鏑木Pから埋め合わせで恋愛リアリティショー『今からガチ恋♡始めます』略して『今ガチ』に出演してみないかと番組オファーをされた。
正直な話全く興味が出ない
その事を相談してみたら
「そうですね~役者としての幅を広げたり、恋愛を楽しみたいのならやって見てもいいのではないでしょうか?」
これはカミキさんの意見
「へーこうやってアクアも大人になって行くんだね~。高校生だからあんまりハメを外しちゃ駄目だよ? って私も高校生かアハハ」
アイのは斜め上の回答であった。
「へーシスコンのお兄ちゃんがテレビで恋愛って妹の私としてはすっごい気まずいんだけど……」
ルビーだけは反対意見のようで……
「へー陰キャのアクアが『今ガチ』に出るんだぁ~私は無様にフラれる方に賭けるわ!」
「こらツクヨミ! ナンパとかそういうのは必ずしも成功する訳では無いんですよ。私だってナンパで失敗したことはそこそこありますからね」
ツクヨミは相変わらずムカつくが……カミキさんがナンパ失敗したことあるんだ。
「え!? ヒカル君ナンパなんかしてたことあるの? 私知らないんだけど……」
アイの目の星が真っ黒になり、カミキさんににじり寄って言った。
「……それはそうですよ。何せアイさんと出会う前の事ですからね」
アイがカミキさんの肩を掴もうとした瞬間
逆にカミキさんがアイの顔を自身の胸に抱え込んだ。
アイはバタバタしていたが、しばらくするとスーハースーハーと吸い込む音が聞こえ始めた。
「……毎度の事ながら、力技だよな」
「ママがカミキさんに惚れてるから成立してるけど……逆ならどうなってたのかな?」
それはあんまり想像したくないな
結論から言えば俺は『今ガチ』に出ることにした。
出る理由もないけど、逆に出ない理由もなかった。
そして、次の日
俺とアイとルビーは無事に陽東高校に入学出来た。
入学式も何事もなく終えて、校内を見て回っていたら背後から声を掛けたらた。
「3人とも入学おめでとう」
振り返るとそこには有馬がいた。
「ここ陽東高校は授業日程の融通が利く位のもので普通の高校と大した違いはない。ふつーに赤点取ったり出席日数足りなかったら留年するし、カリキュラムもそんな違いはない」
赤点の下りでアイとルビーの表情が曇り始めたが、要は取らなきゃいい話だ。
そして、長い事べらべらとおしゃべりしてる有馬がようやく結論を言い始めた。
「……要するにここは日本で一番見られる側の人間が多い高校よ! 歓迎するわ盛大にね!」
ドヤ顔で言い放った有馬だけど……それアイもルビーも分かんねーからな……うちゲームとかやんねーし……
そして、有馬が先導する形で校内を案内してくれたんだが……
ルビーとアイがソワソワしっぱなしだった。
「「緊張して来たー」」
まさか声を揃えていうとは思わなかった。
「緊張する必要なんかないわよ。ここは養成所でも撮影所でもなくて普通の学校なんだから、普通にしていれば良いのよ」
「有馬……そうは言っても、アイがいるからお前も緊張しているだろ?」
「仕方ないでしょうが! 元B小町で2回もドーム公演達成した伝説のアイドルが目の前にいるんだから、私だって緊張ぐらいするわよ」
「そういってくれると照れるなぁ~」
アイは頭を掻きながらも、喜んでいるが……
真実って残酷だよな。
アイは一回目はインフルで倒れてて、カミキさんが代りにやったなんて知ったら世間は一体どういう反応を示すんだろうか? 知りたいような、知りたくないような……
「じゃあ二人とも後でね。俺は一般科だから授業が終わったら会おうか?」
「そうだね~」
「終わったら連絡するよ」
そして、放課後になったので、校門にて待ち合わせをするとアイとルビー以外にも別の女性が居た。
「あ、アクアこの子は寿みなみちゃん」
話をかいつまむとルビーの席の隣の子であった。
「うち寿みなみいいますよろしゅー」
「あと、神奈川出身だから、これはエセ関西弁だよ」
何で関西弁って突っ込みそうになったけど、なんとか耐えた。
「えー兄の星野アクアです。妹に友達が出来て何よりだ。で、それとは別になんでアイはむくれているんだ?」
「……いや、それはなんというか?」
「私は、敬遠されてたから誰も話しかけて貰えなかった」
悲しい出来事だったが、ふとカミキさんが以前言った事を思い出した。
『ド天然で、臆病者で、友達0人である為に、相手との距離感の詰め方を知らない……。正に生まれたてのベイビーみたいな部分があります』
そう考えると……アイが友達を作るのは相当厳しいと言わざるを得ない。
「……所でアクアは友達出来た? 出来ちゃったの?」
目がこえーし! 星が一瞬で黒くなったぞ!
「……いや別に友達作りにこの学校入った訳じゃないし……」
「あっ…………アクアも出来なかった奴だ……」
アイの目が元に戻ったけど……親としてはどうなんだ?
「いや別に話し相手位は出来たからな!」
あっ…しまった!
「……良いもん私にはひかもがぁ」
咄嗟にルビーがアイの口を塞いだ。
「大丈夫だよ。みなみちゃんはアイとも友達になってくれるよ! ね? みなみちゃん」
「も、もちろんだよ。寧ろ私なんかがアイさんの友達なんて恐れ多いというか、なんて言うか……」
年下に気を使わせる推しのアイドルが目の前にいた。
というか、俺の親だった。