12月にアイ達のドーム公演か……
良く斎藤社長も首を縦に振ったものだ。
まぁ~ルビーがアイにおねだりして、アイが斎藤社長を脅したんだろうなってのが、安易に想像できる。しかし、それでも良くドームの予約が取れたものだ。
はっきり言って、斎藤社長の営業能力も化物染みている。
この人どうやって営業で仕事取ってきているんだ?
見た目が怖いから、みんなサインでもさせられてるんじゃ……?
なんて事を考えつつも、推定黒幕少女カナンを探している訳なんだが、手掛かりはまるで無し、AV社長の方も難航しているし……ままならないものだ。
そんな訳で素人の俺がどんなに頑張っても無理なものは無理なんだから諦めて、
じゃあ、どんな人が良いか探してみたら、そりゃ色々な探偵が出てくるわけだけど……うーん、なんかぱっとしないなぁ~
そんな中、偶々タウンページ開いたら一番最初にとんでもないのがあった。
『ああ探偵事務所』
こいつだ! こいつしかいねぇ
すぐさま俺は電話してアポを取った。
「カミキヒカルさん…ですね。私が代表の妻木です」
俺と同じ金髪で左目が前髪で隠れている姿はまごうことなき……キタローである。
「私の推理では…あなたは現在中学生で音楽好きです。 しかし、姿勢や声の発声もいい、おしゃれ好きな中学生で有りながら指のツメだけはきっちり切ってある。それはピアノなどの…楽器の演奏には邪魔でしか無いからだ。……簡単な推理ですよ」
マジもんの推理ノイローゼだこの人
「……違います。まず私はこんな見た目ですが、22歳で姿勢や声の発声が良いのは元役者だからなのと、指のツメに関しては女性を抱く時に傷を付けないように配慮しているからです。あと私はカミキプロダクションの代表取締役のカミキヒカルと申します。こちら名刺です」
あ、妻木さん泣いちゃった。
「実は私…シャーロック・ホームズの推理に憧れて、この業界に入りました」
「……そうですか」
「しかし、実際は推理なんてものは、ほんの一部…基本的に地道な調査と裏付けの毎日なんです」
まーその地道な調査が出来るから選んだ訳なんだけどね。
「だから私は普段スキあらば推理する。けど…当たったためしはありません!」
俺はシャーロックホームズは分からないけど、そんな些細な情報で相手が何の職業に就いてるか特定できるものなのか?
「さて、コーヒーでも入れましょうか…砂糖はいくつ? 私の推理では甘い物が好きな男性は少ないのでゼロだ」
「すみません。私は甘党なので3個お願いします」
妻木さん甘党でごめんね。だから、泣かないでください
「で、依頼の件なんですが……」
妻木さんには全部包み隠さずに正直に話した。
推定黒幕少女カナンに関しては恐らくという部分があり、証拠は無くあくまで黒寄りのグレーと伝えている。
「カミキさん…警察には連絡してますか?」
「いえ、証拠もありませんし、出来れば隠ぺいしたいところです。それに、私は彼女を憎めない」
「1日2万です」
「構いませんよ」
「では3日私にください! 合計6万! B小町をクビになった元アイドル探しまさに雲をつかむような話ですが、私はその雲ですらつかんでみせます!」
流石ああ探……頼りになるぜ!
「それでは妻木さんお願いします」
「それではこの契約書にサインを!」
ずいっと出された契約書を読んだが、特に問題はなさそうだし、詐欺の手口で使うような小さい文字も無いし複写式でもない。
一応炙り文字も無いか確認する為にジッポライターを取り出した。
「か、カミキさん?」
「いえ、問題は無いと思いますが、一応炙り文字が無いか確認しますね」
流石に妻木さんに対して失礼な事をしている自覚はあるが、契約書っての怖いからね。自身が納得出来るまではサインをしちゃいけない!
「すみません。それでは問題ないようなのでお願いします」
「いえ、大丈夫です。あとうちでは前金を一割程頂くシステムでして、持ち合わせが無ければ、こちらの口座に振り込んでもらった後、調査を開始します!」
ふむ、じゃあ財布を取り出して、6万を渡した。
「すみません。一括で支払います」
「ありがとうございます。必要経費に関しては……」
「それは後から請求して頂ければ結構です」
こうして、ああ探偵事務所の妻木さんにお願いした。
彼の持ってるホームレス・ネットワークさえあればカナンを探しだすことは赤子の手を捻るより簡単だろう
しかし、見つける事が可能でも証拠が無い以上どうにもならないが……それでも彼女に対してケジメを付けないといけないな
最近は無意識に腹の傷を触ることが多くなってきたし、カラスも良く見るようになった。
何だが不吉な予感を感じつつも、バイクで帰宅した。