「さぁヒカル行くわよ!」
千佳よ……お前は実家だから良いけど、流石に普段着で挨拶に行くわけにはいかないからね。
「……ちょっと着替えてくるので、お菓子持ってきますので食べて待っててくださいね」
「その服装でも問題は無いと思いますが……」
一応TPOは弁えておかないといけないのよ
冷蔵庫を開けると皆がみんなお菓子をこれでもかというぐらいに冷蔵庫に詰め込んでいた。
使うのは良いよ……でもさぁこんなにお菓子とか入れちゃうと、食材が入らない訳なんよ。冷凍庫なんてアイスでパンパンだし……
個人用に冷蔵庫をもう一個買おうかな……?
とりあえず、手前にあったメイのケーキで良いや
なんか限定販売とか書いてあるけど……良いとしよう
ちなみに賞味期限はあと30分か……大丈夫だな!
皿にケーキを移して、飲み物はリプトンのレモンティーでも良いか
「では、千佳さん失礼します」
「あ、このケーキ凄い美味しいと評判のところですよね! 朝限定で中々購入出来ないぐらい有名ですよ!」
ちょっと罪悪感が湧いて来た。
後でメイに連絡しておくか……
さて、友達のましてやお金持ちのご両親に挨拶する訳だから失礼の無いようにスーツで行くとしよう! それも自分へのご褒美もかねて買ったジョルジオアルマーニを! って俺は幕ノ内のOLか!? 紺色のジャッケット・スラックスに黒いワイシャツに紺色のネクタイにエンポリオアルマーニの腕時計とそこそこ高かった革靴で完璧だな!
後は髪型も今回はオールバックで良いや
「すみません。千佳さんお待たせしました。どうです? 似合ってますか?」
「ひ、ヒカル! 凄いカッコいいわよ」
「それは良かったです。ではもう行きますか?」
「ええ、車も呼んでいますので、もうじき来るかと……あ、到着したようです」
「……ではお嬢様僭越ながらエスコートをさせて頂いてもよろしいでしょうか?」
「ふふっではお願いしますね♪私の執事様」
千佳を連れて外に出ると以前見た白いロールスロイスが止まっており、近づくと自動でドアが開いた。
「それではお嬢様お先にどうぞ」
とりあえず、こういう場合はレディーファーストをやっておけば良いだろう
「……ヒカル、あなた私の執事にならない?」
「……あと8年早く出会っていたら考えましたね」
アイと関係持ってなかったら選択肢としては全然有りだったなぁ~
「8年前のあなたに一体何があったのか凄い気になるわね」
「それは内緒ですよ」
そして、俺もロールスロイスに乗って車は走り出した。
その一部始終をアイに見られているとも知らずに……
千佳の両親に挨拶と言うと堅苦しいが、平たく言えば千佳は小学校はともかく中学・高校は私立のお嬢様学校だったらしく、女性からはお姉さまと呼ばれる位カリスマ性があるし、男性に対しても物怖じしない性格だから、対等な友達が居なかったらしく、それゆえに両親は千佳の事が心配だったらしい
そして、両親もなんやかんやで実力主義というか、喧嘩っぱやいというか、絡んで来た相手を黙らせるのが三度の飯よりも楽しみというイカれた思想の持主だった。
まーでもお金持ちになる人ってそういう負けず嫌いな一面がかなり強いからこそ、成功するんだろうなってのは分かる。
「そうですね。そこは私も働いてる為、少なからずとも理解は出来ます」
「流石千佳が見込んだ男だな! ヒカル君が良ければ千佳を貰って欲しいくらいだ」
「あなた気が早いわよ! でも私はヒカル君なら千佳の夫としても良いわね」
はっはっは勘弁してくださいよ~
「……流石に千佳さんの気持ちを無視する訳に行きません」
「……私はヒカルとなら…ううん、ヒカルと結婚したい!」
あ、やべえこれ詰んだかもしれん