カミキヒカルになりました。(本編完結)   作:だめねこ

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第76話

 ルビーによる『深堀れ☆ワンチャン』のリポーターも概ね高評価を頂いており、斎藤社長やミヤコさんも小躍りする位には喜んでいた。

 

「よし、ルビー! これから忙しくなるから成績を落とさない様に十分注意してくれよな!」

「ももも勿論だよ。壱護さん」

「じゃあ、次の持ち込み企画考えて置くから頼むぞ! ミヤコはネット部門どうなんだ?」

「ぴえヨンさんが頑張ってくれてるから問題ないわ」

「そうか……本当に今の世の中何が当たるのか全く分からないな」

 

 俺もその意見には完全に同意している。

 海パン姿にひよこを模した被り物をしており、動画の内容はピヨピヨ言いながらの筋トレ動画で年収が一億とか……不思議で仕方が無い

 

 アイでさえ年収は一億には届いていないし、カミキさんは一日あれば競馬でこの前の『深堀れ☆ワンチャン』みたいに稼ぐ事は出来るが……実際のところ仕事だけでの収入ではカミキさんの収入が一番少ないのだ。

 高峯さん達の収入と事務所の取り分が6:4ぐらいだけどカミキさん自身の取り分に関しては1:9にしている。

 これ……ギャンブルが馬鹿強いカミキさんだから成り立っているけど、普通なら無理だ。

 

「ところで最近カミキの奴に会って無いけど大丈夫なのか? この間の競馬の回でバカ勝ちしていたし……」

「……私も見たわ。36億稼いで28億持って行かれて手元に残ったのは8億だったわよね。あの回は衝撃が強すぎたわ」

「ああ、ネットでも色々と書かれていたしな……」

 

 結果的には8億が手元に残った訳だから勝っているじゃねーかと否定している奴等と28億持っていかれてる以上大負けしたと言えるだろうが! と肯定している奴等としかし使ったお金は最初の100円だけだと極めて冷静な事を書く空気の読めない奴等によるみつどもえの戦いになっていた。

 

「その後のアイさんのアルハラ回も凄かったわよね」

「そうでしょ! 私のおかげだよね!」

「いや、俺の企画のおかげだろうが! アイは最初と最後ぐらいしか喋ってねーからな!」

 

 もっと言えばノーギャラで体を張ったカミキさんと巻き込まれたカナンさんのおかげなんだが……しかし流石にそれを言うのは野暮か 

 

「しかし、あのプロデューサーが暴れなくてよかったですね。もし暴れたりしたらカミキ君やカナンさんは危なかったわよ」

「生放送だったら確かにやばかったが、アレは収録のやつだから編集すればどうとでもなる」 

「壱護……まさかあなたあの場に居たんじゃないでしょうね?」

 

 ミヤコさんの問いに壱護さんは目線を逸らすとミヤコさんは頭を抱えてしまった。

 

「まぁまぁミヤコさん。今回は終わりよければ全て良しって事にしておこうよ」

「……アイさん。そうね、もう終わっちゃった訳だし……」

 

 アイの言葉にミヤコさんはため息を吐きながらも納得したようだ。

 

「じゃあ、私はヒカル君の所に行ってくるね♪」

「あ、私も行くー」

 

 アイとルビーはそう言うと俺の方をじっと見てきたが……

 

「いや、俺はララライの稽古があるから辞めておくよ」

「そっかーじゃあ仕方ないね」

「じゃあ、お兄ちゃんの分まで楽しんで来るよ」

「カミキさんの事務所はアトラクションか!?」

 

 思わず突っ込んでしまったが、アイもルビーも聞いてはおらず苺プロを出てしまった。

 

「ハァーアイやルビーも困ったもんだな!」

 

 壱護さんはため息を吐いているが、その後ろでミヤコさんがジト目でこっちを見ている事には気が付いていないようだった。

 

「ただいまー」

「戻りました」

 

 そんな事を考えていたらかなとあかねが戻って来た。

 

「おかえり」

 

 二人に返事をすると二人は一気に俺の傍に近寄って来た。

 

「アクア疲れたー私を労って!」

「私は頭を撫でて欲しいなぁ~」

「……分かった」

 

 最近二人は甘える事に覚えた所為か限られた空間で俺を見つけるとすぐさま近寄ってべったりくっ付いて来るのだ。

 最初こそ壱護さんやミヤコさんも動揺していたが、今では見慣れた光景だし事務所内ならば多少イチャつく位は不問にしてくれていた。

 まースキャンダルも何も公式であかねと付き合っているし、3人で出かける事もあるから撮られた所で問題は無い

 

「ところで最近MEMを見ていないけど大丈夫なのか?」

 

 事務所に来てもMEMとは最近全くあって無いから心配なのだ。

 

「そうね。私もライブの時や動画の時ぐらいしか会ってないわね」

「MEMさんも企画・編集とやる事いっぱいあるし大丈夫かな?」

 

 どうやら二人もプライベートでは最近全く会っていないようだった。

 

「今何してるんだMEMは?」

 

 俺の呟きにミヤコさんは頬に手を当てて困った仕草をしていた。

 

「あ~MEMさんなら今頃仮眠室で寝ているわよ。ここ最近は家に帰る時間も惜しんで、動画の編集やっているのよ」

「ああ~だから動画のアップが早いのね」

「ライブが終わった後の楽屋裏動画なんかも鮮度が高い内に挙げているし……もしかしてMEMさん私達以上に忙しかったりするのかな?」

「今現在起きてる時間が仕事の時間で寝ている時間が休憩時間ね」

 

 苺プロが思った以上にブラックだった件について……

 

「ちなみにアクアの倍以上は稼いでるわね」

「俺も結構な金額稼いでるんだが?」

「ネットは青天井だから制限なんてないわよ。それに分配に関して言えばMEMさんが4で後は事務所も含めて1だしね」

 

 分配に関しては俺がどうこう言うことは無いが、仕事の時間には制限を掛けないとだめだろう!

 

「……MEMだって若くないんだから、無理をさせると体を壊すぞ」

「……そうなのよね」

 

 俺がMEMの心配をしている時だった。

 不意にかなとあかねに頬っぺたを抓られた。

 

「ふぉにするんだ?」

「……私は別に構わないけど? 構わないけどね?」

「アクア君……MEMも入れる気なの?」

 

 ああ、この手の事に関しては俺は信用が全く無い様だった。

 何せ絶賛3股中なのだから……

 

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