カミキヒカルになりました。(本編完結)   作:だめねこ

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第61話

 宮崎に行く準備のために俺はあかねとかな共に買い物デートをしていた。

 

「良いアクア!? キャリーケースもただ大きい物を用意すれば良い訳じゃ無いわ! 荷物が入るのは勿論だけど、最近は軽くてコンパクトな物が多く出ているのよ!」

「そ、そうなのか!」

「……私達女の子はやっぱり必要な物が多いから、必然的に荷物が重くなっちゃうけれどそれでもキャリーケース自体が軽いと助かるからね」

「あと、役者は地方ロケも多いから、その為の変装用のキャップや丸眼鏡に黒マスクなんかも必要なのよ」

「……私女優のときは知名度あんまり無かったけど、B小町でアイドルやるようになってからは声を掛けられるようになったからそう言ったもの本当に手放せないんだよね」

 

 あかねのそれは物凄く実感が籠っていた。

 ふと、考えてみるとアイがまだアイドルをやっていた時は帽子は何時も被っていたし、サングラスもかけてバレない様に変装していたが、カミキさんは……何ら変装していなかった気がする。

 いや、役者をやっていた時は分からないが、苺プロの時はそもそもマネージャーだったから変装する必要もないのだが……今は役者やモデルとしてバリバリ活躍しているのだが、思い起こせばカミキさんが変装をしてる所を見た事が無いし、そもそも私服姿を見た事が無い!

 事務所の代表取締役だから外に出る時は常にスーツを着用しているし、寝る時だって常に誰かしらと一緒に居る以上は裸だろうし……

 もしや、カミキさん私服を持っていないのだろうか?

 ……っとそんな事を考えつつも買い物を続けていたが、まだ宮崎に行くまで日数は有る訳だし、デートの口実をわざわざ減らす必要は無いだろう

 

「かなにあかね……良い時間だし、どこかで休憩しないか?」

「「する!!」」

 

 二人はそう言うと食い気味で来た。

 

 

 

 二人を連れて、喫茶店に入った。

 店内は落ち着いており、真っ昼間ではあるものの人は少なくて居心地が良かったのだが、心なしかあかねとかなが落ち込んでいるように見える。

 ……いや、確かに付き合っている彼女に休憩をしないかと提案すれば、ラブホと思ってしまうのは仕方がないかもしれないが……こんな真っ昼間から行く訳無いだろうが!

 

「まぁ~アクアはカミキさんとは違ってすぐに手を出すタイプじゃ無いもんね」

「アクア君……浮気したら殺すからね」

 

 かなはほっとしたような、しかしどこか残念そうな何とも言えない表情をしているが、あかねは……目がガチだった。

 

「……二股しといてなんだけど、これ以上は増えないから安心して欲しい」

 

 俺が言えるのはそれくらいだった。

 

「……そうね。私も増えない事を祈るばかりよ」

「……私はアクア君の事を信じてるからね」

「……ああ」

 

 何故喫茶店に入っただけでこんな目に合うのだろうか?

 俺は至って健全な真面目な高校生であるはずなのに……思春期だからと言って性に忠実なのは個人的にはどうかと思っているのだが、最近の子は違うのだろうか? 違うのかもしれないな……そもそもがアイが出産したのが16歳だし、カミキさんに至ってはそれ以前からかなりの女性とやりまくっていたようだし、俺もゴロー時代は遊んではいたものの、相手は大人だったし……アレ? もしや、俺の家族は性に乱れまくっているんじゃねーか? いや、ルビーの前世はどうなのか分からないが……ルビーの性格上そういった経験はあるとは思えないから、ルビー以外は全員が乱れに乱れまくっている事実が判明してしまった。

 ああ、これは本当に気を付けないとマジでヤバいかも……

 とりあえず、この空気を変えないとマズイので店員さんを呼んで話を切り上げなければ……

 

「……ところで二人とも注文は決まったか?」

「私は大丈夫よ」

「私も大丈夫だよ」

「分かった」

 

 テーブルに備え付けのベルを鳴らすと店内に響き、若い女性の店員がすぐさま来てくれた。

 その女性の店員は俺の顔をジーっと見つめると何かに気が付いたようで見て分かるほどにテンションが上がっていた。

 

「ご注文を伺います♪」

「じゃあ、私はタピオカとチーズケーキ」

「私はカフェオレとショートケーキ」

「俺はアイスコーヒーと苺のタルト」

「畏まりました刀鬼様♪」

 

 女性の店員は俺を見ると喜色満面の笑顔で答えて離れていった。

 

「……言ってる傍から浮気?」

「……アクア君?」

「いや、これは不可抗力だろ!?」

 

 まさか『東ブレ』のましてや『刀鬼』のファンの人がここで働いてるなんて夢にも思わなかった。

 

「お待たせいたしました! タピオカとチーズケーキとカフェオレとショートケーキと刀鬼様のアイスコーヒーと苺のタルトの特別仕様になります」

 

 かなとあかねはメニューの写真道理なのだが……俺のだけ困った事にハートをあしらった苺のタルトになっており、写真と実物が完全に別物であった。

 

「伝票はこちらになります。……それではごゆっくりどうぞ刀鬼様♡」

 

 店員さんはそう言うとさっと離れていった。

 恐る恐る伝票を見てみると、俺の頼んだ物だけ料金が削除されていた。

 

「……クッ、このショートケーキ中々美味しいじゃない!」

「……私だってこの位作れるもん!」

 

 今度からちゃんと下見をしてからデートをすることを心に誓った瞬間だった。

 

 

 

 ケーキも食べ終えて良い時間になった時だった。

 

「……ところでアクア、この後どうする? 家来る?」

 

 唐突にかながぶっこんで来た。

 あかねの前でそんな話をすれば、対立するのは目に見えているのだが……

 

「……かなちゃんずるい!」

「ズルくないわよ! だったらあかねも一人暮らしすれば良いじゃない!」

「……その手があった!」

 

 あったじゃねーよ!

 ……だが、しかし今回の喫茶店は俺のチョイスミスで有る為、何かしらで埋め合わせをするべきなんだが……なんだけど……ヤッて良いものだろうか?

 二人とは付き合っている以上そういう関係になっても何らおかしくはないだろうし、アイもカミキさんもその辺を言う事はしないだろう

 腹を括る日が来たか……

 とりあえず、2人が話し合っている隙にお会計をすまして来よう。

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