大学を卒業して数か月が経過したある日アイから連絡が来た。
『あ、もしもしヒカル君元気~?』
「私は元気ですよ。アイさんどうですか?」
『私も勿論元気だよ。それでね最近アクアとルビーがヒカル君に会えて無いから寂しそうにしてるんだけど今日とか夕食だけでも来れない?』
最近は仕事に追われていたとは言え子供の面倒を見て居なかった。いや、こんなのは言い訳だな。忙しくてもアイには連絡は出来た訳だし、親として情けないな!
幸い今日は日中だけモデルの仕事があるだけで、夜は何も入って無いから問題は無いな
「必ず行きます」
『うん、待ってるよぉ~後大事な話もあるから夕食の時に話すね。じゃあお仕事頑張ってね』
「ええ、アイさんも頑張ってください」
夕食だけでも会える事にアイはよっぽど嬉しかったのか声が弾んでいた。
さてと、モデルのお仕事をして稼いで来ないとな
「それではみゆさん留守番お願いしますね」
「はーい任されました~じゃあ私は書類整理と領収書でもまとめてますよ~」
領収書もそんなにある訳じゃないから、問題無いし
この前税務署に行ったときにどうやれば良いのか確認したし、それの書籍も作ったし、まぁ~なんか分かんない事があればその都度役所とか行けば良いだろう
問題なのが、今車が無い事だ……
みゆさんは自前の車で通勤しているし、俺はバイクがあるから問題は無いが……送迎が出来ないというのは結構きつい……何としてもハイエースを手に入れたいところだが、今現状は購入すると不審に思われるので一年は様子を見た方が良いだろうか? ある程度黒字になれば、購入しても問題は無いはずだからそれまでは我慢だ。
高峯達にはもうしばらく苺プロに居てもらおう
送迎が出来ないと結局仕事に支障が出る訳だし仕方ないな……
モデルの仕事以外にも高単価の仕事をやりたいが、そうなると事務作業が滞ってしまうし……中々難しいものだ。
一応現場で知り合った人たちとは仲良くおしゃべりもしているが、稼いでいるのが現状俺一人なので常に事務所はかつかつ状態だ。
今は手探り状態だから、仕方無いけどいずれは事務作業もみゆさんが出来るようになれば、結果的に俺も時間が取れるから、千佳を通してピアノ関係の仕事も斡旋してもらえるようにすれば良いだろうけど、最近はコンサートが忙しいらしく国内を飛び回っているようだから事務所に顔を出してすらいない
はぁ……中々ままならないものだな。
仕事も終わって気が付いたら、18時を回っていた。
一旦事務所に戻ってみゆさんを帰らせないとな。
「すみません遅くなりました」
「ヒカル君おかえり~じゃあ私は帰るね~」
「はい、お疲れさまでした」
みゆさんはそういうとタイムカードを切って帰って行った。
さて、俺もアイの所に行かないとな
一応大丈夫だとは思うが、ガスや戸締りも異常が無いか確認してからアイの家に向かった。
「アイさん遅くなりました」
「あ、ヒカル君ちょうど今料理が出来た所だよ~。アクアもルビーも席に着いてるからヒカル君も早く来てね」
「ええ、その前にうがいと手洗いしてからですね」
「……ヒカル君ブレないね」
いや、当然の事をやってるだけだかね!?
「アクアとルビーもお久しぶりです」
「「カミキさんお久しぶりです」」
相変わらずアイの手料理を食べているときは狂気乱舞している。
そして、席に着くと当然の様にアイが隣に座って口を広げてあーんを強請ってくる
熱々のドリアだから息を吹きかけて、冷ましてからアイの口に運んであげたが……
「あっふいよひかるふん」
涙目になったアイにペシペシ叩かれてしまった。
ごめんね。わざとじゃないんだ。
そんなこんなありつつも夕食を何とかすまして、アイからの重大発表が始まった。
「今年の最後に私とルビーのドーム公演が決まったの!」
驚く俺をよそにアイとルビーは嬉しそうに戯れていた。