「(とりあえず元の世界に戻らないと。・・としたらやっぱり)ラピスを探すしかねえか。」
「ラピスって?」
「また何かに首を突っ込んでるのか?紘汰。」
ドルーパーズでメロンエナジーロックシードをいじくりながら、紘汰はさっき会った舞と裕也一緒にいた。
「なあ裕也、どんなに幸せな夢だとしても、例えそれで傷付く人がいたとしても、夢ってのは、やっぱ目を覚めさせるものなのかな・・」
そう紘汰は裕也に聞いてみた。自らの世界にて己の手で殺してしまった裕也。その裕也がこうして隣にいることに安心感が有るからこそ、その安心感が偽物であると、断ち切るべきであるものとするため、そう裕也に聞いてみた。
「そうだなあ……夢っていうのは、その人間の心の底で願っているのを再現したようなものだからな。それが叶っているんだからとても幸せなんだろう。・・・だけど、夢は何処までいっても夢でしかないんだ。例えどんなに辛くてもいつかは現実を見なきゃならない。」
「じゃあもし、自分の夢に誰かを巻き込んでその夢に巻き込まれた奴はどうするべきだと思う?」
「そりゃあ、その夢を終わらせてやるべきだろ。」
「え?」
そう言った紘汰に、裕也は笑いながら言った。
「言ったろ。夢ってのは願っている事でもあるって。それで誰かを巻き込んだんなら、そいつに夢を終わらせて自分を現実に戻してほしいって事なんじゃないのか。」
「裕也・・・」
「行ってこい、紘汰。」
「え?」
「誰かのために頑張ろうとしてるんだろ?だったら、こんなとこにいる場合じゃないだろ。」
そう言い紘汰を立たせ背中を押した。
「・・・嗚呼、行ってくる!裕也、ありがとな。」
(待ってろよ!姉ちゃん、ミッチ、舞、皆!!!)
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紘汰のいた世界───
「戻ったぞー。」
「お帰りー。あれ、紘汰は?」
「トイレってさ。全く、緊張感無いよね。アイツ。」
ガレージには紘汰以外の全員で揃っていた。その中で別行動をとっていた湊達にザックは結果を聞いてみた。
「で、どうだった?」
「駄目ね。地上、地下、あらゆる所を細かく調べたけど、何処もインベスでいっぱいだったわ。」
「元ユグドラシルである貴女が言うって事は、本当なんでしょうね」
「となると、後ユグドラシルへの入り方を知っているのは・・・」
「戦極凌馬だけ、と言うことか・・・・・」
言葉に詰まったザックのあとを、戒斗が代弁した。
「私は反対よ。一番近くであの男を見ていたから分かる。戦極凌馬という男は自分の得になる事以外では絶対に動かない男。例えユグドラシルに入っても何かをしでかす可能性が高いわ。」
「だがあの男に頼る以外に方法は無い。」
「だが戒斗!アイツは危険すぎる!以前俺と紘汰で戦極凌馬と戦ったことがあるが、ロボットに自分の脳を移植して襲い掛かってきたんだ。何仕出かすか分かったもんじゃ無いぞ!」
そう言うザックの頭の中に、『ハカイダー』というロボットで自分と紘汰に襲い掛かってきた記憶がよぎった。
「だかこうして喋っている間にチャンスを失っているのかも知れないんだぞ。」
「それは分かっているがッ・・・・・!」
終わらない論争が始まろうとした時、ガレージの扉が開き紘汰が入ってきた。
「お帰り、紘汰。」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・紘汰・・・?」
何時もと様子がおかしいと思い近づいた舞の首を、紘汰は掴み壁に叩きつけた。
「がっ!なにっ・・するのッ!・・紘汰ッ・・・!」
「葛葉、貴様何のつもりだッ!!」
全員で止めようとするが、舞の首を外し壁を蹴りあげ湊に蹴りをいれた。
「ぐッ!今の攻撃、急所にいれるのになんの躊躇も無かった・・・ッ!」
「ふっ!ハッ!」
ガッ「あっ・・・!くっ、此処じゃ狭すぎる・・・ッ!」
そう言い外に出た湊と紘汰だが、紘汰がベルトを出したと同時に湊もゲネシスドライバーを出すことにした。
「あなた・・・っ、・・・良いわ。相手になってあげる。変身!」
『ピーチエナジー』
ジジジジジ・・・ヒュゥゥ・・・
湊がエナジーロックシードを取りだし解錠すると、アラビアン風の音楽が鳴り、頭上にファスナーが開き桃の形をした物体が降りてきた。
