ああ探偵事務所に依頼して3日が経った。
経過状況が気になるので、一旦連絡してからお昼頃に伺う事を伝えた。
余計なお世話かもしれないが、お茶とお弁当の差し入れも持っていこう!
バイクに跨り、妻木さんが待つ事務所に向かった。
「……失礼します」
「カミキさんどうぞこちらへ」
妻木さんに案内されてソファーに座る。
ああ、嫌な予感がする……推定黒幕少女カナンが本当に黒幕だった場合が一番嫌だし、かと言って白だとそれはそれでもう打つ手が無いし……
「それでは三日間の調査報告ですが……まずカナンさんの居場所は突き止めました。其の上で、ちょっと言いずらいですが、証拠探しの為に家宅捜査も行った所……カミキさんの写真が壁に貼られており、顔の所にナイフが突き立てられてました」
ああ、真っ黒だよ! どうしよう黒幕確定しちゃったじゃん!!!
「そして最後に日記もありまして、そこには最初はアイさんと斎藤さんへの恨み辛みが記載されておりましたが、B小町のメディア露出が多くなるにつれて次第にカミキさんへの恨み事が書かれるようになり、最終的にはカミキさんだけが標的になっておりました」
完全な逆恨みではあるが……カナンからしてみれば、俺さえいなければアイを殺害して、斎藤社長を失意のどん底に叩き落とす事が出来た。
俺さえいなければ高峯達が輝く事は無かった。
そして、俺がもっとはやく苺プロに居ればカナンは辞めること無く、B小町に在籍して今なお活躍することが出来た……っとこんな感じに考えているのかな?
まー多分その通りだとは思うけど……カミキさんは一人しかおらんて、そんなこと言われても対応出来へんよ
「……ちなみにですが、カナンさんに暴力団関係の付き合いはありましたか?」
「いえ、そこに関しては問題はありませんでしたが、カナンさんの職が風俗嬢の為か、中々やんちゃ坊主達は多いですね」
なるほど、2度目の襲撃犯に関してはその客をけしかけた訳だったのか……それが斎藤社長にボコボコされて警察に御用になった訳なんだからどうしよーもねーけど……
「分かりました。妻木さん短い時間で成果を出して頂きありがとうございます。これ良かったら食べてください」
「ありがとうございます」
ちょっと高かったけど、うな重とお茶を渡したら妻木さん泣いて喜んでくれた。
「それと妻木さんこの件に関して警察には連絡しないでくださいね。後は私が何とか説得しますのでお願いします」
「……それは構いませんが、どうやって説得する気ですか? 正直な話をすればカミキさん殺されちゃいますよ」
「……殺意を持った相手を説得する方法は昔から変わりませんよ……」
「それはどういうことですか?」
「誠意を見せる事です」
まぁーぶっちゃけ刺されればなんとか説得は出来るものだ。
それに刃物なら防刃スーツで何とか防げるし、俺も慣れているから対応出来る。
そう考えれば楽なもんだ。
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12月ドーム公演日
俺は病院に入院していた。
刺されるのなんてもはや慣れっこだったし、通販で買った防刃スーツではなくイギリスプリトウェン社の防弾防刃スーツでケブラーとカーボンナノチューブで出来た優れものだ。
一応腹にヤングジャンプも念のため仕込んでいたんだが……
ネイルハンマーは反則だろうが!!!
「はい、カミキちゃんと食べて元気になってね」
「そ、そうですね」
今俺の病室で憑き物が落ちたように甲斐甲斐しく世話をしてくれてる黒幕少女カナンにリンゴを食べさせて貰ってる。
刃物だったら防げたんだが、鈍器は無理だよ
最初の一撃が頭部だったから、ジャケット弛ませてなんとか防げたけど、そっから先はひどい目にあった。
両腕をハンマーで殴られながらも何とか説得出来たけど、代償が複雑骨折は割に合わないよ。
でも、これで何とかアイの死亡フラグはへし折れて良かったぜ。