アンブロシアロックシードで変身した紫のアーマードライダーと戦っている鎧武。その戦いは圧倒的だった。
無双セイバーで撃つと鞘(蒼鞘)の形を盾に変え、防いだかと思ったら即座に銃に変え攻撃をいれられ、鞘を上に投げたと思ったら無数の小さな弾丸に変わり、防戦一方だった。
「志を共にした仲間に裏切られた気持ちは、敵に敗れた敗北感より強く、その苦しみは生涯胸に刻まれ続けるだろう。」
「そう思うんなら何で俺じゃない!何のためにこんな事を!」
「愚問。果実を手にいれるために決まっている。だが、二つ目の目的は・・・葛葉紘汰、お前への復讐だ!」
そう言うと鞘を鞭に変え、鎧武の首に巻きつけた。
「うッ!だが・・・ら・・何だよ・・・ッ俺とあんたは・・今会ったばっかの筈だろ・・・ッ!うおりゃァ!」
『ソイヤッ!オレンジスカッシュ』
ジャキン!!
大橙丸で鞭を切った紘汰はナギナタモードにして弾丸を潜り抜けて斬りかかったが剣(死創剣)に防がれた
「何も知らないと云うのは罪だ・・だが良いだろう。何も知らないまま今ここで死ぬがいい!」
『ソイヤッ!アンブロシアスカッシュ』
「ハアッッ!!!」
「ぐああっ!!!ぐッ・・・」
「この世界の貴様には道化から受け取ったロックシードも、知恵の実の欠片も無い。それが貴様の限界だ。今頃貴様の仲間も倒されているだろう。」
攻撃を受け変身が解けた紘汰に向かいながらそう言った。
「まだだ・・・ッ」
「ん・・・?」
そう言うと紘汰はこの世界で手にいれたゲネシスドライバーを装着した。
「俺はあんたの事を知らない・・今こういう状況なのに理由を聞くのもおかしいのかもしれない。でも!!話をすることでお互い分かり合える事が出来る筈だ!」
・・・戦いに意味を求めてどうする?答えを探しだすより先に、死が訪れるだけの事。この世界には、理由のない悪意など、いくらでも転がっている・・・
「でも、俺のせいで、この世界の俺を死なせるわけにはいかない、だからッ!今はあんたを倒すことに集中する事にしたッ!!変身ッ!!」
『レモンエナジ ー』
ジジジジジ・・・ヒュゥゥ・・・
ガコン ガチャ キュイーン『ロック・オン』
『ソーダ レモンエナジーアームズ ファイトパワー!ファイトパワー!ファイファイファイファイファファファファファイト!』
紘汰の頭上にファスナーが開き、レモン形の物体が現れ、ベルトの『ハンドルシーボルコンプレッサー』を握り押し込むとラップ調の音声が鳴り、レモン形の物体が頭に落ち、鎧に形成されていった。
装備や鎧はバロンと一緒だが左胸の紋章が鎧武のものになっていた。
仮面ライダー鎧武 レモンエナジーアームズ
「ハアッ!」
「フンッ!」
カキン!!!
ジンバーアームズで使っていたので使い馴れているソニックアローでつばぜり合ったらその場で弓を引き、飛ばしてきた鞭をマントで弾く、と善戦するが決定打にはならなかった。
「ハアッ!ぐッ!やあァッ!」
「ぜあッ!ぬんッ!」
「ふっ、さっきよりは、ぜあッ!、ましになったようだ・・・な!!!」
「まだだ!!」
そう言うとロックシードをソニックアローに嵌めてエネルギーを溜めはじめた
『ロック・オン』
「ハアァアアアァッ・・・セイヤーーッッ!!」
『レモンエナジー』
ドオオオォォォン!!!!!!
