カミキヒカルになりました。(本編完結)   作:だめねこ

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第78話

 テストも終えて、ようやく私はまたアイドルの道を歩く事が出来た。

 アクアに抱かれている時は大丈夫だけど……あの日宮崎で先生の死体を見た時に胸からあふれ出したドス黒い感情は今でも忘れる事は出来ないでいた。

 

 あの時は先生を殺した犯人をカミキさんにお願いして見つけ出して殺してやると思っていたけど……冷静になって考えてみると16年も経っているし、何より証拠が無いので見つけるのは不可能だと私は考えるようになった。

 そもそもカミキさんにお願いするにも私やアクアが転生者で有る事を言わないといけない訳だし、私の一存で先生の事を話すのは気が引けてしまう。

 

 そして、私は今更ながらに思うのだ。

 

 ”何故ゴロー先生は殺されたのか?”

 

 その答えは……分かり切っていたし、私自身もそうだから周りの女性もそうなるに違い無いのだ!

 

 ”ゴロー先生は思わせぶりな態度を不特定多数の女性に行ったが故に審判を下された”

 

 そう! そうだ! そうに違いない!

 

 そして、アクアとなった今現在も二股を行っている以上、ゴロー先生の時と同様にいつの日か審判を下される事は間違い無いはず……

 

 

 でも、私が居る以上アクアは決して殺させない

 

 例え先輩やあかねさんがアクアから離れても私だけは絶対に見捨てないで手を差し伸べ無くてはならないのだ!

 

 守らなきゃ……私がアクアを守らなきゃ……

 

 

 

 そんな事を考えている時だった。

 

「アクアが今出ている『深堀れ☆ワンチャン』に出て見ないか?」

「出る!」

 

 丁度良いタイミングで斎藤社長から仕事が振られたから私は一も二も無くすぐさま飛びついた。

 

 幸いカミキさんとママのおかげもあり、話はすんなり通ったし……持ち込んだ企画も鏑木さんに見せたら好評だったので私はリポーターに抜擢された。

 その時鏑木さんが終始ニヤニヤしていたのが気になるけど……ま、気にしても仕方ないよね。

 

 そして、番組に出るようになればおのずと裏側も分かる様になる。

 

 パワハラ・モラハラ上等の漆原Dにこき使われているADの吉住さんの存在だ。

 

 誰が見てもアレはあんまりな光景だし、いずれ爆発するのは何となくではあるけど分かった。

 けど、それを誰もが見て見ぬふりをしていた。

 

  

 だから、私はその手の事が得意なカミキさんに相談した。

 

「カミキさーん! 『深堀れ☆ワンチャン』の漆原Dなんですけど物凄いパワハラ・モラハラをADの吉住さんにしているんですけど何とかなりませんか?」

「……えっとー。ちょっと待ってくださいね?」

 

 カミキさんはそういうと紙とペンを用意した。

 

「お待たせしました。それでは状況を教えてくださいね」

「分かったよ」

 

 それを私は身振り手振りも交えて30分位かけてカミキさんに伝えるも……カミキさんが紙に書いたのはたったの三行程度だったのは納得いかないけど、私が言いたい事が簡単に纏められていた。

 やっぱり、カミキさん東大卒なだけあって頭が良い!

 

「……ルビー喋り続けてますので喉渇きませんか? 麦茶がありますから持って来ますね」

「カミキさんありがとー」

 

 うん、こうやって気を配れるのもポイントが高いよね。

 お兄ちゃんもカミキさん位突き抜ければ心配無いけど……性格的に多分無理だよね。

 先輩なら良い意味で振り切っているから、お兄ちゃんを刺す心配は無いけど……一番の問題はあかねさんなんだよね。

 あかねさんの価値観は普通のハズなのに、それとは別に行動力が異常過ぎる。

 今は先輩がいるから、ブレーキがかかっているみたいだけど……ブレーキなんていずれは壊れるものだからなんとかしないと……って考えが逸れた。

 

「ルビーお待たせしました」

「あ、麦茶頂きます」

「どーぞ」

 

 くぅー夏はやっぱり冷たい麦茶がサイコー!

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「っという訳で先生の事は私が守る!」

「さっぱりわからんけど……とりあえず、『深堀れ☆ワンチャン』の炎上に関しては故意にやったって事で良いんだな?」

「うん、カミキさんにちゃんと相談したら、『知らないところで爆発すると対応出来ませんから、対応出来るようにこっちで爆弾を用意して爆発してもらいましょう』って言っていたよ」

 

 あ~カミキさんならそう言いそうだし、現に番組も炎上はしたものの高視聴率だった訳で、ルビーの名前も売れたが……

 

「だけど、ルビーが呼んだあのメイヤって子は? あの子がリークするかどうかは分からないだろう?」

 

 俺がそう言った瞬間ルビーの目が黒く輝いた。

 

「これに関してはメイヤさんはリーク癖があるってカミキさんに言ったら『一度でも逃げた人間は同じ状況に陥れば必ず同じ事を繰り返す』って答えたよ」

 

 それは俺も以前カミキさんに言われた言葉であったが、まさか状況再現を意図的に起こしその人の思考を操るとは……とんでもない人心掌握術だ。

 

「確認だけど、メイヤとは友達じゃないのか?」

「違うよ? 私は口が軽い人は嫌いだしね。……後誤解の無いように言っておくけど今回の意図を考えてくれたのはカミキさんだけど、決して望んでいた訳じゃ無いからね」

 

 カミキさんは俺達子供には甘いからな……頼られたからには結果を出すし俺とルビーも番組に関わる以上はどこかの企画で爆発して巻き込まれる可能性があった訳だから軽症で済むように考えたのだろう

 だから、番組出演者に対しての誹謗中傷は一切無く、漆原Dに対してのコスプレ謝罪wwで終わっていた。

 

 カミキさんもギリギリを攻めたものだ。

 

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