「だから先生は安心して女遊びして良いからね」
「……理解力のある妹で涙が止まらねーよ」
いや、もう……ルビーの誤解を解かないと本当にマズイ
だが、ツクヨミの事を言う訳には……行かない理由が無いな!
「ルビーよーく聞いてくれ」
俺は徐にルビーの両肩を掴むと、ルビーは一瞬驚いた様で目を大きく見開いたが……
「分かった。じゃあ早く家に帰って続きはベットの中でしようね♡」
そういうとルビーは目を閉じて唇をタコみたいに突き出して来てキスをせがんで来た。
「俺は女性関係で殺された訳じゃないぞ」
厳密に言えばアイの主治医だったので、あのストーカー野郎に崖から突き落とされた訳だから、女性関係と言うのはあながち間違いでは無いけれど……まぁ良いだろう
「私も入れて今3股しているのに?」
そうだけど……そうなんだけどね。
「……少なくともゴロー時代は浮気やそう言った事はしてない。で、話を戻すがゴローを殺した奴は俺達が赤ちゃんの時に自宅に突撃して来たリョースケなんだが覚えてるか?」
「う~ん。確かニュースになったのは見た記憶があるし、その時酔っぱらったカミキさんをママがお持ち帰りした日だよね」
あれが初めてカミキさんに会った日であるのだが……今思うと下手をしていたらカミキさんが刺されて死んでいた可能性もあったんだよな。
今更ながらに思ったけど、もしあの時カミキさんが死んでいたら俺達は一体どうなっていたのだろうか?
きっとその先には今みたいに笑い合えてはおらず、俺もアイもルビーも復讐に囚われた生き方をしていたかもしれないな
「ああ、そのインパクトが強いけど……結果としてリョースケは捕まったから、問題は無いぞ」
「でも、先生? 私はそんなに法律に詳しく無いけれど……出所してる可能性はあるよね?」
ルビーの心配しているとおり、殺人未遂罪は死刑または無期懲役、もしくは懲役5年以上ではあるものの、結局の所は未遂であるので減刑される可能性も勿論あるし、模範囚だったりすれば、もっと早く出てきている場合があるのだが……
「法律で出所情報・処遇状況等の通知制度って言うのが存在するから、俺も調べたんだ」
あの日宮崎に行ったときにツクヨミから聞いた情報を俺は全部丸ごと信じた訳では無い。
しかし、調べるにしても時間は必要だったが、それでもようやく裏が取れたのだ。
「……結果から言えばあの日来たストーカーのリョースケは旭川刑務所に入れられて半年後に獄中死していた」
「え!? し、死んだの?」
ルビーは驚いていたようだが、俺もこの事実を知った時は酷く動揺したものだ。
殺人未遂でまさかリョースケがこの日本において過酷な刑務所の一つである旭川刑務所に収監されたのも驚いたが、既に死亡していたのだ。
どういった訳か、リョースケの罪状が刑務所内に知れ渡っていたようで同じ部屋にいた囚人からは毎日の様に暴行を受けていたようだ。
「だから、ルビー……雨宮吾郎の事は気にするな」
「そっかぁ~。でもねアクア……私こうも考えるんだけど、このままアクアがカミキさんみたいにハーレム築いたら間違いなくあかねさんに殺されちゃうよ?」
そうなのだ。
俺自身そんな気は全くなかったハズなのに……気が付いたら2股どころか実妹にも手を出しているクソ野郎になっていた。
となると、いずれ俺はあかねに殺されるのだろうか?
「でも、それは私があかねさん以上に力があれば防げるし、先輩を味方に付ければ実質2対1に持って行けるからさ。私がビッグなレジェンドになるまで協力してよ」
頭の悪いルビーを神輿にするよりも現実的なかなを担いだ方が良い気がするのは気のせいだろうか?
しかし、これは俺のやらかしだし……一体どうすれば良いのだろうか?
何か……俺は決定的な見落としをしていないだろうか?
どこかにあるはずだと考えて見ても何も思い着かず……
「ほら、帰るよお兄ちゃん!」
「あ、ああ」
ルビーに手を引かれてしまい、気が付いたら俺は家に帰っていた。
そして、『深堀れ☆ワンチャン』の炎上後にルビーは数々の番組に出るようになり、それまでの生活とは一変して成功を収めていただけでなく、何時の間にか苺プロの人事にも口を出せる程にまでルビーは強くなっていた。
「こ、この度はルビーさんにスカウトして頂きました。元ADの吉住と妹の未実です。よろしくお願いします」
吉住はそもそもADとして鍛えられていたから実務・雑用に関しても問題無かったが……
一か月後に吉住の妹である未実が前世バレしてしまった為、当然Vチューバーなど出来るはずが無く今では……
「MEMさん私が編集とかやって置くので今日はもう休んでてください」
「未実ちゃんありがとー」
個人勢だった時の経験を活かして、MEMの手伝いをするようになりMEMはついにブラックから抜け出す事が出来た。