「ハアッ……ハアッ……やったか?」
『ソイヤッ! アムブロシアスカッシュ』
「ッ!?」
「アムブロシアとは神々が食らったという伝説の果実・・・たかだか強化した果実で・・・勝てる道理は無いッ!!」
土煙を、剣に纏ったエネルギーの余波で吹き飛ばし、紘汰に向けて斬りかかった。
「くっ!」
ソニックアローで防ごうとするが、ソニックアローごと切り落とし、ゲネシスドライバーに当て吹き飛ばした。
「がッ!!あうッ・・・!」
「終わりだ、葛葉紘汰。」
倒れた紘汰に剣を降りおろそうと近づいたが・・・
「待ちな。」
それを止める者がいた。
「お前は「あんたは・・・」」
「サガラ・・・」
「よっ。」
その男の名は『サガラ』
インベスゲームを流行らせる為にユグドラシルに協力していたラジオDJ。しかし、紘汰にカチドキロックシードを作って渡したり、オーバーロードの言語を発したり、オーバーロードの王、ロシュオと対等に話し、彼等から『蛇』と呼ばれている謎の存在
「たくっ、なんか妙な感じがすると思って世界を越える越えて来てみたら、これまた懐かしい奴と会ったもんだっ。」
「あんた・・・俺の事を覚えて・・・ていうか、何でここにいんだよ!?」
「私が開いた扉を使ったのか。」
紘汰の質問を、青年が代わりに答えた。
「その通り、本来なら世界を越えるには誰かが禁断の果実を手に入れなければならない。じゃないと、俺が忙しくなるからなぁっ。だが今回の場合は扉を開いた跡があった。扉さえあれば、開くのは簡単だ。」
「・・・で、何故貴様はこの男の肩をもつ。果実を掴む権利は平等の筈だ。」
「そいつが始まりの女の干渉を受けたからさ」
「!!!」「?」
「・・・あの世界では誰も知恵の実を手に入れていない筈だ・・・」
「俺は未来を見通す力は無い。これだけ言えば察しのいいあんたなら解るだろ?」
「・・・・・」
「さて、次は俺から質問させてもらうぜ。あんたが目覚めた理由は………まあ、ある程度予想はつくが、何故葛葉紘汰を殺そうとする。あんたはもう禁断の果実を手にする権利はない筈だ。何故ならお前はもう負けたんだからな。」
「・・・納得できるかッ!私が・・俺が負けた一因はこいつにある!だったら今ここでこいつをこの場で殺す権利はある筈だッ!!」
「まあ落ち着けよ。気持ちが高ぶって口調変わってるぜ。悪い癖だ。」
「なあ、一体どういう意味だよ・・。」
現状を飲み込めない紘汰がサガラに聞いた。
「そいつはお前自身が考える事だ。ただ、一つ言えるとすれば、お前に降りかかるどんな困難も……原因は必ずお前にある。よく覚えとくんだな。」
「はあ?」
「待て。貴様、何かってに話を進めてる。」
「チャンスをやれって言ってんだよ。この葛葉紘汰には俺がやったロックシードも鍵も無い。あんたに負けるのも当然だ。それにあんたの目的もだいたい分かった。あんたも黄金の果実を欲しいんなら、条件を対等にして、勝った方が黄金の果実を手に入れ世界の、いや・・・あらゆる世界の覇者に為れば良い。」
そう言いながら青年と紘汰を交互に見た。
「相変わらずよく喋る口だ。お前の言葉に何人が運命を狂わされたか・・・良いだろう。そこ言葉、乗ってやる。」
「おっ、そうこなくっちゃっ」
「葛葉紘汰、次会うときが雌雄を決する時だ。」
そう言い変身を解くとクラックを開いた。
「異世界への片道切符だ。泣いて喜べ。俺の名も、次会うときに分かるだろう。」
「ちょっと待てよ!!俺はまだ言いたい事が・・・・・・」
そう言いと魂がクラックに吸い込まれて消えていき体だけが残っていった。
「悪いなっ。」
「あいつは俺の名を知らなかった。こうするのが運命なんだろう。さて、お前はどうする。」
「どうもしねえよ。俺はただ見守るだけさ。」
「そうか。・・・・・ではそろそろ出てきたらどうだ。そこにいるのは分かってる」
