!どこかにこいつ等が通ってきたお前らがクラックと呼んでいる扉がある筈、押し戻すぞ!」
「〜〜〜!もう分かったわよ!」
渋々ながらも納得し、一体、また一体と攻撃しながらインベスが出てきた方向を予測しながら押し戻していく二人。
「おーい!こっちだ!」
ペコの方を見るとクラックが。
「よし!もう一息だ!」
クラックを見つけ更に勢いづく二人だったが、そこに弓矢の形をしたエネルギー弾が飛んできてインベスに当たった。
見覚えのある攻撃に飛んできた方向を見るブラーボ。
だがそこにいたのは予想の人物とは違った。
腰にはゲネシスドライバー。嵌められていたのは赤いロックシード。
黒いライドウェア。主張するかのように目立つ頭部の二本のツノ。右手には新世代ライダー共通の武器ソニックアロー。
それはかつて戦極凌馬が実験の為にある男に渡した装備と同じものだった。
仮面ライダータイラント ドラゴンエナジーアームズ
「さあ、実験開始だ。ミカエル。」
研究室の1つのモニター。椿谷、戦極凌馬、そして研究員達がその光景を見ていた。
気付く人は居ると思いますがミカエルの名前はキカイダーのスピンオフ『人造人間ハカイダー』に出てきたジーザスタウン公安司令官のあのミカエルです。
といっても名前だけとったので全然関係も無く、別物と割り切ってどうぞ。