アイとルビーから今度の日曜日にたこ焼きパーティーをカミキさんの事務所で行うと言われた。
幸いこの日は完全OFFの日だったので問題無く、朝からカミキさんの事務所に向かった。
「「たこパ♪ たこパ♪」」
アイとルビーの二人は物凄く楽しみにしており、2人揃って歌っていた。
しかし、日曜日って事は他の子供達も多数いる訳なので食材費も馬鹿にならないだろうし、何より準備も大変だろうな。
そんなことを考えていたらカミキさんの事務所に着いてしまった。
「ヒカル君お邪魔するよー♪」
「お邪魔しまーす」
アイとルビーはそう言うと無遠慮に事務所のドアの鍵を開けて入って行った。
毎度の事ながら思うが、インターホンって概念がアイの頭の中にあるのか疑問である。
実際は夫婦で有る訳だし、何よりアイはカミキさんの事務所の鍵も持っているのだから問題は無いのだけれど……傍から見たらどう映るのか、不安で仕方が無い
アイとルビーを追って俺も事務所の中に入るとたこ焼きの良い匂いが漂っており、俺の食欲を刺激し始めた。
玄関には大量の靴がある為、子供達も既にいるようだ。
リビングに差し掛かったところでカミキさんの姿が見えた。
カミキさんは頭にタオルを巻いて長い髪の毛が邪魔にならない様にしていたが……それだけで無くタンクトップに半ズボンと言ったラフな格好をしており、シナモンスティックを咥えながらもせっせとたこ焼きを焼き続けていた。
「カミキさんこれお餅が入ってて美味し!」
「こっちは納豆だぁ~」
「キムチとお餅のも美味しい」
子供達からは大好評みたいだけれど……カミキさんは苦笑いだった。
テーブルには大きな皿が10枚あり、それぞれ種類ごとに別れているようでスタンダードな物から餅や納豆と言った変わり種の物もあった。
「もぐもぐ……兄さん俺はやっぱり紅ショウガのが好きだな」
「私もそれには同意する。スタンダードこそ原点にして頂点」
姫川さんとフリルも子供達に交じって食べているが、表情は全く変わっておらず無表情でパクパク食べていた。
「ヒカル君私も手伝うよ♪」
「あ、大丈夫ですからアイさん達も好きなのどんどん食べててくださいね」
「良いんですか?」
「勿論です」
カミキさんはそう言うと両手にピックを持って器用に作り続けていた。
「じゃあ、お言葉に甘えて頂きます」
「私もー」
ルビーはそう言うとテーブルに置いてある爪楊枝を取りたこ焼きを食べ始めた。
アイも同じくたこ焼きを食べているのだけれど、目線だけはカミキさんのラフな格好に釘付けになって居た。
アイの感覚で近い物とすると、恐らく男性がグラビアの美少女を見てる感覚なのだから、カミキさんの事を視姦しているようなものか?
フリルも様子がおかしくカミキさんの胸元をチラチラと見ていた。
「お兄ちゃんもカミキさんみたいにサービスしても良いんだよ?」
たこ焼きをハフハフしながらも蠱惑的な笑みを浮かべてルビーは突然言い出すが……
「……誰に需要があるんだよ」
「私は勿論だけど先輩やあかねさんにはあるよ!」
少なくとも熱で汗ばんでいる為か汗を掻いてるカミキさんよりは無いと思うけど……
そんな事を考えているとインターホンが鳴り響いた。
「私が出るよー」
「アイさんすみませんがお願いしますね」
「任せて!」
アイはそう言うと玄関に向かって行った。
やはりアイにはインターホンて概念が無いのかもしれない
噂をすればなんとやらあかねとかなとみなみとみゆさん一家も到着した。
「すみません遅くなりました。カミキさん私も何か手伝いますよ」
「わあ、すっごい美味しそう。カミキさん私は食べてますね」
あかねは手伝いを申し出るがかなはすぐさま食べる事を選んだ。
「あかねさん大丈夫ですから食べててくださいね。かなさんも色々と種類がありますから楽しんでください」
カミキさんは目線をこっちに向けてにこやかに笑いながらも返答するが手の動きは止まらずに作り続けていた。
「カミキさんアーンして欲しいな」
「カミキさんは忙しいから無理言っちゃ駄目だよ姉さん!」
そんな事を考えていたらツクヨミがカミキさんに後ろから抱き着き言い放った。
案の定ウズメからすぐに注意されたけどツクヨミはカミキさんから離れる事はしなかった。
「大丈夫ですよウズメ。これくらい大したことはありませんから、はいツクヨミあーん」
それに対してカミキさんは右手に持っているピックで既に出来て時間が経っているたこ焼きを刺してツクヨミが大きく開けている口に目線を向けずに持って行った。
「あーん……うん、お餅とチーズが入っててすっごく美味しい!」
「あっ……姉さん良いなぁ~」
ツクヨミは頬っぺたを抑えながら嬉しそうにしているが、その様子をウズメは……いや、アイやフリルにみなみも見ていた。
「ウズメも同じので良いですか?」
「……!? は、ハイお願いします」
「ハイあーん」
「あ、あーん」
ウズメは恥ずかしがりながらも口を開けてカミキさんにアーンをして貰った事で物凄く嬉しそうにしていた。
「カミキさんありがとー」
ウズメの番が終われば猛獣達が次は自分の番だと主張しようとしたところでツクヨミから更なる爆弾が投下された。
「カミキさんありがとう……ちゅー」
「「「「ああ!」」」」
ツクヨミは自身の口にソースが付いてるのもお構いなしにカミキさんのほっぺにキスをした。
当然そうなればカミキさんのほっぺにソースも着く訳で……
「カミキさんごめんソース付いちゃった♡ ちょっとそのまま動かないでね」
「……ツクヨミ? ティッシュか何かで拭きとってくれればいいので、わざわざ舐めとらなくてもいいですよ? それに私汗かいてますし……」
「私は気にならないよ?」
「……そうですか」
どことなくツクヨミの態度に首を傾げているカミキさんであったが、よだれを垂らした猛獣がすぐ傍にいる事を忘れていたようだ。
「アクアぁ~私にあ、あーんしてよ」
「アクア君、私もかなちゃんの次で良いから……」
「私は関係無くチューするけどね!」
どうやら俺も猛獣に囲まれていたようだけど、ルビーには自重して欲しいものだ。
「みんなお盛んだなー」
たこ焼きを食べていた姫川さん一言そう呟いたが、この状況でなんで動じねーんだコイツは?