鎧武が面白すぎたので未だに馴染めていない最上侑人です。
読み返すと誤字が目立ちますね。気をつけていきます。
黄金の果実を掴みとった者と黄金の果実として造り出された者、その二人が今、世界を越えて再び相見えた。
「森が騒いだのでな。すぐに貴様と分かった」
「ふん。意外だな。もっと怒りを露にすると思ったが」
「始まりが貴様とはいえ、滅びを止められなかったのは私の責だ・・・愛する者が死んだのも」
ジジジジジ・・・
「おや?揃っているようだな」
「!?(今のクラックの形・・・まさか!)」
その場にまたクラックが現れ、中からトライブが出てきて、光実はクラックの形に気付いた。
「フェムシンムの王よ。礼を言う。今この場に私がいるのはお前のおかげでもある」
「ふん・・・その男を蘇らせてどうするつもりだ。知恵の実でも欲するか?」
穏やかな口調でロシュオは言うが、次に口にする言葉次第でこの場は跡形もなく消える、と全員は確信し緊張が走り戦える姿勢をとった・・・
「そんな物、お前にくれてやる」
この男以外は・・・
「(何!?)」
「ヘエ・・・」
「ほう。ならば貴様は、何を求める?」
「禁断の果実に決まっている。だが、私が求めるのはこの世に存在する『もう一つの禁断の果実』だ」
「知恵の実が実るのは1回の森の侵略につき1個。例外はない。ありえん話だ」
その通り。ヘルヘイムの植物の侵食で知恵の実が成るのは1個のみ。それは世界を変える程の力を持つが故に試練や戦いに勝利した1人にしか掴みとる権利がある。それをロシュオが地球に成った知恵の実を横取りしたことで例外的に2つ持っているのだ。
愛する者を蘇生させる為に。
「そう。だからこの手で創る。無いなら作る。遥か昔から行われてきた事だ。この男を蘇らせたのはその為でもある」
普通なら有り得ない、と笑う話。だが、この男の目には確かな確信があった。
「アリエナイネ。我々デモソノ男ヲ作ルノガ限界ダッタ」
「その為の準備を今から始める。コウガネ、クラックで世界を開く」
そう言うと手から蛇を作り出した。作り出された蛇はコウガネの方に行くが、コウガネの体をすり抜けて行った。
すると、粒子となって消えていった。
「何をするかは今の蛇の中に記憶してある」
「・・・良いだろう。だが手段は私の好きにさせてもらう」
そう言いクラックの中に消えていった。
「では始めるとするか!世界を取るに相応しい英雄を決める戦いを・・・!!」
そう言い青年もクラックと共に消え、鎧武・闇から霧らしきものが出て変身が解けて男性が倒れた。
「ソウカ・・・アイツ誰カニ取リ憑カナイト戦エナイノカ・・・肉体ガ無イカラ・・・フフフ」
そう笑いながらレデュエは呟いた。
「王ヨ、如何ナサイマス」
笑い終わった後、ロシュオに膝を突きそう聞いた。心の中で新しい楽しみを感じながら。
「放っておけ。我等に牙を向けた時に、対処すれば良い」
そう言い、ロシュオもクラックを通って森に帰っていった。
「ヤレヤレ、予想ハシテイタガ、全ク面白クナイ」
「レデュエ、アイツは一体何なんだ」
予想通りと言えども、面白くないロシュオの言葉に困った様子のレデュエに、光実が質問した。
「ン?嗚呼、アイツハ我々フェムシンムヲ争ワセ滅ビノ道ニ向カワセタ元凶ダ」
「そうか」
「ト言ッテモ、私ハ別段気ニシテ無イガネ・・・ッテ、オイオイ何処へ?・・・ヤレヤレ・・・無視カ・・・」
レデュエの言葉に無視し、光実は走っていった。ブラッドオレンジロックシードを置いていた場所に。
───ガレージ───
「・・・つまり、葛葉紘汰は黒いロックシードを使い、黒い・・・黒い・・・「鎧武」そう!それ!・・・黒い鎧武に変身して君達に襲い掛かった、か・と・お・も・え・ば、突然クラックが開いて葛葉紘汰を吸い込んでいった・・・と、言う訳だね」
鎧武・闇の攻撃があった後、戦極凌馬が来て負傷者の手当てや崩れた物の整理をしている舞達から状況を聞いていた。
「またあんたのイカれた実験じゃないだろうな」
過去にハカイダーとなった凌馬に襲われたザックは、そう皮肉を込めて言った。