ガコン ガチャ チュイーン『ロック・オン!』
『ソーダ ピーチエナジーアームズ』
そう音声が鳴ると桃形の物体が頭に落ち鎧に形成されていった。他のアーマードライダーとは違い、装甲面積は狭いが全アーマードライダーの弱点である『装甲を固めるあまり関節の可動域が狭いる』を克服し、湊耀子本人の格闘センスをフルに発揮した次世代型アーマードライダー。その手には次世代型共通の武器「創世弓ソニックアロー」が握られた。
仮面ライダーマリカ ピーチエナジーアームズ
湊の変身が終わると紘汰はゲネシスコアをベルトに付け、『黒いオレンジロックシード』と『黒いレモンエナジーロックシード』を取り出した。
「ッ!何なの・・・そのロックシードは・・・ッ!」
「変身」
『オレンジ』『レモンエナジー』
ガコン ガチャ チュイーン『ロックオン』
『ソイヤッ!ミックス! ジンバーレモン!ハハーッ! 』
変身した紘汰。その姿は湊の知らない姿であった。
何時もは紺色の『ライドウェア』が黒くなり額に付いている前立てや装甲がは銀色に染まり、レモンエナジーロックシードを使う際に黄色くなる『ジンバーラング』と『ジンバーアーマー』が黒に染まっていた。その手にはソニックアローデバイス無く無双セイバーが握られていた。
仮面ライダー鎧武・闇 ブラックジンバーアームズ
変身した紘汰は無双セイバーを振り上げ、マリカに斬りかかっていった。
「あなた、その姿は一体?・・・くッ!」
「はあっ!」
斬りかかってくる鎧武・闇の攻撃を捌き続けるマリカだが、何時もとは違う紘汰の強さに徐々に圧されていった。
「今まで実力を隠していた・・?いや違う。まさかこれが、仲間や全てを捨て去った葛葉紘汰の本当の実力・・・ッ!まさかこれ程何て・・・ッ!一体貴方に何があったの!?」
「・・・・・・絶望したんだよ・・・」
「ッ!何ですって!?」
「絶望したんだよ・・・この世界に!!」
そう言い斬り上げられたマリカは変身が解けて倒れた。
「あっ・・・!くっ・・!」
「湊ッ!変身!!」
「ちょっと待て戒斗! ああもう!、変身!!」
戒斗はゲネシスドライバーを、ザックは戦極ドライバーを装着し、ロックシード出し変身した。
『レモンエナジー』『クルーミ!』
ガコン ガチャ チュイーン『ロック・オン』『ロックオン』
『ソーダ レモンエナジーアームズ ファイトパワー!ファイトパワー!ファイファイファイファイファファファファファイト!』
ギュイーン『クルゥゥミアームズ ミスター・ナックルマン!』
戒斗のベルトからラップ調の音声が鳴り頭上にはレモン形の物体、ザックのベルトからエレキギター調の音声が鳴り頭上にはクルミ形の物体が現れ落ちてき、鎧に形成されていった。
戒斗の方には右肩にアーマーが嵌められマントが現れ、左胸にバロンの紋章が浮かび上がり右手にソニックアローが握られた。
仮面ライダーバロン レモンエナジーアームズ
ザックの方には山吹色の鎧になり、両腕にクルミボンバーが装着された。
仮面ライダーナックル クルミアームズ
「止めろ紘汰!くっ!どうする、戒斗!」
「理由は知らんが分かることは、今の葛葉は敵ということだ!ならば手加減はいらん。動けなくなるまで叩くぞッ!!」
そう言うと戒斗はソニックアローの弓を引き射った。
「はっ、こいよ。どうせお前たちは俺に勝てない。」
無双セイバーで弓矢を切り落とし、そう言った。
「おっかしいなあ、何処にもいない。一体何処にいるんだよ~。」
紘汰はラピスを見つける為、とりあえず最初に会った場所、ダンスステージ等、ラピスと関係のある場所を移動しまくっていた。
「・・・・・・となると、後はここか、倉庫だよな?」
今紘汰がいる場所は大きな橋。かつて夢を見せるオーバーロード『ラピス』が作った沢芽市で『黄金のアーマードライダー』と初めて戦った場所である。
「もし居なかったらどうすっかなー。」
そう悩む紘汰な近づいてくる人影があった。
「あれ?誰か来る・・・まさか!」
ラピスかと思った紘汰だが違った。確かにラピスと同じ黒髪だったが、少年ではなく青年だった。
「違ったか~。あ、君、ごめん。知り合いに似ていたから間違えた。」
自分の方を見ていた青年にそう言ったが、青年の視線は変わらず、睨みながら紘汰の名前を口にした。
