カミキさんが電話を終えて30分後に件の人物姫川さんがやって来た。
「兄さんお待たせ」
姫川さんはカミキさんの左隣に座った。
「大輝君急な呼び出しですみません。ま、何はさておき一杯ですね。大将!熱燗とてきとーに見繕って下さい」
「あいよ」
屋台の大将は慣れた手付きで、熱燗を先に出した。
「じゃあ、大輝君、アクア乾杯しましょうか?」
カミキさんはそう言うと、姫川さんのコップに熱燗を注いだ。
「「「かんぱーい」」」
姫川さんとカミキさんが美味しいに熱燗を飲んでるのを俺はお茶を飲みながら眺めていた。
「カミキさん…俺も熱燗飲みたい」
「アクアが二十歳過ぎたらそういうお店に連れて行ってあげますから、我慢して下さいね」
「あれ、姫川さんって確か19じゃあ?」
「俺は……(今年)二十歳だ!」
突っ込んではいけない話題のようだ。
「アクアは大輝君みたいに無精髭を生やさないで下さいね」
「俺はみっともないので生えたらちゃんと剃りますよ! カミキさんだってそうですよね?」
「私は元々薄いってのもありましたが、毎日剃るのが面倒なので、永久脱毛しましたよ。アクアもやります?」
斜め上の回答だった。
「って今は髭の話しじゃなくて、黒川あかねについて姫川さんに聞きたくて呼んだんですから、先ずはそこを聞きましょうよ」
「そうでしたね。では、大輝君…黒川あかねさんの事を教えてください」
「うーん、黒川ねー演技は……モグモグ美味いぞ」
そう言うと姫川さんは大根を箸で切り分けて、食いながら答えた。
いや、黒川あかねの演技が上手いのか、大根が美味いのかわかんねーよ。
「大輝君…はんぺんも美味しいんですよ。食べますか?」
「食べる!」
餌付けするな! 話しが続かないだろうが!
結論から言うと、黒川あかねは演技がとても上手く真面目を絵にかいた優等生タイプらしいが、その反面……視野が狭く、友達もいないため、暇な時は稽古の練習や勉強をしているとか……なので、コミュニケーション能力はそんなに高くはないとの事
いや、姫川さんも高くねーからな!
「なるほど……分かりました。大輝君ありがとうございます。好きなの食べて下さいね。ほら、アクアも遠慮せず食べて下さいね」
「「大将大根お願い」」
姫川さんとハモってしまった。
それを聞いて大将はにやっと笑いながらも大根をすぐさま出してくれた。
「……状況的に良くないな。アクア食べながらで良いので聞いてください」
大根を頬張りつつカミキさんの言葉に頷いて返した。
「私の予想が正しければ……この状況を解決した後の方がアクア的に一番大変な事になりますが……責任は取れますか?」
カミキさんが何を言いたいのかこの時の俺は知るすべはなかったが、俺は迷わず答えた。
「……それで、黒川あかねを助けられるなら、幾らでも責任を取ってやる!」
「……分かりました。余り推奨出来る方法では有りませんが、時間も無いことですし……仕方ありませんね。黒川あかねが爆発しそうになったら後ろから抱き締めて口説きなさい!」
「いや、なんでだよ!!!」