「勿論だ。この状況でそんな事をして私に何の得が?」
「・・・・・・・・・・・・」
話を続ける横で、座りながら戒斗は考え事をしていた。その考え事は以前、公園の椅子で横になっていた時に夢で見た黄金のアーマードライダーや11人のアーマードライダーの中に自分の姿や、見た事のない銀色のアーマードライダーの事であった。
(・・・まさか、あの時見た夢と関係が・・・)
「・・・と、おい戒斗!!!」
考え事をしている戒斗に城乃内は何度も呼び掛けていた。
「・・・何だ?」
「何だ?じゃ、なくてロックシード!!ドングリが壊れたから俺ロックシード持ってないんだよ!何か持ってるだろ。くれ」
「・・・そこら辺に生えてるから、其処から採れば良い」
「それが全っ然!出てこないんだよ。はあ~~」
いきなりテンションが上がったかと思えば、落ち込んでいく城乃内に若干鬱陶しさを感じた戒斗は、
「これでもくれてやる。その代わりさっさと黙れ」
そう言い『マンゴーロックシード』を渡した。
「それより紘汰は!!・・・まさかヘルヘイムに・・!?」
「いや、ヘルヘイムなら植物が見える筈だ。だが葛葉を吸い込んだのには何も見えなかった」
「完全に手詰まりって事か・・・」
ガチャ
「あなた達が分かれた付近のトイレを調べてみたけど、何処にもみずがめ座の坊やは居なかったわ」
ザック達に言われ紘汰と別れた所を探し回っていた凰蓮も帰ってきた。
ピーピー「おっ!出た出た」
静かになったガレージに電子音が鳴り、凌馬が反応しポケットから小型の電子辞書らしき物を取り出した。
「プロフェッサー、それは?」
「私が持ち歩いてる携帯用研究機材だ。葛葉紘汰を吸い込んだクラックについて調べていたんだが・・・・・・ビンゴだ!」
自分の予想通りと言うような反応で指を鳴らし楽しそうにそう言った。
「何か分かったの!?」
「以前ビートライダーズが行ったアーマードライダーによるバトルロワイヤルにて、高司舞君を襲った怪物の事を覚えてるかい?」
その怪物とは、武神鎧武が舞をさらう為に送り出した『ウツボカズラ怪人』の事である。そいつを引き金に紘汰達は別の世界に行き、仮面ライダーウィザードや仮面ライダービーストと共に戦った。
「その怪物がヘルヘイムにて通ったクラックと葛葉紘汰を吸い込んだクラックの波長が限りな~く、一致している」
「それってつまり・・・」
「葛葉は別の世界に行った・・・と。貴様、俺達が別の世界に行った事を知っていたな」
「貴虎があの場にいた時点で、私が知らない訳ないだろ?」
「?・・・・別の世界?」
事情を知らない凰蓮やペコ達には何の事か分からなかった。
「そんな・・・じゃあっ、紘汰はどうなったの!?」
「まっ。結論を言うなら、葛葉紘汰はクラックに吸い込まれ別世界に行った。しかも、何処かも判らないし連れ戻すはおろか行く方法さえもわからない。ユグドラシルタワーに行けば何か方法あるかもしれないが、今はオーバーロードに占拠されている・・・どうしようもないねっ」
「そんな・・・っ、何か!何か方法が・・・っ!」
「あのね~。まさか!何か!他に!って言うけどね、君はそれしか言えないのかね。良いかね?世の中ってのはね、『解る』事よりも『解らない』事の方が遥かに多いんだ。異世界旅行をしたのに何も思いつかない役立たずは、黙ってくれないかな」
「おい何もそこまで言うことないだろ!」
「そうよ。それに彼女はワテクシ達がインベスの相手をしている間に人々を避難させてくれた。役立たずではないわ」
凌馬に城乃内が掴み掛かり、凰蓮が凌馬の言葉を否定した。
「その避難を終えた彼女達が役立たずだと、私は言ったんだが?」
「彼女達って私達の事!?」
「もう許せねえ!」
「止めとけ。そいつを殴った所で状況は変わらない」
凌馬を殴ろうとしたペコを戒斗が止めた。
「戒斗の言う通りだよ。今は皆で協力しなきゃ」
「舞・・・・・」
「私、ちょっと疲れたから外の風に当たりに行ってくるね!」
そう言い、後片付けを中断した舞はガレージの外に出ていった。
───呉島邸───
ガタン!ガタン!
