カミキヒカルになりました。(本編完結)   作:だめねこ

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第6話

「おい、はやくしろカミキさんもう来るってよ」

「はぁ!? カミキってカミキヒカルの事か!? なんであの人がここに来るんだよ」

「そんなん俺が知る訳ないだろうが! 分かる事は有馬かなと繋がりがあるって事で鏑木Pがこっぴどく怒られたんだよ」

「マジかよ……あ、じゃあ予算が少ないし、納期もすぐだから仕方なかったって話にすれば……」

「馬鹿野郎そんなこと言ったら、代わりにカミキさんが資金援助するし、何よりあの人はコネが凄いから掛け合えば一発で解決するぞ?」

「確かにコネは凄いけど……資金に関してはほら、何千万って吹っ掛ければ……」

「8年前になるから今の人たちは知らないけど、カミキさんが苺プロからアイドル引き抜いた事があるんだけど、その時の金額3億円らしいぞ。それも2週間で用意したって話だ」

「……嘘だろ!? 2週間で3億……銀行強盗でもしたのかな?」

「馬鹿なこと言ってないで、今日は特に気合を入れろよ。あの人は真面目にやってる人が馬鹿を見るような事は許せないからな! あと返事(挨拶)が出来ない奴にはかなり厳しいからこれも覚えておけ……最悪は無視さえしなければ良い」

 

 有馬と現場に着くと現場の裏方の人たちは皆がみな大慌てであったし、特に監督やDなんかもカミキさんが来るってだけで慌てふためいていた。

 普段のカミキさんを見ているとそんな風には見えないけれど……過去に一体何があったんだ?

 

「なんか凄い慌ててるな」

「……カミキさんは一体何をしたんですか!?」

「それは本人に聞いてみれば良いんじゃないか?」

 

 それからすぐにカミキさんとアイが到着した。

 

「有馬さんとアクアお待たせしました。挨拶周りしたいので、有馬さん現場の人を紹介して貰えますか?」

「ええ、勿論です。ほらアクアも行くわよ」

「私も着いてくよー」

 

 そして、現場に入った瞬間に壮年の男性がこちらに向かって来た。

「カミキさん、あの、その節はどうも……」

「ええ、本当にこちらも大変な目に合いましたよ。まぁ今回はこちらが無理を言った訳ですので特にその当たりは言いませんが……また、やらかしてますね?」

「いえ、だって、前回カミキさん怒ってましたから、もう来てくれないと思いましてね……」

「鏑木さんには鏑木さんなりの考えがあるかもしれませんし、何なら事務所の兼ね合いもありますから私もそんなには言いませんが……ここでちゃんと教えてあげないと若い彼らは終わりますよ? 貸しを作りたいなら基礎位教えてあげなさい!!!」

「返す言葉もありません」

 

 壮年の男性が151cmのチビに頭下げてる光景はすっげー笑えるが力関係がはっきりしてるな 

 

「私鏑木Pが謝ってるところ初めて見た」

「私も初めてみたよ~」

 

 有馬とアイも驚いた表情だった。

 

「まぁ最終回なので、大した事は私には出来ませんが……今回はアイさんにお願いしてます」

「ハイ、ヒカル君にお願いされてます」

「あ~そういえば元苺プロですもんねカミキさんは……しかし、アイは主役を喰っちゃうから脇役なんて出来ませんよね。どうする気なんですか?」

「演技の基本は感情ですよ? それにこの現場の役者は男性が多いので……アイさんに惚れて貰う為に一曲歌って貰います」

 

 なんだと!? アイがストリートライブを行う? 最高かよ!

 

「それは何のためにですか?」

「男なんて単純なものです。大好きな女のk……女性が目の前に居れば何時だって張り切ってしまう小学三年ですからね。今は大根でも味が染みてくれば化ける事は可能ですね」

「ねえ、ヒカル君何で言い直したのかな?」

「では「よぉ~かなちゃん」どちら様ですか?」

「ああ、彼は『今日あま』の主役をやってる鳴嶋メルト君です」

「初めましてカミキプロダクション代表取締役のカミキヒカルです」

 

 カミキさんはそういうと懐から名刺入れを取り出して、名刺を差し出すも……

 

「いや、いらねーし……つーか誰?」

 

 マジかこいつ! 怖い者知らずにも程があるだろうが!

 恐る恐るカミキさんを見ると名刺を名刺入れに戻してしまった。

 

「か、カミキさんすみません彼に悪気があった訳じゃないんです」

「……そうでしょうね。これは彼の周りの人の責任ですね。誰も注意することをしなかったのが原因です。はぁ~頭の痛い現場ですね」

「彼の事務所にクレームなんてことは?」

「……しませんよ。そんなことしたらそれこそ彼は潰れてしまいますからね」

「潰しても良いんじゃない? 私は正直あの子嫌いだし……」

「そうなると、この現場の撮影はどうなりますか? 今回は私もアイさんも外野なのでとやかく言うのはルール違反ですよ」

「ヒカル君がさっきの子に化ければ良いんじゃない? 髪をセットして、色も変えればイケルよね?」

「出来るかどうかで言えば出来ますが……そんなことばっかりしていたら私が恨まれちゃいますし、そこまでする必要は無いでしょ? 必要なのは彼にお手本を見せる事だけです。なのでリハの前に少しだけやれば良いでしょう」

「鏑木さん邪魔にならないところでちょっとやってて良いですかね? あと鳴嶋メルト君も座ってて良いですから見ていてくださいね。アイさんヒロイン役お願いして良いですか?」

「まぁまだ時間はあるから構わないよ」

「もっちろん! 夫婦になって初めての共同作業だね」

 

 あ!

 

「え?アイの結婚相手ってカミキさん何ですか?」

「そうですけど何か問題でも?」

「ヒカル君これ言っちゃまずかったっけ?」

「……いえ、全然問題無いですし」

 

 とは言えカミキさん……めっちゃ動揺している。

 

「(ねぇアクア……あんたの親ってもしかして……)」

「(有馬それは後にしてくれ)」

 

 これやばくねえか?

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