カミキヒカルになりました。(本編完結)   作:だめねこ

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第66話

「アクアもルビーも宿に戻るよ?」

 

 アイにそう声を掛けられたけど、居なくなったツクヨミの事が気になる

 

「悪い……ちょっと用事が出来たから先に戻ってくれ!」

「あっ! アクアー! あんまり遅くなっちゃ駄目だよ~」

 

 アイにそう言って30分程スタジオの周辺を探してみたが、ツクヨミは何処にもおらず渋々宿に戻ると……自分の親指を咥えてブツブツ何かを言いながらウロウロしているツクヨミがそこに居た。

 

……ちょっと神様なにしてくれてるのよ! 今そんなことしたらとんでも無い事になるじゃない!

 

 ツクヨミの呟きはあまりにも小さすぎて俺には聞こえなかったが、なにやら大変な事になっているようで慌てていた。

 

「ツクヨミようやく見つけたぞ!」

「あっ! アクア!? どうしたのよ?」

「どうしたもこうしたもあるか! さっきの話の続きだけど一体全体どういうことだ! そしてツクヨミお前は何者なんだ」

「うるさいわね! 今大変な事になっちゃったのに……全く、パパのいないときにどうしてこのタイミングでやるかなー? 神様も一回ぐらい人間になれば良いのに!

 

 こんなに慌てているツクヨミを見るのは初めてだけど……一体何をそんなに慌てているんだ?

 

「あーもーアクアが変な事を考えるから、優しい神様が空気も読まずにやらかしちゃったのよ」

 

 俺が変な事を考えた? 優しい神様? 一体何を言っているんだ?

 

「落ち着けツクヨミ一体何を言ってるのかさっぱりわからん。ちゃんと説明しろ」

 

 俺がそう言った瞬間ツクヨミは一旦深呼吸をして落ち着くように努めた。

 

「アクア……いや、ゴローこの際はっきり言うけど、ルビーが転生者だって事は知っているわよね?」

「……なんでツクヨミがその事を知っているんだ!」

 

 俺とルビーが転生者だって事は誰にも話していないから、知られることは無いハズなのに……それなのにツクヨミは俺が転生者であり、吾郎であった事も知っているようだったが、まさかルビーの事も知っているのか!?

 

「質問は後よ! あとルビーの前世はさりなよ。ゴローあんた気づいてた?」

「え?!? ルビーがさりなちゃんだと!? ……いや、言われてみればそれっぽい面影もあったような気がするが、マジなのか?」

「大マジよ!」

 

 マジか……いや、単にツクヨミが嘘を吐いてる可能性は……あるのか? いや、あったとしてもアクア=ゴローで有る事を知っていたのか見破ったのかは分からないが、ルビー=さりなちゃんだとツクヨミは断言している訳だしそこは信じても良いかもしれないな

 

「……分かった。納得はしていないが、一旦ツクヨミの言い分を信じるが、今何が起きているんだ?」

「……ルビーとアイがゴローの遺体を見つけたわよ!」

「はぁぁぁぁ!?」

「アクアが死体探しなんかするから……ルビーの件はアクアが解決するように! というかこれはアクアにしか解決出来ないから何とかしてよね! 私はもう寝る! お休み!」

 

 俺はツクヨミにそう言われてしまい、その場で立ち尽くすしてしまった。

 いや、ルビーがさりなちゃんだとして、俺がゴローで有る事をバラすとなれば……まさか、3股しないといけなくなるのか?

 流石にそれは無いよなぁ~……無いと思いたいが……

 そんな事を考えていた時だった。

 スマホから着信音が鳴り、取り出して見ると画面にはアイの名前が出ていた。

 そう言えばアイもゴローの死体を見たって言っていたな……

 恐る恐る通話ボタンをスワイプしてアイからの電話に出た。

 

「アクアどうしよう! ルビーと一緒に居るんだけど、白骨死体があってルビーが大泣きしちゃったの!」

 

 ああ、これはツクヨミが言った通りルビー=さりなちゃんであるのは間違い無いようだ。

 

「アイ落ち着け! まずは警察に連絡して事情話して来てもらうんだ。俺の方から斎藤社長に連絡するから決して周りの特に白骨遺体に触らない様にな」

「それなんだけど……白骨遺体が持っていたアイ無限恒久永遠推しステッカーを握りしめて離さないの! アクアどうすれば良いの!」

 

 ……どうすれば良いんだろう?

 だって元々はさりなちゃんのだし……

 

「それは……そのままで良いから警察には言わないでくれ」

「……そうするよ」

 

 ああ、俺が死体探しなんかしなければこんなことにならなかったのか……

 いや、そもそもこんなご都合主義みたいな事が起るなんて思う訳無いだろうが!

 

 

 その後警察が来たようで、現場の確認や鑑識なども行われ、アイとルビーは第一発見者と言う事で警察署にて事情聴取を受けた。

 

 気が付けば時間も午前3時を過ぎており、迎えにはミヤコさんが行った。

 

「はぁ~まさかこんな事に巻き込まれるなんてなぁ~」

「……そうですね」

 

 宿に戻って寝るって選択しもあったが、まさか俺の都合で大変な事に巻き込んでしまう事になるとは夢にも思わず、外のベンチで斎藤社長と一緒に待つことにした。

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