「ハアッ・・・ハアッ・・・やっぱり無い・・・・・・!」
今は使われていない呉島兄弟の家。光実の部屋の棚を光実は調べていた。
以前武神ライダーの世界から帰ってきた時、危険だから預かっておくと言って自分の部屋の棚に入れておいたブラッドオレンジロックシード。それが棚の中から消えていた。
「アイツはあれを使って一体何を・・・まさか・・・また舞さんを・・・ッ!」
以前ブラッドオレンジロックシードを使ったライダー『武神鎧武』は舞を『運命の巫女』と言い異世界に連れ去った。そのためにまた今回も、と光実の頭をよぎった時・・・
・・・そうやって、お前の元から全てが消え去っていく・・・
「ッ!!!」
そう言い光実の背後に現れたのは、この手で海へと倒し消えていった筈の貴虎。あの時からこうやって何かを言っては消えていく。その貴虎の姿は誰の目にも見えていない。
「またあんたか・・・。もう余計な事しないでくれるかな!!」
・・・余計な事をしてるのはお前だ。お前が早くあれを壊しておけばこんな事にはならなかった。お前が何かをする事によって、周りの者が傷付いていく・・・
「ちがう・・・ちがう・・・」
・・・そしてお前の元から全て消える・・・大切な者でさえもな・・・
「違うッッッ!!!」 ガシャン!!
机に置かれたランプを投げるが、幻影に当たる筈も無く通りすぎ壁に当たりランプの壊れた音が響いた。
「全部アンタのせいだッ!!僕の事を理解しようともしないで理屈ばっか押しつけて・・・勝手に消えていって・・ッ。もう消えろ!アンタは僕が殺したんだもう存在しない人間なんだッ!!だったらもう大人しく消えててくれよ・・・ッ!」
貴虎の幻影に当たり散らすが返事が返ってくる事は無かった。
「ッ・・・舞さん・・・ッ!」
ガレージへ走っていった光実を貴虎は見つめていた。
「・・・はあ・・・」
「何を落ち込む必要がある」
ガレージを出て項垂れる舞。そこに戒斗が出てそう言った。
「戒斗・・・」
「戦極凌馬は知らないだけだ。お前は強い」
「いや、私は弱いよ。紘汰や戒斗みたいに戦える力も無いし何かを考えつく様な閃きも無い。私に出来るのは、皆と一緒に泣いてあげたり励ましたりする事だけ。
・・・・・・でも私はその弱さも強さだと思う。私達は1人じゃどうしようも出来ない。その人が出来ない事を別の誰かが、その人が出来ない事をまた誰かが・・・そうやって支えあって進んでいくのも『強さ』だと私は思う」
「そうか。だったらお前の強さは踊る事だ。俺達が踊れない今を、お前が踊る。お前がインベスと戦えないなら俺達がインベスと戦う」
「戒斗・・・だったら今は一緒なんだね」
「何がだ」
「私達の強さだよ」
そう言い、項垂れていた顔を上げ戒斗を見た。
「覚えてる?ずっと前に森で私を助けてくれた時に言った言葉。私の言う強さと戒斗の言う強さは違うんだって。でも、今は同じ目的を持って前を見ている。タワーに連れていかれた人達を助けるって目的を」
「俺の目的はオーバーロードを倒す事。・・・ただそのついでに連れてかれた奴等を助けるだけだ」
そう言い戒斗を見て、舞は笑った。
「ふふっ。変わんないね戒斗は。・・・絶対に紘汰を見つけようね」
「当たり前だ。オーバーロードと戦うにはアイツは必要だ」
そう決意する二人を、湊は入口から眺めていた。
「そんなに会いたいなら会わせてやる」
決意した二人の所に紘汰を送った張本人が歩いてきた。
「え?」「!!」「!?」
「変身」 『アムブロシア』
「また新たなロックシード!?」
ガコン ガチャ チュイーン『ロックオン ソイヤッ!アムブロシアアームズ 創造 新・世界』
「舞!下がってろ!変身!」 『レモンエナジー』
「はっ!」『ピーチエナジー』
変身して飛び降りてきた湊と共に戒斗はトライブに向かっていった。
「戒斗!湊さん!」
戦えない舞は助けを呼ぶ為にガレージに向かった。
ガチャン「皆たいへん!戒斗と湊さんが・・・キャッ!」
ドゴオオオン!!