「葛葉紘汰・・・ッ!!」
「え?何で俺の名前を・・・」
そう言った紘汰に向けて青年は走り出し、蹴りやパンチといった攻撃を繰り出してきた。
「うおっッ!ちょっッ!いきなり何すんだッ!よっ!」
「何するかだと?攻撃に決まっているだろッ!!!」
「そう言う意味じゃ無くてッ!、ぐわっ!」
蹴り入れられた紘汰はそのまま後ろに下がり、青年の方を見た。
「お前誰だ!?俺の知り合いなのか!」
「俺の事を覚えていない?・・・・そうか・・・この葛葉紘汰は私と出会う前の・・・」
そう言うと青年は紘汰を見て喋り始めた。
「私の事を知らないなら別にいい。いずれ分かることだ。ただ一つだけ言えるとするなら、私はお前の敵、ということだ。」
そう言うと青年は、戦極ドライバーを取り出した。
「戦極ドライバー!?・・まさか、この世界に俺が来たのは。」
「私だ。こうして邪魔が入らないようにな。」
「・・・ッ!・・・・俺と会うためにこんな夢の世界を作ったりしたのか!」
「夢?ハハハハッ、なるほど。貴様はそんな風に思いながら過ごしていたのか。」
「何が可笑しいッ!」
「ここは夢の世界ではない。平行世界という言葉を知ってるか?幾つもの『もしも』がある世界。此処はその一つだ。」
「平行世界・・・?」
「無論、本来交わることなど絶対にない。だが、これを使えば簡単だった。」
そう言い青年が出した物は、紘汰が知っているものだった。
「赤いオレンジロックシード・・・?」
「正確には、ブラッドオレンジロックシード、だがな。」
「、、ブラッドオレンジロックシード」──
かつて紘汰、舞、戒斗、光実、貴虎の5人が『武神ライダー』と呼ばれる存在のいる平行世界に迷いこんだ時、同じく、別の世界から来た『仮面ライダーウィザード』と共に倒した『武神鎧武』が使っていた、世界を越える事が出来るロックシード。
自分達の世界に戻った後、紘汰は光実に預けていた。
「お前・・・ッ・・ミッチに何をした!!?」
「何もしていない。ただ使わせてもらった。お前をこの場で倒すためになッ!!」
そう言い青年は見たこともないロックシードを取り出した。
「・・・何だそのロックシード・・・」
「世界を掴みとる、神への道しるべだ・・・ッ!・・・変身ッ!!」
『アンブロシア』
ジジジジジ・・・ヒュゥゥゥ
解錠すると青年の頭上にファスナーが開き、青い火の玉の様な物体が現れた。
ガコン ガチャ チュイーン『ロックオン』
『ソイヤッ アンブロシアアームズ 創造 新・世界』
青年の身体に紫のライドウェアが装着され頭上の物体が落ち鎧に形成されていき、左腰にはあらゆる物に形を変える鞘「蒼鞘」、その中に剣「死創剣」が出てきた。
「アーマードライダー・・・?」
「お前らの世界ではこのような姿で戦うのだろう?」
その時、青年から言われて気になっていた事を聞いてみた。
「ちょっと待て。この世界に俺を連れてきたって言ったよな・・・だったらこの世界の俺はどこにいるんだ。」
そう。『武神ライダーの世界』に武神ウィザードと別世界から来た仮面ライダーウィザードがいたように、この世界に葛葉紘汰がいる筈だが全く見あたらなかったのだ。
「お前だよ」
「俺?」
「私が連れてきたのは魂だけ。その体が、この世界のおまえだ。」
そうなら、元の世界にいる自分の体の方には・・・そう考えがよぎった時、
「向こうの世界にこの世界のお前の魂は行かず、その体の中に眠っている。私はあの世界のお前に用があるからな。」
「そうか……ん、ちょっと待てっ、じゃあ俺の体は一体………」
「器にして利用させてもらった。お前の中にある悪の側面のな・・・。」
「俺の悪の側面って………ッ………まさかッ!」
そう言う紘汰の頭に浮かんだのは、かつて『黄金のアーマードライダー』に仲間を倒された時に向けた怒りを利用されて目の前に現れ、自分の体を使った紘汰だった
「今頃お前の仲間も倒されているだろう。・・・ついでに絶望してくれれば儲けものだがな・・・。」
「だったら!!此処でお前を倒して助けに行くだけだッ!!変身ッ!」
『オレンジ』
「うおりゃっ!」ガコン ガチャ チュイーン
『ロックオン ソイヤッ! オレンジアームズ 花道 オン・ステージ』
「ハアァアアアァッ!」
「そうだ来い。戦わなければ全てを失うだけだ!」