そう言った二人の視線の橋の物陰から出てきた人物がいた。
「これまた懐かしい。久し振りだなぁ・・・・・・
・・・・・・呉島主任。」
「・・・・・・・・・・・・」
物陰から出てきた人物、それは紘汰のいた世界で光実の手によって、海へと尾とされた呉島貴虎であった。
「・・・葛葉はどうした・・・」
「魂が抜けて気を失っただけだ。命に別状は無い。」
そう青年から聞いたあと紘汰見たあとサガラを見た。
「サガラ・・お前は何者だ。」
「何者かと言われれば、それは答えにくい。ただ言えるとするなら……俺はこの黄金の果実を巡る戦いを盛り上げる観客だっ。」
「そう言う意味ではない。凌馬でさえ知らないロックシードを生成し葛葉に渡し、オーバーロードのの存在を知っていて、王と対等に話し、知恵の実について知っていた。答えろサガラ!葛葉をどうするつもりだ・・・お前は・・・オーバーロードなのか・・・?」
やれやれ、という仕草をし淡々と答え始めた。
「まず俺がオーバーロード、かと云う質問に関しては、答えはNOだ。そして葛葉紘汰、俺はどうするつもりもない。・・ただ、あいつがこのゲームを盛り上げてくれるなら、俺は大いに協力しよう。それだけだ。」
「では貴様は一体・・・ッ!」
「こいつは森その物だ。」
そう貴虎の問いを青年が答えた。
「何・・!?」
「おいおいっ、珍しいな。あんたが素直に話すとは」
「サガラッ!・・・どういう意味だ・・・ッ!!」
「そのまんまの意味さ・・・我らは永遠に蔓延る者 空を越えて茂る者 古き民に変革を促す者であり、世界を変える王のために知恵の実を作り出し始まりの女に渡すのが、俺の意思であり森の意思でもある。」
「つまり貴様が総ての元凶か、サガラァッ!!ッ!」
そう言い掴み掛かろうとする貴虎を、サガラは手を貴虎にかざし貴虎の動きを止めた。
「やめときな呉島主任、あんたじゃもう、この先の流れはとめられない。」
「ッ………な……ぜ…知恵の実などという…物を……作り出した……ッ!」
「はっ、おいおい、あんたがそれを言うのか。何時もあんたは口にしていただろ、『この世界には理由のない悪意がいくらでも転がっている』って、その通りッ!理由なんて無えよ。進化してほしい、自然の摂理さ。」
そう二人のやり取りを横に、青年はクラックを開き帰ろうとしていた。
「ん?なんだ行っちまうのか。」
「準備があるからな。」
「そうか。じゃあな、トライブ。」
「トライブ?」
「お前もアーマードライダーだから名前がねえと。トライブ・・・一族・・ピッタリだと思うぜっ。」
「・・・ふん、好きに呼べ。」
そう言い青年が帰った後、サガラは手を降ろし貴虎を解放した。
「・・ッ!ハアッ・・・ハアッ・・サガラ・・奴は何者だ。」
「言ったろ。トライブ・・・一族だと。・・・いや、元をたどればお前等と同じ人間とも云える。そんなにあいつの正体に知りたいなら、此処に行けばいい。」
そう言い文字の書かれた紙を貴虎に渡した。
「・・・何っ?サガラ、何故こんなところにっ・・」
そう言い紙から目を離しサガラの方を見るがいなくなっていた。
「いない・・一体どういう意味だ・・・」
そう呟く貴虎だったが紙に書かれた場所へ行くためにどうすればいいか考え始めた。
しかし、場所に行くはおろか移動することさえ今の貴虎には難しい事だった。
何故なら・・・
「(葛葉は魂だけがこの世界に来ていた。だが俺は・・・体ごとこの世界に来ている。つまり、この世界に呉島貴虎が存在する事になっている)」
そう。紘汰と違い貴虎は体ごと来ている。つまり、下手に動けば自分の行動がこの世界の貴虎の耳に入り、自分の存在がユグドラシルにばれてしまう可能性があるのだ。加えて、紙に書かれた場所は今の貴虎にはかなり難しい場所だった。
「イタリア・・・・・・マフィアか。」