「何だッ!」
ガレージの壁を突き破る音が聞こえ全員が下に降りると、バロンとマリカがトライブによって飛ばされた音だった。
「貴様らも早く変身しろッ!」
「戒斗!?それより何だアイツ!?」
「私の知らないロックシードにあのベルトは・・・」
「遅い」 『ソイヤッ!アムブロシアオーレ!』「フンッ!!」
ベルトを2回切ると剣にエネルギーが溜まり、戒斗達に向かって放った。
「ぐッ、この衝撃は・・ッ!」「戒斗・・ペコォ!」「何だよッ・・これ・・!」「慌てず近くのものに掴まりなさい!」「ッ・・・なめるなぁッ!」
ドオオォォオオオン!!
「!?あれは・・・まさか!!!」
近くまで走ってきていた光実はガレージの音で更に足を早めた。
「・・・まさかあの状態で反撃するとは・・・・・・ん?アイツは確か・・・」
「ハアッ・・ハアッ・・ッ・・舞さん!!!」
戒斗から矢の攻撃を受けた左あばらをさするトライブを押し退けて、スプーンでくりぬいたように欠けたガレージの中に光実は入っていった。
「舞さん・・・どこにいるんですか舞さん!・・・ッ・・・」
・・・言ったはずだ・・お前の元から全てが消えると・・・
うなだれる光実のそばで貴虎の幻影が現れそう言った。
「よくも・・・」
「ん?」
「貴様ああああッ!!」 『メロンエナジー』
変身した光実は貴虎を無視しトライブをソニックアローで外に押し出した。
「舞さんを何処にやった!!」
「何処かは知らん。平行世界のどこかだろ。」
質問をしながら攻撃する斬月・真。しかし怒りに任せての攻撃はトライブにとって軌道が読みやすいものだった。
「ハアッ!」
「ぐっ、ハァアアアッッ!」
ソニックアローで大量の矢を撃つが、剣からの衝撃波によって消し飛ばし盾を大量の剣に変えて斬月・真に撃ち放った。
「が・・あ"っ・・・ウアァアア!」
「ッ!構わず突っ込むか!」
『メロンエナジースカッシュ』
『ソイヤッ!アムブロシアスカッシュ』
「ハァアアアッッ!!」
「ぜあッッ!!」
ガキン!!
キキキキキッッッ
「知恵の実に頼らずこれ程とは。だが!」
ダン!
「ンァ"・・・あ"っ!」
「葛葉紘汰もそうだが所詮強化された既存の果実。こちらは神話体系の果実。格が違うッ!」
刃を鍔迫り合うが徐々に斬月・真が押され始め、剣が肩に当り膝をついた。
「フンッ!」
ガッ!
「ハァアアアッッ!!!」
ズバアアアン!!
「ぐあああぁあッ!!」
ドオオォォオオオン!!
エネルギーの爆発によって出来た煙が晴れるとトライブの目の前に変身が解けた光実が倒れていた。
「まだ・・だっ・・!」『メロンエナジー』 ガッ「がっ!」
もう一度変身しようとしたがロックシードを持つ手を蹴られ、手の届かない所に飛んでいった。
「・・・弱いな。例え装備が強くとも使う者がこれではな」
そう言いとクラックを開き消えていった。
「・・・くそ・・・くそッ・・・!」
誰もいなくなったガレージで光実の悔しみの声だけが響いていった。
オリジナルライダーの名前は決して仮面ライダードライブからもじった訳ではありません。
ただ、青年の名前が出てないからつけただけなので、物語には意味はありません。